やっつけ感がハンパ無い。
まあ、軽い気持ちでサクッと読んでいただければと。
第四次聖杯戦争完結記念『なぜなに剣キチ』
剣キチ「いつも『剣狂い転生漫遊記』を読んでくださって、ありがとうございます。同作にて主役を勤めさせていただいている剣キチです」
モル子「ヒロインを勤めさせていただいていますモル子です。……誰かしら、ヒドインって言ったのは? 呪うわよ」
剣キチ「今回は作者の怠慢から返信がまったく進んでいない、読者様の感想にて上げられた疑問等に答えていこうと思い、このコーナーを立ち上げました」
モル子「一応あんなのでも社会人だもの、色々と忙しいんでしょ」
剣キチ「さて、さっそく答えを返していこうと思います。最初の質問はこれ!」
モル子「なになに……『聖杯戦争の後、ソラウはどうなったのか?』」
剣キチ「つーか、ソラウって誰だっけ?」
モル子「(ぽくぽくぽく……チーン!)あれよ。ランサーに令呪で変な命令を掛けてたキモイ女」
剣キチ「……ああ! 右手をバッサリいかれたあの人か。姉御、どうなったか知ってる?」
モル子「たしか病院で何日か入院した後、実家から使いが来て帰っていったはずよ」
剣キチ「なんか普通だな」
モル子「そりゃあ、対外的には『旅行に来て大怪我をした外国人』だもの。まあ、実家に帰ってからは破談になった婚約についてボロクソに文句を言われて、その後で有力な魔術師のオッサンの下へ嫁に出されたみたいだけど」
剣キチ「ふ~ん。って、なんでそんな詳しいの?」
モル子「こちらと敵対していたんだもの。万が一を考えて、使い魔に監視をさせてたのよ」
剣キチ「さすが姉御、隙が無い。次の質問は『剣キチは『アヴァロン』を斬れるのか?』です」
モル子「魔術を嗜む者としては、なかなかに興味深い質問ね。それでどうなの?」
剣キチ「ずばり、斬れます」
モル子「あ~、斬れるんだ」
剣キチ「基本的に世界を斬るのとそう変わらんからな。アヴァロンが展開した時空の壁に関する因果を見極めて、内勁を込めた剣を叩き込めばイケる。多分、ガチの世界を斬るよりも簡単なはずだぞ」
モル子「なんか言い方に経験者的な匂いがするんだけど」
剣キチ「ウチの息子達を助ける件で、空間干渉装置が出来るまでは俺が『英霊の座』への道を作ってたやん」
モル子「そういえば、あれって妖精郷の時空間の壁を内側から斬ってたのよね」
剣キチ「そゆこと。だから、アヴァロンは俺には二重の意味で効かん」
モル子「……騎士王がかわいそうになってきたわ」
剣キチ「次は『この話って、剪定事象になってしまうんじゃないか?』だと。剪定事象ってなんじゃらホイ?」
モル子「ザクッと説明すると、世界には決められた大筋があって、それから逸脱した世界や可能性をバッサリ無かった事にするってモノね」
剣キチ「つまり、ガウェイン達が帰ってきたのはなかった事にされると?」
モル子「そうなるわね」
剣キチ「───ちょっと世界と『お話』してきます」
モル子「あんまり手荒な事は……してもいいか。………………あ、世界の断末魔が聞こえた」
剣キチ「ハートフルな話し合いで、剪定なんたらにならずにすみました」
モル子「手に持った段平が血塗れな件について」
剣キチ「そこは触れない約束よっと。次の質問は『アガルタの話で、レジスタンスのライダーや不夜城のアサシンはどうなったのか?』です。姉御?」
モル子「え、その辺でネズミの餌にでもなってるんじゃない?」
剣キチ「………………」
モル子「グンちゃんも私も全力全開の超ノリノリだったから、あの世界って核戦争の後より汚染が酷くなってるはずよ。マジでゴキブリも生きられないくらいに」
剣キチ「………答えは、アガルタの住人は美魔女コラボの犠牲になったとの事です。関係者各位にはエイリーク氏と2人で花を贈ろうと思います」
剣キチ「最後は『FGO編ってやるの?』ですね。作者はやるつもりのようです」
モル子「この頃はグラブルとチェンクロのオバロコラボにハマって、FGOがログイン勢になってるのに?」
剣キチ「メタ発言禁止! あと、オバロコラボについてはモモンガ様2凸で満足しようとしたら『至高の御方を限界まで上げろ』って守護者の声が聞こえたんだって」
モル子「ゲームにやらされてるとか、なんたる哀れ」
剣キチ「こんな作者ですが、どうか見捨てないでやってください。では、このコーナーはここまでという事で」
モル子「お疲れ様でした」
◇
ネタ『ブリテンに逆行したのが剣キチだったら』
聖杯戦争も終わりかと思っていたら、気がつくと何故か昔のブリテンにいて選定の剣を抜いていた。
意味が分からない。
隣にいたケイ君が『なんでお前に抜けるんだ!? つーか、お前誰だ!!』とか騒いでいたが、そんな事は知らん。
一度はぶった斬ったとはいえ、手元の剣は俺の得物になるようなので試しに剣を振ってみる。
すると、甲高い金属音を立てて、柄、鍔、刀身の三つに分離してしまったではないか。
儀礼用とは聞いてたけど、柔な造りにもほどがあるだろ。
凄まじく居た堪れない空気の中、『地金が悪い』と知った風な事を言って誤魔化そうとしたが、場に居合わせたマーリンにメチャクチャ怒られた。
初っ端からやってもうた感がハンパ無いのだが、選定の剣を抜いた事には間違いは無い。
先の件は無かった事にされて、俺はブリテンの王に祀り上げられてしまった。
そんな俺の腰に揺れるのはとにかく丈夫な古いロングソード。
ああ、倭刀が恋しいよぅ……。
人知れずショボくれる俺を尻目に、こちらの即位を認めさせようとしたマーリンは、反対勢力である十一人の王へ書簡を送った。
しかし、返ってきたのは『旧ブリテンの王子の名前を騙んな、ボケ!!』というキビシいお言葉。
一応、同一人物なんだが……解せぬ。
というワケで国内統一戦争の始まりである。
下に付いた騎士達は『やってやるぜ!』と息巻いていたが、剣キチは指揮はもちろん集団戦闘など出来ませぬ。
というワケで、王様命令を使って部下は全て拠点防衛を命じ、当事者の俺は単騎特攻をさせていただきました。
千年の練達は衰えてなかったようで、慣れない政務のストレス解消に思う存分ヒャッハーを楽しんだ。
あ、オークニーには攻めていませんよ。
あそこには姉御がいるはずだし、ロット王には申し訳なさ過ぎて戦争なんて出来ません。
そんな感じで無双ゲーと内政(クズとケイ君に丸投げ)を繰り返していると、何時の間にやら『剣の魔王』なんて物騒な綽名をいただいた。
おかしい。
アルトリアの代わりだとすれば、ここで付くのは騎士王の筈なんだが。
それはさておき、ブリテン統一戦も大詰めを向かえて、残すは陛下のみとなった。
いつもの様に単騎でサクソン人を輪切りにしながら、ヴォーティガーン陛下が待つ妖精の城(後のキャメロット)に向かうと、何故か陛下はすでに『勇者』だった。
こっちの事も知っていたらしく『嫁が新武装の実験で呼んでるから、はよ妖精郷に送れや』(意訳)と言われたので、扉を開いて差し上げた。
むこうに着いた途端に飛龍型の飛行メカとスクランダー・クロスしたから、あれが新パーツなんだろう。
陛下、お疲れ様です。
あ、エクスカリバーは要らんってヴィヴィアンさんに言っといてください。
さて、無事(?)にブリテン統一を果たしたわけだが、次に来るのは結婚話である。
順当にいけばグィネヴィアが本命らしいのだが、あんなビ●チを嫁にする気は有りません。
というワケで、グィネヴィアの実家に『お断り』のお触れを出したのだが、この話が出てすぐに奴は死んだと返事が返ってきた。
これはいったい……。
その後も縁談が持ち上がった相手が次々に謎の変死を遂げ、気がつけば俺と結婚したいという人間は居なくなっていた。
下手人に関してはとっても心当たりがあるのだが、彼女はもう人妻のはずなのできっと違うと思いたい。
あとブリテンを統一したことで新規に部下も次々と入ってきた。
しかし、ガウェイン・ガヘリス・アグラヴェインの姿が無い。
大体、このくらいの時期にはあいつ等も仕官しているはずだったのだが……
あと夜中に鏡を見ると、背後にドレスを着た姉御が映ってる事があるのだが、これって呪いなのだろうか?
さて、統一に成功したブリテンであるが、相変わらずの不作&蛮族祭りである。
フランスからブン取った領土(ランスロットは面接で落としました)から土を輸入して土壌開発をしてみるものの、大規模にやると付近の住民に悪影響が出る事が判明。
俺如きの浅知恵では解決には至らないようだ。
こうなれば、先人の知恵を借りて逆転を狙うしかない。
記憶の端にコビリ付いた知識、核戦争後の世界で見事作物を育てた偉人たるコウケツ様の編み出した手法を取り入れるのだ。
その方法とは、人の死体を畑に撒く事である。
彼は騙して奴隷に落とした人々の死体を畑に撒くことで、その滋養によって作物が育成できる土地を作り上げていた。
そこでこちらもそれを習って、ピクト人の死体を農地に撒くことにした。
何処からどう見ても『ザ・化け物』な奴等なら、神秘だって多分に含んでいる事だろう。
適当な思いつきで始めたこの農地改革は、なんと成功してしまった。
この農法を行った国営農場は大きく収穫量を増し、ブリテン島の食糧需給の問題は一気に解決を見た。
しかし人間(?)の死体を使ったこの方法は騎士達から非難轟々で、結果として結構な人数が退職する事となってしまった。
まあ、蛮族やらローマ狩りなんて俺ひとりでやってるし、今のブリテンの騎士など拠点防衛の自警団である。
一斉に辞められたらさすがに困るが、ある程度なら問題は無かったりする。
むしろ人件費の削減になるってものだ。
……あ、トリスタンの奴も辞めてる。
つーか、こいつって何時の間に仕官してたんだ?
さて、玉座に座って7年が経過した。
ほとんど丸投げの政務を終えて、何時もの様に鍛錬を繰り返していると姉御が現れた。
『さあ、アルガ王。妖精郷に帰る時が来ました』って、はえーよ姉御。
こういうのって、戦争で致命傷を受けた時にやる事じゃね?
なに、今のブリテン島で貴方に致命傷を負わせる勢力は無い?
フン族の破壊の王をけしかけようとしたけど、断られた?
いったい何をやっているのか、この駄姉は。
つーか、旦那さんはどうすんのよ?
え、結婚してないの? マジで!?
じゃあ、今までなにしてたのさ?
魔術で森に塔を造って一人暮らししてたって、それって完全に魔女じゃないですかやだー!!
ちょっと待て。
もしかして、、俺に縁談が持ち上がる度に相手が変死したのって……。
いや、『ワタシヨ』じゃねーよ。
世界が変わってもピーキーだな、この姉は。
それで、俺を妖精郷に迎えに来たんだっけ?
たしかに俺もこの世界だと三十路だし、そろそろ人生の舵を切らねばならん歳だ。
成り行きで就いた王座だけど、全然向いてないしなぁ。
…………うん、転職するか。
平和だったら、部下の決定に『Yes』『No』いうだけのダメ上司だし、戦争が起こったら起こったで、やってる事は鉄砲玉だ。
こんなマダ王(まるでダメな王様)なんて、辞めても誰も困らんだろう。
後任は……あれだ。
ペリノア王にでも押し付けてやればいいや。
そうと決まれば、湖の乙女を性的に食おうとしていたマーリンをシバキ倒して、手筈を整えさせた。
『王を辞めるのかい!? よかった、これでブリテンにも平和が戻ってくるよ!』
などとほざいたクズを七孔噴血の刑に処した俺は悪くない。
王位を譲ると言ったら脳筋なペリノア王は物凄く嫌そうな顔をしたが、そんな程度では俺は怯まない。
食糧問題を解決したんだから、王様としては十分に役目を果たしただろう。
あとは悠々自適な修行人生を送るんだ。
マントと王冠をポーイとペリノア王たちにパスして、俺はキャメロットのテラスから地上へと飛び降りた。
あとは夢だった世界一周武者修行の旅を───
『逃がさないわよ』
うん、知ってた。
つーか、迎えに来た姉御の格好がウエディングドレスの時点でお察しである。
今回に関しては接点なんか一つも無いはずなんだけどなぁ。
え、聖杯でこっちに飛ばされた俺を追ってきたの?
あ~、そいつは随分と待たせてすまぬ。
お詫びに世界一周旅行にご招待するとしよう。
よく考えたら新婚旅行って行かなかったし、ちょうどいい機会だわ。
というワケで、さらばブリテン。
みんな、後の事は任せたぞよ。