詩音は『魅音』として雛見沢の学校に登校して来た。
魅音の説明により、あらかたの事情を理解している詩音にとって『魅音』を演じるのは難しくなかった。
すると、知らない人物が教室に入ってきて『魅音』に話しかけて来た。
御影「おはよう!魅音ちゃん!」
詩音は、魅音から聞いた特徴から、この人物が夜白御影だろうと判断した。
魅音(詩音)「あぁ、おはよう。御影」
間髪入れずに御影は『魅音』の首を確認して指で触って来た。
それに驚いて、『魅音』は御影を突き飛ばした。
魅音(詩音)「ちょ…!急に何するの、御影!」
御影「昨日の『詩音ちゃん』が『魅音ちゃん』じゃないかなぁ~って思って確認したかったんだ。傷跡がないって事は、詩音ちゃんにハートを届ける事が出来たんだね!!ハートと歯跡をかけてみたんだけど面白い?」
詩音は、ゾワっとした。
魅音から聞いた御影の話は、どれも信じがたい様な話ばかりで、嫌味を上乗せした話をした物だと思っていた。
これで確信した。
『夜白御影』は『異常』だと。
魅音(詩音)「あのさぁ、御影…。詩音、昨日の事でずっと泣いてるんだよ?『御影なんかにもう会いたくない!』って言ってるんだよ…」
嘘ではない。
魅音は、今も泣きながら傷跡をどうにかしたいと試行錯誤しているだろう。
御影「そっか!詩音ちゃん、ずっと僕の事を考えてくれてるんだね!『今は嫌い!』とか言っても、いつの間にか好きになっちゃうってパターンはあるし、嬉しいよ!」
何を言っても無駄だった。
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放課後。
『魅音』はバイトがあると言って教室を後にした。
その途中、人目が付かない所で詩音に戻り、バイト先のエンジェルモートへ向かった。
しばらくすると、バイト先に圭一が現れた。
圭一は、昨日『詩音』が持ってきてくれた弁当箱を返しに来たらしい。
すると、背後から御影が突然現れ、詩音に抱きつこうとした。
御影「詩音ちゃん!会いたかったよー!」
スタンガンで反撃しようと思ったが、今はバイトの制服姿であり、そんな物は持っていなかった。
詩音は、とりあえず御影から距離を取り、圭一が御影の襟首を掴んだので、御影は詩音に触れる事は出来なかった。
詩音「え~っと、どちら様でしたっけ?変人に知り合いはいないのですけど」
詩音は、嫌味を込めて言った。
御影「酷いな~!昨日、永遠の愛を誓い合った仲じゃないか!!ほら、君の首に僕のハートが…あれ…?ない…?」
当たり前だ。
詩音である私が、魅音の傷を背負ってる訳がない。
しかし、それを言うと矛盾が発生してしまうのでこう返した。
詩音「あんな傷痕晒してバイトが出来る訳ないじゃないですか。ファンデーションで隠してるんですよ」
勿論、嘘である。
御影「そ、そんな酷いや…!うっ…うっ…」
御影は、それを聞くと泣き出した。
詩音は、御影に同情はしなかった。
詩音「ほーら、何処の誰か判らない変人さん。他のお客さんのご迷惑になりますから、注文しないならとっととお帰りくださ~い」
御影「うっ…うっ…。こうなったら、自棄食いだよ…。この大盛りスイーツセット、一つ下さい…」
詩音は追い返そうと思ったが、御影は泣きながら大盛りのスイーツセットを注文してそれを完食していた。