東方 幻想録   作:秦霊

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第60話 居候のリオンとコインの裏の真の魔王

〜紅魔館・門前〜

「さて、着いたぞ」

「へぇ〜ここが紅魔館…いい感じの館だねぇ〜」

紫に紅魔館まで送ってもらった秋人とリオンは紅魔館の門前で佇んでいた。

 

「帰ってくる時呼んでね」

「あいよーじゃまた後でな紫」

「えぇ、また」

 

フォーン

 

「さてと…行くかリオン」

「だねぇ〜」

二人は歩みを進め…様どしたのだが…

 

「…秋人、あれ、寝てるよね?」

「…寝てるな…」

「…どうする?」

リオンが苦笑いしながら秋人にそう言った。

「どうって、こうやるんだよ。まぁ見てな」

 

秋人はスゥーと息を吸うと大声を出した。

「咲夜〜美鈴が寝てるぞ〜ッ!!」

 

「ひゃぁ!?」

すると突如起きた美鈴の目の前にはナイフがあった…

 

「きゃぁぁぁッ!!」

 

悲鳴とともに目の前に現れたメイドにリオンは困惑の色を見せる。

「…な、ナイフ…刺してていいのかい?」

そんな咲夜に引きながらリオンがそう言うと咲夜は少し微笑むと

「えぇ、大丈夫です。お気になさらず」

「…それで?この紅魔館にどのような御用があってきたのですか?」

続けて咲夜がそう言う。

 

「あーパチュリーに合わせたい奴がいてな」

「なるほど…分かりました。こちらへ」

咲夜が二人を案内し、パチュリーがいる大図書館へと向かう。

 

 

〜紅魔館・大図書館〜

「パチュリー様!いらっしゃいますか?」

咲夜が見たらないパチュリーを呼んだ、その直後…

 

「むきゅ…」

そんな声と共に机の上の本がバサバサッと音を立て崩れ落ちたかと思えば、本の中から出てきたのはこの紅魔館の大図書館の司書のパチュリー・ノーレッジだった

 

「ぱ、パチュリー…お前本に埋もれてたのかよ…」

「…ん?」

パチュリーは秋人に気づくと目を細め

「ダメかしら?ちょっと調べ物をしていたら寝てただけよ」

「いや、別にダメとは言ってないんだが…」

「ん?…秋人その隣の男は誰かしら?」

パチュリーは不思議に思い秋人にそう聞く。

 

「あーお前に紹介しようと思って連れてきたやつだよ」

「私に紹介?」

「あぁ」

少し首を傾げているパチュリーにリオンは挨拶を始める。

 

「やぁ、君が噂のパチュリー君だね?僕はサイキョウの六人の《リオン・ビンセント》だ、よろしく」

パチュリーの顔が驚愕へと変わる。

「!?…サイキョウの六人ですって!?」

「あぁ、そうそうリオンの当時の二つ名は《世界最兇のマジックキャスター》だ」

更にパチュリーの顔が驚愕から青ざめへと変わる。

「せ、世界最兇のマジックキャスター、リオン・ビンセント…ですって…?」

 

「そうだ、こいつが俺らサイキョウの最後の六人目、《最兇:世界最兇のマジックキャスター》リオン・ビンセントだ」

 

「よろしくね、パチュリー君」

「な、なっ…」

「あ、そう言えば…今日からこの紅魔館の図書館に住むことになったから同居人としてよろしくお願いするよ」

「は、はぁぁぁ!?」

「…ま、まだ正式なレミリアの許可は得てないがな」

パチュリーが青ざめ驚愕の顔をしている最中…遠くから羽をパタパタとさせて近づいてくるものを秋人はスっと腕の中で抱きしめた。

 

「よう、美結今日はこっち(幻想郷)にいたのか」

「はい!こちらへ泊まっておりました」

そう言いながらグリグリと秋人の胸元に頭を擦り付けまるでマーキングしているかのようにスリスリとしていた。

 

「おっ?秋人またお嫁さんかい?」

その一言で ハッ! っと我に返った美結は パッ と秋人の胸元を離れ何事も無かったかのように秋人の隣へと立った。

 

「失礼ですが、貴方はどちら様でしょうか?」

何事も無かったかのように秋人の隣に立った美結は直ぐにいつもの人と話す時の冷たい目をした臨戦態勢へと入る。

 

「あ、僕は《リオン・ビンセント》秋人の古い友人だよ」

「え?あ、あのサイキョウの六人目の…」

美結の顔が驚きへと変わる。

「あっうん、そうだねぇ〜その時はそう呼ばれてたよ」

「さ、最兇の魔術師《リオン・ビンセント》…」

「うん、そうだねぇ。そう呼ばれてたのはかなり昔だけどね」

 

「…リオン、俺は今からここ紅魔館の当主のレミリアに会いに行くが…お前も来い。今度から世話になる館の当主だからな」

「そうだね、お世話になるし礼儀はしっかりと」

「パチュリー、美結、俺らはレミリアのところに行ってくる。また戻ってくるからその時詳しい話をしよう」

「わ、分かったわ」

「承知しました」

二人は大図書館を後にし、レミリアが居ると思われる当主の部屋へと向かう。

 

 

 

〜当主部屋〜

「おーい、レミリア〜」

 

秋人は部屋のドアを開けつつそう言う。

「…あらこの部屋まで来るなんて珍しいわね」

レミリアはドアの正面に位置する所に革張りの椅子に座り、目の前の社長机に書類を載せ、机に肘を乗せて如何にも当主の雰囲気を漂わせている。

 

「それで?何用かしら?」

目を細めゆっくりと微笑む。

正直当主と言うよりマフィアのボスの様な雰囲気がある。

 

「ちょいと俺の旧友をここ(紅魔館)に居候させようと思ってな」

「あら、ここが私の屋敷と知ってて居候させようだなんて、何か私にメリットであるのかしら?」

レミリアは更に目を細め、ゲンドウポーズを決めていた。

 

「メリットねぇ〜んー戦力向上とかか?」

「戦力向上?どういうこと?」

レミリアは気になったのかそう秋人に言った。

 

「あーそう言えばレミリアには言ってなかったな…コイツは」

「僕は、元忌み子サイキョウの六人が一人、最兇《世界最兇のマジックキャスター》《リオン・ビンセント》だ。以後よろしく頼むよ」

秋人に被せるかのようにリオンはそうレミリアに言い放った。

 

「…サイキョウの六人の一人、リオンってあの…」

レミリアも美結と同じ顔をして驚いた。

「そう、あのリオンだ。戦力向上には丁度いいだろ?」

「…私としてはいいのだけれど…いいの?ここで」

 

「あぁ、別に構わないよ、それにさっきの図書館にはかなりの数の本があったから楽しめそうだしねぇ」

リオンはさっきの図書館の本棚の数を思い出したのかニヤニヤしながらそう言っていた。

 

「そ、そう。ならいいのよ。それじゃこれからよろしくお願いするわ」

「あぁよろしく頼むよ、あっ君の名を聞いてもいいかな?」

リオンにそう言われレミリアは自分の名を言っていないことに気付き、リオンの前にスっと立ちスカートの端をチョコンと持ち優雅にお辞儀をする。

 

「名乗り遅れたわ、私の名は《レミリア・スカーレット》この紅魔館の当主を務めているわ。以後お見知りおきを」

 

「よろしくレミリア、僕は…っとさっき言った通りリオンと言うこれからよろしくねぇ〜」

「えぇ、よろしく」

両者は不敵に笑うと握手を交わした。

 

「さてと〜俺は帰ろうかねぇ〜」

「おや?秋人帰るのかい?」

「あぁ俺はここでお暇させてもらうよ」

クルッと半回転して扉の方へと歩きながら片手を上げ手を振りながら秋人は部屋を後にした。

 

 

「さてと〜僕はちょっと図書館のパチュリー?だったかな?あの子に会いに行ってくるよー。じゃレミリアまた後で〜」

そう言うと彼は秋人のようにクルッと半回転して扉の方へと歩きながら片手を上げ手を振りながら図書館へと向かって行ってしまった。

 

「全く…秋人といい、リオンといいなんでこうも行動が似てるのかしら?」

疑問に思いながら再度椅子に腰を掛け直すレミリアだった。

 

 

〜紅魔館・大図書館〜

「いやぁ〜パチュリー?また帰ってきたよ〜」

「あら、また来たの?リオンさん?」

そう私が言うと彼は はははっ と笑いながら答えた。

「嫌だなぁ〜パチュリー《さん》付けは止めてくれよ〜」

「そう?なら呼び捨てで呼ばせてもらうわ、よろしくリオン」

「よろしくねぇ〜パチュリー」

 

…私は彼にいくつかの質問をしてみた。リオンはその度にスムーズに答えてくれた。魔法の事や過去のことなど的確に教えてくれた。

そこでふと、前から聞きたかったことを聞いてみた。

「…ちょっと教えてもらいたいのだけれどいいかしら?」

「ん?なんだい?」

彼はニコニコとしながらさっき咲夜の持ってきてくれた紅茶を飲みながらそう言った。

「昔の秋人のことについて聞きたいのだけれど…」

私がそういった時彼は少し難しい顔をしながら話を続けた。

「昔の秋人はそれはもう暴れ回っていたさ、それも僕らでは手の付けようがないほどに…破壊神だって止めれなかったほどだ」

「…破壊神だって止めれなかったほどって…じゃぁ秋人がもし暴走した時に止めれる人物は居なかったってこと?」

 

私がそう質問すると彼は持っていたティーカップをゆっくりと机に置き先程までにないような真剣な顔で話の続きを始める…

 

「いや、そういう訳でもない…」

「…と言うと?」

「…1人居たんだよ、かつて最狂と呼ばれた《神速の死神》を武力ではなく言葉だけで…いや、声だけでその暴走を止めていた人物が…」

「…そ、そんな人が…」

「あぁ、嘘と捕らわれがちだが本当の事だ」

「…その人物って、誰なの?」

「……」

また優雅に紅茶を飲む彼はその先を語ろうとはしなかった…。だけど私は自然と分かっていた、その頭の中にあった名を私は無意識のうちに言葉にしていた…

 

「…サラ・シルフィード…」

そう呟いた時隣でパリーンとティーカップが床に落ちて割れる音がした。私はびっくりして音の方を見るとリオンがびっくりした様子でティーカップを落としていた。

 

「な、何故、そ、その名を…」

彼は今まで見てたことの無い動揺を見せた。

「…かなり古い文献に記載があったの、サイキョウの六人の一人で秋人の…《神速の死神》の妻の二人のうちの一人で第一婦人…そういう記載がね」

これには隣のリオンも絶句していた。まさか人間がこんな文献を残していたことを知らなかったのだろう。

 

「…パチュリー」

「何かしら?」

そう言って見た彼の顔は先程までのニヤニヤ顔では無く、完全に真剣な顔になり一言言った。

 

「…パチュリー、悪いことは言わない。秋人とサラのことについては今後調べてはいけない、絶対にだ。僕を含めた他の4人は100歩譲って調べてもいい、だが…奴のことだけは調べては駄目だ、特にその事を秋人に質問するなんて以ての外だよ。それとサラのことは絶対に秋人の前では言っては駄目だ…その時は何者であろうと殺しに来ると思うよ…だからこれ以上調べてはダメだよ」

彼は真剣な表情でそう話した。

 

「…分かったわ。そうする」

するとリオンは再びニコニコと笑顔を見せた。

「うんうん、その方がいいよー。でないと死んじゃうだろうしねぇ〜」

ニコニコと笑っているリオンの隣をふと美結が通り過ぎた時だった。

 

 

「…そう言えばパチュリー、あの子は君の使い魔かい?」

咄嗟にリオンがそう聞いてきた。

「えぇ、そうだけれど…それが何か?」

私はそう答えた。するとは彼は小さな声で呟いた。

 

「良くもまぁまだまだ未熟な魔法使いがあれ程の悪魔をよく呼び出せたものだ…」

そう言ったのだ…未熟?私が?

私はそう思ったが咄嗟に思い出した。彼が10億もの生きていることを…彼からしてみれば私はまだまだ未熟な魔法使いだ。

それは分かる。

…だが、彼は言った()()()()()()()()()()()()()()()()()と…

「…あれ程の悪魔?」

…私にはその意味が分からず咄嗟に聞き返した。

 

「そうさ、彼女は《初代極魔王》の愛した女だよ、名を《美結》」

「…美結?」

そう言えば秋人がコアのことをそう呼んでいたのを私はふと思い出した。

 

「そう、美結。彼女は自分の名付けの親であり且つ夫である《初代極魔王》にしかその名を呼ばせない。他のものがその名を呼ぶのであれば…」

「…あれば?」

パチュリーがふと聞いた。

 

「もし呼ぶのであれば昔の彼女なら部下であろうと自分の身内であろうと殺していたと思うよ。まぁ今は初代極魔王の命令で無駄な殺生はするなと言われているから多分大丈夫だよ」

私はさっきの事を思い出した。

美結…彼女に対し、前に1人だけその名を呼び且つ夫であった人物が思い浮かんだ…そうあのリオンと同じサイキョウの六人の一人《最狂:神速の死神》

 

本名 橘 秋人

 

もし秋人がリオンの言う初代極魔王なのであれば魔界の各魔王達から恐れられ美結が従うのも頷けるしありとあらゆる辻褄が合う事になる。

私は気になりリオンに疑問を投げ付けた。

 

「…1つ聞きたいのだけれど」

「ん?なんだい?」

「…その初代極魔王と言うのはもしかしなくても秋人の事じゃない?」

「……そう、だねぇ…」

リオンは苦笑いをしながらそう言った。

 

「…秋人は色々な所に面識が有るのね」

「あぁそうだね、僕も最初に破壊神から秋人が地獄と魔界を裏で束ねる《極魔王》と言われていると教えてもらうまではそんな立場だとは思いもしなかったよ」

リオンはやれやれと頭を抱えそう言っていた。

 

「…もう一度だけ言っておくよパチュリー。秋人の事は絶対に調べてはいけない…僕も前は調べていたけどもその時はまだサラがいる時だったからサラに止められたよ。でもね後々見つかってね、それで殺されかけた…まぁサラが助けてくれたけど…」

「…こ、殺されかけた?」

私は絶句した。昔の秋人は今と比べて今以上に冷酷で殺すことに躊躇を持たない人物だったという事だ。

 

「あぁそうだね。でも秋人は昔からだよ?今は変わったように見せかけてるみたいだけど古株の僕らからしたら今でもとんでもない化け物だよ」

彼はそう語った。

私は思った…。もし私がこれ以上調べて目をつけられたとしてもそれを止められるのはサラ以外に居ないのじゃないかと…

 

だが、その頼みの綱であるサラが今はこの世には居ないとなると秋人を止めることは限り無くできないということだ。

ふと思った…そう言えばリオンは秋人のことを《初代極魔王》そう言った…わざわざ《初代》と言ったということは《現極魔王》がいるという事だ…じゃその《現極魔王》とは誰のことだろう…私はそう思った。

 

「リオン、質問よ」

「なんだいパチュリー」

「さっき貴方は秋人の事を《初代極魔王》と言った。ということは引退してるってことよね?じゃ《現極魔王》は誰?」

私はリオンにそう質問を投げかけると彼は少し不思議そうな顔をした。

「あれ?聞いてないの?今の《現極魔王》はさっき話していた()()使()()()だよ」

「へ?」

私は自分の耳を疑った。そして繋がった。リオンが何故コアのことを()()()()()()そう言ったのかを…

「…コアが…《現極魔王?》」

 

「あらあらあら、なんの話しをしていらっしゃるのかと思えば…よもや私の話とはいささか感心しませんね」

「…コア…貴方、一体何者なの…何故わざわざ私なんかの使い魔なんてやってるの?何が目的なの?」

コアへと質問を投げかけた。

 

「ふっ…ふふふ」

すると彼女は突然微笑しだした。

「何が目的?そんなの簡単じゃないですか…私があの御方の傍に居たいからですよ、それ以後に理由が居るのですか?」

彼女はそう語った。…だが、私は別の得的がある、そう思った。じゃなきゃわざわざ魔界と地獄の各魔王達を従える裏の魔王がここまで動くだろうか。

私はそう思った。




みなさんおはこんにちばんわ作者です〜。
また1ヶ月ほど失踪してて申し訳ございません!!
ちょっとした深いわけがあったんです、はい…
まぁそんなことさ置いておいて…段々と美結、そして秋人の過去が分かってきたでしょうか?
あ、そしてこの作品も60話目ですッ!数々の応援ありがとうございました。これからも頑張ろうと思います。
ですのでこれからもちょっとした伏線をいr...

ドカーンッ!!
「…作者、許しませんよ…今私の名を美結と、そう呼びましたよね?」ギロッ
「あっ!いやこれは不可抗力というかなんというか…だから許し「ません」…へ?」
「お前…自分が投稿遅いのなんだかんだ理由付けやがって…そんな人間は取り敢えず死ね」
「は?!ちょっとダメダメ!そんなことしたこの作品おわr」
「《死滅魔法:デッドグングニル》」

ドカーンッ!!

「はい、ということで新年号が《令和》に分かったわけなのですが、この作品はこれからも書き続けるのでよろしくお願いします…それじゃ次回は…」
「私と極魔王様のイチャラブ展開ですッ!!こうご期待をッ!」
「んな事にはならねぇ」ゴンッ
「あいたっ!」
「つーわけで次はリオンについて書くかもしれないとか作者の野郎がほざいてたから多分そうだろう…」
「「それじゃ次回もよろしく(お願いしますッ!!)」
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