トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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最近車の免許を取ろうと頑張っています。


グルメ32 食の本場からの猛獣!

野菜仙人たち(一部を除き)に歓迎される一夏たち。いつのまにか宴会のような雰囲気になっており、大広場で野菜の試食会が始められた。

目の前に出される数々のみずみずしい野菜料理。本来メインとなるであろう肉などのタンパク質が一切ないが、それでも食欲を増進させるのであった。

 

「まずは私のタマネギを食べてくださいタマ」

 

そういってタマギが出してきたのは丸々一個茹でられたタマネギ。ポン酢がかけられておりなんとも美味しそうであった。

一夏とリンカがそれを口に運ぶ。

 

「ん…タマネギの程よい辛さが茹でることでちょっと優しくなって、ポン酢の味が絡んでいる!」

 

「癖になる味ね、いくらでもいけそう!」

 

「私が育てている『蓬莱タマネギ』ですタマ。皮が七色に光るタマネギで剥く順番を間違えると通常のタマネギより数十倍の量の硫化アリルができるので涙の流しすぎで脱水症状になる危険性がありますタマ」

 

春十とセシリアが食っているのは大根仙人「コボダイ」が栽培した大根の煮物だ。

 

「一口噛むと出汁が噴水のように口の中で広がった!」

 

「だけど大根本来の味が出汁に負けることなく存在感を出していますわ!」

 

「これは儂の『霊草大根』ですダイ。抜こうとすると周りの浮遊霊が反応して集まってくるので危険な大根ですダイ」

 

「浮遊霊って…もはや何でもありだなぁ」

 

そしてシャルとララが食べているのは南瓜のポタージュ。南瓜仙人「カボー」が作った南瓜だ。

 

「南瓜の濃厚な味が舌に一気に行きわたる…それなのにさっぱりしていて飲みやすいなぁ!」

 

「…まるで水を飲んでいるような喉越し、だけど南瓜の味はちゃんと感じる…」

 

「『金剛南瓜』ですカボ。ダイヤモンドのように硬い南瓜、それを調理するには専用のハンマーが必要ですカボ」

 

その他にも沢山の料理が運び込まれていく。玉蜀黍仙人の焼き「富豪コーン」、トマト仙人の「輪廻トマト」のケチャップで作ったナポリタン。胡瓜仙人の「白キュウリ」の塩漬けなど。

 

「先ほどはジンギがすいませんでしたタマ。この間来たお客人の時あいつは仙境にいなかったから良かったものの…」

 

「他にも誰か来たのか?」

 

「ええ、依頼されたプロの美食屋、そしてフェスの特訓用に野菜を貰いにくる料理人が多数…」

 

「フェスの出場者まで来たのか!?」

 

「はい、天ぷら料理のプロ『天龍』、『ブルーノピザ』の『ブルーノ』、後は『漬け婆』などなど…」

 

「すげぇ…どれもランキング上位の名前だ…」

 

「我ら仙人一同、一夏様の健闘をお祈りしていますタマ」

 

「ああ、ありがとう」

 

やはりランキング上位のプロもここにきていた。優勝を狙うライバルとしてピッタリのはずだ。

 

「ところで…ジンギのやつはまだあんな感じだったのか」

 

「…ええ、ニジンが死んでからずっとあの調子ですタマ。責任を感じているのでしょうねタマ」

 

「そう言えば、一夏とリンカさんは前に来たことあるって言ってたな。その時なんかあったのか?」

 

「ああ、前に野菜仙境に来た時、俺たちはニジンっていう人参仙人たちと会ったんだけど…」

 

「亡くなったのよ。私たちに『仙人参』の栽培方法を授けて」

 

仙人参というのは一夏とリンカのフルコースメニューの野菜料理に名がある野菜だ。それは人参仙人である「ニジン」から授かったもの…つまり遺産だった。

 

「だから、人参仙人の名はあいつが受け継いでいるんだけど…その責任感で少し暴走しているんだ」

 

「そうなのか…」

 

一夏たちが春十に説明していると、ララが耳を貸せという仕草をしてくる。それに従う一夏。

 

「一夏、早くあの人のところに行った方が良いかも…」

 

「何で?ああいうのは一人にしといたほうが…」

 

「…死相(・・)が見えたの」

 

「…!」

 

ララが父親から受け継いだ能力は毒だけじゃない。ココの電磁波を捉えられる超視力も持っているのだ。

その目で行われる占いはほぼ必中。つまりジンギのやつから死相が見えたってことは…

 

「ジンギは…死ぬのか!?」

 

すると大きな遠吠えが仙境に鳴り響く。一斉に耳をとじ、それに耐える。その遠吠えは数分続いた。

 

「今のは…!?」

 

「…グルメ界の猛獣の鳴き声(・・・・・・・・・・・)ですタマ!」

 

「「「グルメ界!?」」」

 

その単語に驚愕する一夏とリンカ、そしてララ。

地球の人間が住む以外の土地、それが「グルメ界」。そこは普通の人間じゃ生き残れない特殊で危険な環境である。そこに住む猛獣たちも人間界のものとは比べ物にならないのだ。

 

「何でグルメ界の猛獣が人間界にいるんだよ!?」

 

「…数十年前の四獣襲撃の際、その時にグルメ界から猛獣たちが紛れ込んできたのですタマ。そのうちの数匹が野菜仙境にやってきて…」

 

「じゃあなんでここ壊滅していないの!?そんなのが数十年間もいたらとっくにもう…!」

 

「その時に来た猛獣たちの中に、心優しい神獣(・・)4匹もいたのです。そのうちの一匹である朱雀(・・)様が今まで猛獣たちを洞窟の中に閉じ込めていましたタマ」

 

「朱雀…様」

 

「しかし最近お姿を見せなくなりましたタマ。もしかしたら朱雀様はこの仙境にはおらず、そのせいで閉じ込められた猛獣たちが出てきたのでは…!?」

 

「…だとしたら最悪だ!急いでその洞窟に行かないと!」

 

ここで、先ほどの「死相」という言葉が頭の中に出てきた。

 

「…まさか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ジンギは、森の中で座っている。その顔は悔しいことを物語っている。

 

(何故だ!?俺は親父の跡を継いだ人参仙人だぞ!なんで下界の人間ごときに…!)

 

一夏の言う通り、ジンギは父親であるニジンの名を守ろうと必死になっている。その結果、下界の人間を見下すような高圧的な性格になってしまったのだ。

 

(くそ!どうしたらいいんだよ…!)

 

すると森の奥から何かがやってくる気配がする。

 

「な、なんだ一体!?」

 

こんな強い気配を放つ猛獣は仙境にはいないはずだ。そう思ったジンギは瞬時に警戒モードになる。

奥から出てきたのは、2匹の緑色の龍。

 

「こいつら…まさか洞窟の…!」

 

 

ドラゴーヤ〈幻獣類〉捕獲レベル105

 

 

命がかかったピンチが、ジンギを襲う――!

 

 

 




ドラゴーヤは、以前コラボしていた「IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人」の「神羅の霊廟」さんがコラボ内で登場させたオリジナルの猛獣です。捕獲レベルを少し上げています。
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