トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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名探偵ピカチュウ見ました!想像の1000倍以上面白かったです!


グルメ82 四神獣!

「クリーム白虎……どうしてこんなところに!?」

 

突如として現れた伏兵に一夏とリンカは驚きを隠せない、それはかつて戦ったことのある敵でもあり自分たちのフルコースメニューにおいてスープの品となっている「クリーム白虎」であった。

白銀のような毛色を見せ、そして後光を放つその姿はまさに「四神獣」と名付けられるに相応しいだろう。しかし強敵を前にしたその張り詰めた空気は、周囲に流れるまろやかな匂いによって若干掻き消されてしまう。

 

その油断が、白虎の姿を僅かに消した。

 

「――グッ!」

 

「一夏!」

 

象にも勝る巨体が瞬時に目前まで接近、牙を剥き突撃してくる。一夏は2本の包丁を交差してそれを受け止めるもその突進力を相殺することは敵わずに後ろへ吹っ飛ばされてしまう。その圧倒的な力を真正面から防ぎ切ることは不可能であった。

一夏は何とか旋回し空中戦に移行、上空にいれば狙われることはないだろうと踏んでのことだ。しかし瞬きの後、クリーム白虎も宙に身を置いていた。

 

「跳んで――ヅァア!?」

 

そのまま体を盾に回転させて威力を上げ、長い尻尾ではたき落とす。そして追撃として墜落した一夏に向かって一気に降下を始めた。

 

「コテーシールド!」

 

しかし咄嗟にリンカが割って入り巨大なコテを形成、それを盾とし白虎の降下アタックを受け止めそのまま向こうへ投げ飛ばす。見事防ぎ切ったようにも見えたが、そのコテには大きな亀裂が走っていた。それでどれだけの威力だったのかが伺える。

 

「こいつ……私たちが戦った個体より強い、まさか……!?」

 

「ああ、あの時の親……つまりこいつがドーイド火山の主だった白虎だ!」

 

以前一夏とリンカが倒したクリーム白虎はあくまでも子供、それでもかなりの強敵だったことには変わりないが目の前の白虎はその親、つまりグルメ界からやって来た原種というわけだ。

 

クリーム白虎 ――原種――〈幻獣類〉捕獲レベル測定不能

 

 

 

 

 

一方その頃春十とラウラも同じように四神獣と戦っていた。宝石のように美しいその羽根は炎のように光を揺らめき、この戦場に圧倒的な幸福感と存在感を放つ。オータムが召喚したこの四神獣はその凄まじい力を見せつけてくる。

その羽根は()()()()()のような形状をしており、それを弾丸をも軽々と超えるスピードで撃ち続けていく。その弾幕に、春十もラウラも避けきれない。

 

「グッ……何だこいつは……!」

 

「他の猛獣たちとは比べ物にならん!かなりの強敵だ!」

 

「こうなったら……悪魔の口(ヘルストマック)ッ!!」

 

そこで春十は雪魔(スノー・サタン)のビームシールド「悪魔の口(ヘルストマック)」を展開、迫りくる羽根の弾丸を次々とそれで吸収していきその後で一気に解放、その全てを鳥に返していく。

それに対し奴は大きな翼を更に広げ、先ほどとは比べ物にならない程の量と速度の弾幕を放ち、真っ向からそれとぶつかり合う。当然春十の吸収しただけの弾ではそれに敵わず返り討ちにあってしまった。

 

「ハッハァ!お前ら如きが朱雀に勝てるわけねぇだろッ!!」

 

「朱雀?……まさか、野菜仙境から消えたって言ってたあの……!?」

 

春十たちが相手にしていたのは、野菜仙境にいるはずのグルメ界の猛獣「朱雀」。こいつがいなくなったせいでドラゴーヤたちは解放されたのだ。

四神獣が一匹「朱雀」――この世の物とは思えない程綺麗な翼を更に広げる。

 

 

ビタミン朱雀〈幻獣類〉捕獲レベル測定不能

 

 

 

 

 

「ぐわぁあッ!?」

 

「箒!?」

 

その頃、箒に突如として伸びてきた光線が掠り危うく撃墜されそうだったところを鈴がフォローする。先ほどまで空中にて次々と空飛ぶ猛獣たちを討ち取っていた2人であったが、突然の光線に驚かずにはいられない。地上を確認し、その犯人の姿を確認する。

そこにいたのはクジラと同じようなサイズを持つ巨大な亀、甲羅のマスの1つ1つが流れた時の長さを思わせる雰囲気を持ち、その顔つきも人間臭くも自分たちとは住む世界が違うことを示してくる。どう見ても他の猛獣とは格が違う、さっきの光線がそれを物語っていた。

 

「亀……なんて大きさだ」

 

「まさかあれって……ヘブンオーシャンからいなくなったって言ってた……キャッ!?」

 

すると突然、その広々として雄大な甲羅が発光したと思うと何とそのマス1つ1つから先ほどと同格の威力を持つ光線が発射される。凄まじいビームの猛攻が真上の2人に襲い掛かった。

その数十本の光線は密度を狭め飛び交う箒たちをまるで蠅のように撃ち落とそうとする。軌道を変えるために鈍くとも体を動かしている。そうすることでビームの発射口、つまり甲羅の位置を変えられるわけだ。

 

「な、なんて凄い攻撃なの!優しそうな顔してえげつない!」

 

「軌道が上を向いていて助かったな……これなら校舎など一瞬で丸焦げになってしまう!」

 

 

深海玄武〈幻獣類〉捕獲レベル測定不能

 

 

 

 

 

そして最後の1匹、そいつは既にセシリアとシャルの前に君臨していた。

 

「……なんて美しさなんでしょう」

 

「油断しないで!セシリア!」

 

2人の戦乙女が見上げる先にはその青い体を輝かせて地上の人間たちに見せつけている1匹の龍。野菜仙境にいたドラゴーヤとは比べ物にならない圧倒的なオーラ、そして一瞬味方かと思ってしまう程の綺麗な鱗、こんな相手に銃口を突きつけるなどとんでもない――なんていうのは甘ったれの言葉だ。

 

「くッ……凄い鳴き声ですわ!」

 

「やっぱりただものじゃないか……気を付けないと!」

 

この四神獣は春十たちが食材調達にいかなかった地域の存在、大地を震わせる咆哮はいかに己が格上の存在かを語っているようで立ち向かおうとするセシリアたちを一蹴しているようでもあった。

 

 

ソルト青龍〈幻獣類〉捕獲レベル測定不能

 

 

最後の四神獣「青龍」、これによりグルメ世界の全ての神獣がIS学園に降臨した。

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