ひぐらしのなく頃に 嘘   作:HTNN

59 / 63
【全誑し編⑨】

6月18日(土)

 

 

部活メンバーと多くの村人は、園崎の家に集合していた。

 

 

魅音「お集まり頂きありがとうございます。本日は園崎党首代行、園崎魅音が仕切らせて頂きます」

 

 

魅音は、集めた全員に話した。

 

鷹野が、梨花の命を狙っている事。

 

その動機と今現在起こっている事。

 

鷹野が、御影を人質にして梨花を連れて来いと要求して来た事。

 

入江が人質と提示されなかったのは、御影の嘘により入江のクロが立証出来なかったからだ。

 

だが、シロとも言えず軟禁状態となっていた。

 

しかし、状況は最悪を迎えていた。

 

敵が事態に気づいてしまったのである。

 

そして、形振り構わず梨花を殺そうとしている。

 

 

「そんな要求認められねぇ!さっさと警察に連絡すれば良いんだ!」

 

「そうだ!そうだ!」

 

 

多くの老人は梨花を連れて行かず、警官隊の突入で解決させる事に意見を述べていた。

 

 

魅音「先ほど申した通り、警察内にはスパイが存在している可能性があります。この一件は、まだ警察には知らせておりません」

 

 

「だけどよ、その番犬部隊ってのが来れば解決するんだろ?」

 

「梨花ちゃまを危険に合わせる訳にはいかねぇ」

 

 

警察がダメでも番犬部隊が来れば、山犬を一網打尽に出来るだろう。

 

ただし、御影の命の保証はない。

 

 

圭一「おい、待てよ!どうして御影を見捨てる前提なんだ!?誰も御影を助ける案を考えないのかよ!!」

 

 

圭一は大声を上げたが、村人は誰一人それに同調しなかった。

 

 

レナ「どうして…!?御影君が他所者だからなの!?だから皆…」

 

公由「違うんだよ、礼奈ちゃん。そういう事じゃない…。ただ、御影君はな…」

 

 

公由村長は、バツの悪そうな顔でその先を言うのを躊躇っている。

 

 

梨花「お願いです、公由。何か知っているなら教えて下さいです!」

 

 

公由「分かったよ、分かった。ちゃんと話すから…。でも、気を悪くしないでくれよ…」

 

.

.

.

 

公由村長は商店街で散歩をしていた。

 

すると、御影が公由に話しかけて来た。

 

 

御影「こんにちは、公由村長さん!」

 

公由「こんにちは、御影君。この村にはもう慣れたかね?」

 

御影「はい。僕は好きですよ。この雛見沢!」

 

公由「もし困った事があるなら、何でも話しなさい」

 

御影「じゃあ、一つ良いですか?」

 

公由「なんだい?言ってごらん」

 

御影「この村って、僕に風当り悪くないですか?」

 

 

公由は驚いた。

 

 

公由「ど、どうしたんじゃ、急に…」

 

御影「感じてるんですよ。僕を迫害してる皆の視線。まぁ、園崎家の流した噂の所為でしょうけど」

 

公由「そんな事はないよ!御影君の気の所為だよ!」

 

御影「そうですかね?僕だけじゃなくて沙都子ちゃんにもそういうの見れるんですよ。でも、あの子は村をダムで沈めようとした一家なんで恨まれて当然ですよね」

 

 

公由は言い返せなかった。

 

自分も酒の席で「北条家の罰当たり!」と言って、ダムに賛成した両親だけではなく、関係ない子供も罵倒した事があったからだ。

 

 

御影「ですから、公由村長さんから皆に言ってくれると助かるんですよね!園崎家の噂に翻弄されないで、ちゃんと一人の人物として僕を見て欲しいってね!!」

 

公由「…あぁ。分かったよ…」

 

 

御影は、そう言ってヘラヘラ笑いながら帰って行った。

 

問題は、御影がそれを公由だけではなく、如何にもと言った感じで商店街全体に聞こえる様にデカデカと言った事だった。

 

それが影響して、村人は沙都子の事を北条としてではなく村の子供として見る様に意識を変えていった。

 

その結果が、北条鉄平の事件だった。

 

一方、御影は口調や態度の悪さから村人の反感を大きく買い、沙都子とは真逆の意識を受ける様になった。

 

.

.

.

 

部活メンバーは驚いた。

 

 

梨花「そんな事が…」

 

公由「お爺ちゃんも分かってる…。御影君だってそんな悪い子じゃないって…。でも、皆それを思い出すんだ…」

 

 

御影の言った事は正しかったが、御影の口調や態度が多くの村人に刻み込まれ、御影を助ける事に賛成させなかった。

 

一同がどうする事も出来ないと言っていると、お魎が部屋に入って来た。

 

 

お魎「おぬしら、それでええんか?」

 

 

部屋に居る全員に言った。

 

 

お魎「御影にコケにされたままでええんかと聞いている。儂はこいつの借りをまだ返し取らん」

 

 

すると、お魎は懐から箱を見せた。

 

沙都子は、その箱を見て理解した。

 

どうして、お魎が『北条』の自分を助けてくれたのか。

 

あの箱は以前、御影に頼まれて自分が作ったおはぎを入れた箱だった。

 

恐らく御影が、沙都子とお魎の橋渡しをしたと思った。

 

 

お魎「言っとくがな、儂は死ぬ前にあいつにギャフンと言わせたいんじゃ。別に来たくない者は来なくて構わん」

 

 

村人が少しずつ騒ぎ出した。

 

どうやら、御影は自分達だけではなくお魎にも何かを仕出かしたと。

 

そして、お魎はその借りをまだ御影に返していないらしい。

 

御影が死ねば、お魎は顔に塗られた泥をやり返す機会が失ってしまうと。

 

 

「そ、そうだ!ワシもあいつに一言言ってやりたいわ!!」

 

「ワシもだ!あんな生意気な小僧、お魎さんに無礼を働いて死んで逃げようなんて許さんぞ!!」

 

 

動機はどうあれ、御影はまた帰って来て貰わないと困る!

 

村人達はそう口にして、鷹野から御影を奪取する策を考え始めた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。