6月13日(月)
レナは、学校を休んだ。
リナの仕事は、基本的に夜であり、呼び出すなら昼間しかなかった。
レナは、リナをゴミ山に話があると言って呼び出した。
リナ「礼奈ちゃん、何かな?私に大切な話って?」
レナは、間宮リナが嫌いだった。
レナの父親と仲良くする為に、レナにベタベタと話しかけて物で機嫌を取ろうとする態度。
レナとレナの父親の二人だけの空間である自宅に、似つかわしくない家具や用具を買い入れて、家を汚す様な態度。
レナは言葉に出さず、ゴミ山から持ち込んだお宝で家を護ろうと静かに闘っていた。
こんな娘がいる家なんて嫌になるに決まっている。
いずれ別れるだろう、と思った。
しかし、すでに事態は取り返しの付かない段階まで来ている。
レナは、躊躇せずにリナに言った。
レナ「お願いです。もうお父さんと会わないで下さい」
リナは、そう言われたのも関わらず驚きの表情を出さなかった。
リナ「礼奈ちゃん、急にどうしたのかしら?」
レナ「もう一度、言います。もうお父さんと会わないで下さい」
リナは笑い出した。
リナ「プッ、アハハ!本当に礼奈ちゃん、おかしくなっちゃったんだね」
レナは少し混乱したが、目は真っ直ぐとリナを見ている。
リナ「昨日、あんたのお父さんが言ったんだよ。『礼奈が変な事を言い出した。もしかしたら、悪友に何か吹き込まれたかもしれない』ってさ、アハハ!」
レナ「…」
レナは言い返さない。
御影に吹き込まれたのは事実だ。
しかし、口が悪くても御影の言った事は真実であり、レナの事を思ったからこそ話したと思った。
リナ「立場分かってる?あんたのお父さんは、あんたより私の事しか信じてないの。私が『あんな娘置いてどっか行こうよ』って言えば、喜んで私に着いて来るよ」
レナは、強く拳を握りしめた。
その手には強く握った所為か爪が少し食い込み血が出ていた。
リナ「あんたも可哀想だね~。お母さんは浮気であんた達を捨てて、次は信じてたお父さんにまで捨てられる。あんた、呪われてるんじゃないの?」
その言葉が引き金になった。
レナは、足元にあった鉄パイプを握りしめてリナを殴りつけた。
リナ「がっ…!止め…!だ、誰か、助けてーーー!!」
リナは、レナの突然の蛮行に驚いて悲鳴を挙げた。
レナは、即座にリナの口を塞ぐ為に鉄パイプを口めがけて殴り付けた。
その衝撃で何本も歯が取れ、パクパクと喋れない状態で逃げようとするリナに対して、レナはリナが動かなくなるまで鉄パイプで殴り続けた。
.
.
.
間宮リナを殺した。
レナにとっては、予想内であり、予想外であった。
御影の話を聞いても聞かなくても、やがては自分の耳に入っただろう。
そして状況がどうであれ、レナはリナを殺していた。
それは、予想内だった。
ただ思いの他、早くその時が来た。
それが、予想外だった。
後悔はしていない。
これしか方法がなかったから。
レナは、リナの死体を何重にもごみ袋に入れて、捨てられた巨大な冷蔵庫の中に入れた。
レナは、ゴミ山にあるレナが作った秘密基地で着替えた。
それは小さな物で、廃車で作られた空間であった。
レナは、一人になりたい時に来ている。
静かで周りに誰も居ない空間に身を寄せるのが好きだった。
レナは、自分と御影が似ている事に気付く。
もしかしたら、御影は自分と似ているレナを助ける為にあんな事を言ったのかもしれないと思った。
明日、学校に行ったら御影に謝ろう。
もう自分を偽らない。
だって、悪夢は終わったから。