本命はアキレウスやケイローンなどのApo未実装鯖ですが、エレちゃんも欲しいなぁ。村正のおじいちゃんは流石にまだでしょうね。ピックアップ終わりが楽しみです。
あ、休みの日なので2日連続投稿です。
ハズレを引いてしまったな、とアサシンは心の中だけで思った。
「ひひひ…!おいあそこに愚図どもがいるぞアサシン!」
目の前でそのように自身に語りかけるのは、アサシンのマスター。確か、名を介旅初矢と言ったか。
どういう因果は知らないが、この陰湿そうなマスターに呼ばれてしまったのは、アサシンとしても不本意極まりない。
「おい、何ノロノロ動いてるんだ!早くあいつらを痛めつけてこい!」
その呼びかけに言葉では応えず、ただ行動で示すアサシン。
介旅が指した人物とは、一人の学生を寄ってたかっていじめている3人の不良だった。
彼らは無能力者でスキルアウトと呼ばれる武装集団のほんの一角だった。スキルアウトと言っても一口には言えず、様々な人種がいるが、彼らは低能力者を路地裏に連れ込み、カツアゲやストレス発散などをする所謂褒められる側ではない人間だった。今捕まっているのもおそらく学校帰りの学生だろう。
「おいおい僕ー。大人しく金だけ出しときゃ、こんな目に合わなくても済んだかもしれないのによー」
「一応聞いといてやるよ。
「レ、
「はい、残ねーん!どっちにしろ食い物にする俺たちなのでしたッ!」
「ぐっ!」
…醜いな。
顔や腹へ容赦なく蹴りを入れる3人に対して、アサシンは隠すことなくそう思った。
だが、同時に。
心の中でそう呟いた時、既にアサシンの行動は始まっていた。
ズサン‼︎ と手に持つ槍で、容赦なく下卑た笑い声をあげる1人の男の背中を切り裂いた。
「ひっ…!?」
そう声を上げたのは、残る2人の内どちらだったか。しかし、その判断が付かぬまま彼らも蹂躙される。
「……」
十数秒後。
そこには血まみれで倒れ伏す3人の姿があった。
「ふん。やればできるじゃないか」
気味の悪い笑みを浮かべながら、アサシンに近づく介旅。
彼は数ヶ月前、
半ば諦めかけていた介旅はつい2週間前にその動画を発見した。『英霊召喚』と題されたその動画は、どう見ても胡散臭く介旅自身も思わず眉をひそめた。
魔法陣の書き方や召喚の口上などは凝ってはいたが、いかんせん科学が発展したこの街では、眉唾物に等しく、陣の中心に現れた人物も合成か何かだろうと思っていた。
重要だったのは、その後。
関連ページに上がっていた
その動画はページの下に隠されるように上がっており、よく見なければわからないものだったが、介旅は発見し、そして見た。
謎の男が様々な相手を完膚なきまでに倒し、降し、蹂躙するその動画。倒錯した美しさすら感じる破壊の動画に介旅は惹きつけられた。
普通の人ならば、一笑に付すだろう。
何処かの掲示板に上がれば、叩かれることだろう。
本気にする奴はまずいないだろう。
貪欲に力を求めていた男には、例え眉唾だろうと試してみる価値はあった。そもそも、幻想御手という都市伝説相当の代物に手を出していた時点であまり躊躇いはなかったのだろう。
そして、手に入れた。自身のサーヴァント・アサシンを。
アサシンは寡黙な人物だったが、最低限の情報を聞き出し、介旅は理解した。
『聖杯戦争』というものを。
(僕が勝つ…勝って力のある奴らを皆殺しにする!そうすれば、もう僕に敵う奴はいなくなる!このアサシンを使って僕がこの街の玉座に君臨するのさ!)
野心と呼ぶにはあまりに自分勝手な、それでいて確かなものを掲げる介旅。
「おい、お前!」
「あ?」
そう呼びかけられ視線を向けると、そこには先ほどまでやられていた男がいた。
てっきりやり過ぎだとでも言うのだろうと思っていた介旅は、不快そうな眼を向ける。
「遅ぇんだよ助けに入んのが!」
「…あぁ?」
だがそいつの口から出た言葉は、酷く自分本意なものだった。
さっさと助けにこい、お前が遅いから服がボロボロだ、賠償金を払え、など喚くその男を見て介旅はこう思った。
(なんだこいつ。自分勝手な奴だな)
自身のことを棚に上げ、心の中でそう呟く介旅。
そもそも介旅がアサシンをけしかけた理由は、決して善意からなどではない。かつて自身を虐げていた者たちとこいつらが被ったからであって、彼は人助けなどする気にはなかった。結果的にそうなってしまっただけである。
(面倒くさいな。ん、そういえばこいつ…)
未だ喚く男に見逃す気すら失せてきた介旅。そこで思い出す。確かこいつ
「ははっ、何だよそうかよそうだったなぁ!じゃあ見逃す理由なんてないじゃないか!」
「あぁ…?何言ってるんだお前?」
「つまりさぁ…
「……!?」
介旅の発言の真意に気づいたのか、命乞いをし出す男。けれど、介旅はその喚きにすら興味を示さず。
「アサシン、やれ」
ただ一言そう命じた。
悲壮な顔を浮かべている男に見向きもせず、踵を返す。
これでいい。自分よりもレベルの高い目の上のたんこぶに相応しい結果だ。適当にボコボコにすれば、次出会ったとしても関わることもないだろう。それが小悪党・介旅初矢の考えだった。
一方で、男の態度に腹は立っていたらしく、八つ当たり気味に地面に倒れている不良の1人を蹴る。
「?」
蹴りを入れた介旅は、その抵抗力のなさに違和感を覚えた。意識を失ってるだけの転がり方ではない。
そう、まるで。
物言わぬ死体でも蹴ったかのような感触だった。
「おい、アサシ…」
アサシンに問いを投げるため、背後を振り向いた介旅はその光景を見た。
ズブリ と、紙に穴でも空けるかのような気軽さで男の体をアサシンの武具が貫いているのを。
「…!?」
どう見ても即死だった。
絶句する介旅を横目に、アサシンはその視線を意に介さず武具を抜き取る。
「…如何した
ここで初めて。
アサシンは言葉を発した。
「お、お前!僕はここまでしろなんていっ、言ってないぞ‼︎ほんの少し痛めつける程度で十分だったんだ!」
「これは可笑しなことを申すな?逆賊を見逃す理由などないだろうに」
「なっ…!?」
「恐怖での支配、それは大層なことだが人を選ばなければ。優秀な臣下になるならいざ知らず、このような凡俗など生かしておく意味など無いだろう」
「…!」
介旅はアサシンを召喚してから、2週間まともなコミュニケーションなどはとっていなかった。アサシン自身が多くを語らなかったのもあるが、命令通りに動く彼を介旅自身は自分の手駒のように思っていた。
そんな扱いからここに至り初めて気づいた、このサーヴァントの異常性に。
「う、うるさい!もう行くぞ!」
アサシンという男の危険性を漸く正しく認識したうえで、その恐怖を隠すように大声をあげ、その場から逃げるように小走りに歩く。
(所詮、この程度の男か)
アサシンはそんなマスターの胸中を見抜いた上でそう評した。
介旅初矢は気づかない。
先ほど凡俗と評した者の中に自身も含まれているということに。
(いかんな、このクラスで現界した影響かどうもこの感情に引っ張られる)
だが、アサシンはその感情を理解し、その上で動く。
殺戮は極上の快楽なり。
愚鈍な奴、無能な奴は生きるに能わず。
そして。
(裏切りこそが我が本懐。その時まで道化でいてくれよ、我が
これが、今回の聖杯戦争におけるアサシン陣営。
既に崩壊が定められた、裏切りと波乱の陣営である。
◇◆◇◆◇◆
「ありがとうトウマ。わざわざ付き合ってくれて」
「いやいや構わねーよ。セイバーも目的のもの買えたみたいだし、俺もそれは良かったよ」
時間は経ち、夕方の6時。
ショッピングモールでの買い物を終えた上条とセイバーは人通りが少なくなった街並みの中で帰路についていた。
どうやら学園都市に来たばかりらしいセイバーに上条は買い物の付き合いだけでなく、スーパーの特売の時間やら洋服店のセールタイムなどもお節介気味に教えていた。
結果として帰宅の時間が遅くなってしまったのである。
(流石に男2人で女の子の服を買いに店に入った時は白い目で見られたけどな)
そこの場面では、お縄になってもおかしくない状況だったが、セイバーの爽やかオーラでどうにか事なきを得た。
「でも、本当に良かったのか?集めた金ほとんど使ってまで高い服とかまで買っちゃって」
「あぁ、俺自身の欲はこのギターがあれば十分だし、
必要ない、という言い回しに若干首を捻った上条だったが、無頓着という事だろうと納得した。
「それにしても、随分妹思いなんだな」
「…不自由な暮らしをしていたらしいからな。その為になることはなんでもしてやりたいんだよ」
らしい、ということは最近まで一緒に暮らしてなかったのだろうか。気になったが、会ったばかりの人間に対して気分良く話せるものでもないと判断した上条はその言葉を飲み込んだ。
「でも、こんな甲斐甲斐しく世話してくれる兄貴がいるって幸せな妹さんだな」
一瞬隣に住むにゃーにゃーサングラスが頭をよぎったが、あれはノーカンにしておいた。爽やか王子様系と一歩間違えれば変態のやつを同じ括りにしてはいけない。
更に人通りが少なくなった道で、2人並んで歩く上条とセイバー。上条としては思ったことを口に出しただけなのだが、セイバーは複雑そうな顔をしていた。
「ど、どうした?上条さんなんか地雷踏んじゃったでせうか?」
「いや、トウマのせいじゃないよ。
わざと理解させないように難解に喋っているような台詞だった。
疑問を覚える上条だったが、セイバーの方はもう切り替えたらしくこちらを向いてこんなことを言ってきた。
「今日は本当に助かったよトウマ。また機会があれば会おう」
「おう、セイバーも元気でな」
当の本人のセイバーが元気に振舞っている為、上条も踏み込まず別れの言葉を口にする。そして、
「…!」
「…?どうしたセイバー?」
握手をした瞬間、セイバーの目が開かれ、手を離す。そして、上条の方を見つめ問いかける。
「トウマ、君の右手は…」
「あーいたー!」
唐突に。
上条とセイバー、2人の間に割り込むように小さな少女が現れた。
「なんだ…?」
「君は…!」
上条は疑問符を浮かべ、セイバーはその顔を驚愕に染める。少女の方は上条の方に向き合い、話しかけてきた。
「もう!今は下校時間は過ぎてるのになんでまだこんなとこ歩いてるのよ」
「?えーと上条さんはあなた様のようなちびっ子は知りませんことよ?」
「うん、初対面だし」
上条の視線を意に介さず、その右手を物珍しそうに見る少女。
「この右手で触ってもサーヴァントは消えないんだねー。聖杯から現界の為に供給された魔力が多すぎるからかな?25mプールにめいいっぱい溜め込んだ水をコップでせっせと掬う感じ?」
「何言って…」
「でも私には触らないでよね!サーヴァントの方は消えなくても、マスターは触っちゃったら令呪のパスが消えちゃうかもだし」
ほとんど独り言のように喋る少女に、疑問が加速していく。
そんな2人を見てセイバーは。
「トウマ、急いで彼女から、いや此処から離れろ!」
切羽詰まったその声で上条は気づいた。
「な…」
「まぁこれで
「ここで一騎減らしちゃおうかランサー」
「承知したマスター」
上空から。
太陽でも落ちてきたかのような錯覚を受けて。
その男は君臨した。
「「!!」」
臨戦態勢をとる上条とセイバー。
「我がクラスはランサーのサーヴァント」
眩いほどの熱を放つその男は、
「時期尚早だがここが貴様の死地と知れ」
真名をカルナと言う。
学園都市の聖杯戦争
セイバー:不明
アーチャー:未召喚
ランサー:カルナ
ライダー:不明
キャスター:不明
アサシン:不明
バーサーカー :不明