トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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織斑春十のストーリーは軽く冒頭で説明します。だって全部書くのはめんd(ゲフンゲフン)


グルメ2 襲撃!

織斑姉弟は、長女の千冬、次男に一夏、そして長男には春十(はると)がいた。

春十はスポーツが大好きで、中学に上がった後もサッカーをしていた。

姉のことを尊敬しており、弟は大切な存在としてずっと守っていこうと思っていたが…

一夏が誘拐され、行方不明となった。

春十は悲しみ、そして憎んだ。

弟を誘拐した奴と、それに対し何も出来なかった自分を。

その時流した涙の意味は、弟を失った悲しみと自分への絶望。

自分は弟を救えなかった。姉も同じ事を思っているはず。

春十は、せめて姉だけは自分が支えようと思い、就職率の高い高校へと受験する筈が、間違えてIS学園の入試会場に入ってしまい、そこでISを動かしてしまったのだ。

 

 

春十は学園で数年ぶりに幼馴染みの箒と再会した。

春十と箒は一夏のことを悲しみ、これからはあいつの分も生きようと決意する。

イギリス代表候補生のセシリアと口論じみたことになったが、無事和解する。

その際好意を向けられるようになったが、春十はそれに気付かない。

次は鈴とも再会した。鈴は春十がIS学園に入学したことを知ると中国代表候補生として入学したのだ。

 

 

「久しぶりだな——鈴」

 

「うん……一夏の葬式以来よね」

 

春十と鈴は気まずそうに屋上で話し合う。

前回再開したのは、一夏が死亡認定された後の葬式でである。

鈴は勿論、春十と箒も泣いていた。しかし千冬は泣かなかった。弟の死を悲しんでいないわけではない。あまりの絶望に涙すら出なかったのだろう。

 

「それにしても驚いたわよ…まさかアンタがIS動かすなんて」

 

「僕も驚いたさ、お前が中国代表候補生なんて…」

 

「それどころかクラス代表よ、アンタもそうだったっけ?」

 

「ああ、お前と同じ専用機持ちだ。今度のクラス対抗戦…負けねぇぞ」

 

「こっちの台詞よ!首洗って待ってなさい!」

 

いつの間にか2人は笑い合っていた。一夏の死ばかり話しているわけにもいかない。だから次の対戦の話に持ち込んだのだ。

 

 

 

 

『これより、1組代表織斑春十と2組代表凰鈴音の試合を始める!』

 

「行くわよ!春十!」

 

「来い!鈴!」

 

春十の白式、鈴の甲龍(シェンロン)の対決が始まった。

鈴の射撃は春十の刀『雪片弐型』にとって相性最悪であった。逆に白式にはこれしか武装が無いため長距離攻撃の対策は仕様が無い。

 

「くっ…龍砲か…!」

 

「どうしたの春十!これで終わり!?」

 

「まだまだぁ!!」

 

そうして春十が鈴に斬りかかろうとしたその時…

突如としてアリーナの中心から突風が吹く。

 

「きゃっ!?」

 

「何だ!?」

 

やがて黒い光が水を吸うように膨らんで現れた。直径6mぐらいまでのサイズになると、紫色のプラズマが中から飛び散る。

 

 

「これは…?」

 

管制室にいた副担任の山田真耶と担任でもあり織斑家長女の千冬は驚愕していた。

同じ部屋にいた箒とセシリアもだ。

 

「あの黒い光…山田先生、分析してくれ」

 

「はい…!」

 

真耶はパネルを操作して言われた通りにする。しかし…

 

不明(アンノウン)…前例データがありません!」

 

「一体何だというのだ…」

 

 

やがて黒い光に異変が起こる。

中から蛇のように、白い豪腕が出て来た。その次に足、胴体、そして顔。

全身が白い「何か」で覆われた巨人が、アリーナの中心で大きく叫んだ。

 

「なっ!?」

 

「化け物!?」

 

体高5mはありそうなその巨影に誰もが息を呑む。

そして、一人の生徒の悲鳴が合図になり、観客席の生徒が一斉に逃げ始めた。

それだけでは、終わらない。黒い光から、また何かが現れる。

足も無い、手も無い、胴体も無い、首も顔も背も存在しない。棘が隙間無く生えたその黒い球体にあったのは一つ目(モノアイ)のみ。ISと同じ大きさであるそれは、翼も無いのに空中を浮遊する。

2匹目の怪物を出した光は、何事も無かったの如く消えてしまった。

 

「どうなっているんだ一体…」

 

2つの異形が、春十と鈴を見る。すると黒い怪物が二人目掛けてタックルしてきた。

 

「ぐわっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

猛スピードのそれは、春十と鈴を地面に落とす。落ちた先には白い怪物。

鈴は彼らを敵と見なし、「双天牙月」という青龍刀で斬るが…

 

「傷一つ付いていない!?」

 

その白い甲殻は、ダイヤのように輝いたままである。

 

「春十…一旦退くわよ」

 

「何言ってんだ!まだ避難は完了してないんだぞ!」

 

「だけど私じゃこいつらには勝てない!アンタでもね…」

 

「そんな…だけど!」

 

『二人とも、至急避難して下さい!』

 

真耶から通信が入ってくる。

 

『今教員達がそちらに向かっています!だから…』

 

「待って下さい先生!俺達は戦います!」

 

『えぇ!?』

 

「はぁっ!?」

 

鈴と真耶、そして通信の向こう側にいるセシリアと箒も驚く。

 

「今教員達を待っていても間に合いません!俺達が時間を稼ぎます!」

 

『だけど…』

 

「はぁ…仕方ないわね、付き合ってあげる、春十」

 

『凰さん!?』

 

『織斑、凰、できるか?』

 

千冬が通信に割り込んできた。

 

「ああ!任しとけ千冬姉!」

 

『織斑先生だ馬鹿者…任せたぞ』

 

「「はいっ!!」」

 

 

 

 

「大変だよ!いっくん!IS学園が怪物に襲われてる!」

 

「何だって!?」

 

束のラボでは、一夏と束がカメラでその光景を見ていた。

 

「あいつらは…!」

 

「やっぱいっくんがいた世界の生き物…?」

 

「はい!…例えISでも勝てません…」

 

「嘘…」

 

束は絶句する。まさかISを超える物…兵器では無く生物がいるとは思わなかったからだ。

 

「束さん…俺、行きます」

 

「うん!そう言うと思ってもう準備はしてあるよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

一夏は走り出して、先日自分が動かした赤いISの前に立つ。

 

「頼むぞ…食欲悪魔(ブラッド・ディアボロス)!」

 

ああ、任しとけ。

 

そんな声が、聞こえたような気がした。

 

 

 

「くっ…歯が立たない…!」

 

「何なのよ…ISの武装が通じていないなんて…」

 

春十と鈴は2匹の怪物に苦戦…というより圧倒的に押されていた。

最強の兵器と謳われていたISの武器がまったく効かない…女尊男卑主義者の女性達が見たら泡を吹くだろう。

白い豪腕が振り下ろされる…その時!

 

 

「はっ!!」

 

 

見たことも無い赤いISが、白い怪物を蹴り飛ばした。

操縦者は般若の仮面で鼻から上を隠していたが、その黒い短髪と体格で分かる。こいつは男だと。

 

「お、俺以外の男性操縦者…!?」

 

「あんた…何者!?」

 

一夏は、数年ぶりに兄と幼馴染みの顔を見る。

感動した。元気そうで何よりだ。涙まで流しそうになった。

姉もいるんだろうか、顔を…見てみたい。

だが、そんなことをしている時間は無い。

 

「逃げろ…」

 

「えっ?」

 

聞いたことがある。自分は、春十は、鈴は、この声を。

海馬を探るが顔を隠している仮面で上手く思い出せない。

一夏は、2人に背を向け、怪物へと立ち向かった。

 

 

 

「こいつらは…」

 

この怪物達を自分は知っていた。

 

 

ゴーレ餅 〈甲殻魔獣類〉 捕獲レベル67

 

ウニUFO 〈棘皮動物獣類〉 捕獲レベル52

 

 

「角餅を甲殻として纏う巨人に…宇宙から飛来してきたと言われるウニか」

 

そう口にすると、涎が垂れてきた。

 

「今日のおやつと晩ご飯は…お前らに決まりだ!」

 

長刀を握りしめ、怪物達に向かって走り出す。

料理の時間が、今始まる——

 




ウニに類って言葉は無くウニ網と言うので、棘皮動物獣類という枠に収めました。こういう生物の知識はあまり詳しくないのでご意見や指摘をしてくれると大変有り難いです。是非ともお願いします。
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