東方 幻想録   作:秦霊

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第52話 昏睡と古傷

〜幻想郷・旧橘邸〜

満月が姿を現し辺りを薄暗く照らす中三本の妖怪木を見ながら縁側で酒を飲む男が一人。

 

「、、にしてもまさかあの三本を持ってくる事になるとはなぁ」ゴク

 

一升瓶を片手に持ち縁側の支柱に背を預け三本の妖怪木を片目に酒を飲む、、そうこの家の主こと秋人だ。

 

「、、アイツらもこの木が気に入ったみたいだしいいが、、俺にはどうもなぁ」ゴク

一言そう言うと秋人は一升瓶に口をつけ酒を飲む。最近の日課だ。嫁達は家の中でアルト達とワイワイ話しながら酒を飲んでいる。

 

「」ゴク

 

また一口、そしてまた一口と飲んでいると

 

「ありゃ、、無くなっちまった、、」

 

無くなってしまう。

 

そんな時丁度右側の襖が開いた。

家の中からは服が乱れ、その綺麗な白い肌を露出させている妖夢が立っていた。

「おん?妖夢、、?どし、、た?」

 

その光景に思わず旦那である秋人でさえも言葉失う、、

「綺麗だ、、」

そして本音が出たその時だった。

「あ゙〜ぎ〜ど〜」ダキ

 

「うわッ!酒臭ッ!」

「えへへ〜あきとの匂いだ〜」スリスリ

「あッ!ちょっ!」

秋人が反応に困ったが、抱きついてきた妖夢を抱き寄せ胸の辺にある妖夢の綺麗な白髪の髪を撫でる。

 

するといつの間にか胸の辺りから寝息が聞こてくる。

秋人が下を向くとそこは

「んー」スピィー

っと可愛い寝息を立てて眠る妖夢の姿があった。

 

「っく、誰だよこんなに妖夢に酒飲ませた奴、、」

そう言いつつ秋人は傍らにある氷水入りのバケツの中からもう一本一升瓶を取り出すと一升瓶の細い部分を軽く握ると一升瓶の酒蓋をコイントスの容量で弾き飛ばし酒瓶開ける。

酒蓋は綺麗な弧を描きバケツの中へと入る。

 

「、、嫁を抱きながら酒とはな、、まさに花より団子だな、、」ゴク

また酒を一口飲み、改めて考えていると

(いや、花と団子2つとも味わっているか)

そう思い微笑んでいるとまた隣の襖が開いた。

 

すると今度は見慣れた赤紫色のスカートが目に移り上を見上げるとそこにはワイシャツに赤いネクタイをした優曇華が立っていた。

 

すると優曇華は秋人の腕の中にいる妖夢に気がつくと

「あっ!ここにいた!」

と言って起こそうとするが、、全く起きない、、

 

「優曇華、少し寝せてやってくれ妖夢だって疲れてたんだろ」

「ん、、それもそうね。秋人ごめんなさい妖夢を頼んだわ」

「あいよ、任された」

 

そう言って帰ろうとした優曇華だったのだが、、

 

だが、、

 

 

「」クルッ ピト

「あれ?優曇華?」

帰ろうとした優曇華だったのだが、クルっと反転し秋人の酒瓶を持っている右腕へとくっついてきた。

 

「えへへ、、やっぱりこっちがいい////」

優曇華は秋人に背を預けると右腕を取り抱きついた。

 

「っく、、うちの嫁は可愛い奴しか居ねぇな」

そう言いつつ秋人は右手の酒瓶を再びバケツの中へと戻し、優曇華を自分の腕の中へと抱き寄せる。

 

その状態が数十分続いた頃

 

 

 

 

「ふふふっ」

突然笑い声が聞こえたので周りを見渡すが見当たらない。気のせいかと思った時「キャッ!」と優曇華が上を見上げ悲鳴をあげた。

 

秋人も上に何かあるのかと思い上を見上げるとそこには

 

 

逆さまの状態で上半身だけ出し、口元を扇子で隠した紫が居た、、

 

 

これには秋人も苦笑いするしかない。

 

「紫、、お前そんなところで何やってんだよ、、」

その通りである。声がしたと思ったら上から逆さに生える紫が居るのだから、、それはもう軽くホラーとしか言い様がない。

 

「ふふふっ、いやあまりにも遅いから優曇華ちゃんを呼びに来たんだけれど、、私も混ざろうかしら」

 

そう言いながら紫は扇子を閉じ、スキマへと投げ入れ天井から降りてきて秋人が背を預けている支柱へと紫も背中を預ける。

 

「なんだよ、、優曇華呼びに来たんなら普通に出てこいよ、、」

「いいじゃない。こっちの方が面白かったでしょ?」

「面白いっつーか軽くホラーだわ」

「はぁ、、ほら優曇華、紫が連れ戻しに、、」

 

秋人はそう言いかけたのだが、、

 

「」カタカタカタ

 

そこには青ざめた顔をし秋人の右腕にしっかりとくっつき小刻みに震える優曇華が居た。

(、、そういやぁ優曇華ホラー苦手だったな、、)

 

「あ、あら?優曇華ちゃん、、そんなに怖かった?」

紫が優曇華に確認を取ろうとすると優曇華はカタカタと震えながらコクコクと首を縦に振った。

 

流石にこれには紫も

「ちょっ、、ちょっとやり過ぎたわね」

「いや、ちょっと所の話じゃないと思うんだが、、」

 

もしこの場でホラーが優曇華より苦手な妖夢が起きていて紫の軽くホラーな登場をモロにくらっていたのならどうなっていたことか、、そう思う秋人であった。

 

 

程なくして縁側は秋人とその嫁達、また霊夢と魔理沙、綾人やアルト達も縁側でワイワイと酒を呑むようになった。

 

(全く、、一人来るとみんな来るな)

満月を見上げながらそんなことを思う秋人であった。

 

 

 

 

 

〜翌日・正午〜

「あ゙あ゙づがれだ〜」

「ぬ、主、、どうしたのじゃ?」

白蛇は縁側に座布団を枕代わりにして横になる秋人に質問した。

 

「あ゙あ゙〜白蛇腰痛いから指圧してー」

「お主は爺さんか!」

「最近腰が痛くてのぉ〜」

「わざわざ爺さんの真似せんで良いわッ!というかそんなに腰痛いなら永遠亭に行けばよかろう」

白蛇がそう言うと秋人はハッとした顔をして

 

「その手があったか!」

「主、、主の嫁は医者じゃろうが、、」ハァ

呆れたように溜息をつく白蛇だった。

 

秋人はゆっくりと立ち上がるとボキボキと音を鳴らしながら首を回し、縁側から庭へと出る。

「それじゃ白蛇行ってくらー」

「うむ、行ってらっしゃいなのじゃ」

 

 

 

足に力を入れ、飛び上がると同時に霊力を下へと放ち飛ぶ。

 

本当に幻想郷はいい所である。自然は豊かであり尚且つ昔の日本というものがあり風情を感じる。空から見てみれば色々なものが見える。

 

例えば、命蓮寺にて座禅をしている綾人や紅魔館に入ろうとして咲夜に退治されている文、笑顔でチルノに頭突きしている慧音、幻想郷全土を見渡せる妖怪の山の崖あたりで哨戒をしながら親しく話している椛ともう一人の白狼天狗の男、などなど幻想郷は平和で面白く景色も綺麗なところだ。

 

 

そうこうしていると迷いの竹林へと入った。

迷いの竹林へは正直飛ぶより歩きが早いのでここからは歩く。

 

木漏れ日が指す竹林を歩いていると久しく会う人物と会った。

「お前、、秋人か?」

 

そう言われ振り返るとそこには白髪の赤いニッカポッカ、ポロシャツを着ている女がいた。

「よぅ!妹紅じゃねぇか、久しいな」

ポケットに手を突っ込んだまま話す秋人に妹紅は微笑しながら

「昔と変わらず相変わらずの態度じゃないか。変わってなくて良かったよ」

 

「そりゃどうも」

少しいわみを言われた時のように秋人は適当に返した。

「いや、ホントなんだって、、まぁみんな変わっていくから私的は昔と変わらない奴がいるといいんだが、、」

そう言って妹紅の顔は顔を暗くした。

「なんだ、そんなことかよ。それを言ったら紫や永琳達も変わってないだろ」

「ま、まぁそうなんだがなぁ、、」

妹紅は少し下を向きモジモジとしていた。

 

「そういやぁ妹紅はなんで迷いの竹林に来たんだ?」

「ん?優曇華とかから聞いてないのか?」

「は?なにを?」

「なんだ、知らないのか、、私の家はここの中にあるんだぞ?」

 

「えっ、なん、、だと?」

 

秋人がそんな反応をする中妹紅は

「そんなに驚くことか?」

と首を傾げていた。

 

「まぁそれで今日はどうしたんだ?迷いの竹林へと来て、、あっ永遠亭か?」

妹紅がそう言うと秋人は

「そうだなご明察道り永遠亭だ」

「なら案内しよう。私はここの案内人だからな」

「なんだそうだったのかよ」

「まぁゆっくり話しながら行こう」

「そうだな」

 

 

 

秋人は妹紅の案内で木漏れ日の指す竹林の中へと入っていった。

「ところで今日は永遠亭に用事でもあったのか?」

「あぁまぁ最近腰が痛いからなぁ」

秋人がそう言うと妹紅はクスクス笑いながら

「お前も爺さんになったか」クスクス

「そうだな、もうジジイだな」

少し萎れながら秋人がそう答えると妹紅は

「悪かったよ、、ちょいとからかいたくなったんだ許してくれ」

と笑いながら言った。

 

「そういやぁ秋人は今何処に住んでるんだ?」

「今は妖怪の山の九天の滝近くだな」

「あーあそこかー」

「そうだ、あそこ景色綺麗で好きなんだよ」

「ん?というかあそこは妖怪の山の天狗達の私有地だろ?どうやってそんなに家を、、」

妹紅は少し困惑気味に秋人に聞いた。

 

「妖怪の山の天狗達の長の天魔は俺の嫁だからなぁ〜頼んだら、、というかそもそもあそこ藍が許可取ったらしくてな紫があっちの世界から家ごと持ってきた」

「えぇ、、そんなことが、、というかやっぱり紫かー」

妹紅はちょこっと引き気味にそう言った。

「まぁな大体俺をこっちに連れに来たのだって紫だし」

「だよなぁそんなこと出来るの紫しか居ないしな」

「そうだな」

 

そうこう話をして歩いていると妹紅が不意に止まった。

「おっ?どしたよ妹紅」

「ん?あぁいやここから右に行けば私の家だぞ」

「ほへーマジか、今度遊びに来るわ」

「あぁ楽しみにしとくよ、さぁここを左に行くともうすぐ永遠亭だ」

「おう、案内ご苦労s」

 

そう言いかけた時だった。突如として秋人は後ろから抱きつかれ、後ろを振り返るとそのには、、

「秋人だ〜」スリスリ

 

そう言ってくっつきてくる秋人の嫁の一人である影狼だ。

「おいおい影狼じゃないか。急にくっついてきてどうしたよ」

「ん?あ〜秋人を見つけたからくっついた」

 

(可愛すぎかよ、、)

秋人はきっとそう思っだろう、、だが隣の妹紅はニコニコしながらもイライラしているご様子だったことを秋人はハッキリと確認した。

 

「あっあれ?妹紅さんどうしたんすか?」

秋人が少し引き攣りながら妹紅に質問すると

「別に、、ほら永遠亭に行くぞ」

そう言って秋人の右手首を掴み強制連行するのであった。

「あっ!?ちょっ!妹紅〜」

 

 

 

 

〜永遠亭〜

「はぁ、、なんと言うか、暇ね」

「でふね師匠、、」

優曇華はモゴモゴと妖夢から貰った和菓子をほうばりながら答えた。

「優曇華食べてから喋りなさい」

優曇華はモグモグと数秒してからゴクンと飲み込んだあと

「はいすみません師匠、、師匠も和菓子食べません?美味しいですよ」

そう言いながら優曇華はまた一つ机の上の和菓子を手元の皿に取った。

 

その一方永琳は隣で診療室に置いてあるいかにも高級そうな革製の椅子にギシギシと音を立てながら背を預け、竹で装飾してある和風の窓の外を眺める。

「はぁ、、暇ねぇ。誰が来ないかしら」

 

永琳がそう言った時だった。突然感じ慣れた妖力を感じた。すると優曇華が同時に

「あれ?これって妹紅さん?」

どうやら優曇華も気づいたようだ。だが、永琳には特徴的な妖力があと二つ感じた。

「これ、一つは影狼ね。もう一つは、、秋人?」

「ですかね?でもこんなに妖力小さかったけ?」

「よね、家にいる時はもっとある様な、、」

 

永琳と優曇華が不思議がるのもそのはずあちらの世界の妖怪は力を持っているので妖力を普通より少し強く発していた。

だが、こっちの世界(幻想郷)では力の弱い妖怪が紫の''幻と実体の結界''により幻想入りしているので平均的にあちらの世界より妖力が弱いのだ。なので秋人は無駄に力を使うより力を温存することにしたのである。

 

 

「おーい!優曇華居るかー?」

二人が不思議がっている時予想通りに妹紅の声が玄関先で聞こえてきた。

「は、はーい!」

優曇華が声を聞き出ていく。永琳も聞き耳を立て反応を探っていると

「あっ!やっぱり秋人だ!」

と優曇華の声が聞こえてきたので永琳も

(やっぱり、、でもなぜ妖力が弱かったのかしら)

とも思っている永琳であった。

 

 

「師匠〜秋人連れて来ましたよー」

優曇華はそう言って診療室の扉を開ける。

「ういー永琳」

「邪魔するぞ〜」

 

秋人と妹紅がそう言うと永琳は目を瞑り一つため息をつくと

「全く貴方達は、、ブレないわねぇ、、それと影狼はどうしたの?」

「あぁ影狼はまた夜来るとか行って一旦帰った」

 

「そうなの?わかったわ、、それで今回はどうしたの?あっまだあの回復薬は出来てないわよ」

秋人は永琳の前にある丸椅子に腰をかけ、妹紅は扉近くの壁に背を預ける。

「いや、今回はその件じゃないんだ」

 

永琳はより一層首を傾げ不思議そうに秋人を見る。

「じゃなんなの?アレかしら前みたいに自分の嫁に会いに来た。的な奴かしら」

「んまぁそれもあるんだが、今回腰痛くてな」

「ぷっっ」

「なんだよ妹紅」

「えっこ、腰?」

永琳が驚きを隠せず思わず革製の椅子から背を離し、妹紅が吹き出した。

「あぁ腰だ」

 

はぁ、、と溜息をつきながら永琳は立ち上がる。

「わかったわ、そしたらそこの診察台に寝てちょうだい」

「あいよ」

「あっ秋人ちなみに上は脱いでね」

「ん?あぁわかった」

「そ、そしたらわ、私は退室するぞ」

 

そう言ってそそくさと退散する妹紅に対し永琳は

「あら?いいの?秋人の背中見なくて」

と茶化した。

「うぐっ、、」

「、、基本的に俺は居てもいなくても良いんだがなぁ」

そう言いながら秋人は着ていたジャンパーパーカーを脱ぎ下に来ていたTシャツと下着を脱いだ。

 

「ちょっ!いきなり脱ぐな、、よ」

妹紅はびっくりしつつもそこに居た。

 

「相変わらず貴方の背中の傷は凄いわね、、」

「と、言うかなんなんだ?その大きな傷跡」

妹紅からも質問が飛んでくる。

確かに秋人の背中には右肩から左の脇腹にかけて大きな傷跡が残っており他にも多数の深い傷跡が残っていて昔の戦闘の激しさを物語っていた。

 

「んーまぁ前の古傷だな。前に忌み子同士で一部が裏切ってなそれで内乱があったんだよ。そんときの傷だ」

「前から気になってはいたけど、、そんな経緯が」

「まぁ俺の色々修羅場を潜り抜けてきた証さ」

 

永琳は少し微笑すると

「ものは言いようね」

と言った。

 

 

 

大体の診察が終わり服を着なおすと優曇華が丁度お茶を持ってきてくれた。

「秋人、師匠お茶を持って来ました。どうぞ。さっき注いだばかりだから暖かいですよ」

「おっ!優曇華サンキュー」

「ありがとう」

 

妹紅は永遠亭を離れ人里へと向かった頃、

永遠亭の縁側では秋人が片手で湯呑みを持ち茶を飲み、永琳が隣で正座しお茶を両手で持ち縁側の外を見る。優曇華も秋人の隣へと座り自分の分の湯呑みを持っている。

はぁ、、と一つ溜息をつき縁側を見るとてゐが落し穴を掘っていた。

(まぁーたなんかやってんなぁー)

 

そう思っていると隣の永琳が

「またやってる、、全くあの子は」

そう言って永琳はお茶の入った湯呑みを傍らに置き立ち上がると、突如どこからとも無く出した弓を引き

 

スパッ

 

「う、、さ?」

風を切る音を立て、てゐの頭の上スレスレに矢を当てる。

狙われた本人であるてゐはまるで壊れた機械のようにギギギと首だけを動かしゆっくりとこちらを向くとニッコリと笑顔で

 

「前に庭に穴を掘らないように、って言わなかったかしらねぇ?」

 

と言った。

 

これには流石の神速の死神も顔が引き攣り、隣の狂気の月の兎も青ざめた笑顔のまま固まっている。

そして穴を掘っていた当の本人は

 

「す、すみませんでしたッ!!」

と土下座。

傍らで見ていた二人は

((今度から永琳[師匠]を怒らせないようにしよう、、))

と密かに思っていた。

 

こうして永遠亭での指圧が終わりこの後帰してもらえない秋人でもあった。




おはこんばんにちは作者です〜。
そろそろ秋に、、いやこの寒さ冬かな、まぁ季節が変わりますがいかがお過ごしでしょうか?
私は色々と忙しく死にそうですが、、趣味である東方小説書きは何がなんでも辞めません(`・ω・´)キリッ
まぁおふざけはこのくらいにして、、
今回もご覧頂きありがとうございます。
では次回もよろしくお願いします。
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