トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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ララの設定考えるの中々楽しいです。


グルメ35 毒の美女!

ポイズンドレス…毒で形成されたドレスを身にまとうことによって防御力と毒の攻撃力を上げる技である。全身を毒で覆うことにより触れるだけで相手を毒に侵すことができる。

しかし相手はグルメ界の猛獣であるドラゴーヤ、生息地の過酷さに適応した強さ、更にゴーヤの成分による圧倒的な抗体力によって殆どの毒は通用しない。

唯一効果が発揮される毒は、相手の栄養素などを吸収して増殖する「パラサイトポイズン」、しかし先ほど与えた分の量では足りなかったようだ。

だからララは、パラサイトポイズンの毒で(・・・・・・・・・・・・)ポイズンドレスを形成した。本来微量でも生成するのに体力を大幅に削るが、ララの覚悟とグルメ細胞の生存能力により、全身を包み込めるぐらいの量を作れたのだ。しかしその分スタミナを削っていた。つまり、ララにとっても命を懸けた大勝負ということだ。

両者の勝負に正義と悪はあるか?そんなものは無い。緑色の龍は子孫を残すために牙を剥き、ララは愛する者のために毒を作っている。そんな勝負に良し悪しを決めるなんてもってのほか。

負けた奴が餌にされる(・・・・・・・・・)――ただそれだけだった。

 

「はぁああああああああああ!!!」

 

先に仕掛けたのはララだった。ドラゴーヤに臆することなく立ち向かう。触れさえすればパラサイトポイズンを注入できる。なので考え無しのようなこの突進は正しい。

しかし怯えないのはドラゴーヤも同じ、もうパラサイトポイズンが効かないと認知したのか、口を大きく開けてララに突撃してきた。

 

「…!!」

 

彼女はそれに対し高く跳び体をうねらせ、ドラゴーヤの頭上を跳び越える。そのまま奴の尻尾に着地する。すると固めた毒で両爪先を尖らせる。

 

「ポイズンネイル!!」

 

そしてそれを尻尾に突き刺す。ドラゴーヤは硬い鱗を持っているがどうやら尾は胴体並みの強度ではないらしい。いとも簡単に爪が深く刺さった。そこからどんどんパラサイトポイズンが注入されていく。

ドラゴーヤは尾を思い切り縦に振り、尻尾にしがみついていたララを振り解く。そして空中の彼女に光線を撃ち当てる。

 

「きゃっ!?」

 

光線がもろに当たったララは吹っ飛ぶも足で地面に引きずりながら着地し、ドラゴーヤから離れる。そして毒で2本の短刀を作り出した。

 

(ポイズンダガー――!)

 

それを逆手で持ち再びドラゴーヤに突撃する。龍も先ほどと同じく口を開けて突撃してきた。しかしララはさっきとは逆に突進してきたドラゴーヤの下に潜り込み、地面を滑りながら腹にダガーを突き立てる。あまり深くは入らなかったが2本の傷を付けることはできた。

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!??』

 

ドラゴーヤはララが下を通過した後、体を高く上げてそのまま上から頭を落としてきた。彼女はそれをバックして避ける。

 

「ポイズンキャノン!!」

 

奴の頭が地面に刺さっている隙に毒弾を弱点である顎に命中させた。その瞬間ドラゴーヤは悲鳴を上げるも、尻尾で彼女を叩き飛ばす。

ララはそのまま後ろに飛ばされ、雲隠れ樹に激突する。そして濃かった霧が今の衝撃で更に濃くなってしまう。

完全に霧に囲まれてしまった状態で、ララはドラゴーヤの攻撃を避け続ける。例え視界が悪くてもララには電磁波が見えているからある程度の攻撃はギリギリ避けられたのだ。しかしあくまでギリギリで完全に避け切れるわけではなかった。

 

(どうにかしないと…!)

 

こうしている間にも霧はどんどん濃くなっていき、ドラゴーヤの攻撃を避け続けるのも困難になっていく。そして奴の牙がララの体を傷つけていった。

霧をどうにかしないと…そう思った瞬間、ある方法が頭の中を過る。

 

「春十さん!!今すぐ空に逃げて!!」

 

「あ、はい!」

 

そしてどこかにいるであろう春十に避難するよう警告、それほど今から出す毒は危険(・・)だからだ。その性質はパラサイトポイズンより厄介である。

ララは春十が上空に逃げたことを電磁波の感覚で察すると、口から毒霧を辺りに噴き出した。それはドラゴーヤに吸わせるためじゃない、雲隠れ樹(・・・・)のためだった。

 

(…デビルポイズンミスト…ッ!)

 

それはココもかつて使っていた「デビルポイズン」の応用、相手を殺すためではなく、強い中毒性(・・・・・)の効果のある毒だった。

それを使って何がしたいか、ララは本来のデビルポイズンとちょっとだけ成分を変え、中毒性よりそれに伴う快楽を強めにした。

それを辺りの雲隠れ樹に吸わせて、ストレスによって霧を噴き出す雲隠れ樹を安定させる。その結果霧がこれ以上噴き出されなくなり、辺りの視界も晴れてきた。

 

(や…やっぱ…きつい…!)

 

しかし本来作るのにも体力がいるデビルポイズンを霧状にして大量にバラまいたため、スタミナが多く削れてしまった。森の生態系をこれ以上崩さないために、急いでデビルポイズンミストを中和させる毒をあたりに噴き出す。

するとその隙に、ドラゴーヤがララを両手で鷲掴みにした。

 

「しまっ…!!」

 

そしてその太い牙を、ララの肩に突き刺した。

 

(こ、これは…毒…!?)

 

その際ドラゴーヤは、ララのパラサイトポイズン対策で体内に集中させていた栄養素などを殆ど牙へと集中させる。ドラゴーヤの体内にはゴーヤの成分以外に新種の成分が数えきれない程あった。それにより人類が発見できていない新種の毒(・・・・)を生産、そしてそれを牙を伝ってララの体内に打ち込む。

 

「くぁあっ…あっ…!」

 

元々ココとララの毒能力は、ココが毒の抗体を手に入れるために多種の毒を体内に注入し、その結果新種の毒が生まれたことが原点だ。つまりココもララも毒への免疫力は凄まじいということである。

しかし、今ララに注入された毒は、未知の成分で作られた未知の毒。当然抗体など人間界には存在しない。

やがて、徐々に毒の苦しみがララに襲い掛かってくる。

 

(なら…抗体を今作ってやる(・・・・・・)!)

 

しかしララもその程度で死ぬような器ではない。かつてのココがデビル大蛇の毒を受けた時と同様に、その場で毒の成分を解読、中には知らない症状もあったが、決してめげずに抗い続け…

 

(できた…ドラゴーヤの抗体!)

 

なんと誰も知らない新種の毒の抗体を作り上げたのであった。

すると、ドラゴーヤの容態もどんどん弱まっていった。

 

「…僕に毒を注入させるために、体中の成分や栄養素を牙に集めたから、パラサイトポイズンが効いてきたようだね…」

 

それを見たララは、疲れの表情を見せながらも勝利を確信した笑みになる。すると彼女の髪がどんどん白くなってきた。

 

「僕も毒を使いすぎた…だから、今の僕は危険でもないし毒女でもない…近寄っても触れても大丈夫…だから、春十さん!!」

 

「おう!!!」

 

すると春十が降りてきて、ドラゴーヤの顔元まで近づく。そして、雪片弐型が奴の顎から入り込み、そのままドラゴーヤの頭部が斬り落とされた。

 

「しゃあああああっ!!!」

 

「…やった」

 

こうしてドラゴーヤ(♀)との戦いは、ララ達の勝利となった。




野菜仙境編が終わったらゼブラの娘「ポニー」を登場させよっかなぁと考えています。
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