賑わう店に飛び込んでくるのは1人の女。
顔色を変えて大声を出す。
「大変!大変よ!フラウ!!」
『おお?どうかしたのか?』
のほほんと答える男に女は怒りをこらえながら叫ぶ。
「か、海賊が来たのよ!!」
周りの住民は大騒ぎ。
「おい!海賊だって!?」
「最近よく来るなぁ!!」
「もう!!みんなはいっつも危機感足りないんだから!!」
女が叫ぶとみんなは楽しそうに笑う。
「大体、海賊が来て騒ぐのはあなたぐらいですよ。この島は平気さ。なんたって、店長がいるんだからね。」
店のウェイターが平然と呟くのを聞いてまたみんなは笑い出す。
「ハッハッハ!!違いねぇ!」
「フラウがいると安泰さ!!」
『おいおいおい、タダの居酒屋の店長への期待にしちゃあ重すぎやしねぇか?』
ため息をつくとウェイターは心配そうにこちらを見ている
「大丈夫ですか、店長。安心してください。俺が全部ヤってきますから。」
『待て待て待て待て!!!………お前は目を離すとコレだからな。』
躊躇いもなく海賊を殺しに行くウェイターに店長はまたため息を吐いた。
「店長。俺はあなたのためなら何でもしますよ。あなたに受けた恩は死んでも返しきれない。」
『……知ってるさ。じゃあさっさと、そこの老いぼれにウイスキーでも注いでこい。』
さらっと流して頭を叩かれたウェイターは少し不満そうに歩いていった。
その時、大きな物が壊れる音とともに、店の扉は前に倒れた。
なんだ!?と騒ぐ客の視線の先にはいかにも悪そうな格好をした海賊らしきものが立っていた。
「おぉっと!!悪ぃな!!ドアを壊しちまった。さぁーて、酒を出せ。」
ニヤニヤと笑う男と後ろにいる部下らしきものは続々と中に入ってくる。
『どれが宜しいですか?』
さっきと別人のようにフラウが聞くと男は叫んだ。
「あぁ!?あるだけだ!!あるだけ持ってこい!!!」
嫌な雰囲気が続く中で酒を飲み終わった男達は出ていこうとする。
『待ってください。代金もらってないんですが?』
フラウが業務用の口調できくと男達は口を吊り上げた。
「ハッ!俺に金を取ろうってか?俺はなぁ!潰しのラディ!俺の首に5000万ベリーがかかってんだよ!!死にたくなかったらさっさと口を閉じなぁ!!」
何も言わないフラウをみてビビってんのか?と笑みを深めた男達。ほんとに可愛そうなことだと、見ているウェイターは思った。
『……』
『つまり、払う金はないと?』
「あぁ、そうさ!!」
一触即発の空気。周りの住人はひっそり微笑んだ。
こりゃ終わったな…と。
『そうか……。じゃあ、アンタの首の金でも頂こうか!!』
5人。いっきに倒れた。フラウの回し蹴りがいとも簡単にまた5人。
「はぁ!?おい!テメェら殺せぇー!!!」
住人たちは微笑んだ。こりゃこの海賊は終わったなと。
銃を向ける男達も一瞬にして倒れ去った。
「……ひ、ひぃ!?」
残りは偉そうにしてた船長だけ。
『俺の店に金を払わない客は必要ないぜ。』
そうです。店長は心からのおもてなしの代わりに礼儀を尽くさないやつは許さないのです。
もちろんこの後、5000万ベリーは店長の店に収まった。
「へい!フラウ!ビール頼む!」
『はいよ!少々お待ち!』
「店長!南蛮焼きお願いします。」
『ほい、出来た!運んでくれ。』
今日もお店は大賑わい
明日は誰が来るんでしょ。