圭一「け、警察!?なんで!?」
圭一は、大声を上げた。
クラス一同が反応し、圭一の方を注目した。
魅音「シッ!後で話すから!」
魅音は、圭一に昼休みに話すと約束したが、圭一は考えていた。
まさか、叔父殺しがバレた!?
でも、発見から犯人逮捕までのスピードが速すぎる!
それに、なぜ御影が容疑者として捕まったのか?
様々な事が頭の中を駆け巡っていたが、答えは出なかった。
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昼休み。
圭一は昼食を食べる前に、魅音を校舎裏に連れ出して話を聞こうとした。
圭一「教えてくれ、魅音!何があったんだ!?」
魅音「あいつ、アタシが何度も言ったにも関わらず児童相談所に通報し続けてたらしいんだよ。それも毎日で一日に何回も」
知っている。
そこから、どうして逮捕になったのかが知りたいのだ。
魅音「それのやり過ぎで沙都子と児童相談所から何回も警告されてたんだよ。これ以上続けるなら、悪質な悪戯として警察に通報するって。それなのに、昨日までずっと態度を改めないで通報してたから、とうとう堪忍袋の緒が切れたって事」
圭一「そ、そんな…」
圭一は嘆いた。
沙都子の叔父を殺したのに、御影が今になって警察に捕まってしまった。
魅音「まぁ、自業自得なんじゃない?アタシだって警告したのに、止めないんだから」
圭一「そ、そんな言い方…。御影は御影なりに、沙都子を救おうとしてたんじゃないか…」
魅音「…圭ちゃん、やけに御影の肩もつね。まさか、あいつが児童相談所に通報続けてたの知ってたんじゃないの?」
圭一は、その言葉にドキリとした。
もし、自分が御影を止めてないと知ったら同罪だと、魅音は思うだろう。
圭一「し、知らねぇよ…。俺だって、そんな話初めて聞いたんだから!それに沙都子はどうしたんだよ!?」
圭一は、御影の事に関してボロが出る前に沙都子の話題を上げた。
魅音「はぁ!?沙都子は『いつもの休み』に決まってるでしょ!圭ちゃん、何言ってるの!?」
圭一は絶句した。
魅音「御影の話は、皆には言わないでよ。他の子達だって騒ぎ始めちゃうから」
魅音は立ち去り、圭一は屈して地面を見るしかなかった。
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圭一は、昼食から午後の授業の間をどう過ごしたか覚えてない。
気が付けば、放課後だった。
誰に何を相談して良いか判らなかった。
ふら付く足で歩いていると、北条の家に辿り着いた。
自分がなぜここに来たのか分からなかった。
せめて、沙都子の様子を見ようとチャイムを鳴らすが、返事はない。
戸に触れると鍵は掛かってなかった。
圭一は、家に入った。
叔父が生きていようが死んでいようが、せめて沙都子の安否を確認したかったからだ。
室内は、誰も居なかった。
耳を澄ますと、風呂場で何か音がするのが聞こえた。
覚悟を決めて風呂場を空けた。
そこには、湯船に半身を浸かってグッタリとした全身に傷とアザを背負った沙都子が居た。
圭一「さ、沙都子!?」
圭一は、沙都子を急いで湯船から出し、少しずつ冷やしながら呼び続けた。
しかし、沙都子は目を覚まさなかった。
圭一は、急いで救急車を呼んだ。
救急隊員によると、沙都子は意識不明の重体ですぐさま病院に運ばれた。
圭一「どうして…どうして…こんな事に…」
圭一は、泣き続けるしかなかった。
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昭和58年6月22日未明。
鹿骨市雛見沢村で、広域災害が発生。
雛見沢地区水源地の一つ、鬼ヶ淵沼より火山性ガスが噴出し、村内全域を覆った。
周辺自治体から約60万人が避難する空前の大災害となった。
雛見沢村内では、生存者は確認されていない。
また本件と直接的な関係があるかは不明だが、20日早朝に逮捕された夜白御影は、同日に警察の厳重注意のもと一時釈放となっているが、その後の行方が不明となっている。
それ以降の目撃情報も存在せず、大災害後も雛見沢村内にて生死が確認されないまま、今現在も行方不明扱いとなっている。