トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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涼しくなってきたこの頃、夏も終わりましたね。


グルメ47 ポニーの力!

ポセイドンオクトパスは悠々とこの海を闊歩し、辺りに激臭を放つ墨をバラまいている。次々と魚の死骸が水面に上がり、カミノクニクジラもストレスを感じているように怯えた様子だった。

一夏たち一行は目の前の巨大ダコをどうやって倒すか一生懸命に考えていた。何しろサイズもデカくて力も強い、そして臭い墨まで吐いてくるなど厄介にもほどがある。

 

「触手を斬ってもすぐに生えてくる…かといって大きな攻撃はカミノクニクジラにまで影響を与えかねない…」

 

「じゃああのタコを急いでカミノクニクジラから離すぞ!」

 

そう言って一行は作戦に入る。

まずは鈴、箒、ポニーが蠅のようにポセイドンオクトパスの周囲を飛び回って注意をそらし、一夏とリンカ、そしてラウラが遠距離から攻撃する。それをどんどん後ろに後退しながら行うことでポセイドンオクトパスはそれを追う形になり、カミノクニクジラから引き離すというわけだ。

カミノクニクジラ自身もポセイドンオクトパスに怯えて逃げているため、その距離はどんどん離れていく。すると引き離している途中にポセイドンオクトパスが触手を箒と鈴に伸ばしてきた。

 

「しまっ――!」

 

「音壁!!」

 

しかし目前まで迫ったところでポニーが声で音の壁を作り、それを遮った。

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「油断するなよノロマ…あっという間にやられちまうぜ」

 

そして数分それを続けているとカミノクニクジラがもう見えなくなるほど遠くにおびき寄せることに成功、これで思い切り攻撃ができるという訳だ。

 

「さぁ皆…思う存分行くぞ!」

 

「待ってました!!サンダーノイズゥウウ!!!!」

 

するといつの間にかポニーは上空に音玉を発射しており、先ほどはカミノクニクジラがいて撃てなかったサンダーノイズをポセイドンオクトパスに直撃させる。稲妻の如くノイズがその体に響き渡り、苦しみだす。

それに便乗するようにリンカ、そして箒と鈴もポセイドンオクトパスに接近、箒と鈴は雨月と双天牙月でその頭を斬り裂いた。

 

「50+50!!!100連ツインコテ釘パンチィイ!!!」

 

そしてリンカが両手でのコテ釘パンチである「ツインコテ釘パンチ」をぶつけ、ポセイドンオクトパスに100連分の超威力のパンチが襲い掛かった。

ここぞとばかりに攻めまくる一夏たち、それでもこの勢いは収まらない。

 

無限の料理術(インフィニット・クッキング)!!!竜巻みじん切りぃ!!」

 

「はぁあ!!」

 

一夏の大量の斬撃、そしてラウラのレールガンが直撃。するとこれには耐えられなくなったのかポセイドンオクトパスは再び辺りを墨で汚し海中へと潜っていく。そしてそこから触手を飛ばしてきた。

墨で見えなくて避け切れないがこれはさっき受けた攻撃、もう皆見切っていた。迫りくる触手を次々と躱していく。

 

「逃がすか!エコーロケーション 魚群探知機(ボイスソナー)!」

 

ここでポニーは誰にも聞こえない超音波を発声、そしてそれで反響してきた音を耳で捕らえることによってまるでコウモリのように周囲を感じ取っていく。しかも水中は音が伝わりやすく地上と比べてより鮮明かつスピーディーに分かるのだ。超音波の探知に墨など関係ない。その中も音は伝わりポニーはそれを耳で感じるが…

 

(墨の中にいない!?じゃあどこに…!!)

 

そう思った時には遅く、いつの間にか後ろにいたポセイドンオクトパスによって触手で叩き落とされ水面にぶつかってしまう。

 

「ポニー!?」

 

一夏たちは慌てて彼女の所まで移動するも触手で遮られて思うように前進できない。ポニーは海の上で息を荒げて怒りの視線をポセイドンオクトパスに向けていた。

 

「このっ…墨の中にいたと思わせて移動してやがった…調子に乗りやがってぇええええ!!!」

 

父親譲りのその性格、ポニーは嘘を言われたり調子に乗ってる輩は誰よりも嫌っていた。しかしそれだけ父親ゼブラから譲り受けたものではなく、幼少期が原因だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が自分を「ゼブラの娘」と見て怯える、恐怖し、誰も近づかない。誰にも相手にされない。される時といえば自分に矛先が向かないよう媚びを売る行為だけ。その際言われた言葉とは裏腹に心拍数がその嘘を証明していた。

ゼブラから貰ったこの聴覚と音能力、これを使って嘘をつき調子に乗ってる奴は全部ぶっ倒していった。それは動物猛獣人間問わず、何でも潰していく。

父は26種の生物を食い殺して絶滅させた第一級危険生物、丁度いい――皆が自分を危険生物(ゼブラ)の娘としか見ないならお望み通りそうしてやろうではないか。

そう思ってポニーは自暴自棄になり、当時紛争地域を荒らしていた危険な猛獣を絶滅させようとした。何故その生物を選んだのかは分からない、彼女に残った唯一の優しさかもしれないだろう。しかし、その行為はとある男によって止められた。

 

「そんなに腹減ってるなら俺の店に来いよ!とびっきりのご馳走食わせてやる!」

 

一夏だ、一夏だけが自分を人間のように扱ってくれ、女として見てくれた。いや、それまでは本当に獣だったのかもしれない。だけど一夏と出会ったことで初めて人の心が分かった、恋心(・・)を抱いた。一夏がそれを教えてくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…この!」

 

一夏たちは襲い掛かる触手に手間を取らせながら苦戦していた。皆疲労しておりIS組もエネルギーが底をつきかけている。そんな時、全てを払うように8本の触手が一斉に払ってきた。

 

「しまっ――!!」

 

結果全員がその触手に衝突され、痛みが全身を走った――はずだった。

 

「こ、これは…!」

 

箒たちは自分の体を覆っている半透明の鎧を見て圧巻している。これが触手から自分たちを守ってくれたのだと理解するのに時間は掛からなかった。

 

「サウンドアーマー…まったく世話かけさせやがって」

 

「ポニー!」

 

すると海面に落ちたポニーが復活し、ジェットボイスで一夏の横に並んだ。

 

「一夏、俺ぁ腹減ったぞ。あのタコ絶滅させても(・・・・・・)いいか?」

 

「へっ…俺がとびっきりのタコ料理作ってやるからそれで我慢しろ!」

 

「そうかい…それは楽しみだ!!」

 

そして2人で笑い合い、再びポセイドンオクトパスと対峙する。こうして海神のタコとの戦いは続くのであった。




後書きでも書くこと無くなってきてるなぁ~なんてことを書いてる時点でもう駄目。
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