東方 幻想録   作:秦霊

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第57話 会合と本当の真実

〜妖怪の山〜

「では、今回はこの妖怪の山にお主らの神社を建てるのじゃな?」

「うむ、そうだ」

 

神奈子が旧橘邸へ来て約二日後、秋人の橋渡しのお陰で神奈子は妖怪の山の長である''天魔''との会談を行うことができたのだった。

 

「よかろう、なら我等の土地である妖怪の山に神社を建てることを許そう。それに秋人の友人でもあるみたいだしの」

天魔は神奈子にそう話しながら首をクイッと秋人の方へと向けた。

 

「そうだな、神奈子は飲み仲間だしそれくらいの頼みならパイプ役をやってやるさ」

お茶の入った湯のみに軽く口をつけながらそう言う秋人を見ながら天魔は微笑し

「お主に友と言えるほどの者がこの幻想郷におったとは少し以外じゃの」クスクス

「おいおい天魔、それはあんまりじゃねぇか?」

「いや、それが案外驚かれるんだよな〜秋人と飲み仲間って他の神とか妖怪に言ったら」

「はぁ?なんでだよ」

「お主が普段から周りの妖怪達に威圧をかけておるからじゃろ」

「そ、それは周りの妖怪共に紫達が誰の嫁か教えてやってんだよ」

「それがただの威圧なのじゃろうが…」

そう言って引き攣った笑いを浮かべた途端…

 

「そうなのよねぇ〜その性で余計人間や妖怪達から私たち恐れられてるからね〜」

そう突如聞こえた天魔の向かい側の神奈子の隣に突如として紫が出てきた。

「うわ!?紫!?」

「ぬっ!?」

「ッ!?」

「おう紫、さっきから覗いてたみたいだけどやっと出てきたか」

突然の紫の訪問に神奈子と天魔、そしてその護衛の天狗達は驚きの表情を見せる。

 

「全くよ…貴方が人間や妖怪に圧かけてる性で私たちの恐れられ様凄いんだからね?」

「なんだ、そんなにか?」

「えぇ、そんなによ」

「……」

 

「なぁ秋人」

神奈子が不意に秋人に話しかけた。

「…なんだ?」

「紫が時になんて呼ばれてるか知ってるか?」

「…最凶最悪の妖怪(幻想境界に棲む妖怪)だろ?」

「それは世間一般的に知られてる名だろ?もっと裏の名だよ」

珍しく神奈子が不気味な薄気味笑いを浮かべる。

 

「はぁ?裏?なんだそりゃ」

「あ〜あの名ね」

秋人が眉を寄せ、隣の紫は苦笑いを浮かべる。

 

「…''可憐なるアポカリプス(世界終焉)''」

 

神奈子はそう口にした。

 

「あ、あぽかりぷす?なんじゃそれ」

首を傾げる天魔をよそに秋人は一言呟いた。

 

「…なるほど、''可憐なる世界終焉''とはよく言ったもんだな」

「せ、世界終焉じゃと!?」

秋人の一言にやっと意味のわかった天魔が青ざめる。

「はぁ〜全くよ、外来人に会った時になんかそう言われたから気になって調べたら意味が世界終焉だなんてね」

 

「…にしてもじゃよ?何故世界終焉なんて物騒な二つ名なんじゃ?」

「それは貴方の隣に座ってる人の性よ」

紫に質問する天魔はその言葉を聞き隣を見る。するとそこに居たのはゆったりと茶を飲む秋人(世界終焉をもたらすアポカリプス)が居た。

 

「…なるほどのぅ…その世界終焉をやりそうな男が隣におったわ」

「でしょ?」

口元を扇子で隠し微笑する紫をよそに

(酷い言われようだな…)

と思う秋人がいたのだった。

 

 

〜旧橘邸〜

神奈子と天魔の話し合いも一通り終わり秋人と紫は旧橘邸へと帰った。

「…にしてもあの神奈子がやっと動き出したか」

「そのようね、でもそりゃそうでしょ神だって人間の信仰が無かったらだんだんと力が弱くなっていくのだもの、いくら元諏訪の国の神だって信仰が無かったらやってけないわよ」

「だな、そういや最近天照に会ってねぇな」

「…まさかとは思うけど天照って、あの天照?」

「そうだか?てか天照って名前のやつ1人しか居ないだろ」

「…なるほど…だからやけに神とかと知り合いだと思ったらその根源は天照だったのね」

「まぁなぁ…と言っても半分は破壊神のせいだがな」

「でしょうね…とう言うか私はてっきり貴方は神とか人間とか嫌いだと思ってたんだけれど」

「…まぁ人間は今でも殺したいぐらい憎いが神に対する憎しみはだんだんと薄れていってるな、それと神と繋がってるのは何も俺だけじゃないぞ」

「へ?」

秋人がそう言うと紫はびっくりした様子で扇子を閉じた。

 

「地獄の奴らは死者を天界に送るから天界の奴らはそれなりに仲がいいのは当然だが、魔界の魔族共も天界の奴らとは貿易したりしてるからな?」

 

「え、え!?」

一瞬戸惑いを見せた紫だったが、突如として驚き顔に変わった。

「まぁと言っても世間一般的には知られてないが魔族と天界は昔から交友関係を続けてるんだよ、初代極魔王と現破壊神との盟約の間にな」

「な、なるほど」

(…案外秋人と破壊神って仲良いのね…あれかしら喧嘩するほど仲良いって言う)

そう思う紫だった…。

 

 

〜博麗神社〜

「あー暇ね…妖斗ー何とかしてー」

「何とかしろってつたってどうすりゃいいんだよ…」

妖斗は縁側でゴロゴロしている霊夢に向かって境内の掃除をしながらそう言った時だった。

 

瞬間!霊夢は背後に黒いオーラを感じた!

「…レーイームー?」

「か、かあさん…?」

「最近良く妖斗が掃除してるのを見ると思ったらお前って奴は

 

こ こ で あ ぶ ら を う っ て た な ?」ハイライトオフ

 

「あ…あ、あ」

「ちょっとこっちに来い」ニコー

「ヒっ!」

 

ズルズルズル…

 

こうして霊夢は麗華に引きずられ神社の奥へと消えていったのだった。

「あーあ、霊夢ついにバレたか…」

 

「ごめんくださーい!」

妖斗がそう呟いているとふと声が聞こえてきた。基本的にあまり人の来ない神社でもあり人が来るということは珍しく妖斗も最初は妖怪だろうと思い、縁側から賽銭箱の方へと向かう。

 

するとそこには緑色の巫女服を着た身長156位の1人の少女が立っていた。

(…妖力を感じないな…もしかして人間か?)

「はーい、今行きますー」

そう思いつつその少女へと近寄っていく。

 

「あっどうも、ってあれ?博麗神社に居るのって巫女さんじゃないんですか?」

「えっ、あー今霊夢はちょっと野暮用で…」

「あっ!なるほど…では、貴方は…もしかしてここの神主さん?」

「へっ?あっいやいや自分はただの居候です」

「えっ居候?」

「はい、そうですけど?」

「えぇっと、それじゃまた後程来ますね」

そう言って緑の巫女服を着た少女はクルッ後ろを向き鳥居の方へと歩いて行こうとする。

 

「あっ、伝言なら伝えますが?」

「いえ、大丈夫です、また今度来ますの、で…ってあれ?」

俺がそう言うとその人は、丁寧にこちらを向きそう言ったが途中で賽銭箱の方を見ると動きが止まった。その時だった…

 

「だー!もうお説教いやー!」

「…赤色の巫女服の人…もしかして貴女が霊夢さんですか?」

「ん?アンタ誰?私達面識あったっけ?」

「あっいえ、この前この地に越して来たので面識はありませんよ」

(…ん?越して来た?…えっ!?幻想郷に!?)

妖斗はかなり驚いたが霊夢は呆れ顔をしていた。

 

「越して来た?幻想郷に?はぁ…さてはまーた紫絡みね」

「えぇ、それで今回は()()()()()として御挨拶に来た次第でs」

 

 

「「……えっ?」」

 

 

「はぁぁ!?同業者ぁ!?」

「えっ!?」

(同業者…?ってことは…)

 

「なんだ、五月蝿いぞそんなに騒いでどうした」

霊夢の後ろからは麗華さんが出てきた。

 

「か、母さんちょ、ちょっと聞いて!?」

「むぅ?どうした?」

「げ、幻想郷に神社が新しく出来たみたいなの!!」

「はぁ?なんだそりゃ…」

少し呆れ気味の麗華さんは霊夢に冷たい目をしていた…。

 

「だって!ほら!」ユビサシ

「?」キョトン

 

「ほう?お前さん名は何と言う?」

「あっ、名乗り遅れました。私は''東風谷 早苗''って言います。以後お見知り置きを」

「は?早苗だと?」

(…麗華さんの顔が変わった?何かあるのかな?)

「えっはい、それが何か?」

「…いやいいんだ気にしないでくれ私の気のせいかもしれん」

「えっ、あっはい」

「あー、それでお前達の社は何処にあるんだ?」

 

すると早苗さんは妖怪の山の方を指さし

「あの山の頂上付近の湖です」

「あーあそこか…所で神は誰を祀ってるんだ?」

「はい、神様は''八坂 神奈子様と洩矢 諏訪子様''です!」

 

すると麗華さんの口元が少し緩んだ。

「ほぅ?あの神奈子と諏訪子がやっと動き出したか、秋人には話で聞いてはいたがまさかよもや、外の世界から()()()()を連れてくるとはな、ハハハ」

(えっ?自分の…子…?)

 

「えっ?あ、あの今なんと」

早苗さんも凄くビックリしている。それもそうだ俺もびっくりしてるからな

 

「は?あっお前まさか聞かされてないのか?()()()()()()()()()()()()()()()()

「えっ…わ、私が諏訪子様の…実の…子…?」

 

「あっ…まさか…知らない?」

「…初耳です…」

(あっ、麗華さんが固まった。あれは言っちゃダメだったみたいだな…)

「あー今のは…うん、忘れてくれ、聞かなかったことにしてくれ」

「!?」

「えっと、いやその流石に…出来ないです」

「…だよな。はぁ…これは諏訪子にマジギレされるな…どうすっかなぁ」

 

「旦那さんの秋人さんに相談したらいいんじゃないんですか?」

「…妖斗お前それ本気で言ってるのか?」

「えっ?」

「…秋人さんには言っちゃダメだと私は思う」

「だよな霊夢…流石私の娘よく分かってる」

「…と言うと?」

「…諏訪子は秋人に秘密を漏らさないように頼んでると思うんだよな…事実私にも言ってきたし」

「…言われてるなら駄目じゃないですか…なんで言ったんすか」

「いや、幻想郷に実の子連れてきて挙句自分の社の巫女として連れてきたんだ、話してると思った」

「「……」」

「母さん、、」

 

「…え、えっとその私一度帰りますねッ!そ、それでは!」

「あっ!ちょっと待てっ!」

 

「って行っちゃいましたけどどうするんですか?」

「……」

「れ、麗華さん?」

「…もう、今日は寝る」

「えぇ!?麗華さん!?」

「ちょっ!母さん!?」

そう言って麗華さんは足早に神社の中へと消えていったのだった。




皆さんおはこんばんちには作者です。
いや〜やっと早苗が出せました。次回は色々と波乱がありそうですねぇ〜。
ということで私からは何を言えることはないので次回もよろしくお願いします!
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