トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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グルメ72 VSチョコレートの魔王!

「あ、一夏!決勝トーナメント進出おめでとう!」

 

――休憩時間、見事決勝トーナメントに勝ち残った一夏が適当に歩いていると、そこへIS組やリンカたち四天王が称賛の声を送ろうと駆けつけた。

コック一夏、そして新四天王の集結により周囲は騒然となる。無理もない、新しいグルメ時代を代表する有名人がこうも揃って騒ぐなという話が無理だろう。

 

「おー皆、どうクッキングフェスティバルは?」

 

「なんていうか……スケールが大きすぎてついてこれないな」

 

一夏の問いに春十は冷や汗を流して答える。彼だけじゃない、他のIS組も苦笑いを浮かべていた。彼らIS世界の人間にとってこのグルメ世界最大の祭典ともいえるフェスは確かに壮大に思えるだろう。何せスタジアムですら億という単位の人間が入るのだ、経済的というか物理的というか、自分たちの世界とは根本的に違う。

 

「一夏、本当に優勝を狙えるんじゃないの?」

 

「当り前ですわ!一夏様は私のコンビですもの!」

 

「精々アタシのコンビとして恥をかかないようにするんだな」

 

「だーかーらー!一夏は私のコンビだって言ってんでしょ!?」

 

一方四天王たちはいつも通り一夏を巡る乙女の喧嘩を始め、選手たちの体を休めるはずの時間はあっという間に騒がしいものとなった。

そして騒動は、更に大きなものと化す。その原因は次に来るゲストであった。

 

「おめでとう一夏君!」

 

「お前もようやく一人前の料理人になれたわけだな」

 

「師匠!それにスタージュンさんも!」

 

「スター伯父さん!」

 

更に師匠である小松、そして元美食會副料理長にして「真・美食會」のオーナーであるスタージュンもやってきた。スタージュンは美食神アカシアの血を引いた存在でもありリンカの父であるトリコの兄でもあった。つまりリンカにとっての伯父でもあった。

 

「アルファロさんは元気にしてますか?」

 

「アルファロ様は開店時からウエイターとして何度も助けてもらっている。それで一夏、聞きたいことがあるのだが……」

 

「……俺もです。()()()について――」

 

 

 

 

『さぁーいよいよ決勝トーナメント開始です!!第1試合は一夏シェフVSガルベルトシェフ、プライベートでの付き合いも長いこの2人ですが両者新鋭!一体どのような白熱したバトルを見せてくれるのかぁー!?』

 

「いっけーガルベルトォ!!」

「師匠から受け継いだもんを見せてやれ一夏ぁー!!」

「このまま優勝だぁー!!」

 

「長き因縁――ライバル関係に終止符(ピリオド)を打つ時が来たようだな……一夏!」

 

「え?俺たちってライバルだったのか……俺はてっきりお前風に言うと強敵(とも)の方だと思っていたんだが……まぁいいや、全力でやらせてもらうぜ!!」

 

早速決勝トーナメントの第1試合が始まり、スタジアムの中心で火花を散らす両名に心を揺さぶられ、まさに沸騰寸前とまで言える興奮状態に陥る観客たち。さっきまでの予選のような大人数ではない、1対1のサシの勝負――ただし行われるのはボクシングやプロレス、ましてや本気の殺し合いでもなかった。

――料理人、彼らにとって包丁はグローブや銃より過激なものであり、それを持ち睨みつけるのは相手ではなくまな板の上の食材であった。

 

『そしてその内容は、グルメ時代の最新技術で作られた――この装置の中で行われます!!』

 

するとスタジアムの中心から何かが現れ、そのスペースを殆ど占領した。

直径500mはありそうな球体、出入り口も備わっているそれが2つも用意され、熱狂していた観客にどよめきを齎す。沢山のチューブが繋がり、蒸気を噴き出しながら禍々しい雰囲気を醸し出していた。突如現れた巨大マシンに息を呑んでしまう一夏。逆にガルベルトはその大きさを鼻で笑っている。

 

「な、何だこりゃあ……!?」

 

『これは「キッチン・イン・ザ・タイフーン」――通称「K・T』でございます!このカプセルの中ではありとあらゆる困難な自然環境が体験可能であり、元々は美食屋の練習用として開発されたものでした!

サンドガーデンのような超高温下、アイスヘルも顔負けの極寒、ベジタブルスカイへと繋ぐスカイプラントにも匹敵する突風!!あらゆるパターンの環境が設定されており、近年では過酷なグルメ界をも再現も目指しているという素晴らしいマシンです!』

 

「まさか……この中で調理するのか!?」

 

そのまさかである。そもそもキッチンという名前がついている時点でそれ以外あり得なかった。ムナゲのルール解説は続く。

 

『ルールは簡単!このカプセルの中で調理し一番旨いものを作り上げた料理人が勝ちです!しかし内部は説明した通り悪天候、悪環境のオンパレード!その妨害に抵抗し見事自分の腕を見せることが重要です!』

 

「フッ――面白い、たかが天候でこのチョコレートの魔王を倒せるなどと思うなよ……どんな台風だろうが我にとってはそよ風に等しい!」

 

「――俺だって、春十兄や皆と過酷な環境を生き抜いたんだ!これくらいなんだ!」

 

『しかし両名臆さずカプセルの中へと入っていくぅーー!!流石としか言いようがありません!!では、第1試合開始ですッッ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 




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