東方 幻想録   作:秦霊

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少しお知らせです。博麗 綾人の綾人という漢字を妖斗と表記するとこになりました。ご迷惑をおかけしますが以降よろしくお願いします。


第53話 日常、、のはずだった

〜永遠亭〜

チュンチュン

 

(あぁまたこのパターンか、、)

秋人はそう思いながら上半身を起こす。すると右からはうさ耳が布団から飛び出し、左からは白髪の長い髪がこちらも布団から飛び出していた。

 

「あぁ体が重ぇそんでだりぃ〜」

「ふ〜ん、、んぁ?おはよ〜秋人〜」

欠伸をし起きてきたのは裸の永琳だった。

「おはようさん永琳」

「んー」ダキ

彼女は目を細めつつ少し甘い声を出しながら左腕に抱きついた。

 

「おいおい永琳二度寝すんのか?」

「んーん、、」

「どっちだよ」

これまた、肯定なのか否定なのか分からない返事をした。

実は永琳、秋人と同じで朝に弱いのだ。どちらかと言えば優曇華が強いくらいなのだ。

 

「、、秋人〜」ダキ

「おう?今度は右か、、」

噂をすればなんとやら優曇華が起きたのである。だが、優曇華は秋人の右腕に抱きつきこちらも離れようとしない。

まぁ正直言うといつもの光景だ。紫や藍、その他も嫁達もやっていることだ。

 

「もういいや、、もっかい寝よ」

そう言って両腕の優曇華と永琳を抱きしめ再び二度寝するのであった。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

チュンチュン

 

「ほら、起きなさい妖斗」

「、、あ、あぁ〜霊夢さんか〜」

「、、早く起きなさい?出ないと母さん呼んでくるわよ」

「ッ!?すいませんでした!今すぐ起きます!」

「よろしい」

妖斗は霊夢に''必殺母さんを呼ぶ''を発動されそうになり慌てて起きる。

「それじゃ私は母さんの手伝いてくるからねぇ〜」

そう言って居間に戻ろうとする霊夢だったが、、

 

「あっ!」

ドタン!!

 

妖斗の足に引っかかり転けそうになったのだが、、運悪く足元に蜘蛛が出てきたため反射的に妖斗の方に倒れ結果的に傍から見れば抱き合っているようになってしまった。

「痛ったー。妖斗足邪魔、、よ」

「霊夢さん、、そのーこの体制ヤバくないですか?」

 

こちらもまた噂をすればなんとやら、、

「おい、朝から騒がしいぞ」シャッ

そう言って麗華が障子を開けた。

 

「「あっ、、」」

 

「、、すまん。そんなつもりじゃなかったんだ。悪い邪魔した」

 

そう言って麗華はそっと障子をを閉めたのであった。

 

 

流石の霊夢もこれには顔を真っ赤にしすぐ離れたのだが、、

「霊夢さんマジすんません!」

と土下座する妖斗にいつもなら夢想封印をお見舞するのだが、、

 

「アンタのせいで母さんにそんなふうに思われちゃったじゃない、、こ、今回は私と一緒に弁解しなさい。そうしたら許したげる」

と顔を真っ赤にして言った。

これには妖斗も

「、、お、おう。マジすんません」

としか言い様がなかった。

 

あの後ご飯を食べながらの霊夢と妖斗の必死の弁解があり、麗華はひとまず納得はしたが直後、箸をおき

 

「別にお前ら結婚したところで私と秋人は反対はしないぞ?」

との答えが返ってきて霊夢がまたもや真っ赤になり口をパクパクさせていたりした。

 

 

朝飯を食べた後の境内掃除の今日の担当は霊夢であるため、妖斗は人里へと買い物へ行く。

 

「あー今日も無いわねぇ〜」

と隣からは霊夢が賽銭箱を覗きながら言っていたのを尻目に妖斗は人里へと買い物へ行くのであった。

 

 

 

〜人里〜

妖斗が人里へと入るとそこはいつも通り賑やかであった。

「、、さて言われたもん買ってさっさと帰るか」

 

近くの八百屋に入る

「おっ!妖斗じゃないか!今日はさっき入ったばっかりの葉野菜がオススメだぞ!」

「どうも、んーそしたら葉野菜も買うかなぁ」

八百屋の主人に葉野菜を勧められて買おうとしていると突然膝あたりにモフッと何か当たり隣を見るとそこには藍が居た。

 

「おや?九尾の姐さんじゃないか、今日は何を買っていくんだい?ちなみに今日は葉野菜がオススメだぞ!」

「ん?そうだなぁ、、あれ?お前は妖斗じゃないか」

「ど、どうも藍さんお久しぶりです」

「いやー久しぶりに見るな、霊夢は元気か?」

「えぇ元気ですよ」

「なら良かった。あっこの白菜と人参、生姜もくれ」

「あいよー。まいどー」

「それじゃ妖斗、麗華さんによろしくな」

そう言って立ち去ろうとする藍だったが

 

「あっ藍さん」

「ん?」

妖斗がそれを引留める。

ちなみに藍が禍津のことを麗華、と呼ぶのは博麗神社に禍津神が居ることを教えないためでもある。

 

「今日夜何にするんですか?」

「ん?夜か?夜は秋人が帰ってくるからアイツの好きな生姜焼きとじゃがいもの味噌汁かなぁ」

「そうですか、、引き止めてしまってすいません。ありがとうございました」

「いやそれは別にいいんだが、、そんなこと聞いてどうする?」

「あぁいや俺も今日の夜何にするかまだ決めてなくて」

「なるほどなぁ、、なら少しピリ辛のきんぴらごぼうはあったがいいかもな」

「えっ?なんでです?」

 

妖斗が不思議そうに聞くと藍は

「あぁ前に秋人の家で宴会をしたのを覚えてるか?」

「えぇ覚えてますよ。あの時は飛んだとばっちり食らいましたし、、」

妖斗がそう言うと藍は苦笑いをして

「そう言えばそうだったな」

そういった。

 

「あっそれで話を戻すがその宴会の時にちょこっとピリ辛のきんぴらごぼうが出たのを覚えてるか?」

「えぇ覚えてますよ。アレ凄く美味しかったですし」

「そうだよな、、実はアレ秋人が作ったんだぞ?」

「え、えぇ!?秋人さんが!?」

妖斗が驚愕の顔を見せる。

 

「まぁそれでな、麗華さんはそれがかなり好きらしい。これも秋人からの情報だがな」

「ホントですか!?助かります。あっ引き留めてしまってすみません」

すると藍はフッと笑うと

「気にするな」

そう言って別の店へと行ってしまった。

 

「あっおっちゃん!ごぼうと人参、それとレンコンも買う」

「あいよーまいどー」

(んで、後は肉類だな、、きんぴらごぼうだけだと霊夢から夢想封印撃ってきそうで怖いし、、)

「んじゃ〜帰るか」

 

 

 

、、それは妖斗は買い物を終わらせ博麗神社に戻る途中の事であった。

「やぁ、妖斗君」

突如として茂みの中から声が聞こえた。初めは妖斗も低〜中レベルの妖怪だろうと思い茂みの方を見たのだが、、

「 」ニッコリ

 

ニヤニヤしている得体の知れない男がいた、、

「、、貴方は誰ですかね?何故俺の名を?」

「いやー君のことを知っているのは私がこの幻想郷のデータを取っているからだよ」

以前として奴はニヤニヤしながら話をする。

「、、それで?俺に何の用ですかね?こんな待ち伏せのような事までして」

「待ち伏せ、、かまぁ大体は合ってるけど僕は''博麗 霊夢''を狙っていたんだがね?」

「、、霊夢を?何故」

 

妖斗がそう言うと男は突如として真顔に戻り、今度は不気味な微笑みを見せながら

 

「簡単さぁ、、それはあの子が奴の義理の娘だからさ」

そういった。

 

奴の義理の娘、、奴というのは秋人の事であろうと妖斗は察した。

「奴の娘、、ということは貴方は秋人さんの元仲間、、だった人ですかね?」

すると男は関心顔をした。

「へぇ〜アイツそんな事まで話したのかー」

「、、これはギルティだね」

 

「なに!?」

咄嗟に妖斗は殺気を感じ躱すが

「甘いよ、、守りが甘過ぎるよ」

男はそう笑いながら言うと左手に持った赤い刀で妖斗の右腕を切り落とした。

 

「ッグ、、、あぁぁぁ」

「HAHAHA、、滑稽だね。人間を切るのは何千年ぶりだろうね〜」

 

男は嘲笑うすると不意に

 

ドカーン

 

「?!」

「……」

突如して禍々しい赤黒い刀が空から降ってきた。

 

「、、嫌な予感がしたと思ったら貴様か!」

助けに来たのは麗華だった。

「おやおや?禍津神様じゃぁないか、、随分と久しいねぇ」

「、、あいにく貴様の相手はしてられんのでな、、とっとと死ね!」

 

バーンッ!

 

麗華は重力魔法を発動したのだったが、、

「そんなの無意味なのにねぇ」

男は健在だった。しかもさっきの攻撃を一瞬で躱した。まるで先が見えているように、、

 

「チッ面倒臭いな、、霊夢!」

「分かってるわ母さん!霊符《夢想封印》!」

「HAHAHA!やっと出てきてくれたね霊夢ちゃん!」

男はそう言って何かを投げたが妖斗の目では追えなかった。

「しまっ!」

「ッグ、、針?」

「不味い!霊夢!」

「へっ?、、」

そう言って霊夢は気絶した、、

 

妖斗も切り落とされた右腕の止血をしつつ戦闘を見ていたのだが、、正直異次元過ぎてもう何がなんだか分からなくなってきていた。

その時だった、、

 

ドカーンッ!

 

それはリスクも驚く一撃だった。

死滅魔法:死の魔槍(デッドグングニル)

 

 

どこかでそう聞こえた。

 

またしても突如として何かが高速で降ってきた。それにより辺り一面は土埃が舞って何も見えなかったが土埃が治まるとリスクと呼ばれた男の左腕には紅く光る槍が掠っておりそこから血が流れていたのだが、、直後槍が掠っていた場所から腐食し始めた。

リスクは急いで赤い刀でその腕を切り落した。

 

「ック!お前は神速の死神!!」

「、、今度こそお前との決着をつけてやるぞ。リスク・ガトリス」

 

秋人がそう言うと奴はニヤニヤしながら

「すまないがそれは出来ないねぇ、、こっちにも色々と計画があるからさぁ〜」

「なに?計画だと?」

「そ れ に 命令に背いちゃったら僕が殺されるし〜だから君と今のこの場で殺り合うのは避けることに、、」

 

そう言った直後の事だった。

 

ドカーンッッ!!

 

「「!?」」

 

本日三度目の爆音が辺りに響き渡った。

土埃が舞う中妖斗はある剣を見つけた。

「、、なんだ、あの剣」

 

それは白銀の柄をし深い青色の両刃を持つ180cmはある細身の剣だった。

その名は

「破星剣、、だと、?」

 

「まさか、、」

妖斗は思わず上を向いた、、リスクに至っては見ざるを得なかった。

そしてそこに居たのは

 

「おいおい、楽しそうなことやってんのにこの俺を混ぜねぇとか有り得ねぇだろ」

と空中に仁王立ちしている破壊神だった。

 

「チッ!また面倒なのが増えましたね!」

リスクがそう言っていると破壊神は上で自分の剣へ向けて手を伸ばし

「リターン」

と言った。

すると剣は自ら浮遊し主の手元まで戻った。

 

「さて、これで一対三だな。、、大人しく死ね」

 

するとリスクはまたしても不気味な微笑みを浮かべ

「嫌だなぁ…言っただろう僕は引かせてもらうと!」

 

すると直後リスクの足元には魔法陣が展開した。

「む、無詠唱、、」

妖斗は無詠唱で発動された魔法に驚きを隠せなかった。

 

だってそれは

ワールドテレポート(世界転移)

「チッ!逃がすかマジックキャンセル(魔力を無に消せ)

 

「無駄だよォ〜ふふふ、、だってこの陣はあの方が直接僕の魔法に君のマジックキャンセル用の術式を組み込んだからねぇ」

「なに!?」

「それじゃそろそろバイバイだ、、博麗 霊夢を殺せなかったのは痛手だが代わりに面白い情報が入ったからいいやぁー」

 

「させるか!破天:一刀両断」

 

ドカーン!

 

今回4度目の爆音は破壊神による山さえ両断する斬撃だった。

だが、それをリスクは

「おっと危ない危ない、、酷いじゃないかぁ一刀両断なんて」

「チッ!どいつもこいつも逃げやがって」

「HAHAHA、時が来ればお相手しよう。それじゃさようなら」

 

リスクはそう言って魔法を起動させるとフワリと空中に舞うように霧散した。

 

「、、アイツまで来たのか、、って!?妖斗大丈夫か!?」

麗華が霊夢を片腕に抱き抱えながら駆け寄ってくる。

「俺は大丈夫です、、それよりも霊夢は?」

 

妖斗がそう言うと麗華は青い顔をして

「そうだったッ!秋人今すぐ霊夢を永遠亭へ!」

「わ、わかったが霊夢はなんで気絶を、、」

「奴の、、リスクのヒューマンイーター(人間喰らい)だ」

「ッ!?なんだと!あのクソ野郎人間喰らい微生物まで入れてやがったのか、、!なんせわかった。永遠亭に連れて行ってくる」

「あぁ頼む」

 

麗華はそう言って霊夢を秋人に預けると秋人は今までに類を見ない速さで永遠亭へと飛び立った。

(、、秋人さん今文より速かった、、よな?)

そう思うしかできない妖斗であった。

 

 

「取り敢えずお前も永遠亭へ連れていく、それと切られた腕は何処だ?」

「、、えぇっと、、ここです」

まさか妖斗も切られた自分の腕を持つ日が来ようとは夢にも思っていなかった。

 

「、、禍津、取り敢えず俺は上へ戻って奴の転移場所を割り出す」

「わかった。頼んだ」

「あぁ」

破壊神は麗華にそう告げると音速で天界へと帰って行った。

 

「さぁ次はお前の治療だ」

そう言われ麗華に担がれ永遠亭へと向かったのであった。




どうも皆さんおはこんばんにちは作者です。
最近少しづつ色々なことが落ち着いてきて小説書きの方も徐々に出来てきています。
主は風邪を引きましたが皆さんはお気をつけを〜
それでは次回もよろしくお願いします!

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