戦いは終わった。
鷹野・小此木・山犬部隊は、富竹と番犬部隊に連れて行かれた。
梨花「これで、ボク達の勝ちなのですか…?」
魅音「そうだよ。この闘いは、アタシ達の勝利さ」
部活メンバーは、勝利した事を喜んだ。
レナ「ねぇ、御影君。本当に大丈夫なの…?一度、看て貰おうよ…」
さっき、鷹野が御影に発砲した弾丸。
御影は首飾りに当たったと言ったが、レナは心配していた。
御影「レナちゃんは心配性だなぁ!服に血だって付いてないし、僕だってピンピンしてるよ!」
沙都子「そうですわね。御影さんは、殺しても死ななそうですし」
御影「酷いよ、沙都子ちゃん!それより、今から勝負しようよ!『僕 対 部活メンバー全員』でさ!」
「「「えっ!?」」」
部活メンバーは驚いた。
今まで全ての勝負事から逃げていた御影が、部活メンバーに勝負を仕掛けて来たからだ。
魅音「アタシ達を全員同時に相手にしようなんて良い度胸だね。どんな勝負をする気かな?」
魅音達は、この時を待ってましたとばかりに楽しそうだった。
御影「ルールはかくれんぼさ!今から、僕が隠れるから君達が全員で探しに来てよ!範囲は雛見沢全域さ!僕を一番最初に見つけられた人は、言う事を何でもして上げるよ!」
魅音「乗った!でも、アタシ達が立ち入れられる範囲で隠れる事。それで良いかい?」
御影「勿論だよ!園崎家御用達の死体置き場とかには隠れないから安心してね!」
そう言って、部活メンバー全員の了解を取り、御影は楽しそうに何処かへ向かった。
.
.
.
御影は、一人で待っている。
???「…やはり、ここでしたか」
一人の人物が、御影を見つけた。
そこは、祭具殿の中だった。
御影「羽入ちゃんだけかい?梨花ちゃんも一緒だと思ったよ」
御影は、胸に空いた穴を手でさすりながら話していた。
御影を襲った弾丸は、首飾りに当たっていなかった。
弾丸は、御影の胸を貫いた。
ただ、一滴の血も流れていない。
あるのは、身体に開いた小さな穴だけだった。
羽入「最初、あなたを敵だと思っていました。でも違ってたんですね…」
御影「それは誤解だよ!羽入ちゃんだって、もう知ってるんでしょ?僕の正体は」
『夜白御影』
彼の正体は、鷹野三四の『最初のスクラップ帳』だった。
鷹野が、祭具殿に置き忘れたスクラップ帳に命が宿った存在。
それが、夜白御影だった。
羽入「良いのですか…?皆とあんな形で別れて…」
御影「皆は、僕に涙なんか流してくれないよ。今頃、罰ゲームをどうするか笑いながら探してるさ!」
夜白御影は、五年目のオヤシロさまの祟りの為に人々を騙すための存在。
綿流しの祭りが終って数日経てば、ただのスクラップ帳に戻る運命だった。
しかし、今回の御影は予想以上に動き過ぎていた為、生命力はもう残されていなかった。
羽入「…最後に何かボクに出来る事があるなら言って下さい」
御影「じゃあ、僕と付き合ってよ!羽入ちゃんの事が好きなんだ!!」
羽入「あうあう…それは無理なのです…」
御影「そっか…。羽入ちゃんにも『負け』たんだね…」
そう言うと、御影は消えた。
そこには、穴の開いたスクラップ帳だけが残されていた。
.
.
.
6月20日(月)
朝のホームルーム。
知恵先生が御影は引っ越したと言った。
驚いた部活メンバーは急いで御影の家に向かったが、家の中には何もなかった。
魅音「ずるいよ、御影ー!また逃げたー!!」
圭一「俺達がどれだけ探し回ったのか分かってるのかー!!」
レナ「やっぱり、怪我が酷かったんじゃないのかな?」
沙都子「次、見つけたらもう容赦しませんことよー!!」
梨花「みぃ、悪い猫さんなのです。にゃーにゃー」
部活メンバーは、御影がまた逃げたものだと解釈した。
雛見沢では、今日もひぐらしの鳴き声と共に平和な時間が流れていった。
.
.
.
.
.
祭具殿の中には、[夜白御影]とラベルの付いた穴の開いたスクラップ帳が置かれている。
誰かが見つけに来る事を期待して。
いつまでも。
いつまでも…。