トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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今回の台風の異動の仕方が日本潰すぞという悪意しか感じない。


グルメ48 合体技!

「これは…音の鎧か?」

 

「何か不思議な感覚ね…」

 

音の鎧という自然界でも人間の手でも本来は作れない筈の物を始めて身にまとった箒と鈴とラウラ、その慣れない感覚を感じながらも自分たちを守っているサウンドアーマーを見ていた。

ポニーの能力は父親ゼブラから受け継いだ音の能力、そしてその耳はこの星の生物でも一、二を争う程の聴覚の持ち主、数十㎞先のコインの落ちる音も聞き分け、踏まえてその声帯が凄まじかった。

しかし(ゼブラ)同様、その能力にも限界がある。それは喉が枯れる(・・・・・)ことだった。

ポニーはリンカや一夏と比べて数倍の量の体力とエネルギーを持ち合わせている。しかし莫大な量のエネルギーを消費する音攻撃の使い手ではまだ全然足りないぐらいだ。本来ならば食事して回復するか時間が経てば治るが、ポニーはここに来る前から何も食べていない(・・・・・・・・)

天国の門突破時、ミカエルフィッシュを探すための魚群探知機(ボイスソナー)、そしてポセイドンオクトパスとの対戦。それら全てに声を使っているのになぜ食事をしないのか?

それは、一夏の飯が食べたいからだ(・・・・・・・・・・・・)。初めて会ったその日から、ポニーは一夏の料理の大ファン(本人にそれを言うと逆上される)。とどのつまり期待していたので腹を空かせていたという訳だ。

なので現在のポニーの声の残量はあまり残っておらず普通ならここで調節や節電ならぬ節声をするべきだろう。しかしそんなことはしない。

何故なら――ポセイドンオクトパス(こいつ)が本当にムカつくからだ!!

 

「ボイスミサイル!!!」

 

ポニーは口から音の爆弾を発射、それを防ごうとした触手たちを圧倒しタコ本体へと直撃させる。本当にミサイルのような威力に圧倒される。すると今まで全員を仕留めようとバラバラに動いていた触手が全てポニーの方へ伸びていく。

 

「マシンガンボイス!!ボイスカッター!!」

 

しかし迫りくる触手たちに恐れることなく真正面から音で迎え撃つ。1人の女性と1匹のタコが戦っているだけのはずなのに、まるでそこは戦争中のような爆音が鳴り響き、風圧も台風のように起きていた。

 

「一夏ぁ!!リンカァ!!他の奴らも今だ!!」

 

「「「おう!!」」」

 

全ての触手をポニーが1人で捌いている最中、一夏たち他の全員はタコの頭へと一気に加速、各々の武器を構えて突っ込んでいく。

 

無限の料理術(インフィニット・クッキング)!!高山分け!!」

 

「コテレッグブーメラン!!」

 

「「「はぁ!!」」」

 

そして一斉に頭を斬り裂き、奴の頭部に大きな切り傷を作った。遠くから見てしばらくしても再生する気配は見られない。どうやら再生機能があるのは触手部分だけのようだ。

 

「よし!皆頭を狙え!!」

 

そう言って一行は全員ポセイドンオクトパスの頭に狙いを定める。

 

「じゃあアタシも――ノイズロック!!!」

 

ここでポニーは音で鎖のような形状の物を作り、それで触手8本を全てまとめて締め上げた。ポセイドンオクトパスは触手に力を込めて精一杯その鎖をぶち壊そうとするも全然壊れない。

奴の触手を拘束した後、ポニーもジェットボイスで加速、頭へと飛んで行く。

 

「ビートパンチィ!!!」

 

拳に音を乗せた「ビートパンチ」が炸裂、その効果は音が内側から組織を破壊、ポセイドンオクトパスは苦しんだ様子で暴れまくる。

 

「ビートレッグゥ!!」

 

そこから更に音を乗せた蹴りを当て、さらに内側からの衝撃を与えていく。そして次は箒と鈴が突撃する。

 

「せいや!」

 

「これでも食らいなさい!」

 

2人の斬撃によってポセイドンオクトパスは更に切り傷ができていく。さっきまでポセイドンオクトパスの方が優勢だったはずなのにいつのまにか一夏たちの方が押していた。

するとタコはようやくノイズロックを破壊。8本の触手を自由にし、そこから鞭のように動かしまくった。

 

「ぐぁ!」

 

「きゃっ!?」

 

一行はその触手の扱いに圧倒され弾かれてしまう。ポセイドンオクトパスは触手を鞭として振り回し自分の周囲を囲む。

 

「これじゃあ近づけんぞ…!!」

 

「ポニー…ここは合体技でいくわよ」

 

「…合体技ぁ?」

 

リンカがそう提案してくるも覚えが無いのかポニーは首を傾げる。それを見て呆れた様子で説明するリンカ。それは彼女たちの修行時代に編み出した技だった。

 

「昔よくやったでしょうが!」

 

「覚えてねぇな…」

 

「もう…一夏と皆はあいつの触手をお願い!私たちで頭を叩くわ!」

 

「わかった!」

 

そう言って一夏とIS組は一気に飛び、振り回されている触手を刃物で受け止めたり切ったりしながらその動きを抑制させていく。いつしかポセイドンオクトパスは4人の相手をすることに精一杯になっていた。

 

「ほらあれよ!アンタが音をバァー!ってやってそれに合わせて私が…」

 

「ああ、あれか!」

 

一方リンカとポニーはポセイドンオクトパスの遥か真上に移動、海を見下ろす形になった。

 

「失敗するなよリンカァ!」

 

「あんたに言われなくても!」

 

そしてポニーは音の爆弾を口から一気に発射、それに後ろから押されたリンカはその勢いで一気にスピード上昇、真上から落ちる形で拳を構える。

ポセイドンオクトパスも彼女たちが何を企んでいるか気づいたのか、触手を一気に集めて盾にしようとしたがそれを一夏たちが阻止する。

 

「やれぇ!リンカァアア!!」

 

そして加速したリンカがポセイドンオクトパスの頭部に凄まじい威力の拳を当てた。

 

 

「音速コテ釘パンチィイ!!!」

 

 

ポニーの音によって威力とスピードが何十倍にもパワーアップしたリンカのコテ釘パンチである「音速コテ釘パンチ」がポセイドンオクトパスの頭部の中心に命中。

軟体な体に何発もの衝撃波が連発し、その一発一発が炸裂するたびに奴の体は海に押され、波紋のように波も広がっていく。

その光景を見ていたポニーは昔のことを思い出していた。

 

 

 

 

『はぁ!?リンカ以上のフルコースを揃えたらお前のコンビになれぇ!?』

 

『だったら条件を出す!お前は必要以上に生き物を殺すなよ!それだったら考えてやる!』

 

『…「じゃあお前は無料(タダ)でアタシに飯を提供しろ」?だったらまた条件がある!』

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

『最後の条件だ!…リンカを、あいつに力を貸してやれよ。もしピンチになった時や協力が必要になった時は…必ず!』

 

 

 

 

「約束したからな、嘘をつくふざけた真似はしねーよ」

 

そしてポセイドンオクトパスの体はリンカとボニーの合体技の威力に耐えきれず、そのまま爆裂していった。

こうして海神は、バラバラになって敗れたという。




次回、いよいよエンゼルフィッシュ実食です。
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