間に中休みも挟みましたが、こっから徐々にブリテンの斜陽が始まります。
私の腕で書けるかどうか……
頑張るしかない。
三度目人生記(34年4ヶ月23日目)
近々、アルトリアが結婚するらしい。
相手はカメリアド王(現在はカメリアド領の領主)レオデグランスの娘、ギネヴィア。
そう、娘である。
話を聞くと選定の剣を抜いた時からの付き合いだそうな。
『お前、同性愛の気でもあるのか?』と恐る恐る
アルトリア
彼女との関係もさることながら、レオデグランス領主はブリテン屈指の有力諸侯だ。
必要な宮廷貴族や諸侯の手綱を握る為にも、彼の後ろ盾が必要なのだという。
なるほど、理屈はわかった。
こちらの懸念事項である『アルトリアが女である事』について、知っているのかと尋ねると『結婚初夜に話す』と返ってきた。
初夜……顔の無い女……。
うっ、頭が……ッ!?
……ゴホンッ。
俺のトラウマを抉るパワーワードはともかくとして、それは大丈夫なのか?
当たり前だが、この世界はまだまだ男性主権の社会である。
例外的に女王もいない事は無いが、それとて長年積み重ねてきた王朝の威信と緊急措置という対面で成り立っている事が多い。
再興間も無いブリテンでは、アルトリアが性別を偽って王座に就いていた事が露見すれば、支配体制は一気に瓦解する可能性が高い。
いくら十年近い付き合いとはいえ、彼女がその事を暴露しない保証は無いのだ。
男性の王という体面を整える為とはいえ、あまりにもリスクが高すぎるのではないだろうか。
こちらの懸念事項を口にすると、その辺はアルトリアも認識しているようで『何とか説得する。もしダメなら認識阻害の魔術をマーリンに掛けてもらって男と誤認させる』と言っていた。
マーリンは夢魔の混血という出自もあって、人を騙くらかす幻術系魔術を大の得意としている。
外道な手段だが、奴に任せれば最悪の事態は避けられるだろう。
この件に関してはレオデグランス領主も乗り気らしく、今更変更・中止はできそうに無いそうだ。
となれば、こちらが気を揉んでも仕方が無い。
俺達にできるのは、こうやって愚痴を聞いたり悩みの相談に乗ってあげることくらいだ。
アルトリアの秘密については姉御も目を光らせると言っているし、無事に乗り切れるように祈っておこう。
三度目人生記(34年6ヶ月25日目)
今日はアルトリアの結婚式があった。
キャメロットと名を改め、ブリテンの王城となったヴォーティガーン陛下の城のテラスに立つ、若き王と王妃の姿。
国の新たな門出として十二分に絵になる光景だ。
件のギネヴィアだが、姿を見る限りこの世界には珍しい眼鏡を掛けた穏やかそうな女性だった。
アルトリアとの仲も良さそうだし、今夜は強硬手段に出るような事にならなければよいが。
それとブリテン近衛騎士団は、キャメロットに置かれた円卓にちなんで円卓の騎士と名を変えた。
なんでもこの円卓はキャメロットの中枢を担うと同時に、英雄達の絆を繋ぐという宝なのだという。
ガウェインとガヘリスも名を連ねている事だし、騎士の役目を終えるその時が来るまで、みんな仲良くしてもらいたいものである。
余談だが、今回の結婚式は近隣諸侯を招待した事もあって、旧ブリテンの臣下が多かった。
お蔭で姉御に挨拶をするお偉いさんの多いこと。
彼等の話では、姉御がロット王の城を辞したのは『性格の不一致によって王から
あと、あれから病も快復したロット王は領土の農村から綺麗な後妻を見初め、彼女とよろしくやっているらしい。
もう六十近いジジイなのにまだお盛んとは……。
思わず絶句してしまったが、彼が幸せなのはいいことだと思い直した。
是非ともこのまま暮らしていってほしい。
追記
ギネヴィアはアルトリアの秘密を守ることを約束してくれた。
姉御的には、例のギアススクロールを使って契約したかったようだが、現状では難しいだろう。
当のアルトリアが信じたのだから、こちらも彼女を信じる事にしよう。
三度目人生記(34年8ヶ月3日目)
さて、久々に剣の事を書こう。
随分前に習得した『六塵散魂無縫剣』だが、今は13刺突、全て音速超えに成功している。
着実に進化はしているのだが、攻撃が突きだけというのは
そう、一回目の生のおり、漫画で見た斬撃の型九種を一瞬で叩き込むという技、あれを『六塵散魂無縫剣』に取り入れられないだろうか。
というワケで実験開始。
結果は出来ないワケではないが、直線である刺突と違って曲線を描く斬撃では攻撃の合間にタイムラグが出る事が判明。
音速超えも6発と散々だった。
原因は刺突と違って斬撃は体重移動が必要となるからだろう。
ならば、軽功術を交えて格闘ゲームで言うところの乱舞技にしてみてはどうだろうか?
やってみた結果、見ていたアグラヴェインはあんぐりと口を開けていた。
曰く『父上の身体が四つにブレたと思ったら、巻き藁が細切れになった』との事。
軽功術が効きすぎて、某兄弟子の分身が出てしまったらしい。
というか、これって軽功を使った超高速の
……
なるほど、とりあえずはそっち方面で攻めてみるか。
三度目人生記(35年9ヶ月16日目)
この頃、ブリテンにはマリッジブームの風が吹いているらしい。
なんと、我が長男のガウェインが嫁を連れてきた。
お相手の名前はラグネル。
たしかに美人さんなのだが、14~5歳くらいに見える容姿+異様にデカイ胸というビジュアルに、息子の業の深さを垣間見た気がする。
『ラグネルは私の嫁っ!!』と鼻息荒く力説するガウェインに、宿業を断たねばならんかと考えたが何とか思いとどまった。
あれだ。
男は誰でも一つ、他人に理解できない聖域があるのだ。
俺とて親であると同時に一人の男、そこに踏み込むのは無粋というものだろう。
興奮で鼻の穴を
彼女に『本当にウチの息子でいいのか?』と問えば、頬を染めながらコクリと頷く。
姉御が出した『ガウェインの何処が気に入ったのか』と言う問いには、『優しいところ』という答えが返ってきた。
月並みな答えだが、いざ息子が言われてみると嬉しいものだ。
その後、ガウェインがうっかり口を滑らせた為に、出会いの切欠が『アルトリアから、呪いによって老いた醜女になったラグネルちゃんと結婚する命令を受けた』という事実が判明。
下手人は政務が終った後に呼び出され、俺、姉御、お袋さんのコンボで怒られる事になった。
頭に三重たんこぶをこさえて、泣きながら謝るアルトリアを見て唖然とするラグネルちゃん。
『王様の時は立派だけど、おうちのアルトリア姉さまはこんなだよ?』とフォローするガレスが印象的でした。
さて、明日から式や披露宴の準備で忙しくなるなぁ。
三度目人生記(36年9ヶ月8日目)
苦節二年。
ついに『六塵散魂無縫剣』の進化型が形になった。
手数は10に減ったが斬撃全てが音速を超えるうえに、どの技から始動しても全て繋がるという優れもの。
内家の技なので、刀は『意』すなわち『何かを行おうとする意思』に先んじて放たれるし、内勁をしっかり込めれば因果律の破断も可能だ。
速度を重視する為に軽功術を全開で使うので、どうやっても残像分身が4つ出てしまうのと、
とはいえ、内家の拳や氣の可能性は奥が深い。
さらに修練を積めば、更なる技術や技が身につくことだろう。
うん、今は音速だが、いつかは光速剣も不可能では無いかもしれない。
いや、世界のどこかにはその領域に辿りついている者がいるかも知れない。
ここは慢心せずに己の未熟さを恥じ入って、更なる鍛錬を誓おうではないか。
天狗になってはいけない。
人生、これ修行なのである。
三度目人生記(37年6ヶ月14日目)
本日、三男アグラヴェインの就職が決まりました。
勤務先はキャメロットの軍政課。
内外での交渉によって、胃のダメージが限界を超えたケイ君の補助が主な業務内容だそうです。
ちなみにこれ、前の休日にアルトリアが土下座で頼んできました。
現在のブリテンは、その成り立ちもあって文官というモノが殆どいない。
武官でやれそうな奴が文官の真似事をして廻しているが、現状では文官もどきが決定した事柄に不満があったら、決闘で可否を決めるという脳筋丸出しの制度も
聞きしに勝るダメ具合に俺も姉御も頭を抱えてしまった。
お袋さん? 彼女はガレスと一緒にモードレッドのお世話です。
そんな内情の為、姉御とお袋さんに内政の英才教育を施され、俺から剣術の手解きを受けたアグラヴェインが欲しいそうな。
正直、これには俺も答えを渋った。
アルトリアが語る現状では、アグラヴェインに掛かる負担がキツ過ぎる。
そもそも、ウチの三男は人の上に立つ職業は向いていない。
何故なら、この子は物事の効率を重視するあまり、自身に向く負担やマイナスイメージを軽視するきらいがあるからだ。
だからこそ、現状のブリテンのような場所に送り出すと、途中で潰れてしまいかねない。
アルトリアには悪いけど今回の件は断ろうと思ったのだが、それを止めたのはアグラヴェイン本人だった。
あの子はアルトリアの目の下にクマがべったり付いた顔を見て、『叔母上が困っているなら助けたい。仕事が大変だとしても、叔母上が倒れてしまうよりはいい』と言った。
感動のあまりアグラヴェインに抱きついて、おいおいと泣くアルトリア。
容姿の事もあって、どっちが年上か分からん絵面だった。
俺達としても、そこまで言われては止める事はできない。
一日8時間勤務の厳守と、休みの日はアルトリアと実家に帰る事を条件に送り出したワケだが。
……心配だ。
マジに心配だ。
三度目人生記(38年7ヶ月11日目)
剣術指南役になって結構経つが、円卓の騎士の中でも付き合いが濃いのはランスロットだろう。
剣士であることに加えて赤ん坊の時の一件や、湖の乙女という共通の知り合いがいるためか、随分とこちらを
指南の後は無理だが、書類仕事や何らかの応援に行った際には、チョコチョコ飲みに連れて行ったりもしているのだ。
この辺は前世で世話になった元の兄貴達の真似なんだが、少しは上手くやれているだろうか。
あいつは大人数で行くよりも俺とサシで飲みに行く事を好むので、奴の本音というか裏の顔を見る機会がよくある。
というか、あいつって酒が入ると色んな事をカミングアウトしながら、俺に愚痴るんだよ。
やれ『最高の騎士の称号が重い』だの、『自分はそんなに立派な人間じゃない。王やみんなの期待がツラい』だの。
その度にこちらも愚痴に合槌を打ったり、アドバイスをしたり、悩みを一緒に考えるわけだ。
結果として俺に妙に
まあ、前世の武林(中国における武術界の事)では兄弟子なんかとは兄弟同然の付き合いだったし、裏社会には侠客気取りも多かったから義兄弟の契りも珍しくなかった。
そういう事情もあって、こっちもあっさりと兄貴呼びを受け入れたわけだ。
奴は湖の乙女に育てられたから、男親というか男の年長者を知らない。
母親の様に甘えるのではなく、全幅の信頼を持って頼れる相手というのは初体験だったらしい。
いや、俺的にはお前の信頼が重いわ。
で、今日もいつもの調子で飲んでいたわけだが、酔いが回ってきたあいつは泣きながら『助けてください、兄上』というワケだ。
あまりのインパクトに酔いも吹っ飛んだので経緯を聞いてみると、どうもハメられた臭い。
ランスロットの話では、任務の帰りに蛮族に襲われている馬車を見つけたのが事の始まり。
いつもの騎士道精神で助けたところ、助けたお嬢様に一目惚れされたと。
ここまではこいつのテンプレな。
ランスロットには付き合っている恋人がいるのでお嬢様を振ったわけだが、このお嬢様の執念深さはハンパなかった。
なんとこいつの恋人を調べ上げて魔術で当人に変装した挙句、ランスロットに薬を盛って致したらしい。
…………あれ、物凄く親近感がわくよ?
主にトラウマ的な意味で。
そして数日前に現れたお嬢様は、男の赤ん坊をこいつに見せて『貴方の子よ』と微笑んだそうな。
『それって満面の笑みなのに、周りに黒いオーラが見えたろ?』って聞いたら、ランスロットの奴メッチャ頷いてた。
普通ならばこんな
自国の宮廷魔術師直筆のサインが入った物を無視するわけにもいかず、こいつは後日お嬢様の家に挨拶に向かう事になったらしい。
マーリンが妙なサイドビジネスやってるのは置いとくとして、とりあえず相手が誰かを聞いてみた。
そのイタい女の名は、カーボネック王の娘であるエレイン姫。
…………姉御の友達である。
その名を聞いた時、驚きよりも納得が先に来た。
だって、手口が似てるんだもん、姉御と。
たしか、魔術も姉御から習ってたしなぁ。
姉御の知り合いである事を暴露すると、ランスロットは
曰く『モルガン様はあんなに若々しいのに、なんで私の方はオバハンなのか』とのこと。
結構余裕あるな、こいつ。
そういえば、人妻好きのマザコンっていう業の深い人間だったわ。
酔い潰れたランスロットを兵舎にぶち込んだあと、家で姉御に確認したところ、『やった
この様子からすると、エレイン姫の行動は計画的犯行である事は間違いなさそうだ。
さて、この一件どうしたものか。
弟分がガチに助けを求めてきてる事を思えば見捨てたくはないが、すでに子供がいるという時点で分が悪すぎる。
とはいえ、好きでも無い女と所帯を持つのはしんどいし、なにより身に覚えの無い子供を認知するのはとてもキツい。
というか、これって俺の場合より強烈だぞ。
俺の場合は恋愛感情はなくても家族愛があったし(今は異性としても愛してるぞ)、子供達にしても育児にばっちり参加してたから愛情あったもん。
対して、ランスロットは何も無い0の状態スタートだからな。
これでは認知や結婚とか無理だわ。
状況は最悪、交渉しても勝ちの目は限りなく薄い。
だとしても、手を
まずは姉御に援護を頼もう。
魔術によって騙された事が立証されていれば、同意での交渉であったという事実が崩れる。
あとはマーリンとアルトリアの耳にも入れとくか。
ブリテンに飲み込まれて属国になったとはいえ、相手は一国のお姫様だ。
国際問題であることには変わりない。
後は男の子の養育に関する問題もある。
父親の様子から認知は無いだろうし、そうなれば母親も育児放棄する可能性が高い。
むこうの王様が育てるって可能性もあるが、それもかなり薄いと見たほうがいい。
……最悪、ウチで引き取る事になるかもな。
後書きオマケ
ゆるゆる第五次聖杯戦争
剣キチさんの第五次聖杯戦争
沈静
えみやん「なんとか思いとどまってくれたか」
青王 「姉上が情に訴えまくったのと、キャスター達が約束の事を持ち出したからですね」
剣キチ 「無念……」
モル子 「ばかばかばか!! 妖精卿にはモーちゃんと犬姫もいるのよ!?」
青兄貴 「いや、事の元凶はお前じゃねえか」
モル子 「うるさいわね!? 愛しい人との思い出を残しておこうと思って何が悪いのよ!!」
剣キチ 「愛がイタすぎる……」
若奥様 「まったく……。残すにしても、思い出の種類を選びなさいな」
クズッキ「奥方。男には譲れぬ誇りというものがある。あの写真は、貴方のご主人にとって万死に値する恥辱なのだ」
モル子 「ガーン!? はじめての思い出が……」
青兄貴 「はじめてだから、だろ」
青王 「シロー。男の人は無理やり抱かれるのは嫌なものなのですか?」
えみやん「それって、男女共通だとおもうぞ」
剣キチ 「……姉御、大丈夫だ。俺はもう気にしていない」
モル子 「剣キチ……」
若奥様 「そんな生まれたての小鹿みたいな足で言われてもねぇ……」
剣キチ 「……むっ、殺気!」
えみやん「なんだあれ!? 流星がどんどん近づいてきてる!」
???? 「ベルレ───」
剣キチ 「一切両断!」
青兄貴 「マジか!? 宝具までぶった切りやがった!!」
新客
メーちん「酷い目に遭いました」
ワカメ 「お前なぁ! ボクはいったん様子を見ようって言っただろうが!!」
メーちん「いえ、あの場は宝具で一気に蹴散らすのが最善かと思いまして」
ワカメ 「ぶった切られたじゃないか!?」
メーちん「大丈夫です。斬られたのは魔力のみ、私のペガサスは───」
剣キチ 「ふむ、ついに羽が生えた馬を手に入れた。お前は松風12世だ」
青王 「ずるいです、兄上! この子はラムレイ3号で!」
若奥様 「馬鹿ね、私とソーイチロー様のハネムーン号よ!」
モル子 「羽をむしって素材に……」
メーちん「私のペガサスぅぅぅぅぅっ!!?
挨拶
えみやん「お前は……ワカメ!!」
ワカメ 「せめてシンジって言えよ!!」
青王 「アサシンのカードを貰って調子に乗ってるところをボコボコにされそうな小物ですね。知り合いですか、シロー?」
えみやん「えっと…………と、友達?」
ワカメ 「なんで疑問系なんだよ!? 中学からの付き合いだろうが!!」
メーちん「さすがはワカメ。自称人気者のボッチなだけはあります」
ワカメ 「馬取られて泣いた奴に言われたくない!!」
剣キチ 「ワカメ君、だったか」
ワカメ 「シンジだよ!!」
剣キチ 「君の名前は置いといて「置くなっ!?」君たちは何をしにここへ?」
メーちん「もちろん、貴方達を倒して聖杯戦争に勝利する───」
青王 「ハイヨー!」
モル子 「ハイヨー!」
ペガサス「めるめるめー!」
メーちん「やめてやめて、私の仔に乗らないで……」
青王 「ケチー」
モル子 「ケチー」
メーちん「この仔は引きこもりだから、一人以上は乗れないんです」
剣キチ 「馬で引き篭もりとは、これいかに」
青兄貴 「で、ここで殺りあうのか、ライダー?」
メーちん「……これ以上いるとペガサスがいぢめられるので、帰ります」
ワカメ 「ホントお前なにしに来たんだよ!?」
メーちん「うるさいです、もずく。大人しくしないと、その鬱陶しい髪の毛をめかぶに変えますよ」
ワカメ 「ボクはマスターだぞ!!」
メーちん「マスター(笑)」
ワカメ 「@*+#%$&!?」
青兄貴 「ひでぇ罵詈雑言だな。なに言ってんのかわかんねえや」
メーちん「では、失礼。次に会う時までには、動物愛護の精神を身につけてください」
騎士
若奥様 「なんだったのかしら?」
クズッキ「君達、動物虐待はいけない」
青王 「ごめんなさい」
モル子 「うぐぅ……。この剣キチに似た雰囲気、逆らえないわ。ごめんちゃい」
剣キチ 「似てますかね?」
若奥様 「なんて言えばいいかしら……。こう、泰然とした雰囲気がね」
青兄貴 「なんつうか、シケたな。俺も帰るか」
若奥様 「なにしに来たのよ、貴方。剣キチにぶった切られただけじゃない」
青兄貴 「うっせーよ!?」
剣キチ 「ふむ、貴方とはちゃんと勝負したいですね」
青兄貴 「俺もそう願いたいが、ウチのクソマスターは根性がひん曲がっててね。どんな汚い手を使うか、分かったもんじゃねー」
若奥様 「あら、だったら契約解除する? 私がマスターになってあげるわよ」
青兄貴 「お断りだ。これでも騎士の端くれだ、二度三度と宗旨替えなんてできるかよ」
剣キチ 「腹ペコ、騎士ってそんな忠義深かったっけ?」
青王 「……ベティヴィエールは」
モル子「暴言吐いて消えたコミュ障の糸目や下半身の騎士に聞かせたい台詞ね」
お帰り
剣キチ 「腹ペコ達はどうするのかね?」
えみやん「俺達も───」
青王 「シロー……(涙)」
えみやん「もう少し残るよ」
クズッキ「なら泊まっていきなさい。彼らも積もる話があるだろう」
若奥様 「ソーイチロー様!?」
クズッキ「キャスター。家族の再会なのだ、このくらいの気は利かせてやろう」
若奥様 「ソーイチロー様がそう仰るなら」
剣キチ 「感謝します、クズッキさん」
クズッキ「私も居候の身。感謝なら住職にするといい」
若奥様 「待ってください、ソーイチロー様ぁ!?」
剣キチ 「気を使わせてしまったか」
モル子 「いいじゃないの。久しぶりに腹ペコと一緒に寝たいわ」
青王 「私もです、姉上」
剣キチ 「ふむ、男同士の語り合いと行くか。」
えみやん「はは……お手柔らかに」