今回はそんな悲しみのおりに降ってわいたネタをお届けします。
本編はもう少しお待ちを。
ジナコに呼符9枚と石120個貢いだんだぜ……。
しかもまだ足りないんだとさ。
クッ、あのガネーシャ像がみんな悪いんだ!!
一発ネタ『Fate/Zeroで言峰にアゾられたのがケチャ臣だったら』
照明を落とした遠坂邸の執務室に布を裂く音が響いた。
アサシンを失った綺礼に送った感謝と卒業の証であるアゾット剣、それが時臣の背中を深く抉ったのだ。
弟子に裏切られた時臣が浮かべるであろう絶望の表情を想像して剣を突き出した綺礼。
しかし肉を貫いたにしてはあまりに軽い感触に、思わず眉を顰める。
彼が浮かべた疑問の答え、それは間を置く事なく訪れた。
ふわり、と剣を握った手に圧し掛かる布の感触。
それに改めて目を向けてみると、なんと綺礼の刃に貫かれていたのはワインレッドのスーツだけだったのだ。
「
耳朶を打つ声に視線を向ければ腰ミノ一丁を身に纏い、立てた右の人差し指の先に炎を宿す時臣の姿が。
「さらばだ、綺礼! チャアァッ!!」
気合一閃。
時臣の指から放たれた炎は一瞬の内に大蛇を形作り、不埒な弟子の身体を飲み込んだ。
しかし───
「
背後からの声に時臣が振り返ると、そこにはカソックを脱ぎ捨てた黒のノースリーブにスラックス姿の綺礼が腕を組んでいた。
「日頃から泰山の麻婆で鍛えた私に炎は通じん。───
部屋中の床タイルを隆起させるほどの震脚から放たれた剛拳は狙い違わずに時臣の脊椎に突き刺さる。
だが撃ち終わった拳が貫いていたのは、生暖かい使用済みの腰ミノだけだった。
「That’s my after image! 残像だったが、少し痛かったぞ」
先ほどと同じく少し離れた場所で人差し指をチッチッチと揺らす時臣。
しかし、師へと振り返る綺礼に動揺は無い。
「時臣師、破れたり」
「なに?」
巌流島で小次郎に相対した武蔵のように、吊り上がった口角から敗北宣言を放つ綺礼。
突然の弟子のセリフに時臣の顔がわずかに強張る。
「私にすら気付かせることのない変わり身はたしかに見事だ。だが、今の貴方に己の代わりに差し出す衣服があるかな?」
この時、時臣に電流走る。
綺礼の言う通り、今の彼は一糸まとわぬネイキッド。
先ほどまでのように身代わりにするモノはなにもない。
いや、あるにはあるが黒の靴下では『That’s my after image!(イケボ)』は不可能だ。
自身の窮状に冷や汗一つが頬を伝うが、時臣はすぐさま不敵な笑みを自身の顔に張り付ける。
「この私をここまで追い詰めるとは……。どうやら、君は私のすべてを尽くさねばならない相手のようだ」
そう言うと時臣は頭の後ろで両手を組み、無駄に滑らかな仕草で腰をクィッと捻り上げた。
かのマリリン・モンローに匹敵するかのような艶めかしい腰付きに盛大に顔を
しかし、そんなことはお構いなしに時臣は自身の視線をゆっくりと下に下げる。
それに釣られるかのように目線をスライドさせた綺礼は、次の瞬間には戦慄する事となる。
「なん……だと……?」
思わず驚愕の呟きを漏らす元弟子に、時臣は貼り付けていた笑みを深くする。
綺礼が驚くのも無理はない。
視線の先では時臣の『トキオミ』が雄々しくその体を奮い起たせているのだから。
己が命運が風前の灯火でありながら、なおも隆々とそびえ立つ穢れたバベルの塔。
それは男なら誰しもが感心せざるを得ない代物であった。
「では行くぞ、綺礼!」
そんな心の間隙を縫うように一足で間合いを詰める時臣。
綺礼が咄嗟にガードを固めたものの、予測されていた痛みが襲い掛かる事は無い。
不思議に思ってガードの間から相手の様子を覗き見た綺礼は、またしても予想外の光景に遭遇することになる。
「ヘイッ!!(スパンッ! スパンッ!)」
時臣が振るう魅惑の腰付きによって振り回された『トキオミ』が、少し垂れ気味の腹や下腹部、太ももに当たる度に小気味よい音を立てる。
それはまさに『チ●ポ打楽器』
(なんだ、これは? この行動になんの意味がある!?)
綺礼、混乱。
自身の刻むビートにテンションが上がったのか、華麗なステップと腰付きで硬直してしまった綺礼の周りを回りだす時臣。
奏者のテンションに合わせて、唸りを上げる逸物。
その音と行動にさらに混迷を深める綺礼。
遠坂家の執務室で繰り広げられているのは、まさにカオスとしか表現しようのない光景であった。
しかし、その狂乱は唐突に終わりを告げた。
勢いを失わぬ魔羅が何度目かのビートを刻んだ瞬間、
「助けてお巡りさ~ん! 怪しい神父に殺されるぅ~!!」
恥も外聞も虚空の彼方のぶん投げた命乞いと共に、踵を返した時臣が出口に向かって全力疾走したからだ。
青天の霹靂がごとき逃亡劇に脳の理解が追い付かない綺礼であったが、彼とて伊達に代行者を経験していない。
地上の出入り口へと続く階段を上る音を耳にすると、弾かれたように時臣を追い始めた。
『普段は優雅云々とか言っといて、その命乞いはないだろう!?』とか『だれが怪しい神父だ! 一度鏡を見てみろ!』とか。
ツッコミたい事は山ほどあった。
しかし、それも全ては相手を捕まえてからの話である。
スタートダッシュで付けられた差を埋めるべく必死になって足を動かす綺礼。
しかし、悲しいかな。
遠坂邸を飛び出した彼が目にしたのは、腰にタオルを巻いて警察官に促されながらパトカーに乗り込む時臣の姿だった。
「公権力に捕まる事で私の手から逃れるとは……やるな、時臣師」
元代行者とはいえ、こうなっては手出しをするのは至難の業だ。
魔術師だろうと聖堂協会だろうと、国家権力に喧嘩を売るなど下策も下策。
迂闊な真似をして警察に目を付けられでもしたら、聖杯戦争にも己の今後にも大きな影響が出てしまう。
パトライトが暗闇に消えるのを確認した後、執務室に戻った綺礼は植栽の中からあるモノを取り出した。
それは最新式のコンパクトビデオカメラ。
残されるであろう葵や凛の為に、時臣の死の瞬間を記録しようという綺礼なりの心遣いからの代物だ。
「散々コケにされたが、それなりの収穫はあった。あの奇行、凛が見たらどう思うかな?」
心底尊敬していたはずの父に絶望する少女の顔を思い浮かべる事で留飲を下げた綺礼は、別室で笑い死にしかかっていたAUOを回収して教会へと戻るのだった。
そして10年後。
黒の聖杯と化した桜を救い出し、掛け替えの無い犠牲と引き換えに大聖杯を破壊した士郎が戻ってきてしばしの時が経った。
肌を刺すような寒さも和らぎ、春の足音が聞こえるようになった時分、衛宮邸で過ごす遠坂凛に小包が届く。
差出人は第五次聖杯戦争が荒れた黒幕の一人である言峰綺礼。
大聖杯と共に終焉を迎えた男が今更何をと警戒を露に封を解けば、中に入っていた物は一本のビデオテープ。
魔術師は文明の利器と相性が悪いのも相まって、普段の彼女なら問答無用でゴミ箱行きだっただろう。
しかし、貼り付けられたラベルがその手を止めた。
『遠坂時臣 最後の時』
表題に思わず息を呑む凛。
幼い頃、母親から父は聖杯戦争で命を落としたと聞いていた。
その時の母の口調が汚物を吐き捨てるようなモノだったのは気にかかるが、なんの願いも持たない凛が聖杯戦争に参加したのは、父の無念を晴らすというのも理由の一つだったのだ。
妹である桜を呼び、士郎の助けを借りてテープを再生する凛。
父の死の真相を知ろうと固唾を呑む少女の前で繰り広げられた真実は────
『ヘイッ!!(スパンッ! スパンッ!)』
この日、遠坂の名を継ぐ者はこの世からいなくなったという。
◇
剣キチさん、乙女ゲーリベンジ
師匠 『剣キチよ、貴様に話がある』
剣キチ『誰かと思えばおっぱいタイツ師匠。また手合わせしろって言いに来たのか?』
師匠 『今回は別件だ。貴様、以前ゲームで儂を貶めた事があるだろう』
剣キチ『うん? そんなことあったっけ』
師匠 『オッキーという引き籠りの妖怪が動画を見せてくれたぞ』
剣キチ『……ああ。あの乙女ゲーの時の話か』
師匠 『貴様にも覚えがあるという事は有罪決定だな。剣を取れ、我が名を侮辱した事は万死に値する』
剣キチ『落ち着け、おっぱいタイツ。貴様は間違っている』
師匠 『……なに?』
剣キチ『あの時の俺達にお前を貶める意図があったわけじゃない。最適と思われる行動をとった結果、お前のような女が生まれただけだ』
師匠 『それはどういう事だ?』
剣キチ『動画の中で、俺が息子達と選択肢の話をしてただろ』
師匠 『む……儂は最後まであの動画とやらを見ておらんのだ』
剣キチ『せっかちな奴め。例えば、だ。お前が婚約者と共に戦場に出ていたとしよう』
師匠 『ふむ。で、その婚約者とやらは強いのか?』
剣キチ『だいたいローマ兵レベルだ』
師匠 『なんだ、雑魚ではないか』
赤暴君『余の
剣キチ『面倒臭い事になるから、その辺は置いとけ。でだ、こちらの勝利が確定的になった後、そいつはお前を口説き始めるんだ』
師匠 『確定的という事は、敵勢力を殲滅した訳ではないのだな』
剣キチ『もちろん、残党はその辺にチラホラいるぞ』
師匠 『阿呆なのか、そいつは』
剣キチ『同感だがツッコミは後にしてくれ。で、話している途中で婚約者の後ろから槍兵が襲い掛かってきた。───お前ならどうする?』
師匠 『敵に向けてその阿呆を蹴りだす。儂の伴侶になる気なら、その程度の窮地など自力で何とかできねば話にならん』
剣キチ『俺が動画で選んだ選択肢と全く同じだ。後でオッキー女史に確認してみろ』
師匠 『むむ……いいや、まだ納得がいかん! 己が無実を証明したいのなら、儂の目の前で乙女ゲーとやらをやってみるがいい!!』
剣キチ『なんてメンドクサイ奴だ。……仕方ない。ガレスからリベンジしろとゲームが送られてきてたし、それをやってみるか』
◇
ニート『というワケで、兄上の依頼によって私達が解説することになりました』
オッキー『おっぱいタイツ師匠と剣キチさんって、前のイケメン四人組よりヤバい組み合わせじゃない?』
ニート『年末恒例の『笑ってはいけないシリーズ』のジ●ーちゃん並みにヤバいと思います』
オッキー『存分に腹筋を鍛えろという事ですね、わかります』
剣キチ『今回のゲームだが、説明書によると架空の大陸にある八つの国を統一する事が目的となるそうだ』
師匠 『大陸統一か。なかなかに壮大な野望ではないか』
剣キチ『主人公の少女は【白の国】の巫女姫。この国は代々神を鎮める巫を輩出を使命としており、完全平和主義を掲げて国際間の調停しているらしい』
師匠 『完全平和主義か。夢想にも程があるな』
剣キチ『その辺はゲーム特有のご都合主義だと納得しとけ。それで大陸中央には各国共同で運営している学校があり、八国各々の次代を担う者達はそこで教育を受けている。その学校がゲームの舞台で、白を除く七国の王位継承者が攻略対象というワケだ』
オッキー『ねえ、アルちゃん』
ニート『なんですか、オッキー?』
オッキー『これって【乙女ゲー界のフロム・ソフトウェア】って言われてるメーカーが出した、超絶鬼畜難易度のゲームじゃない?』
ニート『ああ、たしかFate本編並みにバッドエンドがある極悪ゲーでしたっけ』
オッキー『初心者が手を出す代物じゃないよね、絶対』
ニート『大惨事の予感しかしない』
師匠 『成程、理解したぞ。つまり、在学中にそいつ等の首を取る事が目的になるのだな』
剣キチ『その通り、と言いたいところだが残念ながら違う。その中の一人、もしくは全員のハートを射止めて恋仲になる事が目的だ』
師匠 『…………色仕掛けによる篭絡?』
剣キチ『ふむ。言われてみれば、まんまハニートラップだな』
師匠 『ならば堕とすのは有用な人材に絞るべきか』
剣キチ『色恋が絡むと人間関係は途端に面倒臭くなる。無能な輩は排除するに越したことは無いだろう』
オッキー『姫も乙女ゲー歴長いけど、攻略をハニトラ扱いした人初めて見るわー』
ニート『恋愛=ハニトラとか、あの二人はどれだけ心が荒んでいるのでしょうか?』
オッキー『というか、剣キチさんって奥さんいるのに、なんであんな認識なんだろ?』
ニート『オッキー。姉上が兄上を堕とすまでには、常識では考えられない苦難の道があったのですよ』
オッキー『ああうん。姫、あえて聞かない事にする。真っ黒けな予感しかしないし』
ニート『それが賢明です』
剣キチ『まずはキャラメイクだな。名前はもちろんスカサハ、と』
師匠 『ゲームとはいえ、儂の分身が生まれるというのは感慨深いものだな』
剣キチ『次は能力値の配分か。どう割り振る?』
師匠 『舞台は乱世、そして我が分身は一国を統べる女王となるべき者なのだろう。ならば、武力と智謀を兼ね備えねばなるまい』
剣キチ『容姿や美的センスは?』
師匠 『戯け。そんな物は強くなれば後から付いてくるわ』
剣キチ『了解。武力と知力に全振り……と』
ニート『おっぱいタイツ師匠は早速やらかしてますね。流石は姉上から最も色恋から縁遠いと言われるだけあります』
オッキー『乙女ゲーで美的パラにポイントゼロとかあり得ないんですけど~』
剣キチ『見るがいい! 立派なバーバリアンが誕生したぞ!!』
師匠 『なんという禍々しさ! これこそ戦士よ!!』
オッキー『ちょっwww 世紀末モヒカンwww』
ニート『パラメーターが容姿に火の玉ストレートすぎるwww』
剣キチ『初期値が定まったところで早速ゲーム開始だ。入学までの猶予期間である程度自分を磨けるようだな』
師匠 『ふむ……。剣キチよ、これの能力限界値は幾つなのだ?』
剣キチ『メーターが三ケタしかないから999だろ、多分』
師匠 『150ではまだ未熟ということか。ならば、智と武をさらに鍛えねばなるまい』
剣キチ『知力と武力な。休日はどうする?』
師匠 『至らぬ身に休みなどあるものか。入学まで全て鍛錬だ』
オッキー『うわ、スパルタ。てゆーか、このゲームってスタミナが無くなったら大怪我するんじゃなかったっけ』
ニート『ホントですね。バッドエンドに訓練中の負傷で再起不能とか死亡があります』
オッキー『やっぱり。まあ、仕方ないよね。二人とも乙女ゲー初心者だろうし』
ニート『でも、プレイヤーは常識外れの二人です。ワンチャンあるかもしれませんよ?』
剣キチ『おっぱいタイツよ、訓練中に負傷してしまったぞ。部下が休むように言ってきているな』
師匠 『休むな。むしろ鍛錬量を増やせ』
剣キチ『ほう?』
師匠 『人間の身体には超回復というものがある。死の淵まで己を追い込む事で身体に眠る潜在能力を引き出す、それこそがケルト戦士の真髄よ』
剣キチ『なるほど、深いな。そういう考えならば、俺も乗ろうではないか』
師匠 『うむ』
オッキー『あーあ、死亡フラグにも程があるわ』
ニート『さすがにこれはダメですね……』
剣キチ『うおっ、ホントに死にかけから超回復したぞ。パラメーターが三倍に増えた』
師匠 『言った通りであろう。儂の勇者育成法に間違いはない』
剣キチ『スゴイね、人体』
オッキー『……うそぉ』
ニート『死にかけから超強化とかどこの野菜人ですか。こんな裏技、普通にやってたら絶対に気づきませんよ』
剣キチ『モラトリアムの一か月で2回超回復したんで、入学までに武力がカンストが間に合った』
師匠 『智謀の方はそれほど伸びなんだな。300程度ではやはり不安が残るか』
ニート『オッキー、入学時のパラで300ってどうなんですか?』
オッキー『普通はあり得ない。キャラメイクで一つのパラに極振りしたら、猶予期間だとその他を強化するもん。それ以前に一か月休みなしで強化したら、普通はバッドエンド逝きだって』
ニート『あの二人がゲーム内ですら、頭がおかしいという事ですね』
剣キチ『攻略対象たちは自分の部下を取り巻きに持ってるんだな。───あ、さっそく絡まれた』
師匠 『相手は黄の国か。入学式早々に首を上げる機会に恵まれるとは幸先がいい』
ニート『攻略サイトの情報だと、ここは非暴力で平和の大切さを訴えるとありますね』
オッキー『前提条件で容姿と美的センスが100以上ないとダメみたいだけど、スカサハって……』
ニート『あの世紀末モヒカンにそんなもんがあるように見えますか? オールゼロですよ』
オッキー『あ、絶対無理だわ』
剣キチ『お、選択肢だ。1.やめてください、暴力は何も生みません! 2.キャッ、酷いことしないで!! 3.おい、こいつから殺していいのか? さて、どれを選ぶ?』
師匠 『聞くまでもあるまい、3だ』
オッキー『3.の選択肢が完全に世紀末www。つーか、平和主義を謳う国の巫女姫って設定はどこにwww』
ニート『そんな設定は時空の彼方に消え去ったのでは? むしろ、あのナリだと1か2のほうがあり得ないでしょう』
剣キチ『案の定、戦闘開始か。おぉ! なんかいきなり格ゲーになったぞ』
師匠 『こういうのなら儂の得意分野だ。貸せ、剣キチ』
ニート『3D画像で2D格ゲーしてますね』
オッキー『ストⅣとか最近のKOFと同じだね。つーか、おっぱいタイツ師匠つよっ!』
ニート『ここでもパラがモロに反映されてますね。槍一発で体力ゲージが三分の一消し飛びましたよ』
オッキー『いや、ラスボスじゃないんだから』
師匠 『うむ、勝った。取り巻きも含めて全滅だ』
剣キチ『血飛沫バリバリだったな。あ、なんか【FINISH HIM】って出てるぞ』
オッキー『【FINISH HIM】って、えぇっ!?』
ニート『公式サイトに書いてますよ、オッキー。このゲーム、モーコンとコラボしてるらしいです』
オッキー『乙女ゲーとモーコンって、悪魔合体どころの騒ぎじゃねー!!』
師匠 『ふむ、下にコマンドも出ているな。入力してみるか、そらっ!』
剣キチ『うおっ!? 槍で心臓抉り取ったうえに上半身バラバラにしおった!!』
【HEROINE WON】
【FATALITY】
スカサハ『バァァオオッッ!!』
オッキー『ちょ、ヒロインの勝利ポーズwww』
ニート『雄叫びがめっちゃオス臭いwww』
【攻略対象が死亡しました】
剣キチ『ふむ。おっぱいタイツよ、このゲームの目的を理解しているかな?』
師匠 『勿論だとも、攻略対象のココロをゲットするのだろう。今まさにやったではないか』
剣キチ『誰が物理的にハートキャッチしろと。正味の話、攻略対象を色仕掛けで堕とすのが目的なんだから、抹殺したら拙いのでは?』
師匠 『気にするな。初日も乗り越えられぬ腑抜けなど利用する価値も無い。この学校は8つの国が互いに相食む戦場、こ奴の迂闊さでは遅かれ早かれこうなるのが定めよ』
剣キチ『たしかに。入学初日から他の国とドンパチしようってのは脇が甘いわな。動くにしても、せめて1月は他の勢力についての情報を集めねーと』
オッキー『考え方が殺伐すぎる………』
ニート『これって恋愛じゃなくて、戦略シミュレーションの思考ですよね』
◇
剣キチ『もうすぐ二か月が経とうとしているけど、攻略対象と全く会わないな』
師匠 『こちらの命を狙う刺客なら朝昼晩と顔を見せるのだがな』
剣キチ『まあ、初日で黄の国を堕としたからな、警戒されるのも仕方ないか』
師匠 『いつ色仕掛けをしてもいいように容姿に掛ける時間を増やしたのに、これでは宝の持ち腐れだな』
オッキー『いやいやいやいや………』
ニート『世紀末モヒカンがメスゴリラに進化した程度では、色仕掛けなんて夢のまた夢ですから』
師匠 『なんにせよ現状を打破せねばな。このままでは話が進まん』
剣キチ『ふむ、なら打開策を探してこよう』
師匠 『任せた』
ニート『おや、兄上がどこかに行きましたね』
オッキー『攻略サイトでも見に行ったのかな?』
剣キチ『いま戻った』
師匠 『遅かったな』
剣キチ『助っ人の選定に難航したんだ。なかなか今回の助けになる人材がいなくてな』
師匠 『助っ人だと?』
剣キチ『日本には3人寄らば文殊の知恵と言う諺がある。これは凡人でも三人集まれば仏のような知恵が生み出せるという意味だ。これに倣って、状況打破の為にもう一人の知恵を借りるべきと判断したのだ』
師匠 『なるほど。して、助っ人というのは?』
剣キチ『この方だ。───どうぞ!』
神祖『
師匠 『神祖ロムルス! なんと頼もしい……』
ニート『\(^o^)/オワタ』
オッキー『/(^o^)\ナンテコッタイ』
次回 ローマVS乙女ゲー(続かない)