このたび初投稿させていただきます。
異世界ものです。
ちょっとリゼロと繋げてみたいんですがそれは…
ヒュンヒュンヒュンヒュン
合わせた手を徐々に開けていく。すると段々と剣が生成される。
魔法《物質生成》。俺の魔法である。
たった今生成している剣は、生成武具で最強クラスに値する《ファントム・ダークシェイド》だ。
黒をベースにされている剣で、刃の周りには細い白の線がある。
例えるならば某有名アニメ”○ードアート・○ンライン”の主人公が使っている○リュシデータのような剣だ。
「出来た…俺だけの剣が…」
今日という今日の為に、スキルポイントは全てこのスキルに振ってきたのだ。
-今からバッタバッタ敵を薙ぎ倒して…
などと思っていいると、既に時刻は六時を回っていた。
ご飯の時間だな…落ちるか。
俺はログアウトをして、ゲームの世界から現実に帰る。
「おにーちゃーん!ご飯出来たよー!」
おっと、俺の可愛い妹からも伝達だ。これは急いでいくしかないな。
これが、どこにでも居るような普通のシスコン高校生。
名前を白咲碧紅(シロサキリク)という。
昔から遊びでやる剣術の強さには長けていて、成績は中の上だろうか。
階段を降り終わり、食卓の席につく。
「今日は早かったね。」
「まぁ愛しの七海(ななみ)に言われるんだから、行かないわけにはいかないじゃん?」
普通の妹系アニメならばここで毒舌が入るところだが、俺の妹を一緒にされては困る。
「んもぅっ!そんなこと言わないのっ」
おいおい…やっぱ可愛いじゃねぇかよ…
俺がシスコンなのも納得して頂けたはずであろう。世界にこれ以上の妹がいるだろうか、否だ!
まぁ、妹が好きだから好きな人がいないってのは嘘になるけどな。
好きな人居ないんですけどね。
20分くらい経ってようやくご飯を食べ終え、お風呂に入る。
実はシスコンかつアニメファンでもあるのだ。
異世界行けねぇかなぁ…
いつになくそんな馬鹿みたいなことを思う。
似たような世界ならばゲームにもある。だが何かが違う。
あのゲームには魔法こそあるものの、異世界特有の美少女もいない。特別なイベントもない。
本当に異世界に行けたら、どんな職につけるかなぁ…
いつまでもこんなことを考えていては仕方が無いと思い、風呂を出る。
再びゲームにログインをしてじっと剣を眺める。
さっきの自分への疑問。
異世界の職業。
そりゃぁ出来ることなら剣士や騎士がいいさ。
でもそれはアニメの世界であって現実はそうじゃない。
多分農民とか牧師とかなんだろうよ。
そもそも異世界に行けるわけがないじゃないか。
何を考えているんだ俺は。こんな妄想やめたやめた。
今日はもう寝ようと思い、ログアウトしてから布団をかぶる。
やけにぐっすりと眠れたらしい。
「あなたは…誰?」
俺は…リクだ。
「私はアイリス。宜しくね。」
あぁ、宜しく。ところで魔法とかってあるのか?
「もちろんよ!このアイテムがあるでしょ?これにあなたの魔法が表示されるわ。」
へぇ〜。早速見てくれよ、俺の魔法が何なのか。
「いいわよ。え〜と、これは初めて見る魔法ね。」
どんな魔法なんだ?
「あなたの魔法は________
ハッ!
今まで見ていたものは…夢か…
ん?どんな夢を見ていたっけ…?何もかも忘れた。
何か…大事なことを忘れてしまった感覚だ。
そこで俺の瞳から涙がこぼれている事に気付いた。
おかしいな。泣くようなことは無かったのに。
俺は起きて初めて前を見る。
え?
何だ…ここは…
そこは細い路地のようだ。何故こんなところで寝ているんだ?
俺は確かに自宅のベットで寝たはず。
おかしいな…
立ち上がるがやはり夢ではなく現実だ。光がある方へ歩いて行き、路地を抜けると見たことのない光景を目の当たりにした。
すごい、まるでここは俺が行きたかった
異世界
どういう事だ、俺は本当に異世界に来てしまったのか?
色々とテンパリすぎて何一つ状況の理解が出来ない。
ただ分かるのはここは日本はもちろん、地球ではないということ。
目の前を歩いているのは亜人。人もいる。
「くっ、誰が助けて!」
どこかで悲鳴が上がる。割と近くだと思う。
何故だろう、どこか懐かしく思える声だ。
すると目の前を声の主と思われる女の子が走っていく。
歳は俺とさほど変わりなく、長い白い髪をたなびかせて走っていった。
それを追いかけるかのように何者かが走っていく。
こりゃぁビッグイベントじゃぁないかぁ。
サクッと助けて勇者の栄冠をいただきだぜ。
そして俺も全力で走り追いかける。
しかし本当にどこかで見たことのある顔に声だったな。
誰だったんだ?
そして前を見ると、行き止まりのようでジリジリと距離を詰められている女の子がいる。
あれぇ、これマジでやばいやつじゃない?首突っ込んだらいけないやつじゃない!?
だが来てしまった以上は見過ごせない、やるしかない!
「おいオッサン!好きな女の子を追いかける変態みたいな事はやめな!」
とっさに口から出た言葉がただの煽りだったことについては何も言わないでほしい。
「何だてめぇ、ぶち殺すぞ!?」
こちらを向いた変態のスキを見計らって、女の子が俺の後ろに走ってくる。
いやいやいやいや、来ないで!?俺そんなに強くないからぁ!ただすぐ逃げようと思っただけだからぁ!
「助けて…くれるの…?」
「俺に任せろ。」
上目遣い+頬を赤くする+美人=死亡確定
俺の思考回路が勝手にそう判断してしまったのだろう。
もう分かりきってんだよ。異世界に来たばっかりの奴がどうなるかとか、アニメのお約束みたいなもんだろ?
俺は近くにあった鉄の棒を拾う。
少し軽い、だが程よい長さではある。
さ〜て、ここが本当に異世界でアニメ通りの展開なら…賭けてみる価値はありそうだ。
昔から得意だった剣術が本当に活かせる時が来るとはね。
変態は腰からダガーのようなものを引き抜いている。
マジかい。
まぁこれで対等って事かな。
「やってやるぜ…」
アレで切られたら死ぬかな。痛いのは当たり前だろうな。嫌だな、痛いのは昔から。
「死ねガキィ!」
そう言ってダガーを俺に向けて走ってくる。
俺もそれに応えるように走っていく。
「せやぁああああああああ!」
雄叫びを上げて棒を振り下ろす。
だがそれをよけられてしまい背後に回られる。
こういう時はとりあえず……ジャンプだ!
大きく上に飛び間一髪のところでよける。
アレ待て。俺こんなにジャンプ力高くないぞ?
ふと女の子の方を見る。目を閉じて何か詠唱している。
魔法か?俺の身体能力を向上させているのか?
だとしたらありがたい、これで暴れまくるぜ!
着地すると同時に大きく振り上げて殴ろうとする、当然よけられるがしゃがんで足を引っ掛けて転ばせる。
すぐに起き上がって来るので、襲いかかってきた瞬間にダガーを棒で弾き飛ばし、変態の武器を無くす。
俺はかっこいい奴じゃない。だけどこの世界でくらいかっこ良くいさせてもらおう。
「あんたの負けだ。」
俺は棒で敵を思いっきり横薙ぎにし、吹っ飛ばす。
「ぐおっふぇぁぁあ!」
終わったか…?終わったな…
こうして俺の異世界最初の戦闘は幕を閉じた。
「あのっ、ありがとうございます!」
フラフラしていると女の子がお礼を言ってきた。
まぁこっちも好きでついて行った訳だし、お礼を言われるようなことでもないが。
「こちらこそありがとう。助かったよ、その魔法。」
恐らく彼女が使っていたであろう、対象の身体能力を向上させる魔法を俺に使ってくれたのだろう。
俺の方がお礼を言わなければならない。
「ところで、あなたは…誰?」
「俺は…リクだ。」
自分の名を名乗る。
アレ…何だ…?違和感がある。
「私はアイリス。宜しくね。」
その女の子はアイリスと名乗った。
どこかで聞き覚えのある名前だ。
どこで俺はこの名前を聞いたんだ…?
「宜しく。ところで魔法ってあるのか?」
先ほど彼女が使っていた魔法。あるならば是非俺も魔法を使いたい。
「もちろんよ!このアイテムがあるでしょ?これにあなたの魔法が表示されるわ。」
と言ってアイリスは懐から小さい鏡のようなものを取り出す。
やっと魔法がつかえるのか…!
「へぇ〜。早速見てくれよ、俺の魔法が何なのか。」
「いいわよ。え〜と、これは初めて見る魔法ね。」
おっと、これは期待大ですなぁ〜。
「どんな魔法なんだ?」
「あなたの魔法は、《物質生成》。それともう一つ。」
あれ、もう一つ?普通魔法って一種類しか使えないんじゃないか?
というか物質生成って、完全に俺のやってるゲームと同じじゃないか。
「そのあと一つってなんだ?」
「1度だけしか使えない魔法。《イマジネーション》。」
どういう事だ?1度しか使えない?イマジネーション?
イマイチ分からないその魔法についで聞こうとするとアイリスは教えてくれた。
「イメージした物がこの先ずっと使えるの。1回だけしか使えないってことは、一つしかイメージしたものを実際に出来ないってことね。」
なるほど、そういう事か。
物質生成の能力に必要な能力。
俺のしているゲームにも存在した《剣技》スキル。それが今必要な能力だ。
例えるならば○ードアート・オンラインの○ードスキルだ。
剣技には名前が付いていて連撃数なども様々。
俺はゲームの世界にあったものをイメージする。
イメージし終えるが、特に体に変化はなさそうだ。
まぁそりゃスキルをイメージしただけなんだから変化はないだろうが。
「イメージが終わったみたいね。」
「あぁ、終わったぞ。」
本当にどこかで聞いたことのある声だ。
一体どこで聞いたんだ?
だが、いつまでも記憶の迷路をさまよっていても仕方がない。
「なんで追われてたんだ?」
「実は、私のこの魔法、《リミッターアップ》もこの世界でただ一人、私しか使えない魔法なの。リミッターアップは文字通り、対象とした人の限界を上げる魔法。それも永遠にリミッターアップされたまま。」
………………………………ん?ちょっと待って?つまり俺はずっとこの身体能力なの?
そりゃとんでもないハンデじゃないか。
逆にありがたいね。
「その強力な魔法のせいで、一部の組織から狙われているの。」
なるほど、それは大変だな。
「だけどね…私、この世界で王になりたいの。」
は?
何を言い出したんだこの女の子は。
なれるわけないじゃないか。
いくら特別な魔法を持っていようと、いくら強力な魔法を持っていても、王なんてなりたくてなれるものじゃない。
ただアイリスの瞳からは冗談で言っているのではない凄みがある。
この女の子は本気で王を目指しているらしい。
「どうやってなるんだよ。」
「王になる資格があるの。ある石があるんだけど、それに触れて、その石が光った人は王になる資格が与えられる。私はその資格を得たの。」
「へぇ〜。じゃあなればいいじゃん、王に。」
するとアイリスは何か困ったふうにこちらを見つめているのに気が付いた。
まだ何かあるんだろうか。
「王になるには護衛剣士を一人つけないといけないの、さっきのあなたかなり強かったでしょ?もうリミッターアップもかけちゃったし、その…」
何となく次にいう言葉がわかる気がする。
剣士になってくれないか?じゃないのか?
「どうか、私の護衛剣士になって下さい。」
やっぱりな。
俺は日本にいた頃の自分の思考を思い出す。
”そりゃぁ出来ることなら剣士や騎士がいいさ”
今その願いが叶おうとしている。
俺がなりたかったもの、剣士だ。
このままなんの手がかりも掴めないままじっと異世界で暮らすくらいなら……
なってやるとも、剣士でも何でも!
「分かった。護衛剣士は俺に任せな、アイリス。」
「ありがとうリク!感謝するわ!」
こうして俺の異世界剣士生活が新しく幕を開いた。