トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話 作:ZUNEZUNE
「「はぁあッ!!」」
迫りくる怪鳥たちに対し箒と鈴はISで学園の上空を飛翔し突撃していく。先行するのは圧倒的なスピードを持つ第四世代機「紅椿」を使う箒、群れの間を一瞬の内に通過し、目にも止まらぬ早業に怪鳥たちは何もできずどんどん翼を斬り落とされ墜落していく。
しかし中には斬られたとしてもすぐに再生する種類もいたが、そこに鈴が駆けつけ完全なるトドメを刺していく。学園の制空権は加速していく乙女のものとなった。
「こんな奴ら!あの荒れ狂う海での戦いに比べたらどうということないわよ!」
「ああ!あの時とは違ってここは空!ならば、私たちの方が有利だ!」
そこで箒と鈴はヘヴンオーシャンでの戦いを思い出す。しかし捕獲レベルの面ではあの海に住む魚よりこちらの猛獣たちの方が上だろう。それでもあの時は海上のど真ん中という状況だったからこその苦戦、空中戦ではISの箒たちの方が上だった。
そして鈴の龍砲、箒のエネルギー刃が放たれていき更に空の猛獣たちを撃ち落としていく。まるで雨のようにその死骸がドバドバと下に落ちていった。
「力を貸してください!シャルロットさん!」
「オッケーセシリア!」
一方その頃、その近くの地上ではセシリアとシャルが猛獣に囲まれていた。その数は百をも超え視界を埋め尽くしていく。まさに絶体絶命の状態、それでも2人はお互いに信じ合い背中を預け、笑みを保ったまま己の銃を構える。
瞬間、彼女たちを取り囲んでいた猛獣たちは一斉に吹き飛ばされていく。そしてその後ろにいた連中はドミノ倒しのように崩れていき、その銃弾に次々と倒れていった。
「行きなさい!ブルー・ティアーズ!!」
そこでセシリアのブルー・ティアーズ、その6機のビットが一斉に散らばっていく。そして高所からレーザーやミサイルを撃ち続け群れを殲滅していった。
一方シャルは自慢の銃を乱射、重いその銃弾は象のような巨体を持つ相手でも後ろに吹き飛ばし、鈍い銃声と共に猛獣の断末魔を打ち鳴らしていく。
「野菜仙人さんたちの山の方が、まだ険しい戦いでしたわ!」
「まぁあそこは霧が深かったからね、それと比べたら――楽勝だよ!」
2人がグルメ世界で体験した環境は野菜仙境に到達するまでに立ちはだかる困難「濃霧樹海フォグレスト」、あそこは深い霧によって視覚も嗅覚も全然機能せず、どこから現れるかもわからない獣の相手をしなければならない。
しかしこの日この場は晴天の下広々とした校庭、射線も地平線の果てまで伸びるのであった。
「行くぞ嫁!夫婦初めての共同作業というやつだ!」
「違うと思うけど……俺たちも負けてられねぇぜ!」
そしてまたもや場面は変わり春十とラウラ、この2人に襲う猛獣たちは特に捕獲レベルが高い連中ばかりだが一歩も後ろに引くことは無かった。それどころか阿吽の呼吸で群れの中に突き進んでいく。
「俺だって向こうで美味しいもん山ほど食ったんだ!結構強くなっているはずだぜッ!!」
すると春十の背後に巨大な悪魔のイメージが浮かび上がる。まさに白い鬼、その姿に猛獣たちは体を震わせ殆どが戦意を喪失していく。中には腹を見せ服従しているものさえいた。
しかしそんな命乞いも虚しく、次の瞬間その爪によってバラバラに引き裂かれてしまう。
『ハッハァ!久しぶりの登場だぜオイ!いつの間にかディアボロスの世界に行ってたみたいだなぁ……いいぞ春十、どんどん食らいつくせ!その分俺の完全復活に近づくんだからなぁ!』
「くっ……中々やるじゃない!」
一方校舎の近く、生徒会長である楯無も交戦中。生徒会長は前に出て迅速な対応をしていたがあまりの数に追い込まれている。水のように素早い彼女のISに対し、猛獣たちは比較的スピードに適したものばかり、明らかに対楯無対策であった。
そしてその鋭利な爪が彼女に襲い掛かろうとしたその時、上空から助太刀が参上する。
「はぁああ!!!」
「簪ちゃん!?」
それは妹の簪、彼女もまたグルメ世界で培った強さを活かしピンチだった姉を見事救出して見せた。
「大丈夫お姉ちゃん!?」
「簪ちゃん……立派になって」
「小娘どもめ……暫く見ない間に逞しくなったな」
「千冬姉!大丈夫かよ!?」
一夏とリンカは長い戦いにより疲れ果てた千冬たちを守るように戦っている。彼女たちの頑張りもあって学園の被害は最小限に抑えられ、生徒たちも無事避難が完了した。
「リンカさん……またもや助けられて申し訳ない」
「何言ってるんですか一夏のお姉さん!後は私たちに任せてください!」
こうして専用機組とグルメ世界の戦士、彼らは学園全体に展開し猛獣たちと戦闘を繰り広げ始めた。しかし当然相手は猛獣だけじゃない、かなりの強者たちもそこに集い始める――