6月13日(月)
沙都子が、学校を休んだ。
圭一が梨花に原因を尋ねたが、黙り込んでいて明確な解答は得られなかった。
御影が梨花に聞いて来た。
御影「梨花ちゃん。沙都子ちゃんのお見舞い行こうと思ってるんだけど、沙都子ちゃんってどんな果物が好きかな?」
梨花「みー…。別に来なくても大丈夫なのです…」
御影「何言ってんの!?僕は、こう見えても困ってる人を放っておけない人間なんだ!沙都子ちゃんには一飯のお礼もあるし、遠慮なく言ってよ!でも、僕の財布事情を考慮した上でお願いしてね」
梨花「御影の顔を見たら、沙都子は逆に悪化してしまうのですよ…」
御影は沙都子のお見舞いに行こうとしていたが、梨花はそれを頑なに止めた。
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6月14日(火)
沙都子が、また学校を休んだ。
昨日同様、梨花の顔は暗いままだった。
御影が登校して大声で梨花に詰め寄った。
御影「梨花ちゃん!昨日は、よくも騙したね!」
クラスがざわりとする。
梨花「…何の事ですか?」
御影「何の事だって!?昨日、沙都子ちゃんのお見舞いに果物を買いに行ってたら、買い物先で沙都子ちゃんに会ったんだよ!そしたら、沙都子ちゃんはビールやらつまみやら大量買いして運んでいたんだ!僕はビックリしたよ!梨花ちゃんが、病人の沙都子ちゃんにこんな鬼畜外道な事させてるのかってね!」
梨花も驚く。
昨日、あれほど来るなと言ってたにも関わらず、御影はそんな事をお構いなしにお見舞いの準備をして来ようとしていた事。
そして、沙都子と偶然にも出会っていた事に。
御影「その後、反対する沙都子ちゃんの荷物を持って上げて同行したんだ。梨花ちゃんに一言文句を言おうと思ってね!でも、いつもと帰る方向が違ってて、気が付いたら見た事もない一軒家に到着したんだよ。そしたら、中からイカついオッサンが出てきて急に怒鳴り始めたんだ!」
その言葉を聞いて、クラス一同青ざめる。
御影「そこで理解したよ。この買い物は、このオッサンが強要したものだってね。よくよく考えたらビールは梨花ちゃんに見合わないよ。どっちかって言うとワインが見合うよね。その点だけは謝るよ」
レナ「それって、まさか…」
魅音「あいつ、まだ生きてたんだ…。よくも、ノコノコと…!」
慌てるレナ、怒る魅音、事情が掴めず混乱する圭一。
圭一「お、おい。どうしたんだよ?誰だよ、そのオッサンって!?」
レナ「…きっと、沙都子ちゃんの叔父さんだよ」
沙都子の叔父。
御影から聞いた事がある。
嘘か本当か知らないが、悟史と沙都子に夫婦で暴行と虐待を繰り返したという人物の一人。
圭一は、事態の危険性を理解した。
圭一「それが本当なら、不味いんじゃないのか!?今すぐ沙都子を助けに行くべきだろ!!」
圭一は、皆に急かす様に言った。
御影は、圭一の言葉に対して笑顔で言った。
御影「大丈夫だよ、僕が昨日の内に児童相談所に電話しといたんだ!僕だってバカじゃないし、人でなしじゃない。今頃、沙都子ちゃんは救出されてるはずだよ!」
その言葉に、圭一は安堵したが、逆に魅音は青ざめた。