現代日本のオタサーの姫が、古代ブリテンのお姫様になったら 作:蕎麦饂飩
選択肢
→・ええ、『わたし』は理想のお姫様ですから。
・いやよ、『私』はまだお姫様を楽しみたい。
「ええ、『わたし』は理想のお姫様ですから」
わたしは極めてお姫様らしくそう答えました。無価値な前世の織田姫子の気持ちなんてどうでも良いのですから。
わたしはお姫様になれればそれだけで良かったのです。
お姫様になれるならそれ以外の全部はどうでも良かったのです。
お姫様になる事だけが目的なのですから、お姫様として始まったらお姫様として終わらなければならないでしょう。
ヘタにボロが出るくらいなら、ここらで幕引きをして永遠に『理想のお姫様』であるほうが良いとは思いませんか。
その方がきっとリソウノオヒメサマなはずなのですから。
芸術とお姫様ごっこは一緒。死んで初めて完成されると言うものです。
そして死人には文句を言う事も出来はしません。
永遠のわたしの1人勝ちなのです。
「この世界がわたしの為に争うのなら、大好きなみんなが争うのなら、
原因のわたしがそれを止めます」
悪意を知られる事無く、美しい表面だけを全ての人が知るのなら、
それは客観的に完全な事実なのですから。そうでしょう?
わたしは永遠に美しいままの理想であるために、わたしが世界を動かすために悪意を遣わした者達を処分した後、
父王の剣を使って争いを止める様にと自害しました。
――丁度、戦争が終わるタイミングを見計らって。
☆ミ☆ミ
「わたしのために争わないで」
そう言って若き命を散らしたブリテンの、否、世界のお姫様がこの世から消えたのは、
丁度彼女が嘆き悲しんだ戦争が終焉した時だった。
人々は口々に、後少し思いとどまってくれればこの世界に戦争は無かったのにと嘆き合った。
彼女が裏では性格が悪かったという説もオカルトレベルで存在し無い訳ではないが、
実際に彼女が素敵なお姫様らしくない言動を見たと言うものは1人もいなかったという。
結局は理想的なお姫様に対する嫉妬以外何物でもないという事だったのだろう。
お姫様はお優しい可愛らしい性格ゆえに、争いに傷ついたのだ。
そうお姫様を一掃美化した男達は争うことの愚かしさを理解した。
世界は一つの国として統一され、言語も統一され、アムル姫への信仰が世界唯一の宗教と化した。
世界は大きな悲しみに包まれたが、その悲しみを何時までもアムル姫は望んでいないはずだ。
人々の中から徐々にそのような声が現れて、人々は立ち直った。
2015年現在、世界であらゆる少年はアムル姫に見合う男になる様に、
あらゆる少女はアムル姫の様になる様に教育される。
世界の誰もが理想のアムル姫を心に宿して共有する。世界は理想を共有して平和を保つ。
これはそんな世界の始まりの物語。
そう、彼女は世界で一番のお姫様