トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話 作:ZUNEZUNE
その女、ゼブラの娘であるポニーはこの船と比べると何倍にも小さな小舟に乗っており、そこから跳んでこちらへと乗り込んできた。
名前の通りにその髪型は赤が混じった茶髪のポニーテール、服装は毛皮を使った大変ワイルドなものでそこにおしとやかという言葉は無い。
「ここを突破する前に声が聞こえたから来てたのは知ってた。まぁお前らなら突破できるだろうと思って先に行ったがな」
その口調も女性らしくなく、両足も大きく広げて大胆に立っていた。右目には大きな傷が付いており、その圧迫感は父親譲りである。
「アンタ…何でここにいるのよ」
「よぉリンカ、相変わらず平和ボケした面しやがって…」
そして顔を合わせた瞬間、リンカは睨みつけ、それに応えるかのようにポニーも笑いながら睨み返した。突如現れた男勝りな女に、IS組一同は何も話せずにいる。
「一夏…アンタの知り合い?」
「ああ、ポニーっていってな、俺の師匠のコンビの同期の娘だ。リンカとも幼馴染だぞ」
「おい一夏ぁ…そいつら誰だ?」
するとポニーはまるで野獣のように光った眼光を箒たちに向け、彼女たちを軽くビビらせる。それを止めるかのように一夏が間に入った。
「こいつらは俺の故郷の友達だよ、この間話したろ?」
「ああ…アタシに断りも無く勝手に異世界に行ってたなぁ…」
「い、いいじゃんこうやって
「…おいお前らぁ!!」
すると突然ポニーは一夏を抱き寄せ、見せつけるかのようにし親指で自分を指した。
「言っとくけどこいつはアタシの男だからなぁ!?勝手に手ぇ出すんじゃねぇぞ!!」
「「「なっ――!!??」」」
その言葉にある者は驚き、ある者は怒る。そして気づいた時にはリンカがポニーに向かって飛び膝蹴りをしていた。
「勝手な事を言ってんじゃないわよ!!一夏は私のコンビよコンビ!!」
「
「何ですってぇ!!」
「やるかぁ!?」
すると船上は一触即発のような雰囲気になり、その場にいた全員が嫌な予感を察知する。
千夢もそれに感づいた。
『お、おい!?いくらこの船が凄い装甲をしていてもあの2人の攻撃に耐えられるかどうかは保証できねぇぞ!!やめさせろ!!』
「わ、わかった!」
慌てて一夏が彼女たちの間に取り入ろうとするが、その前になんと鈴が彼女たちに立ち向かった。
「ちょっとアンタたち!
「り、鈴!?」
「あぁ!?何だてめぇは…関係ない奴はすっこんでろ!」
「鈴ちゃんが何でそんなこと言うのよ!」
「な、何でってそれは…と、とにかく勝手にそんなこと言わないで!」
その口論はそれから数分間続き、他の人間は傍からそれを傍観している。そうこうしている間にも船は目の前にあった白い島へと到達する。
草も無い木も無い、ただ砂と土でできた島だ。一行はその足で大地を踏みしめる。
「俺は船の点検と修理をしている。釣りをするなら小舟が幾つか積んである。頑張れよー!」
千夢は船に残り、天国の門を突破したことで傷ついた船を直し始める。俺たちはその間目的の魚を探すための手掛かりを探し始めた。
「そういえばポニーは何でここに来たんだ?」
「なんかミカエルフィッシュ?てやつを取りに来たんだ。わざわざ船まで借りて…」
「あっそうだ!お前あんな小舟であの渦巻き突破できたの!?」
そう、ポニーが乗っていた船は特別な材質でもサイズでもないただの木製の小舟、なんとポニーはその船であの凄まじい渦巻きを突破したのだ。
「難しいことじゃないぞ、確かにお前らのような団体だとあんな立派な船が必要だが、その気になれば一人だけならああいう船でもいける」
「へ、へぇ~」
その言葉を聞いてIS組はゾッとする。座ってるだけでもあんなに酔うというのに彼女は単独でそれを耐え突破できたのだ。どれ程強いのだろうかこの人は。
「てかアンタも
「…丁度いい、どっちが先にそいつを捕まえられるか勝負しようじゃねーか!勝った方が一夏のコンビになるのはどうだ!?」
「「「はぁ!?」」」
と、突然の提案に一同驚くが、リンカだけはそれに怒り突っかかってきた。
「勝手な事言ってんじゃないわよぉ!一夏は私のコンビだってことは確定事項よ!!」
「なんだぁ?負けるのが怖いのか?そうしたら一夏がアタシにとられるからなぁ」
「…上等じゃないのぉ!!」
そう言ってリンカとポニーは一気に勝負態勢に入り、各々別方向へと走っていった。
「ちょっとお前らぁ!?…仕方ない、俺たちも手分けして探すか」
「そうだな…」
仕方が無いので一夏たちも同じように別れ、各個人でミカエルフィッシュの手掛かりを探し始める。
一夏は島の中央部分へと向かう。しかし其処には何もなく、池や湖も無かった。
「もしかしたら池とか湖があってそこにいるかと思ったが…影も形もねぇな。やっぱ探すなら海だな」
そのまま船へと戻ろうとすると、向こう側から煙が立ち上っていることに気づく。何だあれは、とそこへ向かってみると…
「…定食屋?」
するとそこにはありふれた見た目の貧相な飯屋がポツンと堂々構えていた。のれんには「雲渡り」と書かれている。それを見た瞬間一夏は驚愕の顔になった。
「く、雲渡りって…あの
突如見つけたプロの料理人の店に、一夏は驚きを隠せなかった。
オーブダークの懐古厨感僕は好きです。