トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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今週から「ヘブンオーシャン編」突入です!ゼブラの娘を出す予定です!


グルメ41 天国の海!

波の音が聞こえるこの港、一夏とリンカ、そしてIS世界組の何人かがそこへやってきていた。今回のメンバーは箒、鈴、ラウラの3人とくじ引きで決まった。

港には黒く日焼けした1人の若い男が一夏たちを待っていた。

 

「よー千夢(せんむ)!久しぶりだな!」

 

「一夏とリンカ!待ってたぜ!」

 

その男は「千夢」といって、トリコと仲のいい卸売業の商売をしている「十夢」の息子である。一夏とリンカはよく彼に世話になっていた。

 

「後ろの嬢ちゃんたちがお前の故郷の人たちだな?俺は千夢、よろしくな!」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

「でよ千夢、行き先なんだが…」

 

「ああ、ヘブンオーシャン(・・・・・・・・)だろ?準備はしてある」

 

そう言って千夢が持っていたリモコンのスイッチを押すと、海の中から潜水艦が浮上してきた。そしてその潜水艦の天井部分が展開し、まるで普通の船のような形態になる。

 

「潜水も可能の船、『グルメアクアマスター』だ!数トンの水圧にも耐え『地獄深海』の潜水にも成功してる!更にそんじょそこらの海獣じゃ傷1つつけられない装甲に対海獣用の特殊魚雷も装備!一台10億だぜこれ!こいつじゃないとヘブンオーシャンにはいけないだろ」

 

「さっすが、マシンも一流だな」

 

「更に更に近辺のグルメ界の海のデータもあり、僅かなら潜水も可能!別売りの追加ウイングも買えば低空飛行も可能で――」

 

「分かったもういい!」

 

そういって一行は船に乗り、千夢の操作によって船の旅へと出発していった。

 

「ところで一夏、ヘブンオーシャンとはどんな海なんだ?」

 

「ヘブンオーシャンはあらゆる海の幸や美味が集結している名前の通り天国のような海と言われている。俺たちも行くのは初めてだ」

 

「そこに生息している『ミカエルフィッシュ』っていう魚が今回のターゲット。だけど一番の問題はヘブンオーシャンまでの道のりよ」

 

「…道のり?」

 

そう言って一夏は千夢から渡された地図を開き、箒たちに分かるように教え始める。

 

「ヘブンオーシャンは特殊な海流のせいで普通では入れない。だから一回潜ったり海を進んだりする必要があるんだけど…」

 

「ヘブンオーシャンまでの潜水ルートに『天国の門』と呼ばれている渦巻きがあるの。直径1000m(・・・・・・・)の超巨大渦巻き、そこを通らないといけないの」

 

「直径…1000m!?」

 

「それなら飛べばいいのでは?」

 

「上空はヘブンオーシャンの海水が蒸発して予測不能なサイクロンの壁ができてるんだ。飛行機とかISとかで言ったら即終わりだ」

 

「上手く行かないものね」

 

すると突如として海上を飛び跳ねてこちらに突っ込んでくる魚群が見え始める。凄まじい勢いで来ていた。

 

「何あれ!?」

 

「『ピラニアトビウオ』だ!任せろ!」

 

ピラニアトビウオの味は不味いため殺す必要はない。そう判断した一夏はグルメ細胞の悪魔を見せてピラニアトビウオを威嚇、トビウオたちは軌道を変え船を避けていく。

 

「流石一夏ね!」

 

「…おかしいな」

 

「え?」

 

そう不思議そうな顔をした一夏は再び地図に視線を移す。

 

(ピラニアトビウオは確かに「天国の門」付近にも生息しているが…まだそこまで来ていないはずだぞ)

 

 

 

 

 

船の旅を続けて数十分、一行は船上でさっき採った海の幸を堪能していた。

 

「この牡蠣!舌の上に乗った瞬間トロリと溶けて濃厚さとコクが全体的に広がっていく…それでいてサッパリだ!」

 

「このサザエも弾力のある身に染み込んだ美味しさと甘さ、噛んでで飽きないわ!」

 

「私が食べている蟹…プリッとした触感で何とも奥が深い味だ!」

 

「『チーズ牡蠣』『黒糖サザエ』『ダイヤモンドキャンサー』、どれも高級食材として有名なものばかり。ヘブンオーシャンに近い証拠だな」

 

「え?どうして?」

 

「ヘブンオーシャンの入り口の天国の門は、あまりの水流の勢いでヘブンオーシャン側にある魚や貝を巻き込んで外の海に出しちゃうことがあるの。だからこの食材たちもそのうちの1つってわけ」

 

「通称『天からの恵み』、ある意味ヘブンって意味も間違いじゃないんだ」

 

「どういう意味だ?」

 

「…天国の門は入った者を激しい水流で襲い、船や潜水艦を粉々にしちゃうんだ。その威力はかの有名な『デスフォール』とも引けを取らない。侵入した者は絶対に殺して天国に送り込むって意味だ」

 

「そんなところに今から行くの…!?」

 

「安心しろ、千夢の操縦スキルは世界でも指折りに入るし、天国の門には猛獣もいない。突破するだけでいいんだ」

 

すると突如水しぶきが上がり、海の中から巨影が複数飛び出してきた。

 

「「「グルウウウウガァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」」」

 

 

リヴァイアサンウツボ〈魚獣類〉捕獲レベル88

 

ヤマタノシャーク〈魚獣類〉捕獲レベル79

 

ウミキツネ〈哺乳獣類〉捕獲レベル81

 

 

「それも天国の門までつく話だけどな!」

 

「皆!戦うわよ!」

 

「「「はい!!!」」」

 

こうして一行は天国の門を目指して襲い来る猛獣を倒しながら進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天国の門付近の海域、一人の女がボートを漕いで(・・・・・・・)そこへとやってきた。

するとそんな泥船一隻を狙って海獣たちが襲い掛かっていく。

 

調子に乗ってるな(・・・・・・・・・)…お前たち」

 

その男勝りな口調でそう言い零すと、女は立ち上がり、深く息を吸った。

 

 

「――ボイスマシンガン!!」

 

 

次の瞬間、100匹近くいた海獣たちが穴だらけになり、全滅した。

 

「…この声は!」

 

すると何か聞こえたらしく、女は何もいない方角へ視線を移す。

 

「…成る程、あいつら(・・・・)も来てたか…!」

 

そういうと女は口角を曲げ、単身天国の門へと入っていった。




劇場版ビルド見ましたー!ネタバレになるのであまり言えませんが笑いありシリアスありで素晴らしかったです!
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