それではどうぞ!
「なんであの短時間に他のフォレス・ガロのリーダーに接触して喧嘩を売るなんて事になるんですか!?しかも場所は敵の本拠地で日取りは明日!?準備のためのお金も時間もありません!一体どういうつもりですか4人とも!」
「「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」」
「黙らっしゃい!」
口裏を合わせる4人に激怒する黒ウサギ。
それをニヤニヤしながら見ていた十六夜が止めに入った。
「まぁ、見境無く喧嘩売ったんじゃないんだから許してやれよ」
「十六夜さんは面白ろければいいと思っているかもしれませんが、このゲームはリスクが高すぎるうえに得られるのは自己満足だけです。見てください、この契約書類《ギアスロール》を!」
そう言って黒ウサギは、十六夜に契約書類を見せた。
「“参加者が勝利した場合、主催者は参加者の言及する罪をすべて認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する”か、確かに自己満足だな。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを負ってまで短縮させたんだからな」
ちなみに遊達のチップは“罪を黙認する”というものである。今回だけでなくこれ以降も口を閉ざさなくてはならなくなる。
「でも、時間さえ掛ければ必ず罪は暴かれます。それに人質の子供達はもう・・・・・・」
黒ウサギがそこから先を言うのを躊躇う。彼女もフォレス・ガロの噂は聞いていたが、ここまで酷いとは思わなかったのだ。
「あぁ、既に人質はこの世に居ない。そこを責めれば罪は暴けるだろうが、それでは時間が掛かり過ぎる。それに今ガルドを逃せば、いつか俺達に被害が及ぶ。それに、何より俺はあの外道が許せない!」
「はぁ〜〜。分かりました。まぁフォレス・ガロぐらいなら十六夜さん1人居れば楽勝でしょう」
俺の言葉に溜息を吐きながら了承する黒ウサギ。すると十六夜が
「何言ってんだよ。俺は参加しねえぞ」
「当たり前よ。貴方なんか参加させないわ」
「えっ、イヤイヤダメですよ!。コミュニティの仲間なんですからしっかり協力しないと!」
フン、と鼻を鳴らす2人に黒ウサギは慌てて食ってかかった。だがそれを十六夜が止める。
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。この喧嘩は、コイツらが売ってヤツらが買った。なら俺が手を出すのは無粋ってもんだろ」
「あら、わかってるじゃない」
「あぁ、もう好きにしてください」
と、呟きながら肩を落とす黒ウサギにジンが話しかけた。
「それで、これからどうするの。とりあえずコミュニティに帰る?」
「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら“サウザンドアイズ”に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと」
俺達4人は首を傾げて聞き直す。
「“サウザンドアイズ”?コミュニティの名前か?」
「YES。“サウザンドアイズ”は特殊な瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。箱庭全土に精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」
「ギフト鑑定ってのは?」
「もちろん皆さんの秘めた力や起源などを鑑定することです。自分の力を正しく把握していた方が引き出せる力は多くなりますから。それに皆さんも自分の力出処は気になるでしょう」
そう言うと黒ウサギは“サウザンドアイズ”の支店に向かって歩き出す。4人は特に異論は無いのか黒ウサギの後について行った。
目的の店が見えてくる。すると
「いぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉぉ!!
久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!!」
「イヤァァァァァァァァァ!」
店の中から1人の少女が出てきて叫びながら黒ウサギに向かって突っ込んできた。そのまま黒ウサギと少女は転がりながら浅い水路に落ちていった。
「あぁやっぱり黒ウサギは触り心地がいいのぉ。ここかここがいいのか?」
「白夜叉様!?どうしてこんな下層に!?ていうか、離れてください!」
そして黒ウサギは白夜叉と呼ばれる少女を投げ飛ばした。白夜叉は回転しなが十六夜の方に飛んでいく。それを十六夜は足で受け止めた。
「てい」
「ゴバァ!お、おんし、飛んできた美少女を足で止めるとは何様だ!」
「十六夜様だぜ。和装ロリ」
その光景を見ていた俺達3人は思い出したかのように白夜叉に話しかける。
「アンタこの店の人か?」
「おぉ、そうだとも。この“サウザンドアイズ”で白夜叉じゃ。おんしらは黒ウサギの新しい同士かの?話しなら店の中で聞こう」
こうして俺達は店の中に移動した。だが案内されたのは店の奥の和室だった。
「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で我慢してくれ」
そして俺達は部屋の中に入り座った。全員が座ったのを確認すると白夜叉が喋り出した。
「もう一度自己満足しておこうかの。私は四桁の門、3345外門に本拠を構えている。“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊した後でもちょくちょく手を貸している器の大きな美少女と認識しておいてくれ」
「はいはい、お世話になっております本当に」
黒ウサギが投げやりな言葉で返す中、耀は首を傾げていた。
「外門って何?」
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強大な力を持つ者達が住んでいるのです」
黒ウサギが書いた上空からの図を見た俺達は各々の感想を口にした。
「大きな玉ねぎかしら?」
「いや、どちらかと言えばバームクーヘンだろ」
「ああ、確かにバームクーヘンだな」
「バームクーヘン、食べたいな」
何故か耀だけ感想になっていなかった。
「面白い例え方をするのぉ。ちなみに私のいる四桁以上が上層と呼ばれる階層だ。その水樹の持ち主の神格も私が与えた恩恵なのだぞ」
そう言って白夜叉は十六夜が貰ってきた水樹を指さした。すると白夜叉の言葉に十六夜が反応する。
「へぇ? じゃあお前はあの蛇より強いのか?」
「ふふん、当然だ。私は東側の”階級支配者”だぞ。この東側で並ぶ者がいない、最強の主催者なのだからの」
“最強の主催者”それを聞いた瞬間俺達4人は目を輝かせた。
「東側最強か、ならアンタのゲームをクリア出来れば、俺達が東側最強のコミュニティってわけだ」
「無論、そうなるの」
「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けたぜ」
闘争心をむき出しにして白夜叉を見る俺達、白夜叉もそれに気がついたのか高らかと笑い声をあげた。
「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むと?」
「ちょ、ちょっと御四様方!?」
黒ウサギは慌てているが白夜叉が止める。
「よいよい黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている。だが、その前に1つ確認しなければならんことがある」
そう言うと白夜叉は袖から1枚のカードを取り出した。
「おんしらが望むのは挑戦か?それとも決闘か?」
そして、世界が破れた