決闘者も異世界から来るそうですよ?   作:フライ

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遅れてすみませんでした。
10話目です。
それではどうぞ!



第10話

「ゲームが延期?」

 

ガルドとのギフトゲームが終わり俺達はノーネーム本拠に帰ってきていた。あのあとフォレス・ガロは解散となりその傘下にあったコミュニティも名前と旗印を返された。耀の傷はノーネーム本拠に有るギフトで2、3日で治すことができるらしい。本拠の居住区画の1室で俺達は話をしていた。どうやらノーネームの昔の仲間を掛けたゲームが延期になってしまったらしい。

 

「はい・・・・・・申し込みに行った際に知りました。どうやら巨額の買い手が付いてしまったようで、このまま中止になる線もあるそうです」

 

そう言いながら黒ウサギはうさ耳を萎れさせ、口惜しそうに顔を歪めて落ち込んでいる。ソファーに座る十六夜の顔が不快そうに変わった。おそらく俺も同じような顔をしているだろう。

 

「チッ、所詮は売買組織ってことかよ。エンターテイナーとしちゃ五流もいいとこだ。サウザンドアイズは巨大コミュニティじゃなかったのか?プライドはないのかよ」

 

「仕方が無いですよ。〝サウザンドアイズ〟は群体コミュニティです。白夜叉様のように直轄の幹部が半分、傘下のコミュニティの幹部が半分です。今回の主催は〝サウザンドアイズ〟の傘下コミュニティの幹部、〝ペルセウス〟。双女神の看板に傷が付く事も気にならない程のお金やギフトを得れば、ゲームの撤回ぐらいやるでしょう」

 

十六夜と黒ウサギが話す中、俺は一つ気になる事があった。

 

「ところで、その元仲間ってどんな奴なんんだ?」

 

「そうですね………一言でいえば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのです」

 

「へえ?よく分からんが見応えは有りそうだな」

 

「それはもう!加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。近くに居るのならせめて一度お話ししたかったのですけど・・・・・・」

 

「おや、嬉しい事を言ってくれるじゃないか」

 

俺達ははっとして窓の外を見た。そこにはコンコンと叩くガラスの向こうで、にこやかに笑う金髪の少女が浮いていたのだ。跳び上がって驚いた黒ウサギは急いで窓に駆けよる。

そして窓を開けその少女を部屋の中に招き入れた。

 

「レ、レティシア様!」

 

「様はよせ。今の私は他のコミュニティに所有されている物だ」

 

そう言うとレティシアは部屋の中に入り黒ウサギの近くによる。

 

「黒ウサギ、もしかしてその娘が?」

 

「はい。この方が先程話していたレティシア様です」

 

「こんな所からの入室ですまない。黒ウサギの元仲間のレティシア・ドラクレアだ。種族は吸血鬼だ」

 

自己紹介をするレティシアに十六夜は目を細める。

 

「あぁ、だが一つ聞きたい事がある。ガルドに手を貸したのはお前か?」

 

「あぁ、君達に今のノーネームを救う力があるかどうか試させてもらった」

 

十六夜の質問にレティシアは少し申し訳なさそうに答えた。

 

「へぇ。で、結果は?」

 

「あぁ、ガルド如きでは当て馬にもならなかったよ。だから私が直接来たわけだ」

 

「ほぅ。なら」

 

「あぁ、試させてもらうぞ。お前達の力を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は住居区の建物の外に移動していた。そこには、十六夜とレティシアが対峙していた。俺、飛鳥、黒ウサギ、ジンは一箇所に集まりその様子を見守る。

 

「では始めようか」

 

レティシアはそう言うと黒い影のような翼を出現させて空へと飛んだ。

 

「へぇ?箱庭の吸血鬼には翼がはえてるのか?」

 

「あぁ、翼で飛んでいる訳ではないがな。制空権を支配されるのは不満か?」

 

「いいや。ルールにそんなのなかったしな」

 

(なるほど、気構えは十分。あとは実力が伴うか否か・・・・・・!)

 

満月を背負うレティシアは微笑と共に翼を広げ、己のギフトカードを取り出した。金と紅と黒のコントラストで彩られたギフトカードを見た黒ウサギは蒼白になって叫ぶ。

 

「レ、レティシア様!?そのギフトカードは」

 

「下がれ黒ウサギ。力試しとはいえ、これが決闘である事に変わりない」

 

ギフトカードが輝き、長柄の武具が現れる。

 

「互いにランスを一打投擲する。受け手はとめられねば敗北だ。悪いが先手は譲ってもらうぞ」

 

「好きにしな」

 

そして、レティシアは投擲用に作られたランスを掲げ

 

「ふっ!」

 

呼吸を整えランスを一気に放つ。その衝撃で空気中に視認できるほどの巨大な波紋が広まった。

ランスは一直線に十六夜に向かって落下していく。その流星の如く大気を揺らして舞い落ちる槍の先端を前に、十六夜は牙を剥いて笑い

 

「カッ、しゃらくせえ!」

 

殴りつけた。

 

『は・・・・・・!!?』

 

十六夜を除く全員が素っ頓狂な声を上げた。

槍は砕け鉄塊とかしその破片はレティシアへと向かう。

 

(これほどのものとは!?)

 

レティシアが驚愕しながらも十六夜の実力を認め、覚悟を決めたその時

 

「レティシア様!」

 

黒ウサギが二人の間に割って入り破片が当たる前にレティシアに抱きついた。バランスを崩したレティシアはそのまま黒ウサギと共に落下した。

地面に落ちると黒ウサギはレティシアのギフトカードを手に取り確認する。

 

「ギフトネーム"純血の吸血姫"。やはり、ギフトネームが変わっている。鬼種は残っているものの神格が残っていない」

 

「なんだ?ひょっとして力落ちてたのか?道理で張り合いねぇ訳だ」

 

「レティシア様、どうしてこのような事に」

 

「そ、それは・・・」

 

レティシアが返答する前に空から光が迫ってきた。レティシアは黒ウサギや俺達を庇うように前に出てその光を浴びてしまう。光が収まるとそこには、石になったレティシアが居た。

 

その時、俺の中で何かが切れた。

 

そして、タイミングを見計らったかのように甲をかぶった集団が翼の生えた靴で飛行してきた。

 

「いたぞ!吸血鬼は石化させた。すぐに捕獲しろ!」

 

「ノーネームの連中もいるようだがどうする!?」

 

「邪魔するようなら構わん、切り捨てろ!」

 

「ゴーゴンの首を掲げた旗印・・・コミュニティ"ペルセウス"」

 

「例のゲームを中止にしやがった奴らか。ハッ生まれて初めてオマケに扱われたぜ」

 

十六夜が不機嫌そうに言っているとペルセウスの集団が地面に降りてきた。

 

「それから離れろ名無し風情が。その吸血鬼は我々のコミュニティの大事な“モノ”だ」

 

「ありえな「おい」っ!」

 

黒ウサギが何か言おうとした時、俺が割って入り前に出た。

 

「いきなり出てきてレティシアをモノ扱い。しかも邪魔するなら切り捨てろだと。ふざけるのも大概にしろ!」

 

俺はかつて無いぐらい怒っていた。コイツらは許さない。

 

「フィールド魔法<破邪の魔法壁>を発動」

 

発動と共に六芒星の描かれた結界が発生した。

 

「な、なんだこれは!?」

 

「これで、お前達はもう逃げられん。黒ウサギ!」

 

「は、はい!」

 

いきなり名前を呼ばれて驚く黒ウサギ。だが今のそんなことを今の俺は気にしない。

 

「レティシアを頼むぞ!」

 

「っ!はい!」

 

黒ウサギが石化したレティシアのそばに寄りながら返事をする。どうやら察してくれたようだ。これで全力を出すことができる。

 

「貴様ら、覚悟しろ。相手フィールドにのみモンスターが存在する時このモンスターは特殊召喚できる。来い!<サイバー・ドラゴン>!」

 

「ガアァァァァァァ!」

 

サイバー・ドラゴン

レベル5

機械族

効果

ATK2100

DEF1600

攻撃表示

 

「更に魔法カード<エボリューション・バースト>を発動!その飛行ギフトを破壊する。

エボリューション・バースト!」

 

「何!?」

 

サイバー・ドラゴンがブレスを吐き連中の飛行ギフトを破壊した。落下するペルセウスの連中は地面に描かれた六芒星の上に着地する。

 

「まだだ!魔法カード発動!<パワー・ボンド>!このカードはフィールドまたは手札の機械族モンスターで融合召喚を行う。場の<サイバー・ドラゴン>1体と手札の<サイバー・ドラゴン>2体を融合」

 

更に2体のサイバー・ドラゴンが出現する。そして、3体のサイバー・ドラゴンが光の渦に吸い込まれた。

 

「現れろ!<サイバー・エンド・ドラゴン>!!」

 

「「「ガアァァァァァァァァァァ!」」」

 

サイバー・エンド・ドラゴン

レベル10

機械族

融合

効果

ATK4000

DEF2800

攻撃表示

 

現れたのは三つの首を持つ機械龍だった。一つ首のサイバー・ドラゴンは白夜叉のゲームの時も使用されたが、このモンスターは威圧感がその比ではない。

 

「な、なんだコレは!?」

 

「馬鹿な!?ノーネームがこれ程の召喚獣を使役するだと!」

 

「パワー・ボンドの効果、このカードを使用して召喚された融合モンスターの攻撃力は2倍となる更に<破邪の魔法壁>の効果で攻撃力300ポイントアップだ!」

 

ATK4000→ATK8300

 

「攻撃力を2倍にするギフト!?」

 

「おいおい、こいつは」

 

パワー・ボンドの効果にペルセウスの連中だけでなく黒ウサギや十六夜も驚きの声を上げる。

 

「バトルだ!行け!サイバー・エンド・ドラゴン!」

 

サイバーエンドがブレスの構えをとる。

ペルセウスの連中が盾を構えた。

 

「無駄だ!サイバーエンドには守備を貫通する能力がある。サイバーエンドの攻撃!

エターナル・エボリューション・バースト!!」

 

サイバー・エンド・ドラゴンのブレスがペルセウスの連中を飲み込んだ。

攻撃が止むとペルセウスの連中が気絶して倒れていた。

俺はフィールド魔法を解除して皆の所に向かう。

 

「すまない、怒りを抑えられなかった」

 

「いえ、遊さんがしていなければ黒ウサギがやっていたのですよ」

 

「あぁ、そう言ってくれると助かる」

 

「なぁ、アイツらどうするんだ」

 

「拘束してペルセウスに突き出す?」

 

「いや、それよりも白夜叉の所に行こう。もちろんアイツらは拘束してな。だがその前に、魔法カード<融合解除>を発動」

 

「ガアァァァァ!」

 

「ガアァァァァ!」

 

「ガアァァァァ!」

 

魔法カードの発動と共にサイバー・エンド・ドラゴンが3体のサイバー・ドラゴンに分離した。

 

「コイツらに見張りをさせよう」

 

「何で分離させたんだ?」

 

「<パワー・ボンド>は召喚されて一定時間たつと召喚したモンスターの攻撃力分のダメージをうけるんだ」

 

強いカードにはデメリットが付き物である。

 

「そ、そう。それじゃあジン君レティシアをお願いね」

 

「は、はい」

 

そして俺達はレティシアをジンにペルセウスの連中をサイバー・ドラゴン達に任せサウザンドアイズ支店へと向かった。

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