トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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最近寒かったのに一瞬で熱くなってきましたね。熱中症にはお気を付け下さい。


グルメ29 毒使いの女!

野菜仙境へと向かう助っ人はくじ引きで、セシリア、シャル、春十になった。それ以外の人は鉄狼の案内のもと観光に行った。

野菜仙境へはIGOが貸してくれた飛行機に乗って向かう。

 

「野菜仙境は前に来たことがある。だからルートも分かるから大丈夫だろう」

 

三人の他に一夏とリンカも来ている。この二人がいなければ任務遂行なんて無理だからだ。

すると春十がある疑問を口にする。

 

「ところで野菜仙境ってどんなところなんだ?」

 

「標高約4000mにある野菜仙人たちの暮らす場所よ。そこで実る野菜は元々ベジタブルスカイっていう雲の上にある野菜畑から採ってきた野菜を仙人たちが品種改良したものよ」

 

「4000m…まぁISでひとっ飛びだよね!」

 

「いや、空は怪鳥の群れだ。そこを突破していくなんて自殺行為にも等しいぞ」

 

「じゃあどうしますの?」

 

「地上から行くんだ。だけど本当の敵は猛獣とかじゃない。森の突破だ(・・・・・)

 

「森の…」

 

「突破…?」

 

そう話していると飛行機が着陸する、目的地に着いたようだ。一同は降り、自分たちが向かう場所の入り口を見る。

 

「なんじゃこりゃ…!?」

 

それを見て三人は驚いた。長い木が生えまくり、そして濃い霧が辺りを覆っている。一面真っ白の景色だ。

 

「『濃霧樹海フォグレスト』、ロストフォレストと一二を争う程の樹海だ。その行方不明者数は毎年一万人以上と、自殺の名所だ」

 

「ここを通っていくのか!?大丈夫かよおい…」

 

「任せろ、この森は正しい道さえ歩けば野菜仙境にたどり着ける。言ったろ、前来たことあるって」

 

「その代わり、私たちからはぐれたら一巻の終わりよ、気を付けて」

 

「「「えぇ…」」」

 

いきなり幸先不安になるIS世界組、果たして無事帰ってこれるだろうかと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いざ足を踏み入れてみると、一瞬にして足元が霧に覆われた。一応春十たちISを持っている人たちはそれを起動しながら一夏たちの後ろを歩いている。

 

「ISなら落っこちても飛べて平気だろ」

 

「落っこちる?」

 

「所々にクレバスみたいな亀裂があるんだ。それが霧に隠れて見えないから天然の落とし穴になっている」

 

「怖っ!」

 

「やっぱ霧の中だと嗅覚も効きにくいわねぇ」

 

リンカはトリコの警察犬を超える嗅覚も受け継いでいる。しかしこの濃霧の中ではそれも相殺されてしまうのだ。

まるで雲の上を歩いているような感覚だ。ましてや足元が見えないので幻覚を見ていると脳が誤認しそうだった。

 

「ところで一夏さん、一体どうやって目印にして歩いていますの?」

 

「ああ、これだよ」

 

セシリアの問いに一夏が近くの木を指す。一見何も無いように見えたが、うっすらと樹木の表面に矢印が彫られている。

 

「仙人たちが彫った案内さ、まぁ初見じゃ霧に隠されて見つけづらいけど…」

 

「こんなものが…」

 

「ちなみにこの木は『霧隠れ樹』といって、呼吸と合わせて体内の水分を霧として噴き出しているんだ。他の霧隠れ樹はその霧を水分として吸収してサイクルを作っている。だからこんなに霧が深い」

 

「へぇ…木が他の木のために霧を出してるんだ」

 

「それもあるけど、この木自体がとても臆病で身を隠すためにも噴き出しているのよ。木材になってもその性質は無くならなくて、建築に使ったら隠れ家にもできる」

 

「とても使えなさそうだけどなぁ…」

 

霧の中を歩いて30分、春十があることに気づいた。

 

「何だあの木」

 

霧隠れ樹の中に一本だけ色が鮮やかな木を見つける。その木はハチミツの匂いを出していた。

 

「あれもグルメ食材かな?」

 

好奇心と少しの食欲に駆られた春十はその木に近づくが…

 

「この匂い…駄目よ春十君!!」

 

「え?…のわっ!?」

 

リンカがそれを制止する。するとどこからともなく黄色と黒のコウモリの群れが現れた。コウモリたちは樹液の周りを周回している。

 

「何だあれ…!?」

 

「あれは『ハニートラップツリー』、樹液が天然のハチミツの木で、あのコウモリは『ミツバチコウモリ』よ。ミツバチコウモリはハニートラップツリーの甘いハチミツの匂いで誘われた虫たちを食べる習性がある。時には小動物を食べるときもあるわ」

 

「そんなに強いのか…あのコウモリ」

 

見ただけでは色が鮮やかな普通のコウモリだった。しかしリンカが自分を制止したことによって警戒心を向ける春十。

 

「いや、捕獲レベルは5だけど…自分より大きい獲物には尋常じゃないぐらいの仲間を呼ぶの、少し面倒になるわ」

 

 

ミツバチコウモリ〈哺乳獣類〉捕獲レベル5

 

 

「気をつけろよ~春十兄」

 

「すまんすまん、つい甘い香りに誘われて」

 

(虫かよ)

 

「だけどあのハチミツは高級食材よ!帰りに採りましょ一夏!!」

 

「お前もか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森に入ってから一時間弱、一夏によればもうすぐ野菜仙境に着くらしいが、何故か周りの木々がやせ細っている。霧もなんだか晴れてきた。

 

「何だか景色が変わってきてないか?」

 

「もうゴールが近い証拠だよ。ここら辺の霧隠れ樹は野菜仙境の野菜栽培に栄養を奪われているんだ。だから霧も晴れてきている」

 

「こんな大きな木が犠牲になるほど育った野菜…一体どんな味がしますの?」

 

「品種改良元のベジタブルスカイの野菜も、栄養満点の雲の上に実っているからな。その分美味しくなっているはずさ」

 

「だけど、霧が晴れているってことは…」

 

すると突然一夏とリンカが構える。それにつれられ三人も構えた。

すると森の奥から猛獣たちの群れが襲い掛かってくる。

 

 

ハントパンダ〈哺乳獣類〉捕獲レベル66

 

 

「パ、パンダァ!?」

 

「ハントパンダだ!かわいい見た目に騙されないで!普通の熊の数倍凶暴だ!」

 

「一夏、こいつらって食えたっけ?」

 

「いや、肉は不味いらしい!皆、なるべく殺すな!」

 

迫りくるハントパンダの群れに対応する一夏たち、皆抵抗はするが死なないレベルで相手をしていた。しかしシャルとセシリアだけは攻撃を避けるのに必死であった。

 

「くっ…足手まといにはなりませんわ!」

 

「わ、僕だって…ってきゃっ!?」

 

するとシャルが一匹のハントパンダによって転ばされてしまう。倒れた彼女に数匹のハントパンダが襲い掛かった。

 

「シャルゥ!!」

 

絶体絶命のピンチかと思われたその時…

 

 

「ポイズンドレッシング」

 

 

突如紫色の液体がハントパンダたちに付着する。するとそのハントパンダたちは急に倒れこみ、小刻みに震えていた。

 

「安心して、薄い神経毒だよ。数時間で動けるようになる」

 

そこに現れたのは緑色のターバンらしきものを全身に巻き付け白いマントを着ている一人の女性だった。

ハントパンダの群れはその女性を見た瞬間、一斉に青ざめ、怯えながら逃げていく。

 

「久しぶりだね…一夏」

 

「お前は…ララ!!」

 

彼女は、トリコと並ぶ美食四天王の一人「ココ」、その能力と血を受け継いだ美食屋の少女…「ララ」であった。

 




ララって聞くとやっぱデビルーク星の王女を思いつく…
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