トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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男でISを操縦する鈍感男は…(チッチッチッチッチ)一夏だ!!


グルメ44 幻のマロボシ!

「すげぇ!本当にあの『雲渡り食堂』だ!」

 

一夏は偶然にも見つけた世界料理人ランキング19位の「雲渡り食堂」を見て子供のように大興奮する。プロの料理人の店とそのシェフを見たら興奮するという癖は小松師匠譲りである。

食堂というよりは店にタイヤが付いている言わば移動式の店である。そんな店の影から1人の小さな老人が出てきた。

 

「あんれま、客なんて珍しい」

 

額にタオルを巻いた極々普通の老人だったが、一夏はその顔に見覚えがある。前回のクッキングフェスの特集記事でその顔を見たことがあるからだ。

 

「『マロボシ』シェフですよね!?俺一夏っていいます!会えて光栄です!」

 

「ああ、最近ランキングに入ったあの…凄い偶然だねぇ…まぁ何か食うと良いよ」

 

「良いんですか!?是非!!」

 

そう言って一夏はノリノリで椅子に座り、マロボシと対面する。

「雲渡り食堂」は実際にはずっとその場所にいるわけじゃなく、珍しい食材が眠っている秘境を行き来して店を置いているのだ。そのため食べたことがある一般人はほぼおらず、都市伝説に近い話になっていた。

とある専門家はマロボシが次はどこに店を置くかという予想に全力を注いでいる。それほどまでに出くわすことが希少なのだ。

 

「で?何にする?」

 

 

マロボシ フルコースメニュー

 

・オードブル(前菜)…水晶カタツムリのエスカルゴ(捕獲レベル44)

・スープ…ベニザクラナマコの煮込みスープ(捕獲レベル32)

・魚料理…天女エイの刺身(捕獲レベル55)

・肉料理…高峰牛の炭火焼(捕獲レベル48)

・主菜(メイン)…その土地で一番うまいもの(捕獲レベル不明)

・サラダ…白銀パンダのお裾分けの笹(捕獲レベル72)

・デザート…果物天界の盛り合わせ(捕獲レベル測定不能)

・ドリンク…マロボシの旅話込みのお茶(捕獲レベル測定不能?)

 

 

「何か適当なもので!」

 

「あいよ」

 

そう言ってマロボシはキッチンに向き合い、ここで採れたであろう海の幸を存分に料理しだす。

最初に出したのは緑色に輝く海老の身、まるで宝石のように光沢を見せ存在感を放っていた。

 

(エビラルド…この海で採れると言われている高級海老食材だ…!!)

 

マロボシはレタスを丁度いいサイズに切り分け、その他にもマヨネーズでソースも作り始める。

 

(海藻レタス!それにあれは海底火山の中で眠っていると言われているマグママヨネーズ!)

 

するとマロボシはフライパンでマグママヨネーズとエビラルドを一緒に焼き、そうして焼きあがったものを海藻レタスで次々と包んでいく。

 

「できたぞ、マヨエビラルドの海藻レタス包み」

 

「ありがとうございます!いただきます!」

 

こうして出された海老を一夏は箸で口の中に運び、幸福の笑みでその味を堪能する。

 

「エビラルドのプリップリの身にマグママヨネーズの濃厚さと旨味が絡んで…そこに更に海藻レタスのシャキシャキ感が加わっている…最高だ!」

 

「この海はいつ来てもいい…海の幸たちが来るものを拒まず祝福してくれるからな…」

 

「…何度かこの海に来てるんですか?」

 

「ああ、ちなみに君ら以外にも料理人は来ている。考古学者兼プロ料理人の『ジョーンズ』、クッキング拳法を極めた『マスター・龍牙』…」

 

「ランキング上位の料理人ばかりだ…」

 

自分たち以外にヘブンオーシャンに来ていた者が、フェスで最強のライバルになるであろう強者ばかりであることに一夏は改めて緊張しだす。

 

「にしても…この海もだいぶ変わったな…」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、亀のやつ(・・・・)もいなくなってるし…どこ行ったんだか」

 

「…亀?」

 

亀という言葉に、一夏は疑問と何かしらの勘を感じとる。

 

「ああ、前は玄武(・・)っていうグルメ界から来た亀がこの海を守っていたんだが…そいつがどっか行っちまったのよ…」

 

「…それってもしかして」

 

そうだ、野菜仙境でタマギの奴が言ってた「四神獣」のことじゃないか。グルメ界から四獣が襲撃してきた際に人間界へとやってきた優しい獣、野菜仙境では「朱雀」がいたがそいつも行方不明になっているという。

――もしかしたら何か関係あるのかもしれない。

 

「あ、そういえば…ミカエルフィッシュっていう魚を探しているんですけど…一体どこにいるか分かります?」

 

「ミカエルフィッシュ?そいつなら…鯨の中(・・・)にいるぞ」

 

「…鯨?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「釣れないわねぇ…」

 

 

「…そうだな」

 

一方IS組の鈴と箒、ラウラは小舟に乗って各自釣竿を持ってミカエルフィッシュを釣り上げようと奮起していた(・・・・)が、今となっては普通にのんびりしているだけだった。

ミカエルフィッシュどころか普通の魚すら釣れない、ただ退屈な時間が過ぎている。

 

「ところで本当に私たちだけで良いのか?義弟やリンカさんたちと一緒にいた方が…」

 

「大丈夫でしょ、一夏の話だと強い猛獣とかはいないらしいし、いたとしても3人もいればISでどうにか倒せるわよ」

 

「それもそうだな」

 

そうやって引き続き釣りを続けていくと、何か違和感があることに気づく。

 

「…おい、水位が上がってないか(・・・・・・・・・・)?」

 

「――え?」

 

ラウラの言う通り、周りの水面より自分たちが少し高い位置にいることにようやく気付く。一体どうしたのだろうと下を見ると…

 

「いや、下に何かいるぞ(・・・・・・・)!!」

 

「「…ッ!!」」

 

その瞬間、一気に自分たちがいる海面が上昇、3人は一斉にISを起動して空を飛び脱出、さっきまで乗っていた小舟は海水の中に沈んでいく。

いつしかとんでもなくデカい魚影が、一気に浮上して姿を現す。

 

「く、鯨!?」

 

「普通の鯨より何倍のサイズだ!で、デカい…!」

 

その正体は見たことも無い程大きい鯨、白銀の体を海水で濡らして綺麗に見せ、まるで角笛の音色のような鳴き声を辺りに響かせて波を起こす。

 

 

カミノクニクジラ〈哺乳獣類〉捕獲レベル測定不能

 

 

 




多分この話が投稿された時には私はジオウを見ています。
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