トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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一夏のグルメ世界での過去話をちょこっとだけします。


グルメ17 過去!

 

「お疲れ様、一夏」

 

「あ、千冬姉」

 

夕食時の客ラッシュが収まった後、自分の姉である千冬が来た。

 

「千冬姉も何か食いに?」

 

「いや、そうじゃない」

 

すると内緒話でもするかのように顔を近づける。一夏は耳を向けて答えた。

 

「理事長がお前と話がしたいらしい…店が閉まったら理事長室に来てくれ」

 

「…理事長が?」

 

そう言って千冬は去って行く。

せっかくだから何か食べていけば良いのに、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂が閉まり、言われた通りに理事長室に来た一夏。

 

「失礼します」

 

扉を叩き、返事が来たので開ける。

そこには理事長の轡木、ブリュンヒルデと謳われる千冬、そして生徒会長の楯無だった。

 

「あ、更識さん」

 

「昼はありがとね」

 

「いえいえ、所で話というのは?」

 

呼ばれた理由を三人に聞く。最初に答えたのは轡木だった。

 

「…『これから』についてです」

 

「これから?」

 

「はい、知っての通りIS学園は幾度も猛獣に襲撃されています」

 

一回目はクラス代表戦。

二回目は学年別トーナメント。

三回目は1年の林間学校。

 

「なので…今度のイベントも襲われるかと思いましてね…」

 

「イベント…?」

 

「…学園祭です」

 

「学園祭…!」

 

IS学園の学園祭は一大イベントと言っても過言では無い。

生徒は勿論、一般人も沢山来るのだ。

 

「確かにそんな所を襲撃されたら大変ですね」

 

「ええ、だから貴方には学園内の警備をして欲しいのです」

 

「分かりました!任せて下さい!」

 

それに対し一夏はやる気満々で答える。

 

「このことは…他に誰に伝えるんですか?」

 

「専用機持ち達にも伝えます。そして教師達も…」

 

「頼んだわよ織斑君」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏はそのまま千冬と一緒に部屋へ戻る。

 

「千冬姉、仕事は良いのか?」

 

「今日の分はもう終わった。このまま休むさ」

 

「もしかして呑む?美味しいおつまみ作るけど」

 

「それはありがたい、そうしてくれ」

 

一夏はキッチンへと立ち、装置で食材を取り出した。

それは小さな一本角だった。それが沢山出てくる。

そしてそれを素早く揚げた。

 

「はい!『角鼠の角』を揚げた物!」

 

「どれどれ」

 

そうして千冬姉はそれを口に運ぶ。

そして噛んだ瞬間、サクッと快音が脳内にまで届いた。

 

(コロッケのような食感…そして香ばしさが鼻まで達する…)

 

そしてそれを肴にし酒を吞む。

 

(癖になる味だ…箸が止まらん!)

 

そう思っていると、いつの間にか全て平らげてしまった。

 

「美味しかったぞ、一夏」

 

「そりゃ良かった!」

 

一夏は嬉しそうに笑い、千冬と反対側に座った。

 

「一夏…向こうの世界ではどうやって生きていたんだ?」

 

「どうやって?」

 

「あんな強い猛獣達が蔓延る世界で…どうやって生きてきたんだ?」

 

「そうだね…ある人達のおかげかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ…どこだよ」

 

気付くと俺は見知らぬ荒野にいた。

見たことも無い地形、植物、動物に恐怖を感じる。

 

「どうなっちまったんだ…俺」

 

自分は誘拐された筈、しかしいつの間にか大自然の中にいた。

取りあえず辺りを探索しようと歩き始める。すると地面が揺れた。

 

「…何だ?」

 

そしてそれが足音ともに大きく鳴っていった。 

後ろを振り返る。そこに見えたのは…

 

「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

手が四本ある恐竜である。

2本の足で大地を走り、4本の手で獲物を探っている。

恐竜は一夏を捉え、追い始めた。

一夏は必死に逃げる。しかし恐竜の大きな歩幅には当然負ける。

恐竜はあっという間に追いつき、一夏を食べようとしたその時…

 

「!!」

 

右側から、青色の悪魔がオーラとして現れる。

それを見た恐竜は、一目散に走り去っていった。

 

「おい、大丈夫か坊主」

 

そう言って現れたのは青髪の大男。指の一本一本が女性の腕のように思えるほどの体格の良さだった。

その側には、小柄な富士額の男性。大男と並んでいるので小さく見えてしまう。

 

これがトリコと小松の出会いだった。

それからリンカと出会い、小松の指導を受け始めた。

そしてリンカとコンビを組み、現在へと至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トリコと小松か…」

 

「ああ、あの二人がいなかったら俺は今頃死んでいた…」

 

「いつか会いたいもんだな…その二人に…」

 

「俺も会わせたいよ…千冬姉に」

 

こうして二人は対談し、夜を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルメ世界にて

 

「何?ビオトープの猛獣たちが?」

 

会長のマンサムは部下から報告を聞いていた。

 

「はい、各ビオトープの猛獣たちが不規則に姿を消しています。どれも捕獲レベルの高いのばかりです」

 

「うーむ…一夏の言ってたことと何か関係しているのか?」

 

ビオトープとはIGOが生態調査や繁殖のために作った人工自然界である。

正式には第8まである。通称「庭」。

 

「大変です会長!」

 

「今ハンサムって…」

 

「「言ってません!!」」

 

もう一人の部下が慌てた様子で入り込んで来た。

その鬼気迫った表情を見てマンサムも真面目になる。

 

「第4ビオトープと第7ビオトープが襲撃されましたぁ!」

 

「第4と第7が!?」

 

「犯人は…数十のGTロボです!しかももう無い筈の美食會デザインです!」

 

「美食會…!三虎を崇拝している残党がいるとは聞いた事があるが…」

 

「いかがなされますか!」

 

「いや大丈夫だ…」

 

マンサムは余裕の笑みを見せる。

勝利の確信がある顔だ。

 

「確か今第4には『ララ』が…第7には『ポニー』がいる!」

 

「おお!」

 

「四天王の血を引く美食家達ですね!」

 

「ああ、儂らがいるかぎりこの世界は誰にも壊させん!」

 

 




最近なろうでも執筆し始めました。アカウント名はここと一緒なので良かったら見て下さい。
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