トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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最近プリンツ・オイゲンと結婚しました。どっちのだって?さぁどっちでしょう。


グルメ16 生徒会長!

 

 

 

IS学園、お昼休み。

専用機持ち達は昼食を取るために食堂へと向かっていた。

 

「今日のお昼からだよね。一夏さんの食堂」

 

シャルの言う通り、今日からIS学園の食堂は「織斑食堂」にリニューアルするのだ。

ちなみに朝は準備やらで開けなかったらしい。

 

「そう言えば、一夏さんはどこに泊まっていますの?」

 

「千冬姉の部屋らしいぜ。一応一夏も学園の人間になるけど…空いてる部屋が無かったっぽい」

 

「私としては義弟の飯が楽しみで仕方なかったぞ!」

 

「あぁ〜ラウラなんか上の空だったもんね」

 

そう話している内に食堂へと到着する。

 

「何だこの人集り!?」

 

するとそこには普段の数倍はいそうな生徒達が集まっている。皆押すな押すなの大混雑だ。

 

「あっこれって…」

 

鈴が「織斑食堂」と書かれた看板を見つける。

六人はあっという間に人混みの中へと巻き込まれてしまった。

 

「嘘だろ…一夏の飯の旨さは一年しか知らないはずだぞ…」

 

「ど、どうやら噂が凄まじい勢いで広まったらしい…」

 

何とかはぐれないように集団で行動し、注文口に辿り着く。

すると一夏がヒョイっと顔を出して現れた。

 

「よぉお前ら!来たんだな!」

 

「一夏!凄い賑わってるじゃん!」

 

「まぁな」

 

「む…?」

 

ここでラウラがあることに気付く。

 

「義弟よ、メニューが無いぞ?」

 

「ああ、食べたい料理を言ってくれ。それに合わせて作る」

 

「合わせて!?この人数全員に!?」

 

「向こうの世界でもこんな感じだったしな、何にすんの?」

 

それぞれから注文を聞いた一夏はすぐ奥へと走って行く。

そして受け取り口へと着いた時にはあっという間に六品が出来上がっていた。

 

「「「「「「早っ!」」」」」」

 

「さっ!どうぞ食ってくれ!」

 

春十とラウラはカレーを頼み、箒と鈴は焼き秋刀魚定食、セシリアとシャルはオムライスを頼んだ。

 

「このカレー、こんなにまろやかなのに喉越しがめっちゃ良い!」

 

「ああ!辛いが食べられないというわけじゃ無い、寧ろどんどん口に行く!」

 

春十とラウラが頼んだカレー、ルーは「底無しカレー沼」を使い、スパイスには「ヒートツリー」という木の皮を粉状にした物を使っている。

 

「パリッとした食感の後に、秋刀魚のうま味で膨らんだ身が口になだれ込んでくる…!」

 

「香ばしい匂いが風味と共に鼻に入り込んで来て…美味しい!」

 

箒と鈴が頼んで焼き秋刀魚定食、秋刀魚は「手裏剣秋刀魚」を使っている。海中を回転しながら泳ぐこの魚、回転すればするほど味が美味しくなるのだ。

 

「ケチャップライスの味の濃さが、しっとり爽やかなタマゴの味を引き立てていますわ…」

 

「まるで溶けているみたいだ〜」

 

最後の二人が頼んだオムライス、タマゴは「崩壊タマゴ」を使い、ライスには「真紅の滴り」というケチャップを入れていた。

 

「あ〜こんなに旨ぇ飯が毎日食えると思うと幸せだな!」

 

「まったくですわ!食事の時間が楽しみになりますわね!」

 

一夏の料理を堪能したのは専用機持ち組みだけではない。他の一般生徒達も喜んでいる。

まるで祭りのような賑やかさ、食堂が嬉々とした雰囲気になる。

織斑食堂出張の初日は、無事上手くいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜ようやく落ち着いた」

 

しばらくすると人が減り、休める時間が来た。

しかし忙しさを恨んではいけない。何故なら生徒達は自分の料理を食べに来てくれたのだから、自分もそれに答えないと行けないのだ。

 

「ちょっと良いかしら」

 

「あ、はいどうぞ〜」

 

そう思っているとまた客が来た。

その生徒は、自分よりも年上で、聡明な水色の髪の女性、その手には扇子が握られている。

 

「織斑…一夏君よね?織斑春十君の弟…そして…『血まみれ』」

 

「…!」

 

血まみれの正体が自分だということは、一部の生徒(せんようきもち)、一部の教師しかいない筈。血まみれと呼ばれた一夏はその女性を警戒する。

 

「そう睨まないで、私は『更識 楯無』、この学園の生徒会長よ」

 

「生徒会長…」

 

成る程、生徒会長ぐらいなら自分の正体を伝えられてもおかしくはない。

 

「今日は個人的に君に会いに来たの。注文して良い?」

 

「どうぞ、好きな物を」

 

「そうねぇ…じゃあ何か甘い物をお願い」

 

「はい少々お待ちを!」

 

そう言って一夏は調理を始め、すぐに楯無に渡した。

 

「これは…どら焼き?」

 

「はい、食べてみてください」

 

「どれどれ…」

 

そう言ってどら焼きを頬張る。すると冷静な顔が一瞬で驚いた顔になった。

 

「あら…!」

 

「餡子は『提灯餡子』、皮には『白銀小麦粉』を使っています。どうですか?」

 

「とても美味しいわ、柔らかい餡子がふっくらな皮に包まれて…この皮何だかミルクの味が…」

 

「よく分かりましたね、『六つ足ホルスタイン』のミルクを少し入れました。まろやかさをアクセントにするために」

 

「…どうやら異世界から来たというのは本当らしいわね」

 

「…また来て下さい!今度も飛びっ切り美味しいの用意しますから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まさかタツノテンセイワニが倒されるなんて…」

 

何度もIS学園に猛獣を送りつけているその女性。次々と倒されていく刺客に、驚きを隠せずにいた。

彼女の側には茶髪の女性がもう一人いた。

 

「だから言ったんだ!最初から私が出てりゃあ良いってよ!」

 

その綺麗な見た目とは逆に、その言葉遣いは荒い。

いや、「今」は綺麗と言い難い姿である。

両腕両足は部分的に緑色へと変色している。目の下は、まるでひび割れているかのように線がある。

普通の人間とはとても言えないそれは、足を組み堂々としている。

 

「だって、あの時はまだ細胞の適合が上手くいってなかったじゃない。今だって完全とは言えないし…」

 

「だったら次私を出せ!早くこの力を試してぇんだよ!」

 

「はいはい…」

 

困ったように溜息を吐く。すると奥から機械音が足音のように聞こえてくる。

現れたのは、鳥人間のようなロボット。

 

「…『M』、それの操作には大分慣れたようね」

 

「…」

 

そいつは何も言わないが、ゆっくりと頷いた。

 

「だったら…次の作戦で終わらせましょう」

 

 

 

 

 




今回少し短めですね。すいません。
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