6月9日(木)
圭一「…なんとかなるかーーー!」
昼食の時間、圭一は叫び出した。
圭一の両親は事情により、数日間家を空ける事になり、一人暮らしによる自炊を余儀なくされた。
レナ「圭一君の両親って大変なんだね」
圭一「そういう事じゃなくて、飯だよ、飯!親が居ない間どうすりゃ良いんだよ!?」
沙都子「それなら覚悟を決めて自炊なされば良いじゃありませんか」
レナ「そうそう、自分で作ったご飯ってとっても美味しいよ」
魅音「うん、たまにはそういう経験も良いね」
梨花「お指を切ったり、火傷をしたりで、かわいそ、かわいそ、なのです」
御影「まったく、圭一君!自炊出来ないと、今の時代やって行けないよ!僕なんか天涯孤独なんだから、日本料理からフランス料理、ゲテモノ料理までありとあらゆる料理が作れるのに嘆かわしいよ!」
圭一「ぬぬぬ…!御影、お前にだけは言われたくないぞー!」
部活メンバーと夜白御影は、圭一に対して笑いながら言った。
夜白御影は、一週間前に転校して来た人物だ。
初日からクラスメイトと先生を騙した手腕で今もクラスを引っ掻き回すクラスメイトの一人。
部活メンバーと良く会話をするが、部活には頑なに参加しようとしない変わった人物である。
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圭一は、自宅に帰るとエプロンをつけ自炊に励もうとする。
玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けると御影が居た。
御影「圭一君だけじゃ黒炭料理ダークマターが関の山だからね、手伝いに来たよ!」
御影はそう言って、材料が入ったコンビニ袋と一緒に圭一の家に入って来た。
圭一と御影は、協力して料理を作り始めた。
圭一が切った料理を御影が火で揚げると、たちまち火柱が上がった。
御影「どうだ、僕の料理の腕前は!」
圭一「おお!まるで、料理の鉄人みたいだ!」
沙都子の驚いた声が上がった。
沙都子「何をしてるでございますの!?早く火を止めなさいですわ!」
沙都子と梨花は急いで火を止めた。
圭一「なんでお前ら俺の家にいるんだ!?住居不法侵入だぞ!」
沙都子「それを言うなら、圭一さんと御影さんは放火の現行犯でございますわよ!もうちょっとで大火事でございませんの!」
圭一「えっ!?あれって料理じゃないのか!?」
御影「始めて料理してみたけど、上手くいかないもんだね~」
圭一「おい、御影!お前、騙したな~!」
梨花「ボクと沙都子が来なかったら、今頃ボーボーで消防車がウーウーでしたのです」
圭一「すみませんでした…。お二方は命の恩人です…」
圭一は、沙都子と梨花に深々と感謝した。
沙都子は、そんな圭一に怒らず微笑んで言った。
沙都子「まったく、世話が焼けますわ」
沙都子は、台所を借りて圭一達の晩御飯を作り始めた。
圭一「まさか、沙都子に晩飯を作って貰うとはな」
沙都子「圭一さん。ボーっとしてる暇がございましたら、お茶碗とお箸の用意をなさいませ」
御影「そうだよ、圭一君!働かざる者食うべからずだよ!」
圭一「お前は、何ちゃっかり自分の分だけ用意してるんじゃー!」
沙都子「まったく、御影さんは…。私と梨花も食べますから、用意お願いしますわ」
圭一「はいはい!」
圭一は、沙都子に言われてせっせと用意していく。
梨花は、そんな様子を微笑ましく見ていた。
食卓に全てのご飯が揃い、圭一達は夕食を頂こうとした。
圭一「いっただきまーす。…ん?美味いな、これ!」
圭一は、沙都子の作った夕食を箸を止めずに食べていた。
沙都子「ホホホ…。褒められるのは嬉しいですけど、そんな立派ではございませんのよ…」
圭一「いや、これは立派な夕食だよ!」
御影「本当に美味しいね!将来、良いお嫁さんになれるよ!今まで生意気なクソガキだと思ってごめんね」
沙都子「御影さんは、一言余計ですわよ~!」
四人は、前原家で夕食の時間を楽しく過ごした。