剣狂い転生漫遊記   作:アキ山

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 すまない、今回も本編でござる。

 セミさん、セミさん。

 庭園崩壊したら、貴方のできる事が激減して焦ったんじゃが。

 一歩間違えたらイジメになってしまいそうな戦いでしたが、なんとかなりました。

 ロストベルト3がまたムズイ。

 メインストーリーで石3個も割ったのって、6章以来なんですが。

 韓信と雑魚の群れ、老先生と韓信、ヒナコと項羽で3OUT。

 とりあえず、震脚で無敵貫通するのやめーや……。


剣キチさん一家ルーマニア滞在記(17)

 堕ちた庭園の内部、魔力光による照明が消えた回廊をセイバー・モードレッドと獅子劫界離(ししごうかいり)が駆け抜ける。

 

『そういうワケで現状で脱落したサーヴァントは黒のアーチャー、赤のライダーとランサーとなっているよ』

 

「あのライダー達を倒すとはな。あいつ等もやるじゃねーか」

 

 耳に嵌めたインカムから告げられる情報に、セイバーは獰猛に口元を吊り上げる。

 

 異界とはいえ同じ円卓の騎士、それが大金星を挙げたのはやはり誇らしいのだろう。

 

「ライダーとランサーは赤の陣営にとって戦力の双璧だ。これで残っているのは庭園の主であるアサシンと元ルーラーのシロウ神父のみか」

 

『対してこちらは貴方達に加えて黒のライダーとバーサーカー、それに父上もいる。戦力バランスは大きくこちらに傾いたと言えるだろうね』

 

「つーか、どうしてお前がオペレートしてんだよ、ギャラハッド。母上はどうした?」

 

 先ほどまでの表情はどこへやら、自身の耳元に向けて半眼を向けるセイバー。 

 

 そのどこか不機嫌さを感じさせる声に、声の主であるギャラハッドは分からないように笑みを漏らす。

 

『母上なら兄さん達の治療をしてるよ。思った以上に怪我の具合が酷くて半ばパニックになってるから、当分は僕がオペレーターを務めることになると思う』

 

「まあ、その辺は仕方ないわな。相手は共に大英雄だ、いくら円卓の騎士と言えども無傷で勝とうなんて虫が良すぎるだろうさ」

 

「それより、なんでそんなテンパってるんだよ。母上だって騎士の親なんだろ? 死んだわけでもなし、重傷程度で取り乱してどうするってんだ」

 

『母上は兄さん達を一度失っているからね、過敏になるのは仕方ないよ。今回だって『お父さんと私に任せればいい!』って、兄さん達が参戦するの最後まで反対していたし』

 

「子供に過保護なモルガンとか誰得なんだっつーの」

 

『ウチの家族全員に得だよね。モードレッド姉さんなんかは特に』

 

 明るい声で愚痴に返すギャラハッドに、セイバーは思わずつんのめってしまった。

 

「なんだ、その呼び名は! 誰がテメーの姉だってんだ!?」

 

『違う違う。僕が言ったのはセイバーじゃなくてウチのモードレッドだよ』

 

「紛らわしい……ってっ!? お前、あのチビより年下だったのか!」

 

『そうだよ、姉さんの方が7歳年上』

 

「信じられねえ……」

 

 思わず『不貞隠しの兜(シークレット・オブ・ペディグリー)』越しに頭を押さえるセイバー。

 

 並行世界の自分は、その言動の一から十までまんまガキンチョである。

 

 昨日の夕食の時だって『オムライスが食ーべーたーいー! オムライス! オムラーーイス!!』と駄々をコネまくってモルガンに希望の品を作らせていた。

 

 見ていて悶絶するほど恥ずかしかったが、それも自分と違ってまともな生まれであり、成長する前に妖精郷へと居を移したと考えれば納得もいくと見逃したのだ。

 

 しかしギャラハッドの言葉が事実なら、いい歳こいた大人が子供のフリをしている事に……。

 

『誤解が無いように言っておくけど、姉さんの中身は見た目と同じだよ』

 

「そいつはどういう意味だ?」

 

『姉さんは神と仙人の子だし、時の流れが緩やかな妖精郷で育っている。普通の人とは心身の成長速度は同じじゃないという事さ』

 

「なるほど。確かに不老長生という両親の属性を受け継げば、人間よりも遥かにゆっくりとした速度で成長してもおかしくないか」

 

「じゃあ、お前はどうなんだよ。理由はどうあれチビの成長が遅いなら、年下のお前が大人なのはおかしいだろ?」

 

『僕の場合は生まれてすぐに成熟するよう魔術がかけられていたからね。3歳を迎える頃には肉体年齢は15になっていたんだ』

 

「はぁっ!? なんでそんなけったいな魔術、掛けられてんだよ」

 

『聖杯探索のためだよ。僕の遺伝子提供者の一人、エレイン姫の実家はアリマタヤのヨセフの子孫で代々聖遺物の探索を使命としていた。だから当時最高の騎士と言われたランスロットとの間に子を設けてその先兵としたんだ。成長促進の魔術も自身が存命の内に聖杯を見つけようという、ペレス王の思惑だろうね』

 

 驚くほど淡々と自身の出生を語るギャラハッドに主従は言葉を失った。

 

 特にセイバーは自身の世界で親子関係に悩んでいたギャラハッドを知っているので、生みの親を遺伝子提供者と断じている彼に対して違和感をぬぐえない。

 

「それはまた難儀な事で……」

 

「お前、それでいいのか? ランスロットは一応生みの親だろ?」

 

『僕にとって親は父上と母上だ、顔も見たことがない人間じゃない。不義を行ったうえに兄さんたちを手にかけた男を親だなんて思いたくないし、短命になるのを承知で魔術を掛けた女も同様さ。その点、父上達は修道院に入れられるはずだった僕を引き取って育ててくれたし、成長の魔術を解くためにペレス王の城に単身殴り込みを掛けてくれたからね』

 

「……あの色ボケ、そっちでもやらかしてたのかよ」

 

『セイバーは別の世界の僕を知っているから違和感を感じているみたいだけど、比べないほうがいいよ。ブリテンに奉公していた時も騎士見習いで終わったし、今は立派な農家だからね』

 

「農家ぁっ!?」 

 

『うん。僕が育てたトウモロコシは近所でも評判なんだ。機会があれば君も食べてみるといいよ』

 

「ああ……もういいや」

 

 円卓最高の騎士と言われた男が農業に精を出し、自分の作物を自慢する。

 

 異世界とはいえあまりのギャップに様々な葛藤も吹っ飛んだセイバーは、深い深いため息と共に話を打ち切った。

 

 この聖杯大戦で知り合った並行世界の自分と家族は、自身の常識から外れすぎて何ともケツの座りが悪い。

 

 これがブリテンと同じように自分の事を嫌っているのであれば、ここまで気にはならなかった。

 

 しかし、彼等は母であるモルガンを始めとして兄弟や祖母に至るまで何くれと自分を気に掛け、親しみを込めて接してくるのだ。

 

 道具扱いにされたり蛇蝎の如く嫌われていた記憶がある身からすれば、落ち着かない事この上ない。

 

 ガワが同じだけで中身は別人だとは分かっているが、その位で素直に受け入れられるなら反逆など起こしていないのだ。

 

「だいたいあいつ等能天気すぎんだよ……。家族だけでやってりゃいい激励会にオレ達を呼ぶし……。母上の手料理なんて初めて食ったじゃねーか……」

 

「ああ、あれは美味かったな。まあ、五行膳とかいう適当な栄養補給を終えるまで、体が勝手に食べるのは勘弁してほしかったが」

 

「独り言に返してんじゃねーよ!!」

 

 走りながらもグリンと首をこちらに捻って噛み付いてくるセイバーに、獅子劫は降参の意を示すように両手を上げる。

 

 ずっと嫌われ者生活を送っていた為か、この少女は悪意には滅法慣れてはいても明け透けな善意や好意にはトコトン弱いのだ。

 

 妙な具合に捻くれてしまっている為にぶっきらぼうな対応を取る事が多いが、本人も満更ではないので関係を切る事もない。

 

 この様子では切っ掛けであったトゥリファスの会話が無くても、あの家族と出会っていれば早晩絆されていた事だろう。

 

 さて、そんな酷く生きるのに不器用な相棒と共に進む獅子劫であるが、道中にまったく妨害が無いワケではない。

 

 天から落とされたとはいえど、この場は伝説に名高いバビロンの空中庭園。

 

 毒殺の女帝が持つ虚構の居城だ。

 

 侵入者用の罠は全滅していないし、園を護る兵もまた朽ちたワケではない。

 

 次々に襲い掛かるギミックや魔法生物達を、セイバー主従は抜群のコンビネーションで切り抜けていく。

 

 ある時には落とし穴を人間の脊椎から造り出した硬鞭を壁に引っ掛ける事で回避し、またある時は壁や天井から這い出てくるガーゴイルの群れにアンクル・サム特製の破砕手榴弾を叩き込む。

 

 魔術と現代火器を併用するその戦い方はその手腕は正しく一流。

 

 まっとうな魔術師は鼻を摘まむだろうが、獅子劫は■■■■など目指さない魔術使い。

 

 命の掛った鉄火場では『無駄なプライドなどイヌに食わせろ』と普通に言える人間だ。

 

 そうしてセイバーと共に進撃していく事こと数十分、長々と続いていた回廊はついに終わりを迎えた。

 

 

 ◇

 

 

 虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)の中枢、それにほど近い玉座にて赤のアサシン・セミラミスは侵入者を睨めつけていた。

 

「裏切り者が、よくも我が前に顔を出せたものよな」

 

 優雅さすら感じる仕草でアサシンは眼下にある赤のセイバーへと吐き捨てる。

 

 本来であれば他の赤のサーヴァント同様に己が駒として働くべき者が、自身の庭園に押し入った上に牙を向く。

 

 女帝として一国に君臨していた彼女にとって、それは度し難い事であった。

 

「馬鹿か、お前。裏切り者ってのは仲間だった奴に吐く台詞だろ」

 

 それに対し、セイバーは口元を吊り上げて頭上にある玉座に腰を下ろしたアサシンを嘲る。

 

(しか)り。貴様は赤の陣営として呼び出されたサーヴァント。それ故にそう呼んだのだが、それを違うとほざくか」

 

「ハッ、当然だ! オレとテメエは初めてツラを合わせた時から敵同士なんだよ、カメムシ女!!」

 

 アサシンの説いた道理を一蹴して駆け出すセイバー。

 

 床板を踏み割るほどの脚力を誇る彼の騎士は、身に纏った赤雷の如き速度で瞬く間に玉座の前へと躍り出た。

 

「貰ったぁッ!!」 

 

 手にした愛剣を大上段に構えるセイバーに、アサシンは舌打ちと共に手を上げる。

 

 女帝の脳天に食らい付かんと奔る赤い魔力を帯びた刀身、それは寸前に掲げられた細腕の皮膚に火花を散らして虚空へ泳いでしまう。

 

 シリアの魚神デルケットの血を引く彼女は、受け継いだ黒い神魚の鱗を手甲替わりにセイバーの一撃を受け止めたのだ。

 

「なんだと……ッ!?」

 

(たわ)け!」

 

 思わぬ結果に驚愕の表情のまま動きを止めるセイバーに対して、アサシンは渾身の力で鎧に覆われた腹部を蹴り放った。

 

 靴越しに感じる重い手ごたえに足が少し痺れたが、その甲斐あってセイバーは玉座に続く階段の下へと堕ちていく。

 

 アサシンはこの機を逃さぬ為に即座に魔方陣を展開、毒気を含んだ鉄鎖を呼び出しセイバーへ向けて放つ。

 

 だが、セイバーも伊達に最優と呼ばれているわけではない。

 

「なめんなッ!!」

 

 石段に頭を打つよりも速く手をついて体勢を整えると、追撃してきた鋼の蛇数匹を一薙ぎで切り払ってしまう。

 

 騎士王と相討ち、ブリテンを終わらせた反逆の騎士モードレッド。

 

 その能力は彼のアーサー王に引けは取らない。

 

 鎧に覆われた身から魔力を放出し、迅雷が如き速度で迫るセイバー。

 

「おらっ!!」

 

 それを見て取ったアサシンは、玉座を蹴ることで寸でのところで横薙ぎに振り抜かれた白刃を回避する。

 

 黄金で彩られた豪奢な玉座は無残に砕けたが、アサシンはその破片を隠れ蓑に魔力弾を放って間合いを離そうとする。

 

 だが、それを易々と許すセイバーではない。

 

 クラススキルの対魔力に物を言わせて、紫光の弾幕を突き抜けた彼女はその勢いのままグリーブに覆われた足でアサシンを蹴り飛ばした。

 

「グゥッ!?」

 

 腹部を襲った衝撃に血を吐き零しながら吹き飛ばされるアサシン。

 

 それでも何とか着地すると、再度召喚した鉄鎖を魔力弾に織り交ぜて遠距離戦を試みる。

 

 二重召喚によって暗殺者と魔術師の二つのクラス特性を持つとはいえ、さすがに近接戦闘では彼女はセイバーに遠く及ばない。

 

 そも、彼女は施政者にして支配者である。

 

 その戦場は宮廷の中での舌戦や策謀であり、兵士や騎士が刃を交える鉄火場ではない。

 

 対してセイバーはそういった戦場で名を上げたエキスパートだ。

 

 先ほどの攻防だけでもアサシンは背筋が凍るような思いを何度も体験している。

 

 庭園が健在であれば、無尽蔵の魔力を元手に幻獣や鉄鎖の多重召喚で圧し潰せばいいし、仮に間合いを詰められたとしても空間転移でどうとでもなったのだ。

 

 しかし現状はそれも叶わない。

 

 機能中枢を断たれて地に堕ちた宝具では性能の一割を出せればいいほうで、アサシンへの無尽蔵の魔力供給など夢のまた夢だ。

 

 その悪条件に加えてステータス差なども考慮すれば、己の土俵に引き込まない限りこちらに勝ち目はない。

 

 感情を律して自身の不利すらも冷徹に俯瞰(ふかん)するアサシンに対し、セイバーもまた攻め手を緩めようとしない。

 

 彼女はアサシンのようなタイプに時間を与える事の危険性を熟知しているのだ。

 

 自身が激しやすく短気であることを自覚しているセイバーは、奸計や化かし合いであの手の魔女に勝てるなど露ほども思っていない。

 

 相手に策を弄する時間を許してしまえば、自分等忽ちその蜘蛛の糸に絡め捕られてしまうだろう。

 

 それを防ぐためには思考する余裕を与える事無く、相手に剣を叩き込むしかない。

 

 召喚された鎖と魔力による弾幕を前に、セイバーは臆することなく飛び込んでいく。

 

 魔力放出によって赤雷を纏った彼女は鉄の毒蛇を断ち斬り、紫光の弾丸をかき消して女帝へと迫る。

 

 突進と共に突き出された切っ先を間一髪で躱したアサシンは、状況の(まず)さに思わず歯ぎしりを漏らす。

 

 己の土俵に立った事で冴えを見せるセイバーの剣に対し、アサシンは神魚の鱗を手に纏わせて何とか(しの)ごうと試みる。

 

 だがしかし、必死に食らい付くものの本職の騎士の剣を捌く事は難しく、アサシンの身体には次々に傷が刻まれていく。

 

 庭園に残るなけなしの魔力を用いて玉座の間に魔力感知の結界を張り、さらには天井部に配置した使い魔と視界を同期して疑似天眼とする。

 

 これだけ手を尽くしてもなお、アサシンの技量では致命傷を避けるのが精いっぱいだった。

 

 荒い息を吐きながらも窮した状況の打開策を探すアサシン。

 

 すると彼女の粘りが天に通じたのか、思わぬ形で好機は訪れた。

 

 袈裟斬りの一撃を放った瞬間、セイバーが体勢を崩したのだ。

 

 軌道がブレた刃を紙一重で躱すと、彼女は肉を削られた脇腹からの出血を気にする事なく纏った魚鱗の上に鉄鎖を巻き付けて拳を放った。

 

 起死回生の一撃は金属音と共に腹部に突き立ったが、胴を覆う鎧には傷一つ付けることはできない。

 

 しかしインパクトの瞬間、火花を散らしながら飛び出た鉄鎖はセイバーの体を大きく後方に弾き飛ばした。

 

「クソッ、下らねえ小細工を……ッ!」

 

 舌打ちをしながらも体勢を立て直そうとしたセイバーだったが、次の瞬間全身を襲う脱力感と共に彼女は床に膝を付いてしまう。

 

「な……」

 

 膝立ちの体勢すら維持することが出来ず、愛剣を下敷きに両手をつくセイバー。

 

「───ようやく、仕込みが効いてきたようだな」

 

 そんな彼女の耳に荒い息と共に吐きだされたアサシンの言葉が突き刺さる。

 

「テメェ……ッ! 何…しやがった……ッ!?」

 

 かすれ気味に怒りの声を上げるセイバーを冷たく見下ろすアサシン。

 

 その光景はまさに力尽きた反逆者を(さげす)む権力者の構図だ。

 

「大したことではない。この謁見の間の空気や貴様が無防備で受けていた魔力弾、そして流れ出た我が血の全てに毒を仕込んだまでのこと。────そう、ヒュドラの毒をな」

 

 アサシンが死刑宣告ともいえる言葉を口にした瞬間、モードレッドは全身が内側から燃えるような苦痛に襲われた。

 

「ぐぅ……が……ッ!?」

 

 四つん這いの体勢から地に伏し、自分自身を抱きしめるように身体を縮めるセイバー。

 

 辛うじて剣を手放さず悲鳴も噛み殺せたが、全身を襲う苦痛の為に起き上がることは出来ない。

 

「憶えておくがいい。如何に不利な状況であろうとそれを覆して勝利を齎す一手と成す、それが智謀というモノだ。尤も貴様のような狂犬には理解できんだろうがな」

  

 アサシンは侮蔑を多分に含んだ言葉を投げかけるが、セイバーは応じることが出来ない。

 

 身の内を焼く毒の苦痛に意識の大半をむしり取られているのだ。

 

「無様に泣き叫ぶと思えば、つくづく可愛げのない。───まあよいわ。本来ならこのまま毒の苦痛で悶死させるところだが、この庭園に潜り込んだネズミは貴様だけではない。故に慈悲をくれてやる」

 

 そう女帝が裁定を下すと、彼女の使い魔である鉄鎖がセイバーを囲う様に鎌首を擡げる。 

 

 それと同じ頃、セイバーは身の内で燃え盛っていた苦痛が徐々にその勢いを弱めているのを感じていた。

 

 まるで毒に身体が慣れるような、そんな奇妙な感覚。

 

 意識を向けてみると、先ほどまで痙攣(けいれん)するだけで動かなかった手足にもこちらの意思が通るようになっている。

 

 もう少しで動けるようになるという確信を掴んだものの、自身の周りで渦巻く殺気がその時間が与えられない事を雄弁に語っている。

 

(畜生、ここまでか……)

 

 反逆の徒には似つかわしくない諦めの感情に目を閉じた次の瞬間、聴く者を腹の底から振るわせるような大音響の銃声が鳴り響いた。

 

 突然の事にセイバーが目を開けると、自身を貪るはずの鉄鎖は砕かれて床に転がっていた。

 

(セイバー、聞こえるか?)

 

 驚愕に頭がついて行かない中、セイバーの脳内に獅子劫の声が響く。

 

(マスター!? 今までなにしてたんだよ!)

 

(すまん、秘密兵器の調整に手間取ってたんだ。それよりもセイバー、お前さん動けるか?)

 

(こっちの状況は掴んでるんだな?)

 

(あの女帝が声高らかに言ってたからな。で、どうなんだ?)

 

(一応は動けそうだが、本調子とはいかねぇ。正面からあのカメムシ女に一太刀浴びせるのはキツいな)

 

(なら、そのまま死んだふりで少しでも回復に努めてくれ。あの女はこっちで引き付ける)

 

「ふん、ネズミがまだ残っていたか」

 

 アサシンが向けた視線の先、玉座の間と回廊をつなぐ入り口にはセイバーのマスターである獅子劫界離が立っていた。

 

「悪いな女帝様。こいつは俺の相棒でね、簡単にやらせるわけにはいかんのさ」

 

「それでどうするつもりだ? よもや、その玩具で我に抗うなどとは言うまいな?」

 

 獅子劫が手にしているFN社製アサルトライフル『F-2000』の銃口を前にして嘲笑を浮かべるアサシン。

 

 英霊たるサーヴァントには通常火器は通じない、これは魔術界では常識である。 

 

 最新鋭の火器を手にした獅子劫も、アサシンにしてみれば銀玉鉄砲を向けてくる子供ほどの脅威もないのだ。

 

「生憎だが、そのまさかだよ!!」

 

 だが、そんな女帝の余裕を前にしてもなお、獅子劫は指に掛かった引き金を引いてみせた。

 

 軽快な銃声とマズルフラッシュを伴って吐き出される5.56mm NATO弾。

 

 それは警戒する素振りも見せないアサシンに襲い掛かると、身に纏った黒のドレスを食い破って柔らかな腹にその牙を突き立てた。

 

「な…にぃ……ッ!?」

 

 着弾の衝撃で二、三歩後へと下がりながら、アサシンはくぐもった声を絞り出す。

 

 サーヴァントが身に纏っている物はただの衣服ではなく、魔力で編まれた一級の礼装だ。

 

 一見何の防御力も持たないドレスでも下手な鎧など及びもしない程の防御力が秘められている。

 

 アサシンを驚嘆せしめたのは、そんな礼装を容易く貫通する威力。

 

 そして何より───

 

「なんの神秘も纏っていないはずの鉄クズがサーヴァントに干渉しただと!?」

 

「こいつはある筋から仕入れた特別製なんでなッ!!」

 

「小癪な真似を!!」

 

 怒りのままに召喚した鉄鎖を(けしか)けるアサシン。

 

 身をくねらせ襲い来る鋼の毒蛇を横っ飛びで躱した獅子劫は、三点バーストでさらに弾丸の放ちながらも背後に隠し持っていたものを投げ放つ。

 

 宙を舞うのは外れたピンのようなパーツを残して回転する缶のような物、その数二つ。

 

 一つはセイバーの倒れている付近に落ちると空気の抜ける音と共に濛々(もうもう)と白い煙を吐き出し、もう一つは弾丸と共にアサシンの張った魔力障壁に跳ね返されると同時に強烈な炸裂音と閃光を撒き散らした。

 

「ぐぁッ! おのれぇ!?」

 

 突然の事に反応が間に合わず、目の辺りを押さえながら怨嗟の声を上げるアサシン。

 

 視覚と聴覚に加えて使い魔の視界、さらには部屋全体に張り巡らされた魔力探知まで一瞬で殺された事に戦慄した彼女は、自分の周囲に鉄鎖を召喚して無差別に振り回す。

 

 そんなアサシンをサングラス越しに見据えながら、獅子劫は天井から落ちてくる鳩の群れの中でもう一つの切り札を切る。

 

(令呪を()って命ずる───)

 

 肉声ではなく念話によって発せられた絶対命令に、獅子劫の手の甲に刻まれた痣から赤い魔力が立ち上る。

 

 そしてそれに一瞬遅れて、肉を断つ音が響き渡った。

 

 灼け付くような痛みに目を見開いたアサシンがゆっくりと視界を下げると、そこには自身の胸の谷間から突き出た血塗られた切っ先が映っている。

 

「馬鹿…な………ッ!?」

 

 女帝の言葉は次いで出た血塊に遮られ、同時に背後から突き立てられていた剣が乱暴に引き抜かれた。

 

 よろめきながらも急速に萎えゆく足で踏ん張った彼女の前には、展開した兜の奥にある顔を喀血と血涙の跡で汚しながらも自身を睨みつける反逆の騎士の姿がある。 

 

「終わりだ、アサシン」

 

 愛剣を突き付けながら冷徹に言い放つセイバー。

 

 彼女の言葉通り、心臓の霊核を貫かれたアサシンは間もなく現界を留める事も出来なくなるだろう。

 

 敗北の屈辱や相手の策に嵌った自身の不明への怒りが渦巻く中であっても、為政者であった彼女の頭脳は冷徹にそう判断を下した。

 

 愛する男の理想の世界が見れない事、そしてその世界に王として君臨するという己が願いが潰える事は無念に思う。

 

 しかし、アッシリアの女帝はこのまま膝を屈する事を良しとしなかった。

 

「終わりだと……? 虚けが。心臓を潰したくらいで我を殺ったつもりか!」

 

 体内で瞬時に調合した毒で痛覚をマヒさせたアサシンは、血塗られた唇を傲慢に釣り上げると最後の賭けに出た。

 

 自身を中心に展開した魔法陣、彼女の宝具『驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)』による神獣召喚のものだ。

 

 本来は庭園の無尽蔵な魔力のバックアップがあって初めて成立する召喚式。

 

 彼女は崩壊を始めた己が身体を薪としてくべる事で強引に起動させたのだ。

 

「我はアッシリアの女帝セミラミス! 座して敗北を認めるなぞするものか!! この身が滅びるなら、貴様等も道連れよ!!」

 

 光の粒子へと還っていく中、高らかと笑うアサシン。

 

 その背後には多頭の神蛇がゆっくりとその顔を表し始めている。

 

「往生際が悪ぃんだよ、クソ女。マスター、令呪を切ってくれ」

 

 逆巻く魔力の奔流を前に、セイバーは獅子劫へと声を放つ。

 

 それを聞いた騎士の主は即座に頷くと絶対命令権が刻まれた手を掲げて口を開く。

 

「令呪を以って命ずる! セイバー、宝具でその化け物を吹き飛ばせ!!」

 

 言葉が無くとも以心伝心で伝わる意思。

 

 光を伴って令呪がその一画を消すと、セイバーの身体から真紅の魔力が立ち上る。

 

「へっ、そんじゃあ蹂躙するか!!」

 

 言葉と共に己が眼前に剣を掲げる反逆の騎士。

 

「我は王に(あら)ず、その後ろを歩む者」

 

 同時に剣の(つば)飾りが下にスライドし、主の魔力が赤雷となって刀身へと流れ込んでいく。

 

「彼の王の安らぎの為に、あらゆる敵を駆逐する!」

 

 蓄積された魔力は刀身に沿うように上へと昇り、それは謁見の間を突き破る程に強大な紅い魔力の剣へとその姿を変える。

 

「『我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)』ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 裂帛の気合と共にセイバーが剣を振り下ろすと、巨剣は爆発的な魔力流となって魔法陣を飲み込んだ。

 

 アサシンがその身と引き換えに形成した陣であったが、神獣召喚にリソースの多くを取られた状態では令呪のバックアップを受けたセイバーの宝具に耐える術はない。

 

 轟音と共に進む紅い魔力流は中枢である玉座から庭園の外部まで貫き、空へとその姿を消した。  

 

 宝具の展開が終了したあと、津波のような魔力が通った跡には魔法陣を始めとして何一つ残ってはいなかった。

 

「オレの勝ちだ。文句ねえな、クソ女」

 

 消滅したアサシンにそう言葉を残すと、セイバーは魔力の残滓が残る剣を肩に預けてマスターの下へ足を向ける。

 

「よう、お疲れさん」

 

 荒れ放題になった玉座の間の出口で、獅子劫は咥えた煙草から紫煙を(くゆ)らせながらセイバーを迎えた。

 

「ああ、マスターもな」

 

 シガレットケースから煙草を一本受け取って火をつけると、セイバーは肺に取り込んだ煙と共に深々と息を付く。

 

「しかし、とんでもない女だったな」

 

「ああ。性根も性格もありえねぇほどねじ曲がった最悪の女だ」

 

「アサシンのくせに接近戦でお前さんをハメるとは思わなかった。煮ても焼いても食えないってのは、ああいう手合いを言うんだろうな」

  

「うっせーよ。……そういや、マスターだって色々と仕込みしてたみたいじゃねえか」

 

「何のことだ?」

 

「あの銃とか煙幕とかの事だよ。そろそろ種明かししろよ」

 

 急かすセイバーに獅子劫は少しの間視線を宙に彷徨わせると、自身の後頭部を乱暴に掻き毟りながら口を開いた。

 

「ありゃあ、出かけにお前さんのお袋さんから手渡されたんだよ。モードレッドをお願いしますってな」

 

「母上が?」

 

「激励会の時、あのアサシンを狙う事を匂わせてただろ。それをしっかり憶えてた彼女は夜中の内に色々と用意してたみたいなんだわ」

 

「じゃあ、銃が奴に効いたのは」

 

「弾丸があのとんでもロボと同じ技術で造られてるからだな。なんでも妖精郷に出てくる幻想種を追い払う時に使う対魔獣用強装弾なんだと」

 

「じゃあ、煙幕とかもそうなのか?」

 

「スモークグレネードはそうだ。なんでも魔力による探査を阻害する物質が含まれてたらしい。あとフラッシュバンは俺の自前だよ」

 

「ちょっと待て。あの光が出る奴は魔術的措置を受けてないのにアサシンに効いたってのか?」

 

「そりゃ効くだろ。お前さん達だって目で物を見て耳で音を聞いてるんだから」

 

「あん? 説明するならもう少しわかりやすく話せよ」

 

「いいか。いくら英霊の身体が魔力で構成されてるって言っても、生前を模して造られてる以上は基本的に人間と大差ない。当然、過剰な光を見れば目が眩むし、爆音を聞けば耳鳴りで使い物にならなくなる。あれはそういう生理現象を利用して相手を無力化する兵器なんだよ」

 

 獅子劫の解説に、セイバーは思わず感嘆の声を上げる。

 

「へー、意外と考えてるじゃねえか。現代の科学も馬鹿にできねぇな」

 

「兵器は人類の歴史と共に進化してきたもんだからな。医学が発展して人体の構造が分れば、その弱点を突く形のモノが出てくるのは当たり前だ。ああ、それと俺達がヒュドラの毒から生きて帰って来たのもお袋さんのお蔭だからな」

 

「マジかよ、全然憶えねーんだけど」

 

「激励会の時、五行膳とかいうの喰ったろ」

 

「ああ、あの体が勝手に飯を食うけったいな料理か。あんなもん作るなんて、世界が変わっても魔女は魔女って事だよな」

 

「あの料理の中に血清が入ってたんだよ。経口摂取で抗体ができるように魔術処理されたな」

 

「おいおい……」

 

「旦那と戦った時にバシュムなんて化け物呼び出したから、言及していたヒュドラも使ってくると読んでたんだろうな。万が一、浴びてもいいようにって家族全員に摂取させてたんだとさ」

 

「あの人、どんだけカメムシ女の手の内読んでたんだよ」

 

「奴さんの虎の子だった空中庭園を精査したようだから、必要な情報はケツの毛まで毟ってたんだろ。現に俺に例の銃器を渡した時も『魔術師は腕が上がれば上がる程現代科学を軽視するから、初手はほぼ間違いなく当たる』って言ってたし」

 

 『くわばらくわばら、敵には絶対廻したくねぇ』と呟いた後、獅子劫は壁から預けていた背中を引き剥がした。

 

「さて、これからどうする。残る赤の陣営は例の神父一人だが、そっちもマトにするのか?」

 

「───止めとく。むこうは競争率高いから、毒が抜けきってない身体で行っても仕方ねぇ」

 

「なら引き上げるか。裏切り者の腹心の首を上げたんだ、魔術協会からの依頼としては十分だろ」

 

「そんじゃ、こっからはマスターはOFFってことか?」

 

「ああ。そういうワケだから現界が解かれるまでの間、行きたい所があったら付き合ってやるぞ」

 

「マジか!」

 

「ま、その前に今夜は祝勝会だ。報酬もたんまり有る事だし、言ってた通り高いワインをたらふく飲ませてやるからな」

 

「太っ腹だな、マスター! いやぁ、アンタに召喚されてよかったぜ!!」

 

 快活な声と共に玉座の間を後にするセイバー主従。

 

 その軽い足取りからは激戦の疲れはまるで見受けられなかった。 




 剣キチ石召喚をする。

剣キチ「俺も召喚をしてくれと?」

ロマン「聞いた話だと君も過去にマスター経験があるそうだし、立香ちゃんの負担を軽減する為にもマスターが可能ならやってほしいんだよ」

剣キチ「普通に戦った方が早いと思うんだが、まあいいや。そういう事情なら挑戦しましょう」

ダヴィンチ「ほら、呼符5枚だよ。これは月初めにマナプリズムで交換できるものだから、遠慮なく使ってくれ」

剣キチ「了解だ」

ぐだ子「私の札ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

マシュ「先輩、落ち着いてください!!」

剣キチ「立香ちゃんがこれ以上ないくらいに絶望の表情を浮かべているんだが……」

ロマン「あっちの事は気にしなくていいから、始めてくれるかな?」

剣キチ「はいな。まずは札をマシュちゃんの盾の上に置いて」

ダヴィンチ「あとは詠唱をするだけだね」

剣キチ「あんな長ったらしい呪文憶えてられません。というワケで出てこーい!」

ロマン「ちょッ!?」

???「へっ、俺を引き当てるなんてついてるな。俺はバーサーカーの樟賈(ジャン・ジャ)ボ───」

剣キチ「紫電掌ッ!!」

???「ぎゃああああああああっ!?」

ぐだ子「えぇ!? 剣キチさん、今誰か出てきましたよね!」

剣キチ「気のせい、気のせい。仮に出て来たとしても、娼館の用心棒なんて英雄になるわけない。☆0に決まってるって」

ぐだ子「ある意味レアだけど、ならよし!」

マシュ「いいのかなぁ……」

剣キチ「というわけで二回目」

???「アサシンのクラスで現界した。私の名はサイスマスターだ」

ロマン「サイスマスター?」

ダヴィンチ「う~ん、聞いた事ないなぁ」

剣キチ「ところで、特技は?」

サイス「美少女を調教して、自分好みの暗殺者に仕立て上げ───」

剣キチ「アウトォォォォォォッ!!」

サイス「ギャァァァァァァスっ!?」

ぐだ子「またしても抹殺!?」

剣キチ「カルデアの風評関係上、還っていただきました」

ダヴィンチ「完全に真っ二つだったね」

剣キチ「めげずに次ッ」

???「ウォルフガング・フォン・ナハツェーラーだ。私を呼ぶとは運がいい」

ダヴィンチ「ちょっと待った! 彼、死徒だよ!!」

剣キチ「死徒?」

ロマン「吸血鬼のことだよ!!」

剣キチ「今回もゴミか! 見よう見まねのエクスカリバー・ガラティーン!!」

ナハ 「た、太陽……!? ああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

マシュ「え……今のってどうやったんですか?」

剣キチ「勁と一緒に燐を燃やすのだ」

ダヴィンチ「絶対無理だからマネしないように」

剣キチ「さすがのくじ運にヘコミそうだが、希望を信じてもう一回」

ぐだ子「金枠キターー!!」

マシュ「おめでとうございます! これは高レベルサーヴァントが期待できますよ!!」

剣キチ「おお……」

???「このような術式で余を呼び出すとはおもしろい。我が名はマスター・テリ───」

剣キチ「……ッ!? 緊急パージ!!」

ロマン「あ、召喚途中なのにパスがッッ!?」

ぐだ子「せっかくの金鯖を……貴様ぁっ!!」

剣キチ「絶対に呼ぶなと、貧乏探偵のゴーストがね……」

ダヴィンチ「おかしいなぁ。さっきの召喚、キャスターとビーストでクラスがグルグル回ってるんだけど」

ロマン「ビーストォッ!? あっぶねぇ……」

剣キチ「さて、ラストチャンスです」

マシュ「ここまで普通なのがでないと、逆に恐ろしいですね……」

ロマン「普通に考えたら円卓関係が現れるんだけどなぁ……」

剣キチ「というわけで、ホイ」

ぐだ子「また金枠だとぅっ!?」

マシュ「今度はセイバーですよ!!」

ダヴィンチ「ついに円卓関係が!!」

???「俺を呼び出すとは、余程の愚か者がいるようだ。我が名は劉豪軍、セイバーのクラスで現界した。マスターは───ほう、貴様42か」

剣キチ「(ニッコリ)」

マシュ「け…剣キチさん……どうして悪鬼スマイルを……」

剣キチ「ヒャッハー! リベンジだーーーーー!!」

豪軍 「いいだろう! 今一度貴様を瑞麗の贄にしてくれる!!」

ロマン「ちょっ……!?」

ダヴィンチ「召喚スペースで暴れるな! マシュ、立香ちゃん退避ーーー!?」

マシュ(この後、20分に及ぶ死闘の末に謎のセイバーは倒され事態は決着を見ました。あと、これ以降剣キチさんによる召喚は厳禁とされたのはいうまでもありません)

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