6月2日(木)
御影が転校して二日目の放課後。
圭一「御影!まだ部活に参加出来ないのか?」
御影「ごめんね~。一人暮らしの上に荷物が多くて、まだ終わりそうにないんだ」
圭一「なら、俺が手伝ってやるよ。人手が多い方が良いだろ?」
部活メンバーは、御影がまた突拍子もない嘘で圭一をあしらって一人で帰るのではないかと思っていた。
御影「本当に?嬉しいな、圭一君が居たら百人力だよ!僕の荷物は女性に見せられないあんな物やこんな物がいっぱいあって整理に困ってたんだ~」
レナ「あんな物!?こんな物!?」
梨花「みぃ、レナが鼻血ぶーで倒れてしまったのです」
沙都子「ふ、不潔ですわ~!!」
魅音「おじさんは、御影がそこまで変態だったなんて驚きだよ…」
圭一「バカ野郎!男は皆変態なんだ!変態の何が悪い!!」
御影「圭一君の言う通りだよ!じゃあ、宜しくお願いするね!」
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梨花「思いの他、上手く行きましたです」
魅音「後は圭ちゃん次第だね。毒されなければ良いけど…」
レナ「大丈夫だよ。圭一君も御影君に劣らないよ!」
沙都子「レナさん、褒め言葉じゃないですわよ…」
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圭一「そういえば、何処に住んでるんだ?」
御影「ゴミ山の近くさ。あそこは人が居なくて静かで良い所なんだ」
圭一「へぇ~。それでどれ位の荷物が残ってるんだ?」
御影「引っ越しの荷物なら、とっくに全部整理したよ」
圭一「えっ!?だって、お前さっき…」
御影「いやだなぁ。引っ越しの整理を終わらせずに、転校なんてする訳ないじゃないか」
またも、御影の嘘に引っ掻き回されたと知る圭一。
しかし、腑に落ちない事がある。
御影は、なぜ圭一と帰る事を選んだのかだった。
御影「圭一君に聞きたい事があってね。雛見沢のダムの話は何処まで知ってる?」
圭一「国がこの村を潰してダムを作ろうとした話か?」
御影「それだけ?」
圭一「そ、それだけって…。村の住民が一致団結してダム計画を中止させたんだろ?それ以外に何かあるのか?」
御影「バラバラ殺人事件」
圭一「え?」
御影「ダム工事現場の監督がバラバラ死体で発見された事件だよ。知らないの?」
圭一「…あ、そうか。これも嘘なんだな。脅かすなよ、マジかと思ったぜ」
御影は、圭一を凝視したままだった。
凍り付く様な空気が辺りを覆い尽くした時、御影は言った。
御影「皆は圭一君に秘密にしてたんだ。ごめんね、今の話は忘れて良いよ」
圭一は、気が付くと御影の家に到着していた。
一人暮らし程度の大きさであり、ゴミ山の近くで静かな所だった。
御影「せっかく来てくれたんだし、お茶でも出すよ。ささ、遠慮しないで」
御影は、いつものヘラヘラ顔で圭一を迎えた。
圭一は、さっきの話を言及すべきか考えていた。
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圭一は、御影の家で少し休んだ後にゴミ山に向かった。
もしかしたら、レナが宝探しをしているかもしれないと。
しかし、レナは居なかった。
圭一「こんな時間だしな。来てたとしても、もう帰っちまったか…」
諦めて帰ろうとしたら、後ろから眩しい光が襲った。
圭一「うわっ!」
???「やぁ、圭一君。こんな時間に出会うなんてね」
圭一「と、富竹さん!?」
彼はフリーのカメラマンの富竹。
雛見沢の野鳥を撮っているらしいが、野鳥の撮影をしているところは見た事がない。
以前、圭一は富竹と話す機会があり、富竹が雛見沢に詳しい事を思い出した。
圭一「あの…富竹さん。この辺りで何か事件があったらしいんですけど…知ってますか?」
彼なら、何か知っているかもしれない。
圭一は茶化される事も考えて、御影から聞いた部分は伏せて質問した。
富竹「…現場監督がバラバラ死体で発見されたんだ。犯人達は被害者を鉈やツルハシで滅多打ちにして撲殺し、斧で六つに分割したって話さ。まだ遺体の一部が見つかってないらしい」
圭一は、息を飲んだ。
御影から聞いた話とほとんど同じだったからだ。
富竹「当時は週刊誌に載るほど大きな事件だったんだ。圭一君は引っ越してばかりで知らなかったんだね」
圭一はそんな事件があったとは露にも思わなかった。
御影はなぜ知っていたのか?
御影が梨花に呼ばれた事を思い出した。
梨花がその時に御影に話したのか?
なぜ、自分には何も話してくれないのか?
そんな疑問が頭の中を駆け巡ったが、答えは出なかった。