トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話 作:ZUNEZUNE
今日は――街という街から人がいなくなる日。コンビニもデパートも高級レストランからも人が消え、あのグルメタウンも今日限りはガラガラとなる。
それは何故か?――4年に一度の食の祭典が開かれるからだ。
「のわぁー!何だこの車!?」
「わ、私の家でもここまで長いリムジンは取り扱っていませんわ……」
織斑食堂前で一夏を含むIS組の前に止まったのは電車のように長いリムジンの車。こんなに長くてどうやって曲がるのか実に気になる所である。
そしてそのリムジンには高級スーツを着た黒服が一列に並び、同じくスーツを身に纏う一夏を迎えていた。
「グルメリムジンでございます。フェス参加者とその関係者はVIP扱いとなっておりますので……」
「おー一夏、さっさと行くわよ!」
「リンカ!」
「リンカさん!」
そのリムジンには既に一夏のコンビであるリンカが乗っており、続いて一夏たちもそれに乗車していく。ちなみにIS組にはドレスコードをしてもらい、一夏の紹介ということで特等席を取っている。
グルメリムジンに乗ってフェス会場のある島、「クッキングアイランド」へと向かっていく一行、普通ならフェスの客で20時間近い渋滞になるも、専用道路を渡っている。
「そう言えばリンカ、
「ああ、行ってみたけどやっぱり
「あの件?」
車内での会話、一夏とリンカの間の聞き覚えの無い単語を耳にして春十たちは首を傾げた。ちなみにグルメリムジンの中では高級料理がテーブルの上にズラァと並んでいる。
「
野菜仙境の朱雀、ヘブンオーシャンの玄武、ドーイド火山の白虎、そして最後の1匹の青龍。かつて四獣侵攻時に人間界へやってきた優しい心を持つ4匹の神獣が姿を消していた。
「どうやらタマギの言っていた話は本当だったか……後で俺も調査に行かないと」
「まぁアンタはまず今回のフェスのことだけに集中していなさいよ」
「そうだよなぁ……ハァ、緊張してきた」
しかしそれ以前に一夏はフェスに対しての緊張に顔を青くしていた。普段なら見られない弱気な一夏の姿に、鈴が不思議そうに反応する。
「そんなに緊張することなの?」
「……クッキングフェスはそっちの世界で言うオリンピックみたいなものだ。世界料理人ランキング100位の強者たちが一斉に集まり自分の腕を見せ合う、これで緊張しないとか無理だろ……」
「ランキングってことは……文化祭に来たあの2人の料理人もか?」
ラウラが言っているその2人と言うのは、以前IS世界にお呼ばれしたガルベルトとセリアのことだ。彼らもまたランキング上位に名があるプロの料理人だ。
「そうだな、あいつらもライバルだ……俺も頑張らないと!」
「その意気だ、一夏!」
IS組やリンカが一夏を鼓舞している中、リムジンはクッキングアイランドに到着し会場へと向かう。するとリンカが急にリムジンを止めさせた。その理由は……
「あー!白銀クロワッサンの出店!」
「馬鹿!こんなところで降りたら……」
「おい見ろよ!四天王リンカと一夏シェフだぞ!」
会場前の出店、それに惹かれて思わず車を降りてしまうリンカ、それを引き留めようと一夏も降りるがもう時すでに遅し、両者の顔を見て周りの観客たちが一斉に騒ぎ始めた。
「一夏シェフ!応援してるぞ!」
「頑張って!」
「絶対優勝しろよな!」
「あはは……どうも」
しかし一番注目されたのは今回の参加者である一夏、そのファンがそこへ集まり握手を求めたりサインをお願いしたりなどした。まるで人気俳優のようだ。
「まったくワラワラと美しくない……一夏様ぁ!この間ぶりでございますぅ♪」
「げ、コロナ……」
「アタシたちもいるぞ」
「久しぶり、一夏」
「ポニー!ララも!」
そしてタイラントターニップの調達メンバーである新四天王がまた集結した。当然四天王たちもVIP扱いだ。
「よ!久しぶりだな一夏!」
「トリコさん!師匠も!」
「今度はトリコと小松シェフだぞー‼」
そして今回のシェフの要と言っても過言ではない、世界一の美食屋トリコと、そのコンビである小松もその場へやってきた。
「師匠、どうしてこんなところに……」
「うん……トリコさんが白銀クロワッサンの匂いに釣られて……」
「ああ……そっちもですか」
「パパ!久しぶり、ママは?」
「リンカ、お前腕を上げたな!リンならフェスの防衛にいるぞ」
あっという間にこの場に有名人が勢揃いとなり、辺りはフェスも始まっていないのに騒然となる。四天王親子と師弟シェフ、そして他の新四天王も集まれば無理はない。
「やぁ一夏君、久しぶり」
「頑張れよ
「フン……まぁ小僧が勝つんだろうな」
「ココさん、サニーさん、ゼブラさんまで!」
そして次に現れたのは四天王であるココ、サニー、ゼブラ、これで旧四天王も勢揃いしたわけだ。
「お父さんも来たんだ……」
「ああ、リンカちゃんたちと仲良くしてる?」
「お父様も何か言ってやってください!」
「まぁ落ち着けよコロナ」
「親父……アンタ祭りとか来るんだな」
「悪いか……ポニー」
そして四天王親子の会話も始まり、いつの間にかその集団を囲うように野次馬たちが集まっていた。無理もない、ここだけであらゆる有名人がいるのだから。
「俺さぁ、ゼブラとポニー見て改めてあいつが結婚したことが驚きなんだよなぁ」
「まったくだ、品の無ぇゼブラがまさかな……」
「何年前の話をしてるんだお前らぁ!」
やがてフェス開始前に、どんどんと有名人が集まっていく。まさに、祭りの前には相応しい盛り上がりであった。
一方暗い空間にて、金髪の女性が美しく立っていた。その後ろには魑魅魍魎、百鬼夜行、ロボや猛獣たちが勢ぞろいしていた。
「オータム、皆の準備はよろしい?」
「ああ、いつでも……」
「よし……行きましょうか」
そう言ってその女が先導すると、他の人もそれに付いていく。馬の下半身を持つ男、蜘蛛の女、GTロボ、それらが大軍を成して前へと歩いた。
これがIS世界かグルメ世界のどちらかで行われているかは分からない、しかし――一騒動起こるのは間違いなかった。
ぬおおおおおおおおおおおおおおおおお(叫)ぬぎゃあああああああああああああああああ(悶絶)うわぁあああああああああああああああああああああああああああ(泣)
絶対ネタバレ無しで見てください!