6月18日(土)
沙都子が、学校を休んだ。
重苦しい雰囲気が教室を覆っている。
御影「沙都子ちゃんの不登校ぶりは困るよね~。僕もクラスから迫害されてる様な気がするけど、こうして登校してるんだからさ~」
誰も何も返さない。
御影「綿流しの祭りの日は豪雨注意報があるんだって。圭一君知ってた?」
圭一「…ん?わりぃ。なんだって?」
圭一は、沙都子の叔父を殺す段取りを考えていた。
御影「酷いよ!圭一君は、唯一無二の友達と思っていたのに!」
圭一は、御影が叫んだので謝った。
圭一「す、すまん!そうだ、祭りの時は俺が奢ってやるよ!な、それで勘弁してくれよ!」
御影の表情が笑顔になった。
御影「本当!?やっぱり、持つべきものは友だよね!」
放課後。
圭一は、この犯行計画を実行する為に一人で下校した。
御影にも協力して欲しいと思ったが、御影が負っている怪我の状況を考えると不可能に近かった。
それでも、御影は圭一に知識を与えてくれた。
圭一は、それだけでも御影に多大な感謝をしていた。
犯行場所を決め、その近くにシャベルで大穴を掘り始めた。
幾度となく挫折しかけたが、沙都子の状況を考えると止める事は出来なかった。
御影は危険を顧みず児童相談所の通報を続けているのに、状況は一向に好転しない。
もはや、自分にしかこの状況を打開出来ないと圭一は確信した。
圭一は、この犯行準備を出来る限りの時間を使って行った。
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6月19日(日)
綿流しの祭り当日。
圭一は、御影に電話した。
御影「やぁ、圭一君!何の用だい?今になって『奢るのなし』なんて言わないでよね!」
そういえば、そういう約束をしていたなと思い出した。
圭一が祭りに来ないと知ったら、御影はきっと問い詰めて来るであろう。
だから、御影には自分が祭りに行けない事を伏せて、沙都子をあの家から出す様に仕向けないといけない。
圭一「いや…お願いがあるんだ。沙都子を祭りに誘ってくれないかな…?」
御影「…良いけど、なんで僕に頼むんだい?」
圭一「今の沙都子って…お前としか話さないだろ?他の皆は声掛け辛いって言うし…。お前にしか頼れないんだ…」
少しの沈黙。
御影「分かったよ!圭一君のお願いじゃ断り切れないね!何がなんでも沙都子ちゃんを祭りに連れて来るよ!」
電話は切れた。
圭一は、すぐに次の準備に取り掛かった。
沙都子の叔父を電話で外に呼び出す事に成功した。
雑木林の道でバットを持って襲い殺し、用意してあった穴に死体を放り込み埋めた。
何事もなく帰宅する事が出来た。
全ては計画通りだった。
『予定外の事態』も『予想外のアクシデント』もなかった。
圭一は、御影に対して『自分が祭りに来れなかった言い訳』を考えながら床の間に付いた。
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6月20日(月)
圭一は遅刻した。
全てが終わり、平和な日常を取り戻したという思いの所為か、緊張の糸が切れたのである。
登校すると、沙都子と御影の席は空席だった。
圭一は疑問に思ったが、御影に対する言い訳が思い付かなかったので少し安心した。
休み時間、魅音に話を聞いた。
圭一「なぁ、沙都子と御影。今日はどうしたんだ?」
すると、魅音がとんでもない返答をした。
魅音「御影なら警察に捕まったよ」