トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話   作:ZUNEZUNE

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グルメ83 波乱の戦場!

「何だ……この反応は!?」

 

一方その頃、猛獣たちを次々と倒していた千冬たち教師陣、ISゴーレムも共にその剛腕を振るっていたがそこで四神獣の出現をISのレーダーで察知する。驚いたのはその数値であり、同じように真耶や通信の束も驚愕せずにはいられなかった。

 

『何このエネルギー値!?ISの数十倍……いやそれ以上!こんなの生物が出せるものじゃない、エネルギー保存の法則を完全に無視してるよ!!』

 

「これがグルメ世界の猛獣なのか……!?」

 

四神獣、グルメ界からやってきた猛獣にIS世界の発達した科学の常識など通用しないだろう。勿論今まで学園を襲ってきた猛獣も生態系から大きく外れた存在であることに変わりはない、しかしあれらはグルメ世界の中でも人間界に生息していた生物、グルメ界と人間界とでは環境も猛獣の進化もそれこそ別世界のように差があった。

 

四獣侵攻時に人間界へ紛れ込んだ四神獣たち、それからは人間界の秘境に身を潜めていたが4匹全てが一斉に失踪。皮肉にも外来種ともいえる四神獣たちの喪失で崩れた生態系は数多くあった。ドラゴーヤ、ポセイドンオクトパス、ブラッドレオン、これらの強敵たちを怯えさせ封じ込めていたがそれにより解放したわけだ。

タネを言えば学園襲撃に使われている猛獣は操られている。つまり四神獣も操られているということであるが、それに対し納得がいかない者がいた。一夏だ。

 

「馬鹿な……クリーム白虎は神獣だぞ、そう簡単に操られるわけがない!」

 

一度その幼体と戦ったことがある一夏とリンカには、その原種が他の雑魚同様に洗脳されたとは思えなかった。どこかの刑務所の所長のようなフェロモンや旧四天王の中毒率100%の毒など猛獣使いの方法は多く存在する、しかし圧倒的な実力を持つ相手、もしくは抗体がある敵に対しては効果が無い場合もある。四神獣の場合それは前者だった。

 

「一夏……他の場所にもかなりの気配がする。もしかしたら他の四神獣もここに来ているのかも」

 

「まさか美食會残党が四神獣を捕まえたのか!?まだそんな兵力があったのか……!」

 

どちらにしろ四神獣レベルの猛獣を持っていたとしてもそれにはかなりの時間と労力が必要のはずだ。壊滅してその生き残りが集まる美食會残党。一度崩壊したのにまだそのような力が残っていることにも驚愕だ。

そしてリンカはクリーム白虎以外の存在も察知、敵兵力が以前より数十倍にもなっていることを突きつけられる。

 

「まずい!いくら強くなっているとはいえ春十たちに四神獣クラスの相手は駄目だ!助けに行かないと――ヅァ!?」

 

「一夏!」

 

春十たち専用機組の成長は一夏も認めていた。それでも四神獣には勝てない、そう思って急いで援護に向かおうとするもクリーム白虎の攻撃を受け吹っ飛ばされてしまう。その白い尾は鞭のようにしなり一夏の全体を殴打、まるで巨大なハンマーを叩きつけたかのような衝撃が走った。

その次はそのコンビに牙を剥いてくる。リンカはそれに対しコテで両手を武装、そのまま拳を打ち込むもビクともしない。それどころかその凄まじい咆哮に吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐっ……やっぱり簡単には行かせてくれないようね。私がこいつを抑えておく、その間に春十君たちを助けに行って」

 

「いいのかよ……いくらお前でも1人でこいつの相手は流石に……」

 

「フェスの練習用に沢山ご飯作ってくれたの覚えてる?あの分の食没をすれば何とか……!」

 

食没、それは食義の奥義であり食べてきた食材にありったけの感謝を込めることにより彼らから最大限の栄養素を貰い受ける技。少なくとも自食作用(オートファジー)よりかは効率的なエネルギーの摂取方法であった。

 

「お兄さんや皆が大切なんでしょ?だったら絶対に守り抜いてみなさい!」

 

「……ああ!そっちは任せたぞ——相棒」

 

そう言って一夏はISで飛翔、その場から一気に離脱し他の専用機持ちのところへ急ぐ。

そしてリンカは、唸る白虎に単独で対面した。

 

 

 

 

 

「ほう……もう四神獣を出したのか」

 

そこは、IS世界とグルメ世界の狭間としか言い例えられない世界だった。そこが美食會残党兼亡国機業(ファントム・タスク)の本拠地であった。そしてその暗黒の部屋、中心には学園の様子が映し出されている立体映像を取り囲むかのように元美食會第一支部支部長のエルグ、そしてソムリエールのリモンがいた。

 

「あれは私……いや私たちが死力を尽くして捕獲した猛獣、このような前座で使われるのは癪だな」

 

「確かに四神獣の洗脳は貴方の分裂と私の能力が無ければなし得なかったもの、スコールは一体何を考えているのかしら?」

 

エルグは「馬王ヘラク」の子供と融合、それにより決して死ぬことのない不死身の体を手に入れた。バラバラにされてもその破片が1つずつに復元し、まさに完全に殺すのが難しい相手だった。

しかし四神獣は、不死身を殺せた。捕獲用に分裂された大量のエルグはその攻撃により細胞が再生をする暇も与えずこの世から消し去ったのだ。それでもエルグは数を増やし続けてその体力を減らし、その隙にリモンが洗脳したわけだ。

 

「まぁいい、これで学園は終わりだろう。一夏やリンカは兎も角IS如きにグルメ界の猛獣は倒せない」

 

「今日私たちは、悲願のための第一歩を歩み出す……!」

 

2人がそう言うとそこに新たな人影が現れ機械の擦れる音を繰り返しその姿を見せてきた。ニトロのようなその顔はGTロボ、学園の文化祭に襲撃してきたタイプとはデザインが異なりより一層禍々しいものとなっていた。長い髪はオカルトのように揺らぎ、赤い模様が浮かび上がった血管にも見えた。

 

「来たなM……どうだ、I()S()()G()T()()()の動作は?」

 

『……悪くない、これなら織斑一夏を葬れる!』

 

「ISとこちらの世界のテクノロジーの融合……グルメ世界なら兎も角、向こうの世界でそれに通用する兵器は存在しないわね。男性には使えないIS……それをGTロボ越しで男女信号の変換。実質()()()使()()()I()S()と言っても過言ではない」

 

四神獣という強力な兵力を手にいれた敵、しかしそれだけではなくまた新たな力を開発したのであった。

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