トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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今回からIS学園での戦闘になります。多分これが最終章的な感じです。


グルメ79 教師陣の意地!

爆音が鳴り響く。それと合わせるように生徒たちの悲鳴も響き最早IS学園は地獄絵図と化していた。

空は怪鳥の群れで覆われ地上は亜人怪人猛獣の祭り、名高いISの学園として有名なその地は魔窟のように成り果て、女尊男卑の思想によって強く育ったはずの女子生徒は逃げ惑うしかなかった。

 

「生徒は急いで避難してください!こちらです!」

 

その避難誘導をしているのは教師の真耶、第2世代型量産機「ラファール・リヴァイヴ」を纏いその安全を守った上で的確な指示を出していた。普段はあわてんぼうの頼りない教師と思われていたかもしれないが、一応はここの教師として身を置いているプロ、こういった状況には慣れていた。

 

『ガァアッ!!!』

 

すると上空を蔓延っていた怪鳥が地上に狙いをつけ、翼で一気に降下してくる。それに対し真耶は射撃で迎撃し翼を狙って撃ち落としていく。巨大な体が地面に落ちるたびに地震が起き、今しがた討ち取った獲物がどれ程の巨体かが分かる。

他にもまるで戦車の陣形のように並んで襲ってくる猛獣たちにも弾を打ち込みその侵攻を妨害していく。実質周囲の敵は全て彼女の手で足を止めているといっても過言ではないだろう。

 

しかしその迎撃は完璧とは言えない、標準のIS兵器でグルメ世界の猛獣が食い止められたら()()はこんな手など使ってはこないだろう。

 

『ブオオオッ!』

 

「象!?――キャッ!?」

 

突如として横から飛んで来た衝撃に真耶は吹っ飛ばされ、上空に投げ出される。急いで体制を整えると自分を吹っ飛ばした標的をその目で捉えた。

巨大な体に長い鼻、そして天を貫くように伸びる2本の牙。

 

ブレスパンツァーマンモス〈哺乳獣類〉捕獲レベル75

 

そのマンモスは鼻の根本を一気に膨らませ、そこに溜った空気を砲弾のように鼻の穴から発射する。鈴の衝撃砲のように、見えない弾幕が真耶を襲った。

 

「ハッ!このッ!」

 

地上と空中、両方から弾が飛び交い瞬きをする暇も無い銃撃戦が繰り広げられていく。すると銃を構えて周囲に隙を見せている真耶に怪鳥……いや怪人が襲い掛かった。

 

「こ、今度はウサギ!?」

 

『キキッ――!』

 

何と翼の生えた兎の怪物が数匹群がり、その射撃を邪魔してくる。長い耳に飛び出た出っ歯、そう言えば可愛らしく聞こえるがその実態は人のような体に翼を生やしたキメラのような姿だった。

 

サタンラビット〈哺乳獣類〉捕獲レベル56

 

「じゃ、邪魔しないで……ッ!」

 

怪人により思うように狙いが定まらない真耶、すると地上のブレスパンツァーマンモスがその隙にと空気をチャージし、特大の砲弾として彼女に放とうとする。

絶体絶命のピンチ、誰もがそう思ったその時――マンモスの鼻が斬り落とされた。

 

『ブモオオッ!?』

 

「お、織斑先生!?」

 

「無事か!?」

 

一夏の姉である織斑千冬がISを纏い、閃光の如く空間を走り真耶を助ける。そしてそのまま群がっていたサタンラビットたちの翼も切断し地上へと落下していく。

 

「今しがた一夏たちに連絡を入れた!それまでの辛抱だ!」

 

「そ、そうはいっても……この数は……」

 

そうして並ぶ千冬と真耶であったが、その前には数えきれない程の猛獣たちが立ちはだかり教師陣に嫌と言う程絶望感を与えてくる。しかしそれも一夏たちが来るまでの間、それまでに何とか持ちこたえようと決心するも、流石にこの数はどうしようもなかった。

一体どうしたものかと考えていると、上空から巨大な何かが幾つも降ってきた。

 

「今度は何だ!?」

 

新手の猛獣か、そう警戒し身構える千冬と真耶。しかしその正体は聞き慣れた声の音声が説明してくれた。

 

『ちーちゃん!大丈夫~?』

 

「束か!これは一体……」

 

『私が内緒で作っていた無人機IS!いっけーゴーレム!』

 

無人機IS、通称「ゴーレム」たちはグルメ世界の猛獣にも引けを取らない体格を持ち、巨大獣と真正面から渡り合う。いつしか頼もしい仲間ができていた。

 

「無人機ISだと……いつの間にそんなものを、だが助かる!」

 

ゴーレムの乱入により戦況は教師陣の優勢となるも、それはあくまで一時的なもの。やがてその物量に耐えきれなくなり押されていった。

いつの間にか千冬たちは囲まれ、四面楚歌のような状態に陥ってしまう。いくら束の無人機ISでも高捕獲レベルの猛獣を圧倒することはできず、四肢を噛み砕かれボロボロになっていた。

 

『わ、私のゴーレムちゃんがこんな……いっくんから貰ったデータを元に作ったのに』

 

「学園祭の時より明らかに質が上がっているな……それ程までに向こうも私たちを潰す気でいるわけだ!」

 

やがて猛獣たちは目の前の獲物に我慢できず、牙を見せ爪を尖らせ一斉に跳びかかっていく。迫りくる大群に千冬と真耶、そして無人機ISは迎撃の構えを取る。

そしてその瞬間――淡い光と共に上空から斬撃が飛んで来た。

 

無限の料理術(インフィニット・クッキング)――竜巻みじん切りッ!!!!」

 

「コテレッグブーメランッ!!」

 

群がっていた猛獣たちはバッサバサと斬られていき、その数は一瞬にして大分数を減らす。それと同時に突如として現れた人物たちに千冬たちは微笑んだ。

 

「一夏……春十!」

 

『いっくん!』

 

「待たせてごめん!急いで戻ってきた!」

 

料理人一夏とそのコンビである美食屋リンカ、そしてグルメ世界へ行っていたIS組も学園のピンチに駆けつけてきた。クッキングフェス中に千冬からの連絡を受けた一夏たち、こう言っては何だが丁度敗退した直後だったのでこうして助けに来ることができたわけだ。

 

「これは……学園祭の時より被害が酷いな……!」

 

「今まで以上に猛獣が沢山おりますわ……!」

 

「大方僕たちが向こうの世界に行っている間を狙ったんだろうね……!」

 

専用機持ちたちもその数に圧倒されるも、彼らも過酷な世界を駆け抜けた強者たち――この程度で臆して逃げ出す程憶病ではない。

その組織――美食會は一夏たちがグルメ世界に行っている間を見計らってこの襲撃を行った。しかし、こうして戦力たちは元の世界に勢ぞろいする。

 

「来るなら来い!俺たちの故郷は、絶対に壊させない!」

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