トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話 作:ZUNEZUNE
「はっ!!」
リンカはドラゴーヤの放つ光弾を2本のコテを盾にして防いでいるが、その威力にどんどん押されていっていた。攻撃を与える隙も無く、ただ防戦一方の状態になっている。
(ここは無理にでも突破しないと…!)
このままでは駄目だ、そう思ったリンカは特攻を決意、コテを消して飛んで来た沢山の光弾の間を潜り抜けていく。そして全弾避け切った後、右足でコテの斬撃を蹴り飛ばす。
「コテレッグブーメラン!!」
ぐるぐる回る巨大なコテは、ドラゴーヤに当たらずその真横を通り過ぎる。しかし不発だったと思われていたコテがブーメランのように転回してきてドラゴーヤの背中に迫っていく。
「50連コテ釘パンチィ!!」
そうしてコテから逃げようと前に出てきたドラゴーヤを正面から突撃、50連のコテ釘パンチを奴の顔面に命中させた。前からの攻撃に吹っ飛ぶドラゴーヤ、そして後ろから来たコテレッグブーメランが当たった。前と後ろからの挟み撃ち、しかしそれでもドラゴーヤは倒れない。
するとドラゴーヤは口を大きく開けてリンカを丸のみにするつもりで突進してきた。
「させないっ!」
それに対しコテを上あごと下あごの間に挟み、自分の代わりにコテを奴に食わせた。ドラゴーヤはコテをかみ砕こうと必死に暴れまわるが中々壊れない。
更にリンカは大量のコテを具現化、それをドラゴーヤの周りに固めることで奴の動きを封じた。
「右脇下に重いのぶち込んであげるわ!」
そして再び釘パンチを放つ構えになるが、ドラゴーヤは無理やりコテの檻を崩壊させ、長い尻尾でリンカを弾き飛ばした。
「キャッ!?」
木に激突し、大ダメージを食らうリンカ、そしてドラゴーヤがゆっくりと近寄ってきた。もう駄目だ…食われてしまうと覚悟したその時――
「高山切り!!」
「厚皮剥きぃ!!」
横からの一夏とジンギの連携攻撃によってドラゴーヤは吹っ飛び、体勢を崩す。一夏は倒れているリンカを庇うように前に立った。
「大丈夫かリンカ!」
「…何とかね」
リンカに手を貸し、3人そろってドラゴーヤと対峙する。一夏は包丁を構え、リンカはコテ、ジンギはピーラーを出す。
「所でリンカ、こいつどんな匂いしてる?」
「苦みが強い匂いだけど…決して苦に感じない。それどころか苦みのはずなのに逆に爽やかにも感じる匂いね。こんなに美味しそうなゴーヤの匂いは嗅いだことが無い…!」
するとリンカははしたなく涎を流し、まるで獣を狩る目でドラゴーヤを睨んでいた。
「そいつは何とも調理しがいのあるこった…俺も腹が減ってきた!」
「まったくこれだから下界民は…品が無い」
「お前も腹が減っているんじゃなかったっけ?」
「…」
そうこう話し合っているうちに、ドラゴーヤが怒りの表情でこちらに飛んでくる。一夏とジンギはリンカが用意してくれたコテの上に乗る。
「はぁああああああああああ!!!」
リンカはコテで一夏たちを飛ばし、一夏とジンギもそのタイミングで跳んで加速し、真正面からドラゴーヤに突撃していった。
奴の鋭い牙と、包丁とピーラーがぶつかり合い、向こうに負けずとそのまま押しまくる。やがて奴の口がどんどん迫ってくるその時、一夏たちは左右にずれた。
「コテレッグ!!」
そして後ろにいたリンカが足によるコテ斬撃を放ち、ドラゴーヤの顔に命中させた。奴はそれが堪えたのか少しだけ後退して距離を置く。
その隙を見逃さず、一夏とジンギが左右から斬ってきた。
「おらぁあああ!!」
一夏はそのままISで大きく展開、ドラゴーヤの右脇下に潜り込んで一太刀浴びせることに成功した。
ドラゴーヤは弱点を突かれたことが効いているのか暴れに暴れまくる。周りの木々を押し倒し、光弾をありったけ吐いてきた。
「まな板シールド!!」
「コテシールド!!」
一夏とリンカはその光弾を盾で防ぐ。しかしジンギは光弾の雨を掻い潜りながらドラゴーヤに接近、2本のピーラーを構えて奴の元にたどり着いた。
「はっ!!」
そのまま邪魔な右腕を蹴り上げて退かし、ピーラーによる2つの斬撃をドラゴーヤの脇下に当てた。それに続き一夏とリンカもその場へ急行、追撃として更に攻撃を当て続けた。
『ギシャアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
流石のドラゴーヤも連続的に攻撃を弱点に当てられたらひとたまりもない。今までに見せたことが無い苦しみ方をし始める。
それを見て3人は「あと少しだ!」と確信、ラストスパートとして最後の力を振り絞る。リンカと一夏はグルメ細胞の悪魔を全面に出しまくる。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」」
そして3人同時にドラゴーヤに向かっていた。奴は光弾を無数に吐きまくり、一夏たちの行く手を阻もうとする。しかし3人は包丁やコテ、ピーラーでそれを弾き飛ばし、もしくは避けながら走り、足を止めない。
『ギシャアアアアアアアアッアア!!』
するとドラゴーヤが牙を尖らせこちらに突進してきた。そこで一夏とリンカはジンギより前へ出て、ドラゴーヤの突進を真正面から受け止める。
「まな板シールド!!」
「コテシールド二枚重ね!!」
3枚の盾で防いでもドラゴーヤの突進を完全に止めることはできず、そのまま後ろへ盾ごと押されていく。しかし後ろにいたジンギが一夏を踏み台にして盾を乗り越え、ドラゴーヤの懐に潜り込んだ。
「おらぁああ!!」
そして奴の脇下にピーラーの刃先を思い切り当てることに成功、ドラゴーヤが痛みで静止した瞬間、一夏たちも盾を消してドラゴーヤに斬撃を放つ。
「
「ピザ切りッ!!」
一夏の2本の包丁、リンカの2つのコテ、合わせて4つの斬りつけが龍の弱点を更に傷つけていく。流石のドラゴーヤも弱点を連続的に攻撃されたら堪らないのか、そのまま上空へ昇るように飛び去ろうとした。
「
「分かってるわ!!」
一夏とジンギは再びリンカのコテの上に足を乗せ、そのまま上空に投げ飛ばされた。それにより2人はISをも超えるスピードで加速、逃げようとするドラゴーヤを一瞬で追い抜いた。
「逃げられると思ったかぁ!!カカシチョウのお返しをしてやる!!」
ここでジンギは2つのピーラーを構え、そのままドラゴーヤへと落下。奴の頭に触れる瞬間ピーラーを思い切り振りかざした。
ドラゴーヤはそれを両顎の牙でがっしり受け止めるが、真上からの攻撃なので受け止めることはできても耐えられずに、そのまま押されて落ちていく。
「今だぁあああああああああああ!!!」
そして落ちていくドラゴーヤに一夏は突撃、上から包丁で叩き斬ることによって奴の落下スピードを更に上げた。その下には、パンチの構えで溜めをしているリンカ。
「いっけぇええええリンカァアアアア!!!」
「50連コテネイルガンッ!!!!」
そのまま落ちてきたドラゴーヤの脇下にネイルガンを命中させ、50連分の威力をほぼ一瞬でその体に流し込む。その瞬間、ドラゴーヤは白目を剥き。大きな断末魔を上げながらゆっくりと倒れていった。
その後リンカは疲れで着地することもままならない一夏たちをコテで受け止め、そっと地面に下す。
「やったな!」
「ええ!」
すぐに一夏とリンカは勝利の記念としてハイタッチをする。その後一夏はジンギに対しても手を差し出した。
「お前もありがとう!ジンギ!」
「ふん…」
顔はしかめっ面だが、ジンギは一夏とハイタッチをした。
こうしてドラゴーヤ戦は幕を閉じたのであった。
ようやくドラゴーヤ戦が終わりました。かれこれ1か月くらいかかっていますね、そして次で野菜仙境編は終わりの予定です。