トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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あっぶね操作ミスしてはやめに投稿しちゃった……すぐ消したけど。


グルメ69 声!

「一夏の師匠さん……滅茶苦茶調理速いな」

 

「ええ……たった2分でもう3品も作っていますわ。自分の目が信じられません……」

 

一方観客席では春十たちIS組が小松の調理スピードに開いた口を塞げずにいた。神業といっても過言ではないその速さは馴染みの無いものからしたら一瞬の出来事だろう。

他の席では大盛り上がり、そのプロの技術が絶賛されていた。

 

「当然よ、小松さんはお父さんのコンビ……かつて四獣がこの人間界に進出した時に全人類が猛毒に侵されてあと数時間の命と迫られた時があるの。それを助けるために特殊調理食材の薬膳餅を作ることになったんだけど、小松さんは全人類を救うために誰でも3分ちょっとで作れるように調理の簡略化をしたの」

 

「いわば……小松さんの強みはあの調理スピードの速さだね、あれで大勢の命を救ったんだ」

 

「料理で……人の命を」

 

料理で人を、世界で救った小松。簡略化された薬膳餅は他の料理人によって大量に作られ四獣の毒を解毒していった、つまり小松1人で世界を救ったわけではないが彼がいなければ今頃殆どの人がこのネオクッキングスタジアムでこのように祭りを楽しんではいないだろう。

 

(頑張って……一夏!)

 

そんな強敵を前に一夏は勝てるのか、そんな不安を打ち消すために鈴は応援をするのであった。

 

 

 

 

(落ち着け俺……まずは食材を選ぶんだ!)

 

一方当の本人である一夏は周りが続々と料理を完成させているので焦りが生じ、少々冷静ではなくなっていたがすぐに落ち着きを取り戻す。

まずは使う食材を選ぶこと、これ以上は時間を無駄にできない。1つの選択ミスが大きなタイムロスとなるだろう。

 

「これは……『鮫肌大根』か、ザラザラしている表面のせいで調理できない大根……よしこれと……」

 

一夏が手にしたのは鮫肌大根、まさしく鮫肌のように皮がザラザラしており普通の包丁や調理じゃ切ることも不可能な大根であった。触り方の時点で間違えれば手の肌が破けてしまう危険な食材、これを食べられるようにするには身を削らずに皮を剝くしかない。

 

『ここで師匠に遅れをとるまいと一夏シェフも調理を開始ー!!鮫肌大根と他の食材で一体何を作るのかぁー!?』

 

「よし……まずはこの『断熱牛』の肉をひき肉にするか!」

 

そう言ってその牛肉をまな板の上に乗せ、2本の包丁で叩いていきミンチにしていく。そしてそこから細かく刻んだ食材を中に入れていき、そのまま形を整えてフライパンの上に乗せた。

もう分かる人もいるだろう、一夏はハンバーグを焼くつもりだった。しかしそれに使っている食材を見て一部の観客は騒然となる。

 

『おぉー!?一夏シェフが今焼いている牛肉は、焼けば美味だが熱を通しにくい『断熱牛』!焼いて調理するには数時間の時間が必要であり、しかももっと時間が必要なハンバーグを選んだぁ!一体何を考えているのかぁ!?』

 

断熱牛は特殊なタンパク質から形成されそれはそこらの素材より断熱性があるため職人たちにも重宝されていた。なのでその肉を焼くにはかなりの時間を消耗する必要があり、尚且つもっと時間がかかるハンバーグをそれで作るというのは悪手としか思えない。

確かに断熱牛は時間をかけて焼けば焼く程旨味が増す、しかしこの1時間という短い制限時間でそれは自殺行為にも等しかった。

 

一部の料理人はそれを見て、今まで一夏に寄せていた期待を失っているだろう。しかしそれを否定するかのようにそのひき肉が瞬時に焼きあがった。

 

「よしッ!!」

 

『なんとぉ!断熱牛のハンバーグが完成ッーー!!何が起きたんだぁ!?』

 

予想に反して焼きあがるハンバーグに会場は更に大騒ぎとなる。すぐに焼けないはずの断熱牛がものの数十秒で焼きあがってしまった、その信じられない事実を目にして誰が落ち着けるだろうか。

しかしいた、この場で冷静なのが。その全員の共通点は――一夏が()()()()()()()()()()()を見たことであった。

 

「俺がひき肉にいれた玉ねぎ……あれは野菜仙境で育てられている『火神タマネギ』、こいつを具材に使うと何故か火が通る速度を速める。あまりにも早くなって一瞬で焦げてしまう程だ、それを断熱牛で相殺し丁度よくしたんだ」

 

『どうやら一夏シェフは2つの食材の特徴を完璧に把握し、それらを活かしハンバーグを焼いたそうです!見事!流石小松シェフの弟子だぁーー!!』

 

「そして最後に鮫肌大根……この大根の皮には必ずどこかに包丁を入れる入り口がある。その僅かな差を見極めて……皮を剝く!」

 

そして最初に取った鮫肌大根もスラスラと皮を剝いていく。食材選びには戸惑ったものの食技の習得によりそこらの特殊調理食材は容易に扱えるようになっていた。

一夏は綺麗に皮むきをした鮫肌大根を、そのままおろし金に擦り大根おろしにした後でそれをハンバーグの上に乗せた。

 

「完成、断熱牛の鮫肌大根おろしハンバーグ!!」

 

『一夏シェフも早速1品目調理完了ッーー!!しかしかかった時間は約6分、出遅れてしまったー!!』

 

(そう、早く次の食材を選ばないと!)

 

ここで一夏の頭の中を焦りが襲う。出遅れたという真実が判断力と調理の腕を不確かなものへと導きそれが大きなロスへとなってしまう始末だ。

しかし目の前に存在する特殊調理食材の山、その中からどれを選ぶかなんてすぐには決まらない。

一体どうすればいいのか?そんな一夏の視界に黙々と次の食材を運んでいる小松シェフが目に映った。その表情はとても()()()()だ。

 

(師匠……何であんな楽しそうにしてるんだ……それに食材選びに迷いが無さすぎる)

 

小松はまったく選択に時間をかけていない。まるで直観の如くパパッと食材を手に取りそれをキッチンへと運んで行く。忙しいのは彼も同じ、それなのにその表情はまるで遊ぶ子供のようであった。

――何か話している。一体だれと?周りには誰もいないはずだ。

 

「まさか……食材の声を聴いているのか!」

 

そこで何が小松をあそこまでさせているかを一夏が気づく。

食材の声を聴く、それは食材に愛され食材を愛す純粋なものにしか聴こえない声と会話をし調理する技術であった。小松は今それをしていた。

 

(間違いない……食材自身が師匠を呼んでいるんだ!あの人はそれに従っているだけ!)

 

つまり小松は今の時間を楽しんでいるのだ。自分を使ってほしいという願望を耳にしそれを受け止める、まるで子供の世話をする親の如くその笑みは優しさが詰まっていた。

 

(俺も……1人の料理人として食材に求められるような料理人に……!)

 

そしてその行動は一夏を更に奮闘させるキッカケとなる。今までは焦りしか感じずに対面していた食材たち、一夏は改まって彼らに耳を傾けるのであった。




最近マウスが勝手にダブルクリックするから使いづらい……
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