6月9日(木)
梨花は、皆に昨日の話をした。
皆は話し合い、その情報から動機を政治的アクションに関係する物ではないかと予想を付けた。
次は、その仮説が正しいか間違いかを調べる方法について話し合った。
『富竹ジロウ』
梨花の話によると富竹はフリーカメラマンと称している監査役だった。
部活メンバーは、敵が富竹を殺す事から彼が重要な立ち位置に居ると理解していた。
そして、この仮説が正しかった時は誰が敵であるかを話し合った。
入江は、梨花に緊急マニュアル34号を積極的に話した事から敵ではない可能性が高いと話された。
山犬に関しては、敵の可能性が高いと断定された。
梨花の話によると、全ての世界で山犬は梨花を守りきれずにいた事から、もしかしたら山犬自体が敵ではないかという可能性が浮上したからだ。
一方で、鷹野の判断が難しかった。
彼女は、確かに富竹と死んでいる運命を辿っている。
だが、彼女の死は焼死であり富竹と違って身元を断定するのは警察しかできなかった。
敵の規模がそこまで大きければ、警察内にもスパイがいて鷹野の死を偽造している可能性があると話された。
部活メンバーは、まず富竹だけに話して事の真相を確かめた上で、次の行動を行った方が良いと述べた。
入江にも話そうかと思ったが、入江は鷹野を信じている。
下手に話すと鷹野にまで話が回り、敵がこちらの動きを察する可能性があった。
放課後、富竹を神社に呼び出し話をする事になった。
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夕暮れ時。
皆は、富竹と出会った。
そして、全てを打ち明け相談した。
富竹は、最初はよく出来た作り話と思ったが、話を聞く内に有り得なくない話だと思い始めた。
魅音「…という事なんだ、富竹さん。これは富竹さんにしかお願い出来ない事なんだよ」
富竹「…分かった。僕も梨花ちゃんが危険だという事は理解した。鷹野さんと山犬はシロだと信じているが、確認する意味で調べてみよう」
御影「大丈夫だって!鷹野さんは富竹さんの恋人なんでしょ?信じて上げようよ!」
御影はヘラヘラ笑っていたが、部活メンバーと富竹は真面目な顔でこの場を後にした。
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6月12日(日)
富竹は驚いた。
部活メンバーが話していた事が真実でありうる事に。
入江心療所の金の動きや最近の政治家の動向、そして鷹野三四の不審な行動など。
富竹は鷹野に連絡を取り、事の真偽を問い詰めたいと思って受話器に手をのばした。
刹那、手が止まる。
部活メンバーは富竹を信じて、内緒で相談しに来た。
もし、富竹が感情で動けばそれは全て台無しになる。
理性と感情の揺れ動く中で、富竹は理性で自分を止めた。
しかし、事は急を要する。
梨花の家には山犬が盗聴している。
富竹は、魅音を介して入江を含む全員を呼び出す約束をした。
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放課後。
真面目な顔の部活メンバーと富竹、呼び出された理由が分からない入江、いつもの様にヘラヘラ笑う御影が居た。
富竹は、これまで調べた事を伝えた。
入江「信じられない!鷹野さんと小此木さんが、そんな事を…!?」
富竹「だが事実だ。僕は、急いで番犬部隊の要請に入るつもりでいる」
入江「梨花ちゃんはどうするんですか!?もし、山犬が梨花ちゃんの命を狙ってるなら…」
梨花「大丈夫です。ボクは、これから園崎家にお泊りするのです。勿論、沙都子もなのです」
入江「えっ!?沙都子ちゃんもですか…?お魎さんが反対するのでは…?」
魅音「大丈夫だよ。婆っちゃは、むしろ協力的さ」
入江「そうですか…。あのお魎さんが…」
入江は思った。
村人だけではなく、お魎も沙都子を助けようと協力している。
自分にも何か出来る事がないかと考えた。
入江「私にも何かお手伝い出来る事はありませんか?何でも良いんです!皆さんの力になりたい!」
魅音「監督には、沙都子と梨花ちゃんが自宅で療養している様に鷹野さん達に言ってくれないかな?不在とバレると、強硬手段で探しに来るかもしれない」
入江「わかりました。富竹さんが番犬部隊を呼ぶまでなら、なんとか誤魔化してみせましょう!この入江京介、未来のメイドさん達の為に命を賭けます!」
梨花「入江、これはボク達の家の合鍵なのです。ボクも沙都子も動けないほど重症という設定でお願いしますです」
一同は、富竹が番犬部隊を呼ぶまで梨花を守る作戦を決行した。