トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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祝え!名も知れぬ物書きの誕生日を!!


グルメ55 マグマの獅子!

ブラッドレオンはグルメ界に生息する赤黒い獅子。基本火山など暑くそして高い山に縄張りを置き、時々紛れ込む猛獣に牙を剥く獰猛な猛獣である。その獰猛さときたら自分より大きな敵や捕獲レベルの高い相手にも遠慮なく襲い掛かる程であった。

今一夏たちと対面しているこいつも、野菜仙境のドラゴーヤ、ヘブンオーシャンのポセイドンオクトパスのように四獣襲来時に迷い込んできた1匹の1人である。単独なので増殖の可能性は無いが、ブラッドレオンは元々交配したり群れを作ったりしない、言わば一匹オオカミならぬ一匹獅子なのだ。

なのでその分寿命が極端に長く、周囲に餌があれば何でも食いその分寿命を延ばすのだ。そうして食い続けた獲物の返り血や飲んだ鮮血が表面にでき赤黒いという。つまり色が濃いブラッドレオンはその分長く生き強いということだ。

 

『グガルゥウッ!!』

 

その餌という分類には、当然人間も入っている。ブラッドレオンは一夏たちを確認すると同時に大地を蹴り跳びかかってきた。

 

「速いッ!!」

 

それに対し一行は回避、リンカは普通に横に回避しコロナは触手で空を飛んで上に避難、一夏を含むIS組も各々のISを起動させて空を飛んだ。

するとブラッドレオンが着地と同時に振り下ろした手が命中したところに、まるで隕石を落ちたかのようなクレーターができあがる。

 

「赤黒くて醜い……それに触ってみて(・・・・・)も殆どが硬い肉ですわ……これは戦う気も無いですわね」

 

「ちょ、ちょっとコロナ!?」

 

するとコロナは触手を器用に動かし宙に浮いたまま後ろへ退避、ゆっくりと降下して自身の触手で椅子を作りそこで優雅に座る。

 

「アンタも手伝いなさいよ!!」

 

「貴方たちだけでして下さいな」

 

「来るぞ皆ぁ!!」

 

再び突進してきた獅子に一夏とリンカは宙に退避、そして一夏は包丁の斬撃、リンカはコテレッグで攻撃するもその体表には傷1つ付かない。

するとブラッドレオンは口から赤い光線を吐き、空にいる2人を撃ち落とそうとしてきた。勿論そう簡単にやられる一夏たちじゃない、光線の間を掻い潜りながら次の一手を考えている。

 

「コロナの言う通り本当に硬いな……山に住んでいるからその分落ちても良いように皮膚が硬くなっているのか。リンカ!お前の鼻でどこか弱点が無いか分からないか!?」

 

「勿論――って言いたいところだけどカレーの匂いが強すぎて私の鼻が利きにくいわ!」

 

ここはドーイド火山の山頂、つまりマグマカレーが最も噴き出している場所なのでその旨そうな匂いが充満しているのも当然であり、それが仇となり逆にリンカの嗅覚を封じていた。

 

『グガルウウウウウウ!!!!』

 

するとブラッドレオンは地上に降り立ったIS組に光線を発射、その部分の地面は抉れ、岩石となり散乱する。すると簪にその石が当たり、そのまま火口に落ちそうになってしまう。

 

「きゃああああああッ!?」

 

「危ないッ!!」

 

咄嗟の所で一夏がそれをキャッチ、危うくマグマカレーの中に突っ込みそうになった簪を助け出した。

 

「もう少しで具になるところだったな」

 

「……笑えないなぁ」

 

すると他の石や地面の欠片もどんどんマグマカレーの中に落ちていくのを見て、一夏は顔をしかめる。同じようにリンカも嫌そうな表情をした。

 

「このままだとマグマカレーの味が劣化しちゃうわね……でもあのライオン多分不味いわよ……」

 

そうリンカのルールは父親であるトリコと同じように、「食う目的以外で獲物は殺さない」というものであった。それは父親から受け継いだ命の尊さ、優しさを胸にしており、食べる気が無いなら殺さないし、間違って殺してしまったら食べる。食う目的以外で命を奪うのは、危うく殺されそうになった時の正当防衛ぐらいである。

 

「かといって威嚇で追い返すこともできないし……放っておけばここいらの生態系が崩れるよな」

 

「……なるべく美味しく調理してよね」

 

「善処する!」

 

そう言って2人はブラッドレオンに立ち向かっていく。すると赤黒い獅子は同時に襲い掛かってきた一夏たちに対し岩々を兎のように素早く飛び移っていく。

元々ブラッドレオンは高い山に住む猛獣、その生息地に非常に似ているこのドーイド火山では奴の方が有利である。

するとブラッドレオンは虚空に向かって腕を出す。するとその拳圧と衝撃が吹っ飛んできて一夏を薙ぎ払った。

 

「一夏ッ!!」

 

「ぐあがッ!?」

 

そして吹っ飛んだ一夏に向かって獅子は走り出す。そのスピードは凄まじいものでリンカの横をあっという間に通り過ぎてしまう。そして犬のお手のように前足を落とし一夏を地面に叩きつけた。瞬間そこは陥没し一夏にも凄まじい圧力がかかる。

 

「一夏、アンタ大丈夫!?」

 

「り、鈴!!来るな!!」

 

するとそんな一夏を助けようと鈴が単身でブラッドレオンへ突っ込んでくる。すると獅子は一夏を踏みにじるのを止め口を開け鈴の方を向き、光線を放った。

しかし鈴もそれが読めない程弱いわけではない、予め光線の軌道を読み旋回してそれを回避。その後周回するように飛び周り背後から斬りかかるも……

 

「キャッ!?」

 

その剣は牙によって受け止められてしまい、そのまま弾かれて一夏同様地面を転がる。そしてブラッドレオンがそんな彼女にゆっくり歩み寄る。

一夏はそんな鈴を救いに行こうとするも、光線を撃たれて妨害されてしまう。

 

「鈴ーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

そして、ブラッドレオンの大きな前足が彼女に落とされるその時――

 

「……えっ?」

 

突如ブラッドレオンの動きが突如として止まる。まるで何かに引っかかったように動けずにいた。

すると、今まで待機していたコロナがスッとこの場にやってくる。

 

「――貴方と私は、同じ想い人を持つ者。つまり恋敵ということですわ」

 

コロナが手を出すと、それに伴いブラッドレオンは大きく吹っ飛びそのまま火口へと放り投げられる。しかし獅子はほぼ直角の壁を上って再び戻ってきた。

 

「だけど、そんな理由で見殺しにするなんて……私の美学に反しますわ!!」




今日誕生日です!!一人で虚しく祝います!!
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