いつからこんな気持ちになったんだろう。
園崎詩音は考えていた。
北条悟史。
彼の存在が園崎詩音にとって必要不可欠な存在になったのは。
北条沙都子。
彼女の存在が疎ましく思ったのは。
詩音は、悟史の失踪以降、あらゆる手で彼の行方を探した。
今も手掛かりを見つける為に鷹野三四から受け取ったスクラップ帳を見ている。
鷹野「あなた、鬼ヶ淵伝説に興味があるんでしょう?このスクラップ帳、貸して上げる。でも壊したり失くしたりしないでね。作り直すのって結構大変なのよ」
中身は、ゴシップ記事や鷹野が想像して作った話など、見る人が見れば質の悪いオカルト小説みたいな物ばかりだ。
それでも詩音は、この中に北条悟史の失踪の手掛かりがあるかもしれないと思って必死に熟読していた。
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6月4日(日)
詩音は、魅音と興宮の自宅マンションにて会っていた。
魅音は、二人の転校生、前原圭一と夜白御影について話していた。
魅音の話によると、前原圭一は部活に加入し、いつも他のメンバーに振り回されて面白おかしくオモチャにされているらしい。
対照的に、夜白御影は部活に入らず、それどころか部活メンバーとは会話が多いのも関わらず、勝負事から逃げ続けている変わった人物だと言っていた。
魅音は、どうすれば御影を部活に加入させられるかを詩音に相談して時間を過ごしていた。
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6月11日(日)
魅音は、泣きながらやって来た。
詩音が事情を尋ねると、魅音は圭一が店長から受け取った人形をレナに渡した事を話した。
また、御影が魅音に対して「魅音ちゃんには、可愛い物なんて見合わない」と言った事を圭一も笑いながら同調した事に魅音は深く傷付いていた。
魅音「やり直したい…。今度は、圭ちゃんに『女の子』って判って貰える様にしたい…」
詩音「お姉ったら、深刻に考えすぎ~!今からでも修正可能だって!それに御影の言った事なんて気にしないでさ」
詩音は、魅音を元気付ける為に「私も圭ちゃんで実践して見るかな~?」と茶化して見せた。
魅音「ダメだよ!ダメ!!詩音、雛見沢に来たら追い返すー!!」
詩音は、魅音が慌てる様に返したのを見てクスリと笑った。
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6月14日(火)
詩音は驚いた。
魅音が『詩音』の姿で泣きながら訪問して来たのである。
事情を聞くと、圭一に弁当を渡す為に魅音が『詩音』として出会っている所に御影と遭遇し、抱き付いて来て首筋を噛まれたという話だった。
そこには、今も御影の歯跡が残っている。
詩音「お姉ったら、大丈夫ですよ!これ位なら、ファンデーションで隠せますって!」
魅音「お願い、詩音!明日、私の代わりに学校に行って…!もしかしたら、御影が確認して来るかもしれないから…」
魅音は、詩音に泣きながらお願いして来た。
詩音の説得も届かず、『魅音』として登校する事になった。