トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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最近凄く寒くなってきましたね。真冬にもなってないのに布団から出られなくなるとか冬が怖い。


グルメ50 キノコ狩り!

「キノコ狩り?」

 

「ああ、今から行く山はキノコも含め沢山の秋の食材が豊富なところなんだ」

 

一夏たち一行は自然の中を突き進む列車に乗っており、その中で次の食材のことを説明していた。

 

「そこで採るのは『黄金マツタケ』。1本数千万は下らない程の価値で、味、希少価値のどちらとも最高クラスのものだ。人間界で採れるキノコ食材の中では指折りに入る程の旨さらしい」

 

「元々はグルメ界の高い所に生えている食材だったんだけど…その胞子が風や台風に乗って奇跡的にこの人間界に入ってそれが繁殖したの」

 

「…数千万じゃもう驚かなくなってきたな」

 

IS世界とグルメ世界の金銭感覚の違いに最初は困惑しまくりだった春十たち、今となってはそれも慣れ数千万という大金の数字にもそこまで驚愕の反応を見せなくなってきた。

 

「この間のタカラブネウナギみたいに一攫千金を狙っている人たちも多い。黄金マツタケは稀にしか生えない幻の食材、この時期に生えるのは分かっているが詳しい分布とかも判明してないしな。本当に徳川埋蔵金を見つけるみたいなもんだよ」

 

「トクカワマイゾウキンって何?」

 

「ああリンカは知らねぇか、トクカワマイゾウキンっていうのはな…」

 

そうこう雑談をしている間に、列車の窓からの景色は緑色から色鮮やかな赤と黄色に染まっていく。そして目的地の駅で降り駅を出てまず最初に見えたのは、森全体を綺麗に染め上げている紅葉の山々だった。あまりの壮快感に圧倒されつつも、ゆっくりと歩きつつ山から目を離さない。

 

「なんと綺麗なんでしょう…」

 

「日本にもここまで立派な紅葉景色はそうそうないぞ…」

 

「この山のどこかに黄金マツタケがあるらしい。まぁこんな広大な山々からチマチマ探すのは骨が折れるから、ここはリンカの鼻に頼ろう!」

 

「任せて!」

 

すると一夏に頼られて嬉しいのか元気よく返事するリンカ、彼女の警察犬以上の嗅覚を以てすれば確かにキノコ狩りなど楽勝かもしれない。

 

「そう言えば美食屋以外にも人沢山いるのね」

 

「ああ。ただ黄金マツタケが採れる山ってだけで有名になったんじゃなくて、普通の紅葉狩りみたいな旅行先としても人気があるんだよ」

 

良く見れば家族連れや体格の凄い美食屋、名のある料理人だってチラホラいる。その中、見たことのある顔がそこにいた。

 

「あ、セリアじゃないか」

 

「ヒヒ…一夏さんも来てたんですね」

 

それはかつてIS世界にも援助として来てくれたことのある料理人である「セリア」だった。ランキング55位のプロ、キノコの専門の店だ。

 

「お久しぶりですセリアさん、この説はお世話になりました」

 

「向こうの世界の子たちまで来てるんだ…ヒヒ」

 

「この季節、セリアも良く来てるのか?」

 

「…最近では週5で」

 

「ほぼ毎日!?」

 

そんなに来てるなら店はどうしているのだろう?まぁキノコの料理人である彼女から見てもこの山は宝の山だろう。早速一夏たちはセリアと共に山の中へと足を踏み込んでいく。

見渡す限りの紅葉で、爽やかな風が頬を撫でる。リンカとセリアが先行して他の皆もその後についていっている。その道中にも秋の食材が沢山実っていた。

 

「『白銀柿』に『紅葉マロン』、『百房ブドウ』と『ビターサツマイモ』。まだ結構麓付近なのに高級食材が結構眠っているな」

 

「うーん…他の食材の匂いが混同して分かりにくいわね。まずマツタケの匂いすら捉えられないわ」

 

こんなに沢山の食材があることが逆に仇となった。山の幸が豊富な分黄金マツタケが隠れてしまう。するとここでセリアがリンカより前に出た。

 

「ヒヒ…私に任せて。私の鼻は胞子限定で誰よりも利くから…」

 

「おお!そういえばそうだったな!」

 

セリアのキノコ探しの能力においては右に出る者はいない。その理由はその出自にあった。

 

「一夏、セリアさんってどんな人なんだ?」

 

「セリアはね春十兄、元々はキノコ料理を主流とした部族で、世界に自分たちの一族の味を広めたくて料理人になったんだ。まぁ都会に来たせいか根暗な性格になったけど…」

 

「ヒヒ…それを言わないで」

 

「だけど部族で培ったキノコの調理法とその探索法は誰よりも優れている。キノコの名人といっても過言じゃない」

 

現にセリアはその性格とは別にどんどん自信満々に森の中へと突き進んでいく。いつしか周りもキノコがチラホラ見かけるようになり、数十分もすればキノコがカーペットのように敷き詰められて生えていた。

 

「おお!キノコ天国じゃないか!」

 

「よーし、ここから黄金マツタケを探すぞー!」

 

キノコを踏まないよう気を付けながらゆっくりと歩き、片っ端から採って籠に入れていく。まるで雑草取りのように皆屈んで一生懸命に採取していった。

 

「『マシュマロエリンギ』『猛々シイタケ』『乱舞茸』、うひょーまだまだある!」

 

「あ、そのキノコ毒キノコ…ヒヒ」

 

「凄いな…毒キノコだって即座に分かるのか」

 

セリアに頼りながらも一行は籠一杯になるまでキノコを採っていく。それがしばらく続いていると、春十がようやくお目当てのものを見つけた。

 

「見つけたーこれだろ!どう見ても黄金だもん!」

 

「見つけたのか春十!」

 

黄金色に輝く1つのマツタケ、その輝きはまるで太陽のようで辺りを照らしている。

黄金マツタケだ。それも――

 

「ちょっと、こっちに大量にあるわよ!」

 

「本当だ!ラッキー!」

 

「でかしたぞ春十!」

 

幻の食材という名が嘘のように大量の黄金マツタケが生えてきた。皆目の色を変えて必死に採っていく。いつしか2個目の籠は黄金マツタケで溢れ、史上例を見ない程の大豊作となった。

 

「これならフェスの委員会にも売れる…少し食っていくか!」

 

「待ってました!」

 

そう言って一夏はノリノリで七輪を鞄から取り出し、早速火を点け黄金マツタケを含めキノコ食材をどんどん捌いていく。そしてどんどん七輪の上に乗せて焼いていくと、一夏は瓶を取り出しその中に入っている塩を振りかけた。

 

「あれ一夏、その塩ってまさか…」

 

「お、匂いで分かったか?ヘブンオーシャンの海水を煮詰めて塩作ってみたんだ。多分あの海の水なら上等な味の塩になると思ってな」

 

そう言って一行は一夏とセリアが調理したキノコ料理をどんどん口の中に入れて頬張り始める。瞬間、全員の顔が蕩けた。

 

「あぁ…この上品ながらもステーキのようなジューシーさ…」

 

「噛んだ瞬間濃厚な松茸の香りが広がってたまらない…」

 

「それを塩味が更に引き出しているぞ…!!」

 

こうして採った黄金マツタケを全て食べそうになるも何とか堪え、一行は日が暮れるまで秋の食材を味わい続けた。

 

「で?一夏、次はどこに行くんだ?」

 

「ああ、次は『マグマカレー』を手に入れるために『ドーイド火山』に行くぞ!」




この作品もそろそろ1周年を迎えます。よく1日も休まずに投稿し続けられたなぁ…
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