ひぐらしのなく頃に 嘘   作:HTNN

62 / 63
【全誑し編⑫】

戦いは終わった。

 

鷹野・小此木・山犬部隊は、富竹と番犬部隊に連れて行かれた。

 

 

梨花「これで、ボク達の勝ちなのですか…?」

 

魅音「そうだよ。この闘いは、アタシ達の勝利さ」

 

 

部活メンバーは、勝利した事を喜んだ。

 

 

レナ「ねぇ、御影君。本当に大丈夫なの…?一度、看て貰おうよ…」

 

 

さっき、鷹野が御影に発砲した弾丸。

 

御影は首飾りに当たったと言ったが、レナは心配していた。

 

 

御影「レナちゃんは心配性だなぁ!服に血だって付いてないし、僕だってピンピンしてるよ!」

 

沙都子「そうですわね。御影さんは、殺しても死ななそうですし」

 

御影「酷いよ、沙都子ちゃん!それより、今から勝負しようよ!『僕 対 部活メンバー全員』でさ!」

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

部活メンバーは驚いた。

 

今まで全ての勝負事から逃げていた御影が、部活メンバーに勝負を仕掛けて来たからだ。

 

 

魅音「アタシ達を全員同時に相手にしようなんて良い度胸だね。どんな勝負をする気かな?」

 

 

魅音達は、この時を待ってましたとばかりに楽しそうだった。

 

 

御影「ルールはかくれんぼさ!今から、僕が隠れるから君達が全員で探しに来てよ!範囲は雛見沢全域さ!僕を一番最初に見つけられた人は、言う事を何でもして上げるよ!」

 

魅音「乗った!でも、アタシ達が立ち入れられる範囲で隠れる事。それで良いかい?」

 

御影「勿論だよ!園崎家御用達の死体置き場とかには隠れないから安心してね!」

 

 

そう言って、部活メンバー全員の了解を取り、御影は楽しそうに何処かへ向かった。

 

.

.

.

 

御影は、一人で待っている。

 

 

???「…やはり、ここでしたか」

 

 

一人の人物が、御影を見つけた。

 

そこは、祭具殿の中だった。

 

 

御影「羽入ちゃんだけかい?梨花ちゃんも一緒だと思ったよ」

 

 

御影は、胸に空いた穴を手でさすりながら話していた。

 

御影を襲った弾丸は、首飾りに当たっていなかった。

 

弾丸は、御影の胸を貫いた。

 

ただ、一滴の血も流れていない。

 

あるのは、身体に開いた小さな穴だけだった。

 

 

羽入「最初、あなたを敵だと思っていました。でも違ってたんですね…」

 

御影「それは誤解だよ!羽入ちゃんだって、もう知ってるんでしょ?僕の正体は」

 

 

『夜白御影』

 

 

彼の正体は、鷹野三四の『最初のスクラップ帳』だった。

 

鷹野が、祭具殿に置き忘れたスクラップ帳に命が宿った存在。

 

それが、夜白御影だった。

 

 

羽入「良いのですか…?皆とあんな形で別れて…」

 

御影「皆は、僕に涙なんか流してくれないよ。今頃、罰ゲームをどうするか笑いながら探してるさ!」

 

 

夜白御影は、五年目のオヤシロさまの祟りの為に人々を騙すための存在。

 

綿流しの祭りが終って数日経てば、ただのスクラップ帳に戻る運命だった。

 

しかし、今回の御影は予想以上に動き過ぎていた為、生命力はもう残されていなかった。

 

 

羽入「…最後に何かボクに出来る事があるなら言って下さい」

 

御影「じゃあ、僕と付き合ってよ!羽入ちゃんの事が好きなんだ!!」

 

羽入「あうあう…それは無理なのです…」

 

御影「そっか…。羽入ちゃんにも『負け』たんだね…」

 

 

そう言うと、御影は消えた。

 

そこには、穴の開いたスクラップ帳だけが残されていた。

 

.

.

.

 

6月20日(月)

 

 

朝のホームルーム。

 

知恵先生が御影は引っ越したと言った。

 

驚いた部活メンバーは急いで御影の家に向かったが、家の中には何もなかった。

 

 

魅音「ずるいよ、御影ー!また逃げたー!!」

 

圭一「俺達がどれだけ探し回ったのか分かってるのかー!!」

 

レナ「やっぱり、怪我が酷かったんじゃないのかな?」

 

沙都子「次、見つけたらもう容赦しませんことよー!!」

 

梨花「みぃ、悪い猫さんなのです。にゃーにゃー」

 

 

部活メンバーは、御影がまた逃げたものだと解釈した。

 

 

雛見沢では、今日もひぐらしの鳴き声と共に平和な時間が流れていった。

 

.

.

.

.

.

 

祭具殿の中には、[夜白御影]とラベルの付いた穴の開いたスクラップ帳が置かれている。

 

誰かが見つけに来る事を期待して。

 

いつまでも。

 

いつまでも…。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。