トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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今回は予告通り1話完結のお話です。ちなみにテーマはもう土用丑の日は過ぎていますが「ウナギ」の話です。


グルメ40 1億のウナギ!

とある日のこと、一夏とリンカ、そしてIS世界一行は船に乗ってある場所へと向かっていた。船上では軽い食事会が開かれていた。

 

「旨いなこのたくあん!癖になる歯ごたえに染みてるこの味!」

 

「コボダイの霊草大根で作ったたくあんだ。たくあんにしても美味しいと思ってな」

 

「そしてこれが一夏のフルコースの前菜の『ダイヤモンドおにぎり』によく合うんだよなぁ!」

 

「ダイヤモンドおにぎりは貴重なのよ?良く味わって食べてよね」

 

この間野菜仙境で手に入れた仙人野菜のうち、余ったのをこうして食べているというわけだ。

すると箒が行き先のことを聞いてきた。

 

「所で一夏、そろそろどこに行くか教えてくれたっていいんじゃないか?」

 

「行き先は『マハーツ諸島』っていう小さな諸島だ」

 

「マハーツ諸島?どうしてそこに行くんですの?」

 

「それはな、タカラブネウナギ(・・・・・・・・)がそこに来る季節だからだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして一行はマハーツ諸島へとたどり着く。何もない島だというのに大柄な人で溢れかえっている。

 

「すっごい人だかりだね!この人たち全員がその何とかウナギってのをとりに来たの?」

 

「ああ。タカラブネウナギは滅多に姿を見せない幻のウナギだけど、10年に一度何故かこの諸島に集まるんだ」

 

「10年に一度…だから珍しいのだな?」

 

「そう、普段は1000万もの価格がする程貴重で美味しい魚、だけど今はめっちゃラッキーな時期なんだ」

 

「1000…!?しかもラッキーな時期って…?」

 

「丁度もうすぐフェスが開催されるからフェスの委員がタカラブネウナギの買取価格を10倍にしてるのよ」

 

「10倍ってことは…!?」

 

「1億!?」

 

たかがウナギ一匹に1億円、その値段にIS世界組は目を丸くした。

 

「そ、そんなことしたら暴落するんじゃ…!?」

 

「まぁそんなに市場に出るもんじゃないけどな。捕まえづらいんだ(・・・・・・・・)、タカラブネウナギは」

 

そうして一夏によるタカラブネウナギの解説が始まる。

元々戦闘能力も無いに等しく、その面だけ見れば捕獲レベルは1以下、しかしタカラブネウナギは外敵から身を守るために擬態能力を進化で手に入れ、水の中だとほぼ透明なのだ。

発見、捕獲、その面で見てその捕獲レベルは82(・・)。ついた名が「泳ぐダイヤモンド」――!

 

「だからこうして一攫千金を狙う美食屋が集まってんだ」

 

「だな、数匹捕まえれば遊んで暮らせるぜ。捕まえられたらの話だけど」

 

「俺は別に金が欲しいわけじゃないが、一度タカラブネウナギは食ってみたかったんだ。だから今日は頑張って沢山とるぞ!」

 

「「「おーー!!」」」

 

 

 

 

美食屋たちは浅瀬に足を沈め、網や釣り竿、様々な道具で釣ろうとしているが、2時間経ったにも関わらず捕まえられたという報告は無い。

 

「中々捕まりませんわね…」

 

「そうだな…」

 

その中にも一夏たちは含まれている。汗水たらして必死に探していた。

それもその筈、まず姿が見えないのだから。

 

「でも…リンカさんが何か掴んだみたい」

 

「…え?」

 

鈴が簪の指す方向を見ると、リンカが目を瞑りながら集中していた。たまに鼻を鳴らし、精神統一していた。

 

「まさか…匂いで捕まえようとしてるの!?」

 

するとリンカの目が一気に開く。そして何もないところを4本のコテで囲い、そこを5本目のコテで掬い上げた。

コテの上には、金色に輝く立派なウナギの姿が――!

 

「おお!誰か捕まえたぞ!」

「新生美食屋四天王のリンカだ!」

「流石は世界一の美食屋の四天王…!」

 

その瞬間辺りから歓声が沸き起こる。リンカは捕まえたタカラブネウナギをグルメケースに入れて再び集中し始める。

 

「でもあんなに簡単に捕まれるなら…!」

「俺たちにだってチャンスはあるぞー!」

 

「凄いですわリンカさん!見事な掬いでした!」

 

「ありがとう。ようやくコツとどんな匂いかが分かったわ…」

 

「どうやったの?」

 

「…タカラブネウナギに感謝(・・)したのよ」

 

「「「…感謝?」」」

 

「そう、タカラブネウナギに感謝して近くに寄せてるの」

 

「…感謝すれば寄ってくるの?」

 

「自分のことを感謝してくれる人を好意的に見るでしょ?それと同じ」

 

リンカと一夏は食義を使い、どんどんタカラブネウナギを捕まえていく。

 

(まぁ食義でもやっと1匹ってとこね…)

 

「よーし!俺だって捕まえてみせるぜ!」

 

そしてそれを見た春十がやる気を起こし、水面を凝視しまくる。そして数十分経ったその時、春十が思い切り右手を挙げた。

そこに重なる白い手のビジョン、春十が熊のように水面を叩くと、一匹のウナギが掬いあげられた。

 

「しゃあ!!俺も一匹!!」

 

「凄い…春十まで…」

 

(春十兄はタカラブネウナギを食べたい一心で捕まえたか!…なんて食欲)

 

こうして一行はどんどんタカラブネウナギを捕まえていく。そして日が暮れる頃にはグルメケースに入っているタカラブネウナギの数は9匹になった。

 

「すげぇ!1億が9匹も!」

 

「春十…その数え方は駄目だよ」

 

「2、3匹は委員会に売って、残ったのを俺たちで食うか」

 

「「「賛成!!」」」

 

こうして一夏が6匹のタカラブネウナギを調理していく。まず最初は蒲焼き、ウナギを開いて焼き始める。

その瞬間、その圧倒的な香ばしさが一同の鼻を襲う。

 

「高級ステーキにも劣らないどころか圧倒的に打ち負かすほどのインパクト…!」

 

「まるで鼻に直接肉を詰められたような、肉で頭を殴られたようだ…!」

 

そうして出来上がった蒲焼きを人数分に分け、全員が食した。

 

「このジューシー感!!ウナギとは思えない程の圧倒的強み…!!」

 

「ふっくら膨らんでいて…味が爆弾のように口の中で広がっていくわ…!」

 

「これが1億の味か…!」

 

これなら1億払ってもいい、そう思う程に美味しい脂身、匂い、今まで感じたことも無い幸福感であった。

 

「まだまだあるぞ!タカラブネウナギの寿司にひつまぶし!どんどん食ってくれ!」

 

そうしてタカラブネウナギパーティという恐らく世界で指折りの贅沢なパーティを実行、宴のような雰囲気になり、夜まで続いた。

すると春十が次の依頼を聞いてきた。

 

「一夏、次の依頼はどこにいくんだ?」

 

「次は、宝箱の海と呼ばれる海、『ヘブンオーシャン』だ!」

 




以上で終わりです。一話完結なのであまり深く書かずあっさりとした内容にしてみました。すこし内容不足かも。
次は海の食材溢れる「ヘブンオーシャン編」です。一応ゼブラの娘が出る予定です。
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