この素晴らしい世界に両津勘吉を!   作:ダイアジン粒剤5

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 物語が終盤に近付くほど筆は重くなるものなのだということを、今回よく理解しました。


第7話

 「エクスプロージョンーーーーーーッ!!!!」

 

 満天の星が輝く夜空から降って来た巨大な隕石にめぐみんの爆裂魔法が炸裂し、隕石を粉々に砕いた。そして、魔力の残り香に焼かれた隕石の破片が白い帯を残しながら、まるで雪崩のように眼下の街へと降っていったーーーー。

 

 「ふははははははは!どうです、どうですカズマ、いまの爆発は!?今のは何点、何点でしたか?!」

 

 大量の高純度マナタイトからもたらせられる膨大な魔力と高級シュワシュワのあわせ技でテンションがエライことになっためぐみんが、紅魔族らしく瞳孔を真っ赤に輝かせながら俺に聞いてくる。

 

 「んー、87点。魔法の発動が若干遅かったうえに、爆発の中心が隕石の中心から外れていたな。隕石の壊れ方がいまいちだったし、爆発の衝撃波も響き過ぎていた」

 

 「グゥッ!確かに、今のは自分でもいまいちだったと思いました・・・・。しかし!今日は一度や二度の失敗など気にする必要はないのです!両さん!次です、次の隕石を、早く!」

 

 瞳孔どころか目全体を血走らせ紅く輝かせためぐみんが、巨大な中華鍋に満ちた酒を一気飲みしていた両さんに次の隕石を催促する。

 

 「おう、まかせとけ!おい悪魔ども、次だ!もう一発、隕石を落とせ!」

 酒を一気に飲み干すた両さんが形態に向かって命令すると、携帯の向こうから「もう無理です!」と泣きそうな声が返ってきた。

 なんでもこの隕石は高位悪魔が残機を減らすレベルで魔力を消費してようやく発動させられる高位呪文らしい。

 そんな呪文を何発も、しかも何もない空に爆裂魔法を撃っても満足できないというめぐみんの我侭を叶えるために使わなければならない悪魔たちは、さぞたまったものではないだろう。

 

 「ガタガタ言わずにとっとと落とせ!落とさないとただじゃあ・・・・・!」

 

 だが、そんなものを斟酌してくれる両さんではない。

 両さんのドスの利いた声に恐れ戦いた悪魔たちは、泣きながら呪文の詠唱を始めたのだった。

 

 「よしめぐみん、準備が出来たぞ!」

 

 「ありがとうございます!さあ、次は高得点を狙いますよ~」

 

 両さんに礼を言っためぐみんは、次の詠唱のために喉を湿らせようとしたのか高級シュワシュワをラッパ飲みし始めた。

 

 「お、おいめぐみん!飲み過ぎではないのか?!あんまり若いうちから飲むと、パアになるというぞ!?」

 

 ダグネスがラッパ飲みを続けるめぐみんを止めようとするが、両さんがその前に杯を差し出して遮った。

 

 「心配するこたぁねぇよ、ダグネス。わしなんかアレだ、赤ん坊の頃から飲んでたんだぞ?親父がわしの哺乳瓶に酒を入れてたんだ」

 

 「あ~、だからリョーさんってばパアなのね~」

 

 余計なことを言ったアクアが両さんにお仕置きされているのを尻目に、ゆんゆんが酒瓶と盃を持ってめぐみんのそばに駆け寄っていった。

 

 「め、めぐみん!ラッパ飲みは行儀が悪いよ!その、私が注いであげるから、こっちで飲もう?」

 

 「ハッ、わかってませんね、この娘は。この飲み方がカッコイイのではありませんか!」

 

 そう言って手でシッシッと払うめぐみんに、ゆんゆんが涙目となっている。

 

 「ねえ、ちょっと助手君」

 

 クリスが俺の袖をクイクイと引っ張ってくる。

 

 「なんすかお頭。今作戦中なんですから静かにしてくださいよ」

 

 「これのどこが作戦なのさ?!普通に宴会してるだけじゃない!ねえ事態の深刻さが分かってる?キミには本当のこと話したよね!?ねえ?!」

 

 最終戦争が迫っていることに焦っているのか、クリスが涙目で詰め寄ってくる。

 

 「落ち着いてくださいよ、お頭。ちゃんと分かってますから。これは両さんを酔い潰してその隙に元の世界に送り返そうという非常に高度な作戦なんですから」

 

 「それのどこが高度なのさ!?そんなんじゃなくて、もっとこう、普段みたいに悪知恵を活かした狡賢い手で・・・・・!」

 

 「狡賢いって言うなよ。それに、両さんにその手の手段は通じねーよ」

 

 だってあの人、悪知恵も狡賢さも俺より遥かに上なんだもん。

 そのうえあっちの世界の技術にも異常なほど詳しいし、肉体的な頑強さも桁違い。

 ぶっちゃけ完全上位互換で戦いになったら勝てる気がしない。

 

 「だからこれが一番いい手なんですよ。分かったらお頭も両さんに酌でもしてもっと飲ませてください。世界平和のためですよ」

 

 「う~、そうかもしれないけど、こうしてる間にも天界が・・・・。それに、あの人本当に酔い潰れたりするの?もう大樽を3本くらい一人で飲んでるのに、全然平気そうだよ?」

 

 それな。

 うん、それは俺も気になってた。一緒に飲んだことはあるから両さんがウワバミだってのは知ってたけど、まさかここまで底なしだとは思ってなかった。

 正直作戦をミスったかもしれなかった。

 

 「ま、まあいくら両さんでもいつかは潰れるだろ。とにかく俺たちはひたすら両さんに飲ませて、酔い潰させればーーーー」

 

 俺が言葉言い切るよりも早く、ドーン!という音と共に扉が開き、巨大な神輿が幾つも部屋の中に入って来た。

 

 「おおっ!来たか!!」

 

 アクアへのお仕置きを中断した両さんが立ち上がると、ワッショイ!ワッショイ!と神輿を担いでいた男たちの一人、くすんだ金髪の男ダストが声を張り上げた。

 

 「そりゃあもちろんですよ!両さん。両さんが来いっていうなら、たとえ魔王城にだって駆け付けますよ!!」

 

 「ははっ、嘘つけダスト!お前はタダ酒飲みたくて見ただけだろうがよ!」

 

 よくよく見ると、神輿を担いでいるのは見知ったアクセルの街の住民たちばかりだった。

 冒険者たちだけではない、ギルドの職員たちや、検察官のセナまでが来ていた。

 しかもその恰好は晒しを撒いた半被というものだから、神輿をワッショイワッショイとやるたびに胸元が揺れて、実にたまらんことになっていた。

 

 「助手君、鼻の下、伸びてるよ」

 

 「の、ののののの、伸びてねーし!」

 

 クリスの冷たい目から逃れ、俺は両さんに尋ねた。

 

 「あ、あのー、両さん?これは、いったい・・・・」

 

 「おお、カズマか。いやな、この前アイリスに祭りと神輿のことを話したら随分と興味を持ってな。だったら見せてやろうと色々準備していたんだが、せっかくだからこの機会に見せてやろうと思ってな。町の連中を呼んだのはついでだ。やっぱり祭りは、大勢で盛り上がらんとな!」

 

 そう言って両さんが指さした先を見ると、そこではアイリスが目をキラキラと輝かせて神輿に見入っていた。

 

 「すごい!すごいです!これがお兄さまや両さんが言っていた神輿で、祭りなのですね!本当に、すごいです!」

 

 言葉を忘れてすごいすごいと繰り返すアイリスの姿を見ていると、こっちまで幸せな気分になってくる。

 小さなことなど忘れてしまいそうになるくらいだった。

 

 「忘れないでね?」

 

 「アッ、ハイ」

 

 クリスの冷たい言葉に我に返る俺をよそに、両さんはアイリスを肩に抱きかかえながら言った。

 

 「よし、アイリス。これから祭りを一番楽しめる場所に連れて行ってやるが、怖くなったらいうんだぞ?」

 

 「大丈夫です!私はこれでも王族、強いんです!」

 

 アイリスの言葉にそうか、と笑った両さんは、人を抱えているとは思えぬ身軽さで神輿の棒に飛び乗った。

 

 「よーし、お前らいくぞ!ワーッショイ!ワーッショイ!」

 

 ワーッショイ!ワーッショイ!

 

 両さんの掛け声に合わせて、ダストたちが神輿を揺らし始める。

 アイリスを肩に乗せているにも関わらず、両さんは見事にバランスをとっている。

 そして当のアイリスは、揺れる神輿に御満悦のようだった。

 

 「ワーッショイ!ワーッショイ!」

 

 「おお、いいぞアイリス!それ、ワーッショイ!ワーッショイ!」

 

 アイリスと両さんの掛け声に合わせて揺れる神輿。

 その姿に血が騒いだのか、両さんのお仕置きを受けて泣いていたアクアが立ち上がり、別の神輿の上に飛び乗った。

 

 「神輿は神様の乗り物。つまり、水の女神である私が神輿の上に乗るのは当然なのよ!そーれ、花鳥風月!」

 

 神輿に飛び乗ったアクアが得意の水芸を披露する。

 そして、アクアの作り出した水を浴びた担ぎ手たちが歓喜の声を挙げ始めた。

 

 「おお、アクア様の神聖な水を浴びることが出来るなんて・・・・・!」

 

 「これも私たちの日ごろの行いが良いせいね!」

 

 「アクシズ教バンザイ!アクシズ教バンザイ!」

 

 「アクシズ教をよろしくお願いします!!」

 

 ・・・・・どうやら、神輿の担ぎ手たちはアクシズ凶徒たちだったようだ。

 そういえば神輿のデザインがどことなく水色っぽいし、担いでいるお姉さんの一人はアクセルの街のアクシズ教会で見たことがある気がする。

 この狂信者たちを呼ぶとか、両さんはいったい何を考えているのだろうか?

 

 「おお、あっちも盛り上がってるな!それなら喧嘩神輿だ!それ、行けー!!」

 

 だがそんな俺の懸念はよそに、両さんは気分良く号令をかけ、それに応じた冒険者たちが勢いよくアクシズ教徒たちの担ぐ神輿に突撃していった。

 

 「よっしゃー!くらえ、アクシズ教徒ども!普段は関わり合いになりたくなくて流してるけど、前々からお前らにはムカついてたんだよ!」

 

 「そうだそうだ!この前も人の良心に付け込んだ嫌らしい勧誘してきやがって・・・・!お前らだけは、絶対に許さねー!」

 

 「この前なんてアクア様を讃えるための壺なんていうわけのわからないものを部屋の中に勝手に置いていきやがって!ゴミに出すのもタダじゃねーんだぞ!」

 

 日頃からアクシズ教徒には色々と迷惑を掛けられてきたからか、冒険者たちが担ぐ神輿以外の神輿たちまで両さんの後に続き、アクアの乗るアクシズ教の神輿を壊さんばかりに自分たちの神輿をぶつけ始めた。

 多くの神輿にぶつかられたアクシズ教の神輿は当然ながら揺れに揺れ、アクアは棒の上から転げ落ちそうになっており、転げ落ちないよう涙目になりながら神輿にしがみついていた。

 

 「んきゃあああああああ!?な、なによなによ!みんなしてウチの子たちを悪く言って!アクシズ教は、不当な弾圧なんかには負けないんだからね!みんな、やっちゃって!」

 

 そう言うとアクアはアクシズ教徒たちに支援魔法をかけ、信仰する女神さまから支援を受けた狂信徒たちは最高潮までテンションを上げていきり立ち始めた。

 

 「うおおおおお!体に力が漲る!これがアクア様の御加護!!」

 

 「行くぞお前たち!異教徒どもをぶちのめせー!」

 

 「こんなに世の中を良くしようと頑張ってる私たちを悪く言うなんて許せないわ!」

 

 女神の加護を受けたアクシズ狂徒の士気はすさまじく、たった一騎で群がる神輿たちを蹴散らし始めた。

 

 「うう、このままでは負けてしまいます!・・・・ララティーナ、助けてください!」

 

 「ええっ?!」

 

 アクシズ教徒の猛攻に苦戦するアイリスが、両さんの肩の上からダグネスに助けを求めた。

 

 「わ、私がですか!?いえ、ですが、それはその・・・・・」

 

 基本的には真面目な堅物であるダグネスである。

 いくらアイリスの頼みとはいえ、倒すべき敵としてやって来た両さんの側に立って仲間であるアクアの敵に回るのは抵抗があるらしく、目を泳がせながらしどろもどろになっている。

 

 「お願いです、助けてくださいララティーナ!このままでは、アクシズ教徒に負けてしまいます!エリス様を奉じるクルセイダーとして!王家の盾たるダスティネス家の当主として!私を助けてください!」

 

 「!!」

 

 だが、目に涙を溜めながら懇願するアイリスの姿にダグネスの胸の中にある何かが燃え上がってしまったらしい。

 ダグネスは意を決した顔をすると、単身で無双を続けるアクシズ凶徒たちの操る神輿の前に立ちふさがった。

 

 「聞け、アクシズ教徒ども!我が名はダスティネス・フォード・ララティーナ!姫君たるアイリス様を守る盾にして、エリス様を奉じるクルセイダーなり!私がいる限り、アイリス様には指一本触れさせない!」

 

 まるで邪悪な巨竜から人々を守る騎士の様にアクシズ兇徒の前に立ちふさがるダグネス。

 そしてそんなダグネスに、邪竜たるアクシズ狂徒たちは邪な威圧感と敵意に満ちた視線を送った。

 

 「なにおう?!この邪悪なエリス教徒め!」

 

 「そうよ、ちょっとくらいアイリスちゃんに御触りしたっていいじゃない!」

 

 「そうだ、ついでにお前も御触りしてやる!これは不可抗力だから、仕方がないんだ!」

 

 敵意と好色に満ちたアクシズ教徒たちの態度に、ダグネスが顔を紅潮させる。

 うん、あれは確実に興奮しているね。ハァハァ言ってるし。

 

 「な、なんという強烈な敵意だ・・・・!。それに、あの好色な視線・・・・・!ああ、あのいきり立ったアクシズ教徒たちに、私はこれから滅茶苦茶にされてしまうのだな・・・・・!」

 

 あの女はもう駄目かもしれない。

 

 「ああ!ダグネスったらそっちに付く気!?この裏切り者!いいわよ、そっちがその気なら、こっちも援軍を呼ぶからね!来て、クリス!!」

 

 「ええっ!?」

 

 突然アクアに呼ばれたクリスが驚きの声を挙げる。

 

 「ちょ、ちょっと待ってよアクアさん!なんで私が、そっちに付かないと・・・・・」

 

 「いいから!早く!」

 

 「は、はい!!」

 

 涙声になって叫ぶアクアの声に、クリスが弾かれたようにダグネスの前に立った。

 先輩であるアクアの頼みを断れないエリス様は、クリスになってもアクアには逆らえないようであった。

 

 「ああっ、クリス!お前エリス教徒のくせにアクシズ教徒の側に立つのか?!」

 

 「え、え~と、まあ、そういうことになっちゃった・・・・・かな?」

 

 ダグネスの詰問にクリスが頬の傷を掻きながら困った様な笑みを浮かべて答える。

 

 「おお、いいぞ銀髪の兄ちゃん!そのエリス教徒に目にもの見せてやんな!・・・アレ、でもおかしいぞ?ああいうタイプの少年は俺的にドストライクの筈なのに全然反応しないぞ?」

 

 何に反応しないのかは考えないことにしておく。

 

 「あの子はああ見えて女の子よ。でもおかしいのよね、それでも私的にはアリの筈なのに反応しないのよねー。エリス教徒だから?でも、普段はエリス教徒でも反応するのに・・・・・」

 

 「まあいいじゃないか。おーい、嬢ちゃん!エリス教徒なのは気に食わないけど、これが終わったら名誉アクシズ教徒にしてやるから頑張れよー!」

 

 「ごめんなさい、それは本当に勘弁してください」

 

 アクシズ教徒たちからの声援を、クリスが思わず敬語になって拒否している。

 それだけ名誉アクシズ教徒ととやらに認定られるのは嫌なのだろう。変態の代名詞みたいなものなので当然だが。

 どちらにせよ、クリスの加入によってアクシズ教徒の士気は更に上がってしまった。

 このままアクシズ教徒の勝利で終わるかと思われたが、それを許すような両さんではなかった。

 

 「こら、何を怖気づいてるんだ!こっちの方が数は多いんだ、気圧されるんじゃない!」

 

 「そうです!この国の姫たる私と、その盾たるララティーナがいるのです。あんな背教者一人が加わったからといって負けるはずがありません!」

 

 「ちょっと待って!私は背教者じゃないよ?!全力で、エリス教徒だよ!?」

 

 クリスが必死に反論するが、アイリスの言葉で色々と盛り上がってしまったらしい冒険者たちにその言葉は届かなかったようだ。

 

 「そうか・・・・そうだな!アクシズ教徒たちのあまりの迫力にビビッちまったが、こっちにはこの国と、エリス様が付いているんだ!行くぞみんな!アクシズ教徒の奴らに、日頃の迷惑の恨みを晴らしてやろうぜ!」

 

 「おお!エリス様、万歳!!アクシズ教徒たちに、日頃の鬱憤を晴らしてやるぜ!」

 

 「エリス様の名のもとに!アクシズ教徒どもにお仕置きだー!!」

 

 「ちょっと待ってみんなー!?エリス様はそんなこと望んでないよ?!エリス様のためにも、平和にいこうよ!!」

 

 盛り上がる皆を必死で止めるクリス。 

 だが残念だなクリス、別に皆はエリス様のために戦おうとしてる訳じゃないんだ。

 普段は関わり合いになりたくなくて我慢しているアクシズ教徒たちの奇行に対する鬱憤を、この機会に晴らしたいだけなんだ。

 この喧嘩祭りは、もう止めることが出来ないんだ。

 

 「な、なによ、皆して私たちを悪者にして!それならこっちだって徹底的にやってやるわよ!行くわよ、みんなー!」

 

 「おおー!アクア様のためにも、エリス教徒なんかに負けてたまるかー!!」

 

 「待ってー!?こんなの、絶対におかしいよ?!」

 

 まさに一触即発の状態となったアクシズ教徒とエリス教徒を、それでも何とか止めようと悲痛な叫びをあげるクリスだったが、その声をかき消すようなドーン!という轟音が、空から響いた。

 

 「ふははははははは!見ましたか、カズマ!これぞまさに、100点満点の爆裂魔法です!さあ、次!次です!次の一発で私の爆裂魔法は更なる高みに達し、100点をも超えるでしょう!!」

 

 「待ってめぐみん!もうやめて!?鼻血出てるし目も真っ赤だし、魔力の流れもおかしいよ!?これ以上撃ったら死んじゃうよ?!」

 

 「ええい、放しなさい、このボッチが!真の爆裂道を極めるためならば、命の一つや二つ、惜しくありません!!」

 

 「命は一つしかないよ?!お願いめぐみん、もうやめて!逝かないで、私を1人にしないで~」

 

 鼻血を流しながらも更に爆裂魔法を放とうとするめぐみんと、それに縋り付いて涙目で止めているゆんゆん。どうやらさっきの轟音はめぐみんの爆裂魔法が原因だったようだ。

 めぐみんの様子は明らかにヤバいし、俺ももう爆裂魔法を撃つのはやめといた方がいいとは思うが、それはそれとして、さっきの轟音がエリス教徒とアクシズ教徒の戦いのゴングとなってしまったようだった。

 

 「いくぞアクシズ教徒!日ごろの迷惑の怒りを思い知れー!!」

 

 「こんなに世の中を良くしようとしている私たちを悪く言うなんて、これだからエリス教徒は!上等だ、かかってこいやー!!」

 

 最後に遠くからクリスの泣き声が聞こえてきたような気がするが、始まってしまったこの喧嘩祭りを止めることは、仮にエリス様本人が降臨されても無理だろう。

 そんな混乱と狂騒を眺めながら、俺に言えることは一つだけだった。

 

 「これ、収拾がつくのか・・・・?」

 

 両さんを酔い潰してその隙に元の世界に送り返すという本来の計画が実現できるのか否か、それはもう、俺にも分からないことだった。

 




 長くなり過ぎた上に終わらせられませんでした。あと数話以内には終わると思いますので、お付き合いいただければ幸いです。
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