トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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大きなカブの童話なんてこの回を書くまですっかり忘れていました。


グルメ59 うんとこしょどっこいしょ!

「よーし、じゃあ誰が一番大きいスーパータイラントターニップを手に入れるか……競争よ!!」

 

こうして始まった新四天王+αによるカブ収穫大会、その報酬は(勝手に)一夏となり、ほぼ全員が目を光らせていた。一斉に広いカブ畑を走り出し、血眼になって目的のカブを探し出す。

 

「カブのみずみずしい匂い……一際旨味のある匂いを出してるのを探せばいいんだわ」

 

リンカは自慢の嗅覚を使い、大きいタイラントターニップの場所を特定しようと畑の上を歩いていた。現にその鼻を使い先ほど春十が抜いたのと比べて数倍の大きさを持つカブを見つけている。しかしこれでは勝てないと他のものを見つけるために彷徨っているのだ。

 

「まったくもう……こんな勝手な競争になって。一夏は元から私のパートナーよ!」

 

そしてこの競争に対しての愚痴を何度も零していた。相棒を奪われそうになったので勢いで参加したリンカであったが、元から一夏はリンカのパートナーであるため今回の競争は自分にとって理不尽なものだと後から気づいたのだ。

 

「でも、一夏も参加しているわけだから実質こっちは2人がかりよ!負ける気がしないわ!!」

 

そう言ってリンカは巨大なコテを取り出し、目の前に幾つかのカブを大地ごと削り取った。リンカに巨大カブの雨が降り注ぐが目的の大きさのものはない。

リンカは今ので手に入れたカブを齧りながら、更に大きいのを求めて歩き出す。

 

 

 

 

(一番強い電磁波はどこだろう……)

 

一方ララは電磁波を読み取れる目を駆使しして辺りを捜索、そのタイラントターニップのサイズが大きければ大きい程そこから放たれるオーラは存在感を持っている。ララはそれを頼りにしてくまなく探していた。

すると他のカブより一際強い電磁波を放っているのを見つけ、そのカブを掘り出してみる。バスケットボールどころか直径1mはありそうな程のサイズであった。

 

(これぐらいならまだまだありそう……もっと強いオーラを探さないと)

 

しかし彼女が望む大きさではなかった。

普段内気な彼女がどうしてここまで必死になって探しているのか?それは勿論報酬の一夏の為。普段はその感情をあまり出さないだけで、一夏を狙っているうちの1人であった。

 

「この競争に勝って……一夏とコンビを組む……!」

 

そうして彼女は大きなカブを求め、更に目を光らせていく。

 

 

 

 

「あまりこの美しい髪を泥に触れさせたくないですが……そんなことは言ってられませんわ」

 

そしてコロナは大量の髪を一斉に伸ばし、虱潰しに周囲のカブを探し求め片っ端から抜いていく。他の四天王と違ってコロナは質より数を求め、その中から一番大きいタイラントターニップを選ぶつもりなのだ。

しかし普段なら髪で泥まみれの野菜に触れようとは思わないはずだったが、さっきも言った通りどうしてもこの競争で勝って一夏を手に入れたかったのだ。

 

(まだ上手く直感(・・)は使えませんが……今ここで使いこなしてみせますの!)

 

そうして父サニーから教えてもらったとある技でもカブを探していた。

 

(汚れてしまった髪は、一緒に入浴している一夏様に洗ってもらいますの♪)

 

やがてカブを追い求めているその頭は、もうこの競争に勝った後のことを考えており、ふしだらなことを妄想していた。

 

 

 

 

(エコローケーション、反響マップ!!)

 

対するポニーは超音波を発しその反響で周囲の様子をマップ上に確認、その音はどんどん広がっていき周りのカブのサイズは一瞬で把握した。本来なら広範囲かつ長時間使用するのはスタミナを大量に食われるが、今の成長したポニーには無用の心配であった。

 

「この勝負で勝って、一夏には一生私の為に料理をしてもらう!!」

 

全ては一夏の為、その料理のため、血眼になって耳を研ぎらせ一番大きいタイラントターニップを探し求めていく。勿論その音波は地中の中にも浸透していき、それでカブの大きさを把握し他のものと比べていた。

 

(……?何かいるな)

 

 

 

 

「いやー一夏も4人の女に狙われるなんて隅に置けないな」

 

「春十兄が言うか春十兄が」

 

そしてIS組+一夏はISで飛行して空からスーパータイラントターニップを探していた。

 

「何ぼさっとしてんの!いち早く見つけてこの勝負に勝つわよ」

 

「ところで何で鈴はあんなにやる気なんだ?」

 

「さぁ……?」

 

兄弟そろって鈍感な性格に、後ろの女子たちは呆れるしかなかった。

 

「さぁどこにあるのやら……っと何かこの辺り全然カブができてないな?何でだろ」

 

すると一夏たちは今自分たちが飛んでいる下にタイラントターニップが全然実っていないことに気づく。さっきまで野菜の絨毯かと思う位敷き詰められていたが、そこだけは皆無であった。

 

「お、おい一夏!壁が見えてきたぞ!」

 

「ああ猛獣用のバリケードだよ……そういえば最近の壁に穴を開けて猛獣が入り込んだって聞いたが……そいつの仕業か?」

 

元々タイラントターニップは大きさながら栄養素も高いので獣が求めるのは必然的であった。そういう猛獣対策に設置されたのがこのゲートであった。

 

「つーか何でこんな所にバリケードあるんだ?まだそこまで来てないはずだぞ……」

 

「お、おいこれ壁じゃねぇぞ!!」

 

「なッ……カブ(・・)かこれ!?」

 

壁かと思われたそれは正確には鉄の壁じゃなく、巨大なタイラントターニップであった。まるでドームのように大きく一夏たちの目の前に立ちはだかった。

 

「すげぇ……こんな大きなスーパータイラントターニップは見たこと無い」

 

「あれなら優勝間違いなしね!」

 

そう言って早速そのタイラントターニップを取ろうとした瞬間、四方八方から他のメンバーも集まってきた。

 

「見つけた……一番強い電磁波」

 

「あれなら私の勝ちは確定ですわ!」

 

「先に見つけたのはアタシだ!」

 

「何言ってんのよ私よ!私の勝ちよ!」

 

そうして一斉にそのカブを取り合って喧嘩を始める新四天王たち、各々の武器を持って我先にとカブへと走り出す。

だがそれを止めたのは一夏であった。

 

「いや、このサイズは1人じゃ無理だろう。ここは連携してこのカブを手に入れるぞ!」

 

「よしじゃあ私のコテで……」

 

「貴方の汚いコテ捌きじゃカブを傷つけてしまいますわ!」

 

「じゃあアタシの声で……」

 

「それだともっと危ないよ」

 

「よしーここは、一斉に引っ張るぞ!!」

 

そう言って一夏は天高く伸びる葉っぱを曲げ地上にいる新四天王たちに渡す。そしてIS組も一旦地上に着地しカブを全員で引っこ抜く形になった。

 

「まて一夏、アタシの耳が何かを捕らえた。土の中から何かがカブを食おうとしてるぞ」

 

「……何か?」

 

「今追い出す」

 

するとポニーが地面に向かって声を出すと、大地を揺らし地面から勢いよく飛び出してきた。鋭利な爪を両手に持っている大きなモグラであった。

 

「うわ何か出てきた!モグラかあれ?」

 

「サイクツモグラだ!硬い爪でなんでも穴を開ける獰猛なモグラ、こいつがバリケードに穴を開けたのか!」

 

サイクツモグラ〈哺乳獣類〉捕獲レベル63

 

「く、来るわよ!」

 

するとサイクツモグラは獲物を先に狙われたのを怒り、そのまま一夏たちに襲い掛かってきた。鋭い爪を尖らせてまっすぐこちらへ向かってくるも……

 

 

「「「「邪魔!」」」」

 

 

しかしリンカのコテ、ララの毒砲、コロナのヘアパンチ、ポニーのボイスバズーカが一気に放たれモグラの顔面に直撃。サイクツモグラを天高く吹っ飛ばした。

 

「しゅ、瞬殺した……」

 

こういう時にだけ連携する新四天王、最早モグラのことなど目もくれずにカブにだけ視線を置いていた。

 

「じゃあ一気に引っこ抜くわよ!!」

 

「「「おう(うん)(はい)!!」」」

 

IS組(おれたち)も行くぞー!!」

 

「「「おう!!!」」」

 

いっせーのーせ!!!!!

 

 

 

 

「えぇー!?このスーパータイラントターニップ食べないの!?」

 

「当ったり前だろうが!これを依頼されたんだぞ――ってポニーにリンカステイ!!」

 

目の前に存在するのはデカすぎて天辺が見えない程のカブ、無論このカブをIGOに渡しその他のタイラントターニップは全てフェスに売る予定だ。

 

「というか一夏、いよいよその何とかっていう祭りだな!」

 

「ああ!絶対優勝してやる!!」

 

そして一夏は、迫りくる祭日に向けて奮闘するのであった。




味表現はマダムフィッシュ回でも無かったのであくまでもそれに合わせようとしたんで書きませんでした。まず私がカブの味に詳しくないという話でもありますが……
そして来週からいよいよクッキングフェス編です!
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