とある居酒屋さんは人気らしい。   作:Re.

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個人的にウェイター君はヤンデレ気質な気がしてきた(怯え)


なんか隈がある人が来ました。

---オレはレイ!このバルスブルグ島に住む9歳のだんでぃーな少年だぜ!!

俺たちの島には人気の居酒屋がある。

そこの店主はちょっと変わってるけどすっげぇかっこいいんだ。

いっつも島のヤツらを助けてくれるし、俺が居酒屋に行っても追い返したりせずに、オレンジジュースくれるんだぜ!

まぁ、『ガキが店に来んな!』って怒られるけどなー

 

「で、隈の兄ちゃん聞いてるのか!?」

 

 

「……うるせぇ。」

 

 

「はぁ!?兄ちゃん達が居酒屋探してるっていうから案内してやってんのに!!!」

 

全くだぜ!と顔を膨らませる少年を(隈の兄ちゃん)と呼ばれた男は睨んでいた。

 

「き、キャプテン。睨んだらかわいそうだよ…」

 

「……もう少し海賊に警戒しろよ。」

 

むしろ少し、心配になってきたローに少年は朗らかに笑った。

 

「はっはっは!!大丈夫さ!なんたってフラウがいるからな!!」

 

フラウ。

その言葉をこの住民はよく口にする。少し買い物を楽しんだ時も至る人からフラウのとこに行きな!と誘いを受けるので、余程その男は慕われているようだ。

 

「シロクマも喋るし兄ちゃん達すげぇな!!海賊すご!」

 

 

そう。隈の兄ちゃんとはトラファルガー・ロー。

 

海賊である。

 

シロクマといえば 喋るしろくま ベポである。

 

 

 

先週からローは機嫌があまり良くなかった。

 

この島の前に立ち寄った島があり、そこの店にクルー総出で飲みに行ったのだが、その店の店主や客がコソコソとベポのことを馬鹿にしたのである。

 

 

「やーね、気持ち悪い。獣が喋ってるわ。」

「ほんとだな。マスターどうにかしてくれよ。」

「そうだな…追い出すかな…」

 

ベポは「き、キャプテン、俺出てくるよ。」

 

と逃げるように立ったのだが、ローやほかの船員がキレてしまい飲み屋は全壊。もちろん、そこにいた人間には消えないトラウマを刻んだ。

 

 

そのこともあり、飲み屋に行くか迷っていたのだが、ベポは気を使って行こうよ!という始末であるのでこの島に辿り着き、出会った少年に案内させたのである。

 

この少年はベラベラと喋るが純粋なようで嘘をいう素振りも無ければ、自分たち ハートの海賊団を恐れることもなかったので密かにローは気に入っていた。

 

 

 

「ほら!ここだぜ!!」

 

 

少年が先陣を切るかのように扉を乱暴に開けて入っていく。

 

「フラウ!!客だぞ!!!」

 

レトロな外装に少し洒落た店内。落ち着いた雰囲気がありながらも、どこか活気がある。

 

 

『へい、いらっしゃい!!』

 

 

優男。一言で表現すると人が良さそうな顔をした男のもとに少年は駆けた。

 

『って、おい!お前が堂々と入ってくんじゃない。先に客を入れろ!!』

 

そう言って少年の頭を叩く男を見て店の客は笑い声を挙げた。

 

「あははは!!」「おら、また怒られてやがる!」「こら坊主!こんな昼にガキが来るもんじゃねぇぞ!」「フラウは父ちゃんみてぇだな。」「若い父ちゃんだ!」

 

『うるさい!お前らも真昼間から堂々と飲んでんじゃねぇよ!酔っぱらいが!!』

 

言い争いをする男と老人たちを少し呆気に取られて見ていたロー達であったが近くにいた若い男が声をかけた。

 

「いらっしゃいませ。こちらにお座り下さい。椅子が足りなかったらお申し付けください。」

 

黒髪の表情が変わらない男に促されるように席に座った。

 

『おっと、見苦しいものを見せて悪いな。ぜひ、ゆっくりしていってな。』

 

フラウと呼ばれた優男がニカッと笑った。

 

『……ところで、珍しい着ぐるみ着てんな!』

 

といい笑顔でベポに話しかける。

 

「フラウー、それ、ほんとにシロクマだぜ!ベポっていうんだ!」

 

すかさず少年が説明するとフラウは目を丸くした。

 

『……まじで……!?』

 

ローは反応を伺うかのように目を鋭くさせて、クルーはチラチラとそちらを見ていた。

 

ベポは視線があっちにいったりこっちにいったり、右往左往だ。

 

長い静寂の後にフラウは

 

『そりゃ凄いな!!ベポ!うちにシロクマのお客さんが来んのは初めてだぜ。よく来た!今日は俺がサービスするぜ!!はっはっはっ!!』

 

 

この調子である。

 

みんなは愕然としている。

 

『あ、味付けとかはしても大丈夫か?』

 

「え!?あ、うん!大丈夫だよ。」

 

そして、味付けの心配をする。流石フラウどこかズレてる。

 

『喋るのかよ!?頭いいなー! あ、じゃあその椅子は窮屈だなぁ。大っきいやつ持ってくっから待っててな。』

 

ニコニコしながら店の奥に引っ込むフラウをみて少年は爆笑していた。

 

いや、頭いいとかそういう問題ではない気もするのだがコレに突っ込む人は流石にいなかった。

 

 

「くはっ!!な!店長変わってんだろ!?シロクマとか滅多に来ねぇよな!!ははは!」

 

みんなの呆気に取られた顔と、微笑む老人たち、そして少年の爆笑が店に響いた。

 

「お、オレが気持ち悪くないのかな?」

 

ベポの問いに答えたのはウェイターだった。

 

「まさか。店長をそこら辺の見た目で判断するクズと比べられても困ります。あの御方はよく、こう仰ります。『俺が客だと認めたら、犬でも蜘蛛でも猫でも客だ』と。まぁ、それに加えて店長は可愛い動物が好きなのであなたを気に入ってるようですしね。」

 

あの御方。とかクズと比べるなとか結構本音が出ているウェイター君ではあるがこれもフラウへの敬愛の表れである。

 

『ほれ!ベポだっけ?座れ座れ!!俺はフラウ。さぁ、あんたたちもじゃんじゃん注文してってなー!』

 

「フラウ!あ、ありがとう。オレ、肉が食べたいな!」

 

目を輝かせてオーダーするベポは珍しく打ち解けているようだった。

 

『おー!任せろ!とっておきのステーキがあるからな。』

 

ローはフラウに対しての認識を改めた。最初はタダの優男。次は意外と真面目な男。最後はなかなか、嫌いじゃない男。

 

 

「おい。 フラウといったか。」

 

『お、そうだぜ。お客さんはベポのキャプテンさんだろ?』

 

「…ローだ。酒を頼む。ついでに俺の話相手もな。」

 

ペンギンやシャチ、そしてベポ。クルーはみんな驚いて椅子から飛び上がった。

 

ローは基本的には1人を好む。初対面の相手に酒の相手を頼む光景など船員が見るのはほとんど初めてだったのだ。

 

 

『OK、ロー!宜しくなー。』

 

こうして、ハートの海賊団はフラウの居酒屋にちょくちょくと手土産を持って訪れるようになった。

 

その後、フラウはベポを写真に収めたり、彼らの手配書を部屋に飾ったりすることとなる。

 

「それじゃあ、邪魔したな。滞在中にはまた来させてもらおう。」

 

ローの合図とともに少し出来上がっているクルーは次々とまたなー!とフラウに手を振った。

 

『おう。また来てくれなー!あ、俺も外まで見送るぜ?』

 

「いえ、俺が見送りますよ。外は冷えますので。」

 

『いやいや、お前には随分と手伝わせちまったしなー。』

 

「いえ。俺が送ります。店長には申し訳ないのですが掃除を頼んでも宜しいですか?」

 

『あぁ、悪いな。頼んだ。』

 

押し切るようにウェイターがローたちを先導した。

 

外に出て暫く歩き宿が見えたところでウェイターは立ち止まった。

 

「忠告しておきます。」

 

ローたちを見る目は少し鋭く月に照らされて金色に輝いている。

 

「ほぅ?何のだ?」

 

ローも少し警戒する姿勢をとった。

 

 

「……店長は優しい方です。その優しさに気安く甘えないでくださいね。俺は店長の気持ちを全て尊重しますが、海賊はあまり信用していません。俺が信用しているのはあくまで店長の仲の良いあなた達ですので。もし、店長に何かあったなら………」

 

 

そこで言葉を切った彼は尋常ではない殺気を纏ってこう告げた。

 

「あんたら、ぶっ殺すだけじゃねぇですから。」

 

 

名もないウェイター。そう思っていたが違った。

 

 

「それが本性か。お前の、そのフラウに対する執着は何だ?」

 

怯えているベポの前に立ちローは告げた。

 

 

「執着?違います。俺ごときがおこがましい。あのお方は俺の『神様』なんですよ。」

 

「神様だと?まぁいい、ウェイター屋。その心配は必要ねぇ。」

 

「タダの忠告なんで気にしないでくださいね。それでは、またのお越しをお待ちしております。」

 

 

そう言って去っていくウェイターを見てローは呟いた。

 

「敵に回すつもりはないが、あれは何者なんだろうな。」

 

「キャプテン…。」

 

「何でもねぇ。行くぞ。」

 

 

 

 

さてさて、今日訪れたのはハートの海賊団。

 

ではお次は誰かな?

 

海賊?山賊?それとも海軍?

 

フラウの居酒屋は次なるお客をお待ちしております。

 





思ってたよりウェイターくんが怖ぇ。
ウェイターくんの名前いい加減に要るかなって思ってきたけど
フラウは名前呼ばなくても通じそうだしいいかな。うん。
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